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梅々

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ちゃんぽん

初めて定価でBL漫画買ってしまった・・・(-_-;)
本屋とか行くと財布の紐が緩みます。京極堂はなんとか我慢したけれど。
あと、日本史BL劇場的なの買ってしまったです(--;)タイトルは覚えてないけど土方さんもいらっしゃったww

ハガレンはとてもよろしい。リザさんすごすぎ。





では、3Zで甘酸っぱさを求めてみた。けどまた撃沈なものです。
















ふとした瞬間に、そっと花が咲く

桃色の恋の花が





こっちむいてよダーリン!





ちらり、横目で盗み見ても変わらない無表情。沈黙はそのままにしてマガジンを読む男にべーっと舌を出す。
艶やかな黒の無造作ヘアー、嫌味なくらい整った顔、無粋じゃなく適度についた筋肉にセクシュアルでもある低い声、節榑立った男らしい手。頭がいいくせに適度に抜けてて、幽霊の類いが嫌いでヘタレのくせにたまにかっこいい。
そんな俺の恋人。


『好きだ』

言われて笑い飛ばせば苦虫を一日中噛み続けてんじゃないかと思うような顔をして、冗談なら未だいいけどなと煙草に火をつけた。土方さんは、知り合いの中じゃ俺の前でしか煙草を吸わない。チクられんのが面倒、心配をかけたくない、様々な理由に当てはまらなかったのが俺らしく。
スパァ、と精神安定剤代わりの紫煙を吐いて土方さんは俺の手を控え目に掴む。拒むことを前提とした触れ方に呆気にとられていると、両の手で包まれた。

「付き合ってくれ」

俺が好きなのは。普通の状態若しくは幸せそうな土方さんをどんな形でもいいからとりあえず不幸にすること、絶望させること。
だから、何もしていないうちからこう絶望が滲む声色を聞かされると調子が狂う(間接的に俺が関係していての絶望でも、今回ばかりは嬉しくない)。
それに、何よりも普通に驚いた。
こんな俺を? それこそ土方さんはドMじゃないか。口には出さなかったけれどとりとめなくぐるぐると考えたら自嘲気味に笑って、土方さんはゆるゆると手を離した。
外気が触れてひんやりした手、ずきりと疼いた胸、きゅん、と、土方さんを愛しく思った心。
母性、みたいなものが咄嗟に手を動かした。

「・・・総悟?」

「俺は、・・・あんたのことそこまで好きじゃないけど、」

「・・・」

付き合ってやってもいいでさァ。声色が自分らしくない、緊張が移ったようで此方まで少し赤面するとそれはそれは嬉しそうに土方さんは笑った。


それから恋人同士というピンクで春めいたおぞましい関係になったのだけれど、何もなかった、ここ三ヶ月。たまぁに手を握られる程度で、手の早い色情魔の土方さんにしては、とても遅い。多分、男同士ってのもあるし、俺が恋愛感情を土方さんに抱いてないと、ちゃんと知ってるからだと思うけれど。

「土方さん」

「んー?」

「あんた楽しい?」

「おう」

「・・・」

雑誌から目も離さず言う。仮にも愛しい恋人を手に入れた人間が、その相手を放ったままマガジンを読んだりするだろうか。世間一般、九割の人はしないと言い切れそうな感じだけど。

絶対俺のこと好きにさせてみせっから。

言われたのはいつのことか、付き合い始めだった気がした。まさかね、そんなわけ。そう思って半分近く聞き流した感じだったのに、忘れられずに今でも覚えている。
あんた頑張るんじゃないの。
俺を惚れさせるんじゃなかったの。
なんで漫画なんて読んでるの。

(こっちはあんたの思惑通りなのに)

授業中だとか、防具を取って一息ついたときだとか、一日に一回あるかないかの頻度でキスしたくなることがある。
指でしか伝わらない体温、抱き締められたことさえない。
こんなふうに考える時点で、末期だろう。

「土方さん」

「ったく、邪魔すんな、」

「こっちむいて」

言葉を遮ってやれば仕方なさそうに土方さんは俺を見る。覚えとけよ、土方! 心内で言って飛びかかる。
うわっ、と後ろに倒れた土方さんの上に乗っかって、キッと睨み付ける。

(覚悟して。俺をこんなふうにしたんだから!)

「オイ総、っん・・・!」

「んんっ・・・ふ、」

触れ合わしただけでドキドキが止まらない。角度を変えて何回もくちづけると壊れるんじゃないかと心配するぐらいに鼓動が煩い。体の力は抜けてしまうし、気付けば腰に触れていた手からじんじんと変な感覚が押し寄せてきているし。

「・・・冗談じゃねェ」

「・・・総悟?」

「どうしてくれんでィ。・・・ドキドキして、アンタのこと見れねぇでさァ・・・」

「っ!!」

思ったまま、耳元で床に落ちる一房の髪を熟視て言うと、そのまま強く抱き締められた。
密着した肌が熱くて熱くて堪らない。

一層俺のこと見てくれなければ良かったのに!

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