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梅々

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林檎飴

祝・8000HIT!

きてくださってる方々ありがとうございます!
こないだ見たらカウンター壊れてて計算して少し数値直したり・・・とかあったので実際のとは少し違うかもですが、そんなこたァどうでもいい。
天晴れ!
パソコンの不良も直してもらったし、ナツコミも面白そうだし天晴れ! でも私は行けない。





それでは二日連続アップだわぁい。な夏・連作サ。土沖と沖土を交互にやることにしました。んで、土沖は土沖、沖土は沖土で話を通すことにしました。
なので今回は土沖でテーマは「プール」です。
















その指が触れれば、応えずにはいられない。その声で名を呼ばれたら、胸がはちきれそうになる。
この想いをカタチにしてしまったら、自分が自分ではなくなってしまいそうで。





ねつさまし





睡眠よこんにちわ、と沖田が夢の縁に辿りついた途端、沖田の部屋の障子が豪快に開け放された。よっかかっていた障子から震動が伝わり、心臓に悪いことこの上無い。
アイマスクを上げ侵入者を睨み上げると眩しい陽光を身に付け満面の笑みを浮かべた山崎が、いつもの薄い存在感は何処へやら、人並の存在感がある。

「沖田さん聞いてくださいよっ!!」

「・・・山崎のクセに何お前。むかつく」

「あ、いや・・・すみません。で、そうそう。プール行くんですってプール!」

「・・・プール?」

聞き慣れない単語に現実感が伴わない。なんでプール。というか誰が行くのだろう。しかし、山崎は派手なアロハシャツを着、シュノーケルを頭につけ浮き輪まで持っている。嘘なら洒落にならない格好だ。
プール。山や野に囲まれて育った沖田は海でさえ遊んだことがない。そして田舎だったのでプールなどないし有ったとしても行く金が無かった。海水浴、といっても精々道場の皆と川で水浴びした程度。
もしかしたら泳げないかもしれないと軽く危惧していると山崎に早く準備しろと急かされる。

「なんでも、上からのお中元代わりらしいですよ」

「・・・確かにとっつぁんならやりそうだねィ」

水着を探したがやはり無い。川での水浴びだって褌一丁だったのだ、そんな大層な物あるはずも沖田が買う筈もない。
プールに売っていれば買えばいい。無ければ外で昼寝し時間を潰してればいいのだし、といつだかの出張のとき近藤さんが買ってきた南国的なシャツとタオルをビニールバックに突っ込んでいるとあ、そうだと山崎が呟いた。

「副長が渡してくれってコレを」

「・・・水着じゃん」

「買ったんですかね~、新品ぽいし」

「・・・」

土方が? 近藤さんならば分かるが。
近頃、単純だと思っていたあの副長の考えが読めなくなってきた。
いつだか原田辺りが言っていた、『異性に服をあげるのは脱がすためだ』とかいう話は関係無さそうだが。

「さ、沖田さん行きましょう!」

「・・・ん。今行く」



***



陽光が眩しい。楽しげな人々の肌に照り返しそれが目をチカチカさせる。目の前の流れるプールでは、見知った顔が声をかけては流れ去っていく。
他にも、水には入らずにナンパに勤しむ者や、日焼けしようと仲間と談笑している者もいる。近藤さんの姿も土方の姿も見当たらないが、状況は違っても二人とも女性の輪の中にいるのだろう。

「・・・総悟」

「あっれ、土方さん。ハーレムじゃねぇんで?」

「はぁ? 何言ってんだよ。・・・それよりお前。そうしてんだったらボタン閉めとけ」

そっちこそ何を言っているのだと、似たような格好をした土方を見上げると腕を掴まれ立たされる。そのまま促され手首を掴まれたまま土方の後を歩く。
電波が悪いらしい、だから近頃意志疎通が叶わないのだ。・・・・・・こないだの祭の夜から。

「・・・あんたさ」

「なんだよ」

「・・・・・・なんで俺にキスしたんで?」

「・・・あぁ、レモン味な」

その言いように腹立ち膝裏をおもいっきり蹴るとうまい具合いに土方が転びかける、が結局は転ばずチラリと此方を睨み舌打ちを寄越された。
茶化された方がいいのかもしれない、真面目な返答を期待したわけではないのだしと言ってから思う。
どう反応していれば、今胸の内にある蟠りを産み出さずに済んだのか。
土方が自分を見る目の優しさに気付かずに済んだのか。

「聞いてどうしてぇの?」

「・・・・・・やっぱ聞かなかったことに、」

「出来ねぇ相談だ」

にべもなく言われ抗議しようと口を開く、と同時に人気のない壁際に追い込まれた。逃げないよう土方の腕に囲まれる。
俺が逃げたくなるような言動をするつもりなのかと沖田は何も言わず土方を見上げる。
やることは無茶苦茶なのに視線は嫌に優しい。調子が狂ってしまう。どうにかしろよ、と土方に祈る。

「なんて言葉、望んでる?」

「・・・腹抱えて笑えるようなの」

「そんじゃ今は笑えねぇかもしんねぇな。・・・俺のものになれよ、総悟」

「―――・・・」

ああ確かに、一週間、一年経てば笑えるだろう。鬼の副長が同性の部下を口説いたのだから。
でもそれを、土方の言った通り今は笑えない。
こんな男のものになる気なんてさらさらない。けれど、既に心は陥落気味だ。
本当、笑えない。

「・・・・・・エンジェルフォールから落ちて死ねばいいのに、あんたなんか」

「お前を守る為なら、死ねるけど」

「ばっかじゃねぇの。・・・俺の一番は近藤さんだから」

「俺もそうだ」

「あんたのものになる気はないから」

「俺を好きになる気は?」

場慣れしているというか何というか。土方から口説いたことなどあまりないのだろうけどこうも恥ずかしい科白を羞恥も抱かずポンポン言えるのは羨ましくもある。

「なぁ、どうなんだよ」

「俺の許可なしに俺に触んねぇで、気安くあんたのもの呼ばわりしないなら、いいですぜ」

「上等だ」

そう言って目を細め笑った土方に呼吸が止まりかけた。
不覚だ。人生最大の失態だ。
ただでさえ暑いのに、余計体が熱く感じる。
嗚呼一層、氷河期が来ればいいのに!





------------------
没な科白↓

「・・・・・・エンジェルフォールから落ちて死ねばいいのに、あんたなんか」

「落ちる間もお前のことだけ思うよ」





あまぁぁぁぁぁぁぁい!!!!
つーかきもい! 土方マジきもい死ねお前的な。
何でこんな科白を思いついたのだろう・・・orz

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