梅々
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椎名桔平さん好きすぎる
やまぴーが好きです。好きになった理由は不純ですが。
椎名桔平さんも好きです。あの胡散臭さが良い。だから関口君をやったときはそれは大層驚かされたものです。アニメは最高。
じょろうぐもも見たいなぁ。鉄鼠も見たい。
んで、銀魂のラジオCDは最高ですねww
あのグダグダがたまらない。ゲストが中井さんのと鈴村さんのしか聞いてないけど、ゲストは何故下ネタを投下していくのだろうww
というか皆さんかわいすぎました。何歳だよww
それでは成人の日ネタのはずが前後編。
土沖です。
椎名桔平さんも好きです。あの胡散臭さが良い。だから関口君をやったときはそれは大層驚かされたものです。アニメは最高。
じょろうぐもも見たいなぁ。鉄鼠も見たい。
んで、銀魂のラジオCDは最高ですねww
あのグダグダがたまらない。ゲストが中井さんのと鈴村さんのしか聞いてないけど、ゲストは何故下ネタを投下していくのだろうww
というか皆さんかわいすぎました。何歳だよww
それでは成人の日ネタのはずが前後編。
土沖です。
遠ざかるのは正しい日々と間違った選択
凍てついた空気は溶け
むず痒い気持ちで、机の上に置いてあるネクタイを手に取り、首にかけて結ぶ。一発でうまくいって、よし、と気を引き締めてから上着を手に自室を出た。
もしまだ実家にいたなら、母親が厚かましく世話を焼いてくれたことだろう、迷惑だとかなんとか言って甘んじてる自分までも容易く想像できる。それで、そうこうしている内に近藤さんが総悟を引き連れてやってくるのだ。
時計を見たらそろそろ行く時間だった。近藤さんとは現地で落ち合うことになっている。総悟は、どうか知らないが。
「別れてくだせェ」
そんな、言葉を。アイツから、聞くことはないだろうと思っていたのに。
卒業式の日の帰り道、繋いでいた手を離し、そう、言った。いくら耳を疑いたいような言葉でも、それを何度も聞くに堪えうる思考を持っていなくて。振り向いて固まった、俺を総悟はじっと見つめている。
何も言えないでいる俺に総悟はもう一度、別れてくれと告げた。
なんで、とようやく言葉になったのはそれだけだった。しかも声は掠れていた。情けない、なんて思う暇も余裕もない。
「あんたは東京に行っちまう。俺は、待つことなんて・・・できない」
「・・・なら、ついてくればいいだろ」
「それは、無理でさァ」
姉から離れて生きるなんて総悟の頭の中にはなくて、きっとミツバにも総悟から離れて生きるなんて考えはないのだろう。
悪く言えば閉鎖的、だがそんなところも愛しいから。
わかったとしか言えなかった。
東京へ出ることは俺の中で絶対だったし、徒に関係を継続させることができないことも、分かっていた。虚しい関係にはなりたくもなかったから。
離された手を、もう一度掴むことは、しなかった。
もし今日会えたら。別人のように変わっているのだろうか。そんなことは絶対ないという確信がある、けれどきっと何もなかったようには接することができない。
今でも好きだ、なんて言う気はないけれど。少しでいい、その声が聞けたなら。
「トシー!」
「おお、近藤さん! 久しぶり」
「まぁ、晦日以来だけどな」
会場傍で待ち合わせていた近藤さん達は先にきていて、にっこりと頬を緩め手を振ってきた。急いで駆け寄り、笑顔で返す。
近藤さんの隣には山崎がいて、二人の少し後ろに、総悟が立っていた。近藤さんも山崎もたまには会っていたが、総悟とは二年ぶり。あの、卒業式の時から会っていなかった。
背が少し伸びた。横顔しか見えないけれど、少し、顔の丸みがなくなって大人っぽくなった。が、真ん丸い赤い目は相変わらずで、より一層、愛しくなった。
(抱き締めて、キスしてぇなァ・・・)
