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梅々

苑咲早良が運営する銀魂BL小説サイトです。 心意気は18禁。 著作権的な何かは放棄していません。マナーは守ってください。 メールフォームやコメント欄は下にありますので、何かございましたらお気軽にご使用ください。感想とか頂ければ舞い上がります! 不定期更新な別館を作成しました。ミツバさん愛してる! 気が向いたらお越しください→http://tokosienoai.dou-jin.com/

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ネズミ取り

浅見光彦シリーズの戸隠伝説殺人事件を読んで巫女ネタ出来ましたが今日はアップできません。試行錯誤中?とにかく、頭の中でカタチにしようと努力しているので応援してください。

そういや明日はハロウィンだ。










捨てられるものなら捨ててごらん。
必ず君は、僕に赦しを乞うだろう。





秋の夜遊び





キュッキュッ、と蛇口を閉め、タオルを首にかけた。浴室内にある防水時計を見ると未だ十時で、これから総悟を部屋に呼ぼうか、と残り少ない今日という日の予定をたてる。
就寝時間が十一時と決まってるのがうざったい。寮長になれば規則を変えられるらしいし、一人部屋になるからそうなれば此方のもんで、毎晩抱く事が出来る。来年は、是が非でもならなくてはならない。
寝間着代わりのジャージを着て頭をタオルで擦りながらドアを開ける。同室の近藤さんは都合で明日まで実家に行っていてそこには誰も居ないはず、なのだが、人が居た。
姉から送られてきた、彼女とお揃いだというチェックのパジャマを着た隣室に居るはずの恋人が。
「総―――――」
「土方さん」
振り向きざまサラサラ流れた髪を撫でようと腕を伸ばしたら強く叩かれた。珍しく不機嫌そうな顔をしていて、そんな顔も可愛いな、と余裕こいてるわけじゃないが思った。
機嫌が悪い時はその原因を聞いて謝るなりなんなりしなけりゃならない。伊達に何人もの女と付き合ってきたわけじゃない、と口にしたら余計機嫌を損ねてしまうだろうから黙っておく。
「・・・どうしたんだ?」
「・・・俺、多分こうなるだろうなって分かってやした。でも、そんときはすっぱり切り捨ててくれんだろうって、思ってたんですぜ」
「ちょっと待て。何の話だ?」
「・・・」
無言のまま少し横に移動した、総悟が元居たところの背後には、真っ白な正方形の箱があった。・・・蓋が、少し開いている。
その中身は見なくても分かる。
机の引き出しの奥にしまいこんでいたのに、何故、こんなところに?
「・・・俺とは一回もゴムつけてヤった事ねぇのに何で全部入ってないんで?箱には30コ入りだって書いてあんのに20コしかありやせん」
箱の側面に指を這わせながら、うつ向く。
どうやら不機嫌の理由はこれらしい。浮気したと勘違いをしているようだ。
そんな事実は全く無い。長年の片想いが漸く実ったのだ、浮気なんかするわけがない。・・・だけど、それが見付かったのは痛い。
「そりゃあアレだ。・・・お前と付き合う前に・・・」
「レシートも一緒に入ってやしたぜ。俺とアンタが付き合い始めたのは今年の六月ですよね。レシートの日付は今年の七月になってるんですけど?」
「・・・」
言い返す言葉が見付からない。本当の事を言えばいいだけなのだが、どうしても言えない。
口ごもる俺に総悟は免罪符を与えることなく言い放った。
「別れやしょう。俺もうアンタに関わりやせんから安心して下せぇ、俺とヤってたなんて誰にも言わないんで。それじゃあ失礼しやした」
部屋の外へ出ようと、ノブを回す総悟の頭上、壁とドアの境目に手をついた音に反応して肩が小さく揺れる。
「・・・本当の事言うから別れるとか止めてくんねぇか」
「・・・本当の事って何ですかィ?」
その前に、と腕を引っ張り自分のベッドの前まで連れて行き座らせた。拗ねたように顔を伏せたまま、おとなしく座るその横に並ぶようにして腰掛けた。
すこし間を開けられたが、大丈夫。俺はめげない。
「これな、坂田が買って来やがったんだよ」
「先生が・・・?」
言いながら箱を手にとり、レシートの日付を見る。
七月三日。
これを渡されたのは八日の放課後だったか。
総悟への、プレゼントだと。

『お前なんかには勿体ないと思うんだけど。・・・使い古しでいいから飽きたら寄越せよ?・・・ま、飽きられたら、の方があってるか』

「・・・俺とお前が付き合ってんの、知ってるらしい」
「ハァ!?誰にも言ってねぇのに・・・?」
バッと顔を上げ詰め寄られる。信じられない、そう顔に書いてある。
・・・そう。俺もあの日同じような事を聞いた。思うのはやっぱ同じ事らしい。
「本人曰く、偶然見たと」
「・・・」
途端に朱がさした頬をそっと撫でてやると、冷たい手が重ねられる。
そうですかィ、と呟かれた声はいつものような力強さが無く、言わない方が良かったか、という考えがちらついたが、もし言わなかったら多分あの担任の手の内に誘いこまれていただろう。
「・・・何で10コ無いんで?」
「アイツが貰ったらしい。・・・使う相手なんざいねぇくせにな」
「ふぅん」
信じてくれたのか、それとももうその話に興味が失せたのか、箱の中に手を入れ、一つ、中に入っていたものを取った。それを俺の目の前に掲げる。
「・・・コレ、媚薬つきらしいですぜ」
「違法じゃねぇの」
就寝時間まではあと三十分。
何とか山崎に誤魔化させるかと俺を抱き締め、誘うように自ら背後に倒れる総悟に口付けた。

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