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梅々

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とらいあんぐる

土沖←銀




「キスしていい?」
突拍子なく旦那が言った。ふっとそれに笑って、近づいてくる唇から僅かに顔を反らせば、頬に口付けられる。
「いけずだねぇ」
「ねぇ旦那」
ん?
と隣に座る旦那が俺を見て首をかしげる。
綺麗な月が、空に浮かんでいる。けれど雲が多く、ぼんやり眺めているうちにかげってしまう。
「綺麗な月を一瞬で消せるなら、キスぐらいは許したげやす」
「……あら物騒」
襲われて、それからずるずる求められて続く肉体関係。俺があの人を呪ったり命を狙っているのは愛情の裏返しだろうなんて近藤さんは言うけれど、あの男が俺は憎くて堪らない。姉上を選ばず、俺を手込めにしやがって。慣れた体は容易く快感を拾い、抵抗なんかできないほどに手懐けられた。
大事な仲間ではある。それに姉上のことはこじつけだ、俺は部外者でしかないんだから。それでも、憎い。俺を束縛して旦那と話しゃ仕置きだといたぶるくせに自分は女のところへ行く。俺は女なんか抱けない体になったのに。
「助けて、旦那」
「……総悟君って、性悪だな」
「あの野郎に躾られやしたから。躾直してくだせェよ」
「直んねぇだろうよ」
さわり、頬を包んで旦那が額を合わせてくる。
仰せのままに、囁いた旦那に甘えるように抱きついた。




うた恋いのオープニング好き。

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