梅々
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琵琶湖
鴨さァァァァァんッ!!
沖田大好きだァァァァァッ!!!!
辛さも何もかもドSパワーにより吹っ飛ぶゼ★
なんて馬鹿げたテンションはいつまでももたないけど今日の銀魂はヤバかった。バス一本来なくて遅刻しそうになった今朝のブルーな気持ちも皆無。
鈴村さんすごいね。銀魂の声優陣は適材適所だと思う。
土方と鴨さんのあのシーンとか。無垢な瞳してジュースぶくぶくしてるドS王子とか。
最高。
この二文字に今日のトキメキを全て注いだ。
あと、沖田の鴨さんへの目配せが良かった。裏で何かあったのだよ・・・。土方君の知らない所で密談してたのだよ・・・。
書きたいッ!!土沖前提の鴨沖書きたい!
一番しっくりくるのは鴨さん×土方だけどね。
私の中で鴨さんはロリショタだから。「沖田君にセーラー服を・・・」とかチラリと考えてもらいたいものです。3Zで書こうかな。
でもその前に沖土連載だ。
それでは、百人一首になる予定は無かった土+沖。土沖、かな?
沖田大好きだァァァァァッ!!!!
辛さも何もかもドSパワーにより吹っ飛ぶゼ★
なんて馬鹿げたテンションはいつまでももたないけど今日の銀魂はヤバかった。バス一本来なくて遅刻しそうになった今朝のブルーな気持ちも皆無。
鈴村さんすごいね。銀魂の声優陣は適材適所だと思う。
土方と鴨さんのあのシーンとか。無垢な瞳してジュースぶくぶくしてるドS王子とか。
最高。
この二文字に今日のトキメキを全て注いだ。
あと、沖田の鴨さんへの目配せが良かった。裏で何かあったのだよ・・・。土方君の知らない所で密談してたのだよ・・・。
書きたいッ!!土沖前提の鴨沖書きたい!
一番しっくりくるのは鴨さん×土方だけどね。
私の中で鴨さんはロリショタだから。「沖田君にセーラー服を・・・」とかチラリと考えてもらいたいものです。3Zで書こうかな。
でもその前に沖土連載だ。
それでは、百人一首になる予定は無かった土+沖。土沖、かな?
ザワザワと心が騒ぐ。
ハラリと散った桜が猪口に落ち、無色の酒の水面に波紋が広がる。
昼間なら綺麗だと思える桜も、月下だと忌まわしいだけ。
─────格子の向こうの闇、それを照らす薄い月。交わり落ちる、薄紅と純白。
小さな手じゃ、届かなかった外の世界。羨望と諦めに揺れていたあの頃、自由になれるとは思っていなかった。
徒桜
「・・・お前、呑みすぎ」
呆れたと顔にでかでかと書いた上司が、ひたひたと縁側を歩み寄ってくる。返事の代わりに、所在なさげに置かれていた空の猪口を自分の物と持ち換え、酒を注いであった場所に置いてやる。ちょうどそのタイミングで土方は数分前まで自分が座っていた沖田の隣に敷かれている座布団の上、胡坐をかいた。
「呑まねぇとやってらんねぇんでさ。それより見てくだせぇ。雅だろィ? 豊玉センセ」
一口煽ったのを見てからずずいと土方の方へ身を乗り出し、舞い降りた桜の浮かぶ猪口を見せ揶揄するように雅号を呼ぶ。
この手の話題を土方は好まない。自分が俳諧を詠んでいることを隠していて、近藤にさえも告げていない。ただし、土方にとっては災難なことに沖田だけは偶然句集を見付け、知っている。誰よりも知られたくないであろう人間に、偶然という形で秘密が露見してしまった土方は大層哀れだ。
「やってらんねぇだァ? お気楽人間がよく言うな。俺の方が呑まなきゃやってけねぇよ」
「気楽だなんてひでぇ言い方ですねィ。俺はこれでも苦労してきてんですぜ」
