梅々
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初夢もまだ見てないです
- 2014/01/04 (Sat) |
- 土沖 |
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いちおう菊はじめネタです。怒り新党見てお風呂入ったら三が日が終わっていました。
エロ書けるかな…。
エロ書けるかな…。
「あれ、土方さんだー」
ひょいと開いた障子から顔をのぞかせたら目敏い子どもに気づかれた。
最低限の見回り以外は仕事はなしにして、毎年近藤さんが主催する飲み会は今年も盛大に開かれたらしく、飲みつぶれた隊士が死屍累々、 畳を埋め尽くしている。そんな大広間の壁により掛かり、総悟は一升瓶を手に来い来いと手招く。
それに誘われるようにして、若干悪いとは思いつつ野郎どもを踏みつけ壁際へと向かう。
まだ正気を保っている隊士がちらほらいて、お疲れさまですと言うのに片手をあげて返す。
「いいんですかィ、こんなとこにいて」
漸く隣へたどり着いて座れば、小首を傾げて総悟は問うてきた。転がっていた猪口を懐紙で拭ってから総悟に差し出せば、文句も言わず注いでくれる。
「向こうは実家帰らせた」
「あらら。喧嘩ですかィ」
「んなわけねぇだろ。箱入り娘だ、家族で過ごしてぇだろうと思ってよ」
「へー。お優しいことで。鬼の副長のくせに」
そう言ってふふっと笑う。
それ口実にすぎないのだ。それなのに、信じて。そんな清らかな顔で笑う。
バカなやつ。
「食いもんもう殆どねーのな」
「そりゃあね。酒もあとちびっとしかありやせんよ。俺ももう寝ちまおうかなー」
「ふーん……一緒に、寝るか?」
飲んで、空になった猪口を弄びながら、冗談めいた口調で囁けば、きょとんと目を丸くして総悟が俺をみた。
かわいい面だ、思うと同時に気づけば腕が伸びていて、衝動にあらがうこともせずそのまま唇を寄せた。
最後に味わったときと同じ、柔らかな唇。悪戯心で舐めれば酒の味。そのまま中へ、差し入れるより早く抵抗が始まり胸を押され唇が離れた。
てろり、唾液で塗れた唇が戦慄く。
「……アンタ、何してんですか。こんなとこで……俺なんかに」
言いながら傷ついた顔をする。そうして俯いて、力を失ってだらりと落ちかけた、俺の胸を押していた手を怖がらせないように握りしめた。
なんのために妻を実家に返したと思う。
なんのためにこんな時間に屯所へ戻ってきたと思う。
直截に問えば分かるだろうか。理解して逃げられては、元も子もない。
「手ェ離してくだせぇ。見られちまう」
「見られても構わねぇだろ。どいつもこいつも酔ってる」
「そういう問題じゃ、」
「総悟」
この子どもが聞き分けのよいのは閨の中でだけだった。強がって見せても口だけで、体はすぐに白旗を上げ俺のなすままぐずぐずにとろけていった。
男を知っている、しかし俺しか知らない体。
俺が何を失ってもいいと、愛した子ども。
そう易々と手放すわけがないだろうに、自分の価値をこいつはよくわかっていない。
「……アンタ、嫁さんがいるでしょ。新婚でしょう」
「政略結婚だ」
「それでも」
俺は絶対に無理で、姉上も叶わなかった地位に人がいる。
総悟は俺の左手の薬指をまじまじと見る。形だけの束縛だ、書類上のみの愛情だ。そんなもの気にしないでいいのに。
「俺はおまえがいい」
総悟にしか聞こえないように顔を寄せて囁く。肩がびくりと揺れて、握りしめたままの手も一瞬力が入る。
「おまえを抱きたい、総悟」
耳に唇を当て、とどめとばかりに吹き込めば、頬を赤く染めて恨みがましげに俺を見る。
無駄な抵抗を諦めた表情だ。
それもそのはずだ。総悟は耳が弱い、のみならずたまっているに違いないのだ。俺と切れてから誰とも寝ていないことは把握している。あんなに快楽を教え込んだのだ、総悟の拙い自慰でどうにかなるものではない。
「アンタ、俺をどうしたいんでィ」
悔しげに総悟はこぼす。
「どうって?」
「俺はどうせもう、女なんて相手できねぇ。アンタのことだって忘れようがねぇ。それで十分でしょ」
「それじゃたんねぇよ」
「我が儘でさ」
「でも嫌じゃねぇだろ」
死んじまえと、言いながら立ち上がるも片手はまだ俺の手と繋がったまま。
刹那泣きそうに顔を歪めてから、総悟は悔しそうに来なせェと言って寄越した。
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