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梅々

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時が過ぎるのははやい。

うわっもう七月だよどうしよう。夏休みが近いのは嬉しいけど色々キツイよ。
そごたんがあるのは嬉しいけど。初夜が誕生日ってよくない?でも無理かな。無理矢理しちゃったとかじゃなきゃ。両思いの場合だとトシローは誕生日まで待ちたかったんだけど、日々そーごは維持悪く誘ったりするんだろうな。
あ、やべっ妄想かコレ。話ずれてる。
・・・早く夏休みこないかなァ。


それじゃパラレルかな?土沖です。




















窓から流れ込む爽やかな風が心地よかった。カーテンを通さず直にさしこむ光が眩しかった。低い優しい声が眠気を誘った。だから、ほんわかした優しさに抱かれるようにして眠りについた。 










花に止まる鳥たちは 










「オイ、起きろ」 

「んんー・・・・・・」 

安眠を妨げた声と一緒に軽い音をたてて頭に何かが当たった。多分、丸めたノートとか、そこら辺。誰だかわからないけど俺を起こしたアンタ。そんなんじゃ俺は起きないぜ。先生の見事な催眠術にかかった俺は、自然に目が覚めるまで意地でも寝続けるから。 

まァ、この学校には目覚ましみたいにやかましく起こすようなヤボな先生は、いな・・・い・・・・・・。 

「オイ、寝るなっつってんだろ」 

意識が綺麗に混沌の湖に落ちた瞬間、先程より増した力で頭を叩かれた。 

・・・なんで寝かしといてくんねぇの。一夜にして教育方針かわったの? 

「オイコラ。仏の顔も三度までだからな?これでまだ寝てやがったら体罰与えんぞ」 

ふと、違和感。 

こんな声知らない。つい、いい声してたから寝ちゃったけど、よく聞くと聞き覚えがない。でも匂いとか周りのざわめきようは教室だ。じゃあ、誰だ? 

顔を上げて相手を凝視してみるけど、全く記憶に結び付かない。なんかヤクザとかあーゆう系にいそうな感じでしかも瞳孔が開いてるけど、女子にチョコいっぱい貰いそうな顔してる。こんなチグハグ野郎、俺知らない。 

「・・・誰?」 

「誰、じゃねぇよ!!48分前に自己紹介したばっかだろ!臨時でこのクラスの担任やることになった土方だ!」 

「・・・アレ?前の担任の先生は?」 

「産休だよ!なんで知らねぇんだよ」 

怒鳴りっぱなしの“土方”の声は低血圧な俺にとっては蝿の飛ぶ音以上にウザい。何でこんな元気なんだ?俺は眠くて堪らないのに。 

「・・・うるせぇなァ」 

「てめぇの所為だろ。とにかく目は開けとけ。寝るな」 

もう怒鳴り疲れたらしく、派手に溜め息ついて黒板の前へと戻っていった。 

寝るな、だと?お前は何様だ。俺に指図するなんて十万年はやい。頭腐らせて死ねばいい。 

「いいか、ここがこうなるから・・・」 

また始まった子守唄に、また頭が自然と、重くなる。コクリコクリと、瞼が重なる。 

けど、なんでだか知んないけど寝てはいけないと、何かがブレーキをかける。おかしなことで、一度ブレーキがかかってしまうと、また寝よう。という気にはなれなくなる。こんなに、眠いのに。これは、もしかしたらあの土方の所為なのだろうか?この、僅かに感じる敗北感も? 

悩みながら窓の外を眺めていると、鐘の音がスピーカーから流れてきた。いまは五時間目だ。鬱蒼とした気分も晴らしたいし、屋上にでもいこう。 

「きりーつ。きょーつけェ・・・」 

日直の生徒が号令をかける。軽く受け流して空っぽの鞄片手に屋上へと急いだ。
トントントンと足音が響く無人の階段を駆け上がり、重い鉄で出来た扉を開くと一面の蒼だった。ところどころ散った、花びらのような白い雲が綺麗に思えた。 

音をたてないように扉を閉め辺りを見回してみるが、運良く誰もいない。一時間位寝て、帰ろう。と荷物を捨て仰向けに寝っ転がった。するとギギィと耳を塞ぎたくなるような音が静寂を破った。 

「土方・・・」 

「先生だろ先生。なんでお前なんかに呼び捨てにされなきゃなんねーんだよ」 

突然の来訪者は軋んだ音をたてもと来た道を閉ざすとゆっくりと近付いてきた。長居する予定なのか?もしかしたら。 

「で、何のようですかィ?」 

「お前に用は・・・あるか」 

休憩しに来たのか。なら余計な事を言わなければよかった。心底そう思う。 

隣に腰をおろし、不良教師は煙草に火をつけた。これ写メとって教頭に差し出したらこの人は首になるだろう。ダルいからそんな事しないけど。 

「真面目に授業受ける気ねぇの?」 


「ない」
「即答かよ・・・」 

紫煙が空に吐き出され、淡く滲んで消えた。中々綺麗だ。煙いけど。 

「俺が授業受けようが受けなかろうが、アンタに関係ねぇだろ」 

煙を手で払い、鞄を肩にかけ立ち上がる。軽くズボンを叩き階段へと歩き出す。 

「一応関係あるぞ」 

「一応でしょ。そんぐれぇ堪えなせぇ」 

耳障りな音をたて扉を開くと閉めずにそのまま階下へ向かう。 

ウザい野郎が来やがった。もう居眠り出来ないな、多分。・・・明日から何処でサボろう。屋上はすぐさま見つかるだろうし。図書室とか・・・。探しに来るのは誰だろうか。アイツには絶対見つかりたくない。 

昇降口をでて屋上を見上げると、薄く紫煙が見えた気がした。

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