近藤さんと総悟は袴で、山崎はスーツを着ていて地味さがアップしていた。全体的に変わりはない、俺を含めて皆。
「んじゃあ会場行くか」
「ですね。ちょうどいい時間ですし」
「あーかったるい・・・」
「まぁそういうなよ、トシ」
「・・・」
四人で並んで歩くも俺と総悟は両端で。此方は此方、彼方は彼方で話しているから会話が交じることもなく。名前を呼んでほしいとは言わないけれど、声を聞きたい。
なんて、総悟に対してだけは貪欲になる自分に少し呆れる。大学へ入ってそれなりに、未練を断ち切ろうと付き合ってみたりはした。けれど結果は火を見るよりも明らかで意味もなく。
総悟は、どうだったのだろう。あっさりと終われたのか、未練がそれなりには残ったのか。それともはなっからそんなに大したことではなかったのかもしれない。始まりは、なんとも軽いものだったから。
*
「よし、飲みに行こう!」
「成人ですもんねー」
「まぁ、それより前から飲んでたけどな」
「それは土方さんと沖田さんだけですけどね・・・」
形式ばかりの式が終わり、うーん、と伸びる。空は空気が冷たいが爽快で、透き通るような青がどこまでも広がっている。
それなのにおまえが翳っているのは俺の所為なのか。
(・・・ここまで空気が沈むたァ、思わなかった)
近藤さんも山崎も、嬉しそうにはしゃいでいるのに、普段なら一緒にはしゃぐだろう総悟は嬉しそうにしなければ一言も発しない。帰った方がコイツのためにはいいのかも。だが、それじゃあ俺は満たされない。
「総悟は? どうすんの?」
「ミツバさんがお祝いしてくれるって言ってましたよね」
「んー・・・」
総悟の姉で俺の初恋の相手でもあるミツバは俺が思うにこの世で一番綺麗な女性だ。体の弱い彼女を含めてよく四人でつるんだのも昔のことで、最後に会ったのは俺が実家を出るときだった。近藤さんに山崎、ミツバ達が見送りに来てくれた中、総悟だけは来なかった。そうなるだろうことは分かっていたのだ。分かっていたが、切なくなった。
ちらりと総悟は俺を刹那だけ見た。一瞬じゃあ何を考えているかなんて分からなくて読もうとして失敗した。
「・・・行きまさァ。七時に帰ってきてって言われたんで、それに間に合えばいいんで」
「よしよし。それまで飲もう!!」
耳によく馴染んだ声はそのままだった。微妙に低くなった、気もするが記憶と大差なくて一気に感慨が押し寄せた。一層のこと、別人のようになっていたら諦めがついたのに。
凍てついた空気は溶け
むず痒い気持ちで、机の上に置いてあるネクタイを手に取り、首にかけて結ぶ。一発でうまくいって、よし、と気を引き締めてから上着を手に自室を出た。
もしまだ実家にいたなら、母親が厚かましく世話を焼いてくれたことだろう、迷惑だとかなんとか言って甘んじてる自分までも容易く想像できる。それで、そうこうしている内に近藤さんが総悟を引き連れてやってくるのだ。
時計を見たらそろそろ行く時間だった。近藤さんとは現地で落ち合うことになっている。総悟は、どうか知らないが。
「別れてくだせェ」
そんな、言葉を。アイツから、聞くことはないだろうと思っていたのに。
卒業式の日の帰り道、繋いでいた手を離し、そう、言った。いくら耳を疑いたいような言葉でも、それを何度も聞くに堪えうる思考を持っていなくて。振り向いて固まった、俺を総悟はじっと見つめている。
何も言えないでいる俺に総悟はもう一度、別れてくれと告げた。
なんで、とようやく言葉になったのはそれだけだった。しかも声は掠れていた。情けない、なんて思う暇も余裕もない。
「あんたは東京に行っちまう。俺は、待つことなんて・・・できない」
「・・・なら、ついてくればいいだろ」
「それは、無理でさァ」
姉から離れて生きるなんて総悟の頭の中にはなくて、きっとミツバにも総悟から離れて生きるなんて考えはないのだろう。