土方が知ったのは此方へ出てきてからのことだろう。とある晩を境に、少しだけ俺に対する言動に優しさを滲ますようになった。
廓に居たのは二年足らずだったけれど、それでも鮮明に憶えている。白粉に紅、豪華絢爛な振袖を艶やかに着こなした太夫に囲まれた日々。物心がついたのもちょうどこの頃だった気がする。
妾の子。そう義母に言われたけれど厳密には違う。母と父が愛し合っていたのを知っていた義母が親の財産・権力で母から父を奪ったのだ。そして母を“妾”にしたのも彼女らしい。要するに、義母は想いを寄せていた父を奪われたはらいせに母を自分より身分が下になるよう仕向けたのだ。
早くに父と母が亡くなると彼女は体の弱い姉の為に働けと俺を廓に売った。まだ片手で数えられる程の齢だった俺は客は取らされても体は売らずにすんだ。中々売れていたらしくお茶を引く(一晩中客が来ない)ことはなかった。それでも、どんなにきらきらしていて華々しくても廓は俺にとって牢獄でしかなかった。
二年程して、姉上が俺を探し出してくれた時には既に姉上だけしか家にいなかった。今頃天国で再会しているのだろう、とぼんやり考えたのを今でも覚えている。
年季は未だだったけれど俺が幼かったのと廓の主が情に脆かったお陰で何とか帰ることができたのだと、そして母を義母が陥れたことを知ったのは此方へ出てくる年の正月だった。陥れた、という言い方には語弊があるのだろう。義母は体の弱かった母、そして姉上を労っていたし、誰も彼女を恨んだりしてはいない。
「夜の桜は嫌いなんでさァ」
「・・・だったら断りゃ良かっただろ」
苦虫を噛み潰したような顔をして、土方は不機嫌そうに呟く。感情の起伏が激しい隣人に、今夜呑まないかと言われたのは午睡を邪魔されて殺気立っていたときだ。機嫌とり、というよりもただ単に呑みたかっただけだろう、下戸なこの人にしては珍しい。
花弁ごと酒を煽り、舌の上にくっついた花びらをどうしようか悩んだ末指先で摘み、濡れた薄紅色を目の前にかざす。
掴みたくて、格子の隙間から手を伸ばしても届かなかったのに。今はこんなにも容易く触れて、間近で見ることが出来る。
「・・・何で花街なんざに行くんでしょうねェ」
「無視した上に嫌味かコラ」
「だって、あんなんただの疑似恋愛じゃねぇかィ。金で繋がる関係だろィ? 買う方の気がしれねぇや」
「・・・まぁ、現実逃避の一種とか、手軽な関係だからとか色々な」
「───土方さん。あんたは俺に、いくらまでなら出せやすか」
口元に猪口を運んでいた手がピタリと止まった。馬鹿じゃねぇの。と一蹴されると思ったのだが、どうやら酒が入った所為で真面目に考えているようだ。
一万。それ以上なら高いだろう。相場よりも格段と安いがそれでも、充分だ。手練手管はそれなりには備わっているけれど男で、ヤることも出来ない俺を買うには。
喉を潤わすように一口飲み込み、コトリと土方は猪口を置いた。最後の一滴を注いでいた俺は、空の瓶を傍らに置き、土方の顔をじぃっと見つめる。視線を気にしていないように夜桜を眺めたまま、土方は此方を向かない。
「金なんざ出さねぇよ」
やっぱり。土方にとっては一文にもならないから当たり前だ。金を払ってまで傍にいたいとは思わないだろう。逆に、何処か行ってくれと思うようなことはあっても。
タダより高い物は無いんですぜ。言おうとして土方が真剣な眼差しで此方を見た。
「勘違いすんなよ。てめぇがもしそんな風に売られてたら拐って一生面倒見てやるっつーの」
「・・・・・・」
それは、つまり。
見請けする、ということにならないか─────?
