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梅々

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美人薄命

猫良いよね~。またまた読み返してしまいました。
最終巻本当感動。あ、なんか中国語みたい。
読むたびに満たされるんだけど、何かがすり減ってしまうんですけどね、私は。何なんだろ?
なんて悩んでも仕方がないね。
・・・最近マジで猫の話ばっか。


それでは、ちょびちょび連載チックにしていきたいと願望を抱いてる土沖。










壊れることのない、不変的日々。




カインとアベルの事情





ちりん、ちりん。
九月に入ったのに未だ、風鈴を出していてもおかしくない程の暑さが続いている。立秋を過ぎて約一ヶ月も経っているのに、今年の残暑は長い。その上暑いときたら頭の螺子が束で外れてしまいそうだ。
「今日は、家に居んのか」
「ええ。バイトったってそうちょくちょくやりやせんよ。かったるい」
「・・・まぁお前のバイト儲かるしな」
たまにフラフラ出てったと思えば、次の日の朝に札束持って帰ってくる。はい、と俺に全額渡し、総悟はそのあと大抵一日中寝る。
そんなに疲れるバイトなのだろうか。出来る事なら、総悟に迷惑かけたくないし、そんなバイトさせずに済むようにしたいのだが、俳優とはいえどまだまだ新人の俺には給料らしい給料はあまりでない。
それでも、人気急上昇中らしいのだが。
「そういうアンタこそ、休みがねぇぐらい忙しくなってくんねぇと」
「まだ駆け出しだからしょうがねぇんだよ。その内お前に借りた分も熨つけて返せるようになっから」
読んでいた雑誌から顔を上げ、総悟は無表情で俺の顔をじっと見つめてくる。
「―――――じゃあその金でマイホームでも買いやすかね」
「・・・別に出てく必要ねぇだろ」
「アンタは多分有名な女優と結婚すると思うんでさァ。そんとき、俺が居たら邪魔者になっちまうだろィ?」
確かに、新婚の夫婦の家にもう一人他人が居たら邪魔で堪らないだろう。
でも。
「俺別に結婚するつもりねぇぞ、当分」
「でも、人の気持ちは変わりやすぜ」
正論なのだが、言い返したい。心がモヤモヤする。総悟が全く俺を信じようとしないからか、それともいずれ出ていくと言ったことに対してか。
―――――総悟が出ていくというのは当たり前であって、想定できる未来なのだ。
だけど、俺はそんなことこれっぽっちも考えていなかった。ずっと側にいるのだとそう信じていた。
今でも、そう信じている。

この話はよそうと話題を変え、最初話そうと思っていた事を、告げる。
「・・・どっか、出掛けるか」
「何処へ?」
「何処へでも。お前どこ行きてぇ?」
ん?と答えを促すように見つめると困惑したように、何処でもいいと呟いた。
「お前な、」
「だってアンタ、彼女に尋ねてるみてぇだから。俺、土方さんの彼女じゃねぇし」
自分が言った科白を口の中で繰り返してみる。
確かに、そう聞こえるかもしれない。でもだからと言って他にどう言えばいいのかわからない。
悩んでいると雑誌の角で頭を叩かれた。
「ってぇなァ・・・」
「横浜行きやしょ。横浜。」
「アバウト過ぎねぇか」
返事をしてくれたのは嬉しいけれどせめてもう少し具体的な場所を言ってほしい。ディズニーランドとか、動物園、水族館みたいな施設名でもいいから。
って求めてる返答が、よくデートで行く所だから総悟は言わないんだ、きっと。
「横浜は良いですぜ?中華街にショッピングモール、あ、観覧車もありやすよね」
「・・・じゃあ横浜行くか」
立ち上がり、支度しようとしたらシャツの端を強く掴まれた。シャツ伸びる、ってか声かけりゃいいのに。多分、というか確実に嫌がらせの意も含んでいるのだろうけどやっぱ声をかけろよ、というかかけて欲しい。
と文句を舌の上で転がしながら振り返る。
「何だよ」
「今から行くんで?」
「当たり前だろ」
「・・・じゃあそう言いなせぇ。此方だって支度しねぇとなんねぇんですぜ?」
やれやれと立ち上がる姿にムカッとした。けれどまぁ言葉が足りない自分も悪いんだし、と自分自身をなんとかなだめる。
「ささ、行きやしょう」
「ちょっと待て・・・って早くね?」
「そうですかィ?早くしなせぇよアンタ」
ほらほら、と背中を押され、寝室に連れて行かれる。どこか浮かれているように思えるのは気のせいだろうか?
いつにもまして無表情なのがはしゃいでいるのを隠そうとしているように見える。素直に喜べばいいのに。甘えてくりゃ、俺だってそれなりには・・・なんて考えて、そんなことはありえないなと思う。
天邪鬼じゃなければコイツではないんだから。
「なんなら手伝ってやりやしょうかィ?」
黙考する俺を見かねてか、総悟は俺の衣装箪笥から適当に服を取り、ベッドの上に投げた。それは総悟が前に見立てた物で、マジでデートみたいだな、なんて思って一人赤面した。
「はい、ばんざいしなせぇ」
「何でだよ」
「脱がしてやりまさァ」
「・・・いい。自分でやる」
Tシャツを脱ぎ、無造作に置かれているシャツを手に取る。
熱い視線を感じて、思わず尋ねる。
「何見てんだよ」
「・・・見て犯してぇ気分なんでさァ。略して視姦?」
「・・・あ、そ」
何も言う気になれなくて、後ろを向いてさっさと着替えた。
その間中熱い視線を感じて心拍数が上がる。気にしないよう努力しようとしても、更に意識してしまう。

「ほら、行くぞ」
「へい。あ、カメラ買ってくだせぇ。記念に撮りたいんで」
「・・・ったくしょうがねぇなァ」
二人で出掛ける機会なんざ滅多に無くて、それだけにこんな、はしゃいでる姿が可愛いと思える。

邪魔な携帯に見送りさせて、二人で騒ぎながら外へ出た。

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