梅々
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立夏の誕生日!
家族で江ノ島のイルミネーション見に行ってきました!
あまりにも綺麗だから大高土沖にデートさせることにしました。
あと冬至なので、それも混ぜてみました。
というわけで土沖。濡れ場を後回しに甘々を書いてみた。
あまりにも綺麗だから大高土沖にデートさせることにしました。
あと冬至なので、それも混ぜてみました。
というわけで土沖。濡れ場を後回しに甘々を書いてみた。
一番長い夜を美しい月の下、一人占めしたい
月の傍らで
重たい気持ちを引き摺って家へ帰る。今日で学校は終わりかと思っていたら24日のクリスマスイブに終業式があるらしくて。てっきり今日を限りに今年はもう学校に行かずに済むと思っていたのに。あーあ、と足元の小石を蹴った。
家に帰ると姉上は出掛けているのかいなくて、落ち込んだ気持ちに暗い静かな部屋が拍車をかける。
制服を脱いでそのまま、ベッドに倒れ込む。年賀状でも書いたらポケモンでもやるかな、悩んでいると、携帯が鳴った。
あの人専用の着信音に、胸がドキリとした。
「はい、」
「総悟、今夜泊まりに来れるか?」
「・・・多分大丈夫だと思いまさァ」
逸る気持ちを全力で押さえつけて、努めて普通の声色で返事した。だって、クリスマスはどうせ忙しいだろうから会えないと思っていた、勝手に。どうしよう何着ようか。頭の中で真剣に悩む。
きっと今面と向かったなら変なことを口走ってしまう、そう思うぐらいに浮かれてる。
「じゃあ今から迎えに行くから」
「分かりやした!」
今から迎えに来ると言っても電車で五駅。支度を終え駅まで出向くぐらいできる。
電話を切ってからの行動はいつでも迅速だ。急いで着替えて準備してあるお泊まりセットを鞄に突っ込む。鏡の前で前髪とか見るのには時間をかけてから、外へ出る。
二十分、駅まで歩く。切符を買って改札に入ると、丁度わんさか溢れてきた人混みの中に姿を見つけた。
気付け、念を送ると同時に土方さんが此方を向いて、嬉しくなる。
「丁度だな」
「読み、すごいでしょう?」
「そういうのを別ン所で生かしゃあいいのに」
「うるさいなァ」
連れ立って、今土方さんが来たのとは逆のホームへ続く階段を下りた。
大学生になったら、バイトしたり時間割が自由だったり、とにかく余裕が持てるのだろうと漠然とそう思っていた。でも実際は、そのバイトが忙しかったりレポートが沢山あったり、全然余裕なんてないらしい、土方さんの場合。高校生って案外楽なものらしい。とてもそうは思えないけど。
俺は暇な分、土方さんに会いたくて堪らなくて、四六時中ずっとってわけでもないけれど割と大抵、土方さんのことを考えていたりする。そしてヒヤヒヤする。見た目は良くて優しいこの人が、誰か他人に心を向けていやしないか。
「昼は?」
「まだでさ」
「うちにサンドイッチあるけど」
「食べたい!」
歩くときは俺に車道側を歩かせない。店に入るときは、扉を開けてくれる。でも俺が先に行くと困るところの場合は導いてくれる。
そこまで紳士な応対をしないで、もっと粗雑に扱ってくれてもいい、俺は、壊れ物じゃないから。そう思うけれど全て素の行動らしいので文句は言えないし言わない。
昼を軽く摘まんでそのままごろごろして。
そろそろ風呂に入る時間、というところでパソコンにかじりついていた土方さんが声を発した。
寝っ転がった体勢のまま土方さんに顔を向ける。
「出掛けっか」
「何処へ?」
「夜景が綺麗らしい」
土方さんが言うなら綺麗なのだろう。少し億劫だとも思うけれど折角の提案だし。こくり、首を縦に振る。
すると珍しく土方さんが微笑んだ。
嬉しいのか、と思うとじわじわ言葉にできない気持ちが胸に満ちて、土方さんから顔を背ける。恥ずかしくて直視できない、なんて程のものではないのに。
パソコンを使ったり勉強する時にだけかける眼鏡を畳んで、土方さんは立ち上がる。その足元を目で追っていると目の前で立ち止まった。くしゃり、頭を撫でられる。
「ほら、行くぞ」
「へーい」
立ち上がりながら乱れた髪を手櫛で整える。