思考停止した俺に、追い討ちの如く土方は言う。
「ありったけの稼ぎ注ぎ込んで、綺麗な着物着せて囲うなんてのもいいよな」
愛されている。と、思うのは自惚れか。清らかなまま“日常”に帰ってきたこの体は既に、土方によって男を知らされている。からかい半分で自分から誘ってみたのだから土方は被害者にあたるのかもしれないが、何も言わず、今も極稀に体を重ねたりしている。
おかしいな、と思っていたがそうなら辻褄が合う。しかし、現実はそんなに面白い物ではない。
気まぐれに、問うてみる。
「あんた俺のこと好きなんで?」
「・・・さぁ、どうだかな」
最後の一杯を呑み干した土方は立ち上がり、酔いを見せない足取りで空の瓶と自分の猪口を手に取り自室へと歩き出す。
一生分の金を出すと言ったのが真実か、曖昧な関係が本当か。珍しく、土方の嘘が暴けない。
久々に酒に呑まれたのだろうか、立ち上がろうとしてフラリとよろめく。徐に顔を上げると、疾うに自室へ戻ったはずの上司が此方を見ていた。
「大丈夫かよ。・・・俺の部屋で休むか?」
「・・・もっと色っぽく誘ってくんねぇと飽きられちまいやすぜ? 色男サン」
「昔のことなんざ考えらんねぇぐらい安眠させてやるよ。その代わりイイ声聞かせろよ? ・・・ま、興醒めしねぇように、精々頑張るんだな」
「土方さんこそ。安眠出来なかったら情死させるんで」
「お前の上でか? そりゃあいいな」
戯言しか言わないのだ。口をついて出るのは甘言ばかり。
真に受けて、堕ちた方が敗けの疑似恋愛。
危うく堕ちかけた俺の頬を撫でるように、桜が吹雪いた。
もろともに あはれと思へ 山桜
花よりほかに 知る人もなし
#66
ハラリと散った桜が猪口に落ち、無色の酒の水面に波紋が広がる。
昼間なら綺麗だと思える桜も、月下だと忌まわしいだけ。
─────格子の向こうの闇、それを照らす薄い月。交わり落ちる、薄紅と純白。
小さな手じゃ、届かなかった外の世界。羨望と諦めに揺れていたあの頃、自由になれるとは思っていなかった。
徒桜
「・・・お前、呑みすぎ」
呆れたと顔にでかでかと書いた上司が、ひたひたと縁側を歩み寄ってくる。返事の代わりに、所在なさげに置かれていた空の猪口を自分の物と持ち換え、酒を注いであった場所に置いてやる。ちょうどそのタイミングで土方は数分前まで自分が座っていた沖田の隣に敷かれている座布団の上、胡坐をかいた。
「呑まねぇとやってらんねぇんでさ。それより見てくだせぇ。雅だろィ? 豊玉センセ」
一口煽ったのを見てからずずいと土方の方へ身を乗り出し、舞い降りた桜の浮かぶ猪口を見せ揶揄するように雅号を呼ぶ。
この手の話題を土方は好まない。自分が俳諧を詠んでいることを隠していて、近藤にさえも告げていない。ただし、土方にとっては災難なことに沖田だけは偶然句集を見付け、知っている。誰よりも知られたくないであろう人間に、偶然という形で秘密が露見してしまった土方は大層哀れだ。
「やってらんねぇだァ? お気楽人間がよく言うな。俺の方が呑まなきゃやってけねぇよ」
「気楽だなんてひでぇ言い方ですねィ。俺はこれでも苦労してきてんですぜ」
土方が知ったのは此方へ出てきてからのことだろう。とある晩を境に、少しだけ俺に対する言動に優しさを滲ますようになった。
廓に居たのは二年足らずだったけれど、それでも鮮明に憶えている。白粉に紅、豪華絢爛な振袖を艶やかに着こなした太夫に囲まれた日々。物心がついたのもちょうどこの頃だった気がする。
妾の子。そう義母に言われたけれど厳密には違う。母と父が愛し合っていたのを知っていた義母が親の財産・権力で母から父を奪ったのだ。そして母を“妾”にしたのも彼女らしい。要するに、義母は想いを寄せていた父を奪われたはらいせに母を自分より身分が下になるよう仕向けたのだ。
早くに父と母が亡くなると彼女は体の弱い姉の為に働けと俺を廓に売った。まだ片手で数えられる程の齢だった俺は客は取らされても体は売らずにすんだ。中々売れていたらしくお茶を引く(一晩中客が来ない)ことはなかった。それでも、どんなにきらきらしていて華々しくても廓は俺にとって牢獄でしかなかった。
二年程して、姉上が俺を探し出してくれた時には既に姉上だけしか家にいなかった。今頃天国で再会しているのだろう、とぼんやり考えたのを今でも覚えている。