悪く言えば閉鎖的、だがそんなところも愛しいから。
わかったとしか言えなかった。
東京へ出ることは俺の中で絶対だったし、徒に関係を継続させることができないことも、分かっていた。虚しい関係にはなりたくもなかったから。
離された手を、もう一度掴むことは、しなかった。
もし今日会えたら。別人のように変わっているのだろうか。そんなことは絶対ないという確信がある、けれどきっと何もなかったようには接することができない。
今でも好きだ、なんて言う気はないけれど。少しでいい、その声が聞けたなら。
「トシー!」
「おお、近藤さん! 久しぶり」
「まぁ、晦日以来だけどな」
会場傍で待ち合わせていた近藤さん達は先にきていて、にっこりと頬を緩め手を振ってきた。急いで駆け寄り、笑顔で返す。
近藤さんの隣には山崎がいて、二人の少し後ろに、総悟が立っていた。近藤さんも山崎もたまには会っていたが、総悟とは二年ぶり。あの、卒業式の時から会っていなかった。
背が少し伸びた。横顔しか見えないけれど、少し、顔の丸みがなくなって大人っぽくなった。が、真ん丸い赤い目は相変わらずで、より一層、愛しくなった。
(抱き締めて、キスしてぇなァ・・・)
近藤さんと総悟は袴で、山崎はスーツを着ていて地味さがアップしていた。全体的に変わりはない、俺を含めて皆。
「んじゃあ会場行くか」
「ですね。ちょうどいい時間ですし」
「あーかったるい・・・」
「まぁそういうなよ、トシ」
「・・・」
四人で並んで歩くも俺と総悟は両端で。此方は此方、彼方は彼方で話しているから会話が交じることもなく。名前を呼んでほしいとは言わないけれど、声を聞きたい。
なんて、総悟に対してだけは貪欲になる自分に少し呆れる。大学へ入ってそれなりに、未練を断ち切ろうと付き合ってみたりはした。けれど結果は火を見るよりも明らかで意味もなく。
総悟は、どうだったのだろう。あっさりと終われたのか、未練がそれなりには残ったのか。それともはなっからそんなに大したことではなかったのかもしれない。始まりは、なんとも軽いものだったから。
*
「よし、飲みに行こう!」
「成人ですもんねー」
「まぁ、それより前から飲んでたけどな」
「それは土方さんと沖田さんだけですけどね・・・」
形式ばかりの式が終わり、うーん、と伸びる。空は空気が冷たいが爽快で、透き通るような青がどこまでも広がっている。
それなのにおまえが翳っているのは俺の所為なのか。
(・・・ここまで空気が沈むたァ、思わなかった)
近藤さんも山崎も、嬉しそうにはしゃいでいるのに、普段なら一緒にはしゃぐだろう総悟は嬉しそうにしなければ一言も発しない。帰った方がコイツのためにはいいのかも。だが、それじゃあ俺は満たされない。
「総悟は? どうすんの?」
「ミツバさんがお祝いしてくれるって言ってましたよね」
「んー・・・」
総悟の姉で俺の初恋の相手でもあるミツバは俺が思うにこの世で一番綺麗な女性だ。体の弱い彼女を含めてよく四人でつるんだのも昔のことで、最後に会ったのは俺が実家を出るときだった。近藤さんに山崎、ミツバ達が見送りに来てくれた中、総悟だけは来なかった。そうなるだろうことは分かっていたのだ。分かっていたが、切なくなった。
ちらりと総悟は俺を刹那だけ見た。一瞬じゃあ何を考えているかなんて分からなくて読もうとして失敗した。
「・・・行きまさァ。七時に帰ってきてって言われたんで、それに間に合えばいいんで」
「よしよし。それまで飲もう!!」
耳によく馴染んだ声はそのままだった。微妙に低くなった、気もするが記憶と大差なくて一気に感慨が押し寄せた。一層のこと、別人のようになっていたら諦めがついたのに。
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