今度は車で行くらしい。ペアキーホルダーの片割れのついた鍵を手にして外へ出る、その後に続く。
助手席に置きっぱなしのクッションを抱えて、丁度良い角度にしてあるシートに腰かける。
大学生で一人暮し、その上お下がりだろうが車を持っている。なんて贅沢な人なんだろう。恵まれてるんだなと思わずにはいられない。
快調に流れていく景色を眺めていると、緩やかに車が停車する。真ん丸いお月様に見惚れていると、冷たい手が頬を撫でた。
なんですかィ、問いかけるとなんだか無愛想に別にと返される。変なの、呟いたら、耳元で音がした。ちゅっ、と可愛らしく。
耳朶に触れた唇がそのままの位置で此方を向けと囁いた。逆らえないような甘い声に、のろのろと顔を向ければ期待通りに唇に、それが重なった。柔らかく、温かい。後ろから見える、とか思ってもそんなことに頓着していられない。久々のキスに嬉しさが募る。
離れ際にぺろり、大きく一舐めされて小さく声が零れた俺を、土方さんが笑う。
それから少し走って、橋を渡り駐車場に入った。海風が身に染みるかと思っていたけれど、今日は暖かくて、そんなことはない。
「綺麗だろ」
「ホントでさァ!」
指先が示す方に顔を向けると、灯台が上品にライトアップされていて綺麗だった。これを見に来たかったのか。江ノ島だなんて、本当に土方さんはベタなのとか気障なのが好きだ。
灯台の元へ繋がる道へ入る。前に昼間、友達と来たときは様々な土産物屋が活気よく人も多くいたのに今は、人も少ないし大体が閉まっている。こう静かなのもいいかも。自由気儘に歩いている猫を目で追っていると、左手を握られた。
人は少ないけどこんなところで!と抵抗しても離してくれない。
「大丈夫だから、たまにはいいだろ」
「・・・そんなに可愛い恋人と手を繋ぎたいんですかィ」
照れ隠しに言ってやる。繋いだ指がピクリ、と動いて、でもそのまま沈黙が続いた。流しやがったと思うと同時に、そうだよ、なんて返り言を寄越された。
「えっ、」
「繋ぎたいんだよ、おまえと」
階段を昇る足がつるりと滑る。体勢を崩した俺を繋いだ片手だけで支えながら、土方さんは続けた。
「夜なら、見えないから」
そう言っても。階段を登り終えると、イルミネーションの綺麗な庭園が視界に入って思わず、歩みを止めてしまう。こんな明るいと絶対見られる。なのに土方さんは手を繋いだまま離してくれる気配はない。
星形の飾りが木に飾られて、キラキラと幻想的に光る。庭園にもたくさんの明かりが煌めいて、デートスポットらしい感じがした。うまくは言えないけれど。
「綺麗でさ!」
「だろ? おまえが喜ぶと思って」
さらりと言って、奥へ進む。展望台のようなところから見える風景も、凄く幻想的だった。満月が夜の海を照らし、人工の明かりが街を照らしている。身を乗り出して見ると支えるように腰に手が回されてどきっとした。
今日は土方さんにドキドキしっぱなしな気がする。
「灯台、見ようぜ」
「へい!」
坂を登り階段も登り、上まで行くとよりはっきりと灯台が見えた。入園料を払い灯台のある花園へ入ると、そこもまた鮮やかに煌めいていた。ピンクのクリスマスツリーだとか、スワンカップルに鹿のカップルのイルミネーションだとか、あちこちがキラキラ輝いていて。
光のトンネルをくぐると灯台の真下につく。サーチライトがぐるぐる回って、ここから見ると空を照らしている。
「すごいでさァ・・・!」
携帯を出して写真を撮っていると、急に後ろから包むように抱き締められて今度こそ人目を気にしてキョロキョロ辺りを見回す。少し小道に入ったところだからか、誰もいない。
土方の匂いがする。胸をいっぱいに満たしてから、携帯をしまう。
「なにしてんですかィ」
「今日は冬至らしい」
「今日だったんですねィ。じゃあ柚子湯入んないと」
「だから、一年で一番夜が長い日におまえの傍にいたくなった」
「っ、」
抱き締める力が強まった。後ろからで良かった、瞬時に真っ赤になった顔をみられずに済む。
なんでこの人はこんなにも気障なんだろう。恥ずかしくて恥ずかしくて、それに比例するぐらい愛しくて。
仕返しを、してやりたくなった。