年季は未だだったけれど俺が幼かったのと廓の主が情に脆かったお陰で何とか帰ることができたのだと、そして母を義母が陥れたことを知ったのは此方へ出てくる年の正月だった。陥れた、という言い方には語弊があるのだろう。義母は体の弱かった母、そして姉上を労っていたし、誰も彼女を恨んだりしてはいない。
「夜の桜は嫌いなんでさァ」
「・・・だったら断りゃ良かっただろ」
苦虫を噛み潰したような顔をして、土方は不機嫌そうに呟く。感情の起伏が激しい隣人に、今夜呑まないかと言われたのは午睡を邪魔されて殺気立っていたときだ。機嫌とり、というよりもただ単に呑みたかっただけだろう、下戸なこの人にしては珍しい。
花弁ごと酒を煽り、舌の上にくっついた花びらをどうしようか悩んだ末指先で摘み、濡れた薄紅色を目の前にかざす。
掴みたくて、格子の隙間から手を伸ばしても届かなかったのに。今はこんなにも容易く触れて、間近で見ることが出来る。
「・・・何で花街なんざに行くんでしょうねェ」
「無視した上に嫌味かコラ」
「だって、あんなんただの疑似恋愛じゃねぇかィ。金で繋がる関係だろィ? 買う方の気がしれねぇや」
「・・・まぁ、現実逃避の一種とか、手軽な関係だからとか色々な」
「───土方さん。あんたは俺に、いくらまでなら出せやすか」
口元に猪口を運んでいた手がピタリと止まった。馬鹿じゃねぇの。と一蹴されると思ったのだが、どうやら酒が入った所為で真面目に考えているようだ。
一万。それ以上なら高いだろう。相場よりも格段と安いがそれでも、充分だ。手練手管はそれなりには備わっているけれど男で、ヤることも出来ない俺を買うには。
喉を潤わすように一口飲み込み、コトリと土方は猪口を置いた。最後の一滴を注いでいた俺は、空の瓶を傍らに置き、土方の顔をじぃっと見つめる。視線を気にしていないように夜桜を眺めたまま、土方は此方を向かない。
「金なんざ出さねぇよ」
やっぱり。土方にとっては一文にもならないから当たり前だ。金を払ってまで傍にいたいとは思わないだろう。逆に、何処か行ってくれと思うようなことはあっても。
タダより高い物は無いんですぜ。言おうとして土方が真剣な眼差しで此方を見た。
「勘違いすんなよ。てめぇがもしそんな風に売られてたら拐って一生面倒見てやるっつーの」
「・・・・・・」
それは、つまり。
見請けする、ということにならないか─────?
思考停止した俺に、追い討ちの如く土方は言う。
「ありったけの稼ぎ注ぎ込んで、綺麗な着物着せて囲うなんてのもいいよな」
愛されている。と、思うのは自惚れか。清らかなまま“日常”に帰ってきたこの体は既に、土方によって男を知らされている。からかい半分で自分から誘ってみたのだから土方は被害者にあたるのかもしれないが、何も言わず、今も極稀に体を重ねたりしている。
おかしいな、と思っていたがそうなら辻褄が合う。しかし、現実はそんなに面白い物ではない。
気まぐれに、問うてみる。
「あんた俺のこと好きなんで?」
「・・・さぁ、どうだかな」
最後の一杯を呑み干した土方は立ち上がり、酔いを見せない足取りで空の瓶と自分の猪口を手に取り自室へと歩き出す。
一生分の金を出すと言ったのが真実か、曖昧な関係が本当か。珍しく、土方の嘘が暴けない。
久々に酒に呑まれたのだろうか、立ち上がろうとしてフラリとよろめく。徐に顔を上げると、疾うに自室へ戻ったはずの上司が此方を見ていた。
「大丈夫かよ。・・・俺の部屋で休むか?」
「・・・もっと色っぽく誘ってくんねぇと飽きられちまいやすぜ? 色男サン」
「昔のことなんざ考えらんねぇぐらい安眠させてやるよ。その代わりイイ声聞かせろよ? ・・・ま、興醒めしねぇように、精々頑張るんだな」
「土方さんこそ。安眠出来なかったら情死させるんで」
「お前の上でか? そりゃあいいな」
戯言しか言わないのだ。口をついて出るのは甘言ばかり。
真に受けて、堕ちた方が敗けの疑似恋愛。
危うく堕ちかけた俺の頬を撫でるように、桜が吹雪いた。
もろともに あはれと思へ 山桜
花よりほかに 知る人もなし
#66
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