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梅々

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次はバレンタイン・・。

Xにめちゃくちゃはまりました。
封真と神威が好き。
土方と沖田に似てない?
いっその事、パロ書いちゃう?
誰か、かいてくださーいっ!

小説。次は沖土かきたい。











耳元に響く歌声が、とても綺麗だったのを今でも覚えている。

夢の欠片

「♪~♪♪~♪」

首筋に微妙な具合で息がかかっていてこそばゆい。が、機嫌よく歌っている沖田には勿論言えない。

「・・・土方」

「・・・呼び捨てかよ」

ふと歌が止んだかと思うと初めて名を呼ばれた。歌の余韻が残る声で、いつも暴言を吐いてくる声とは全く違う。近藤さんの名を呼ぶときのような―――鈴のような声だ。

「今日は・・・ありがとうごぜぇやした」

「・・・。・・・まだ豆まきしてねぇだろ?それに礼言うな」

何故、こんなにも素直なのだろえか。耳に響く甘い声。

・・・かわいいじゃねぇかコノヤロー。こんなにコイツと一応だけれど親しくなれたんだし、近藤さんにも感謝したい。

本人には決して言えないが、初めて会った時から想っていたのだ。愛しい、と。いまもまだ、脳裏に焼き付いている。姉の――――ミツバの後ろからひょい、と顔を覗かせている、沖田が。不安そうに眉を寄せ、期待、そしてもう一つ何かを孕んだ瞳で俺を見つめていた。

・・・欲しい、と思ったから、彼のモノを奪おうと思った。そうすれば、少なくとも彼は俺を憎む。

だから、憎むべきでこそあれ、俺なんかに礼を言うべきではないのだ。

「なァ、やっぱ俺が鬼やんの?」

升いっぱいに入った豆と鬼の面を見つめ、呟いた。そりゃあ豆まきする方がやりたい、という訳じゃないが、鬼役って・・・痛くね?

「何?豆、まきてぇんで?か弱い餓鬼にむかって?」

「いや、そうじゃねぇけどよ」

「俺一人で豆まきしろと?」

冷めた目でジィーッと見られ、居心地が悪い。流石の俺でも、一人で豆まき、なんてさせる訳ねぇし。そこまで無情じゃないし?俺は。

また沈黙を勘違いしたのか、面を頭にかぶり升を持ち、沖田は一人でどこかへとスタスタ行ってしまった。

「あ、オイ待てよ・・・っ!」

・・・ってアレ?さっきも同じコト言ったぞ。女に逃げられた男みてぇな声・・・ってそんな声出してたか?俺。

でもまぁ、沖田は女みてぅだよな。さっきまで御満悦って表情で恵方巻きをくわえ・・・頬張ってたのに。女心と秋の空、みてぇな?

とそこまで考えてから漸く、追い掛けなければいけないと気付き、土方は沖田を追い掛けた。

いくら広くはない、とはいえども、道場もあれば庭もある。沖田探しは骨がかかりそうだ。

「オイ!沖田ァ~!」

果たして、いくら年下だからといって、先輩を呼び捨てしていいのだろうか。やはり、“先輩”をつけるべきなのだろうか?機嫌を損ねたのは自分なのだし。

最後に、一縷の望みをかけて道場の中を見てみると―――――そこに、いた。真ん中で俯せになって寝っ転がっていた。

「オイ・・・」

「・・・!」

声をかけると、ハッと此方を振り向き、すぐに顔を伏せた。気のせい、だったのだろうか。目がとても潤んでいたのは。

土方はずかずかと沖田の傍まで歩み寄り、床にほっぽってあった鬼の面を拾った。

「ほら、やんぞ?」

顔を上げた沖田の頬には、一筋泪が伝っていた。

「いいでさ・・・別に」

ふん、と拗ねた沖田を抱え上げ、目線を合わせた。

「・・早く降ろしなせぇ」

口をへの字にし、泪を堪えようとするが、また一筋、大きな赤い瞳から泪が零れた。・・・多分これが、胸キュン、て表情だ。泪が零れ落ちるのを堪えようとしている表情がまたそそる・・・って何考えてんだ俺。

と、冷静に自分につっこんだにも関わらず、土方は赤い頬に唇をよせていた。

「なっ・・・!」

ジタバタと暴れるのをどうにかおさえつけ、ますます赤くなったその頬を伝う泪を舌で絡めとった。

「ん・・・もう、やめなせぇ!クソバカ土方ァ!」

その声が甘く聞こえたのは幻聴のようなものだったのだろう、きっと。今日の俺はおかしいんだ。否、俺だけではなく、沖田も。いやにツボをおしてくるし。

が、やはり沖田は沖田だ。その後土方は散々、という程豆を投げられたのだ。

「土方・・サーン」

使い終わった升を片付けていると、沖田が走ってきた。そして、朝近藤にしたように抱きついてきた。癖、なのだろうか?

「ありがと」

「・・・。あいよ」

控えめにつけられた“さん”は精一杯の敬意だったのだろうか。
茶色い髪をそっと撫でた。

「ねぇ!土方コノヤロー」

「・・・」

「・・・無視とはひでぇですねィ」

とは言われても。恵方巻きは無言で食べるものだし。そりゃあ沖田はまだ食べ始めていないからいいが。

「いっただきやーす」

パクッ、と口に含んだ表情に、思わず生唾を飲んだ。つい、下品なコトを考えてしまったのだ。

息苦しいのか薄らと頬を染め、瞳を潤ませている。

これで想像するなというほうがムリだ。

「・・・総悟、悪ィ」

「ん・・・?」

食べかけの恵方巻きを二本とも机に置き、押し倒した。

「ちょっ・・・やめてくだせぇ!恵方巻きっ・・!」

微かに潤んでいる目で抵抗されても、誘っているようにしか見えない。

「なぁ・・・いいだろ?」

耳に吐息がかかるように囁けば、総悟は必ず反応を返す。

「・・・卑怯者」

「お前がいけねぇんだろ?」

沖田は土方の背に手を回し、キスをねだった。






結局恵方巻き食べれなかった・・・(泣)
これは★二つぐらいですかね?

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