「俺も、アンタの長い夜を一人占めできて幸せでさァ」
「っ・・・帰ったら一緒に柚子湯入るか」
「いいですぜ」
首筋をちぅ、と吸われて身を捩る。
ちらり、土方さんを見遣ると優しく微笑みながら好きだ、と囁かれた。
月の傍らで
重たい気持ちを引き摺って家へ帰る。今日で学校は終わりかと思っていたら24日のクリスマスイブに終業式があるらしくて。てっきり今日を限りに今年はもう学校に行かずに済むと思っていたのに。あーあ、と足元の小石を蹴った。
家に帰ると姉上は出掛けているのかいなくて、落ち込んだ気持ちに暗い静かな部屋が拍車をかける。
制服を脱いでそのまま、ベッドに倒れ込む。年賀状でも書いたらポケモンでもやるかな、悩んでいると、携帯が鳴った。
あの人専用の着信音に、胸がドキリとした。
「はい、」
「総悟、今夜泊まりに来れるか?」
「・・・多分大丈夫だと思いまさァ」
逸る気持ちを全力で押さえつけて、努めて普通の声色で返事した。だって、クリスマスはどうせ忙しいだろうから会えないと思っていた、勝手に。どうしよう何着ようか。頭の中で真剣に悩む。
きっと今面と向かったなら変なことを口走ってしまう、そう思うぐらいに浮かれてる。
「じゃあ今から迎えに行くから」
「分かりやした!」
今から迎えに来ると言っても電車で五駅。支度を終え駅まで出向くぐらいできる。
電話を切ってからの行動はいつでも迅速だ。急いで着替えて準備してあるお泊まりセットを鞄に突っ込む。鏡の前で前髪とか見るのには時間をかけてから、外へ出る。
二十分、駅まで歩く。切符を買って改札に入ると、丁度わんさか溢れてきた人混みの中に姿を見つけた。
気付け、念を送ると同時に土方さんが此方を向いて、嬉しくなる。
「丁度だな」
「読み、すごいでしょう?」
「そういうのを別ン所で生かしゃあいいのに」
「うるさいなァ」
連れ立って、今土方さんが来たのとは逆のホームへ続く階段を下りた。
大学生になったら、バイトしたり時間割が自由だったり、とにかく余裕が持てるのだろうと漠然とそう思っていた。でも実際は、そのバイトが忙しかったりレポートが沢山あったり、全然余裕なんてないらしい、土方さんの場合。高校生って案外楽なものらしい。とてもそうは思えないけど。
俺は暇な分、土方さんに会いたくて堪らなくて、四六時中ずっとってわけでもないけれど割と大抵、土方さんのことを考えていたりする。そしてヒヤヒヤする。見た目は良くて優しいこの人が、誰か他人に心を向けていやしないか。
「昼は?」
「まだでさ」
「うちにサンドイッチあるけど」
「食べたい!」
歩くときは俺に車道側を歩かせない。店に入るときは、扉を開けてくれる。でも俺が先に行くと困るところの場合は導いてくれる。
そこまで紳士な応対をしないで、もっと粗雑に扱ってくれてもいい、俺は、壊れ物じゃないから。そう思うけれど全て素の行動らしいので文句は言えないし言わない。
昼を軽く摘まんでそのままごろごろして。
そろそろ風呂に入る時間、というところでパソコンにかじりついていた土方さんが声を発した。
寝っ転がった体勢のまま土方さんに顔を向ける。
「出掛けっか」
「何処へ?」
「夜景が綺麗らしい」
土方さんが言うなら綺麗なのだろう。少し億劫だとも思うけれど折角の提案だし。こくり、首を縦に振る。
すると珍しく土方さんが微笑んだ。
嬉しいのか、と思うとじわじわ言葉にできない気持ちが胸に満ちて、土方さんから顔を背ける。恥ずかしくて直視できない、なんて程のものではないのに。
パソコンを使ったり勉強する時にだけかける眼鏡を畳んで、土方さんは立ち上がる。その足元を目で追っていると目の前で立ち止まった。くしゃり、頭を撫でられる。
「ほら、行くぞ」
「へーい」
立ち上がりながら乱れた髪を手櫛で整える。
今度は車で行くらしい。ペアキーホルダーの片割れのついた鍵を手にして外へ出る、その後に続く。
助手席に置きっぱなしのクッションを抱えて、丁度良い角度にしてあるシートに腰かける。
大学生で一人暮し、その上お下がりだろうが車を持っている。なんて贅沢な人なんだろう。恵まれてるんだなと思わずにはいられない。
快調に流れていく景色を眺めていると、緩やかに車が停車する。真ん丸いお月様に見惚れていると、冷たい手が頬を撫でた。
なんですかィ、問いかけるとなんだか無愛想に別にと返される。変なの、呟いたら、耳元で音がした。ちゅっ、と可愛らしく。
耳朶に触れた唇がそのままの位置で此方を向けと囁いた。逆らえないような甘い声に、のろのろと顔を向ければ期待通りに唇に、それが重なった。柔らかく、温かい。後ろから見える、とか思ってもそんなことに頓着していられない。久々のキスに嬉しさが募る。
離れ際にぺろり、大きく一舐めされて小さく声が零れた俺を、土方さんが笑う。
それから少し走って、橋を渡り駐車場に入った。海風が身に染みるかと思っていたけれど、今日は暖かくて、そんなことはない。
「綺麗だろ」
「ホントでさァ!」
指先が示す方に顔を向けると、灯台が上品にライトアップされていて綺麗だった。これを見に来たかったのか。江ノ島だなんて、本当に土方さんはベタなのとか気障なのが好きだ。
灯台の元へ繋がる道へ入る。前に昼間、友達と来たときは様々な土産物屋が活気よく人も多くいたのに今は、人も少ないし大体が閉まっている。こう静かなのもいいかも。自由気儘に歩いている猫を目で追っていると、左手を握られた。
人は少ないけどこんなところで!と抵抗しても離してくれない。
「大丈夫だから、たまにはいいだろ」
「・・・そんなに可愛い恋人と手を繋ぎたいんですかィ」
照れ隠しに言ってやる。繋いだ指がピクリ、と動いて、でもそのまま沈黙が続いた。流しやがったと思うと同時に、そうだよ、なんて返り言を寄越された。
「えっ、」
「繋ぎたいんだよ、おまえと」
階段を昇る足がつるりと滑る。体勢を崩した俺を繋いだ片手だけで支えながら、土方さんは続けた。
「夜なら、見えないから」
そう言っても。階段を登り終えると、イルミネーションの綺麗な庭園が視界に入って思わず、歩みを止めてしまう。こんな明るいと絶対見られる。なのに土方さんは手を繋いだまま離してくれる気配はない。
星形の飾りが木に飾られて、キラキラと幻想的に光る。庭園にもたくさんの明かりが煌めいて、デートスポットらしい感じがした。うまくは言えないけれど。
「綺麗でさ!」
「だろ? おまえが喜ぶと思って」
さらりと言って、奥へ進む。展望台のようなところから見える風景も、凄く幻想的だった。満月が夜の海を照らし、人工の明かりが街を照らしている。身を乗り出して見ると支えるように腰に手が回されてどきっとした。
今日は土方さんにドキドキしっぱなしな気がする。
「灯台、見ようぜ」
「へい!」
坂を登り階段も登り、上まで行くとよりはっきりと灯台が見えた。入園料を払い灯台のある花園へ入ると、そこもまた鮮やかに煌めいていた。ピンクのクリスマスツリーだとか、スワンカップルに鹿のカップルのイルミネーションだとか、あちこちがキラキラ輝いていて。
光のトンネルをくぐると灯台の真下につく。サーチライトがぐるぐる回って、ここから見ると空を照らしている。
「すごいでさァ・・・!」
携帯を出して写真を撮っていると、急に後ろから包むように抱き締められて今度こそ人目を気にしてキョロキョロ辺りを見回す。少し小道に入ったところだからか、誰もいない。
土方の匂いがする。胸をいっぱいに満たしてから、携帯をしまう。
「なにしてんですかィ」
「今日は冬至らしい」
「今日だったんですねィ。じゃあ柚子湯入んないと」
「だから、一年で一番夜が長い日におまえの傍にいたくなった」
「っ、」
抱き締める力が強まった。後ろからで良かった、瞬時に真っ赤になった顔をみられずに済む。
なんでこの人はこんなにも気障なんだろう。恥ずかしくて恥ずかしくて、それに比例するぐらい愛しくて。
仕返しを、してやりたくなった。
「俺も、アンタの長い夜を一人占めできて幸せでさァ」
「っ・・・帰ったら一緒に柚子湯入るか」
「いいですぜ」
首筋をちぅ、と吸われて身を捩る。
ちらり、土方さんを見遣ると優しく微笑みながら好きだ、と囁かれた。
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