梅々
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85000打ありがとうございました
85000打後編できました!
18禁です。
本当にありがとうございます!
18禁です。
本当にありがとうございます!
その声が呼んだ
その心が求めた
俺に拒むことなんかできやしない
熟れた罪
風呂から上がり布団の上ごろごろしていたら閃いた。手が使えなきゃ諦めがつくんじゃないか。触れないんだから、刺激を与えようもない。腿を擦り合わせてしまうだろうけど、そんな微弱な性感じゃあイけない。どうせなら足も開いたまま固定できればいいけれど、どう想像しても如何わしい格好若しくは被虐的な物しか浮かばないから却下。
縛るしかない。縄はある。でも自分の手を自分で結べるほど器用ではないから縄を出したはいいがその前で正座して考える。手が使えないということは、もし奇襲があったときに即戦力にはなれないということで。それはまずいから誰か、直ぐに解放してくれる人がいなければならない。
手っ取り早いのは土方さんだ、やつしかいない。そうと決まれば即行動。縄を手に土方さんの部屋へ向かう。山崎や近藤さんには縛ってくれとは言えても理由が言えない。なんて言えばいいんだ。まさか本当のことを言えるはずがない。神山、という手もあるけれどあの変態と二人きりは気が滅入る。疲れる。
「土方さん」
「入る前に声かけろっていつも言ってんだろ」
「ちょっと縛ってくだせぇ」
「は?」
障子を後ろ手に閉めながら言うと書類を書いていた手を止め土方さんが此方を見た。俺が持っている縄に視線を向けてぽかんと、珍しく若く見える顔をした。未だ隊服のままだ。多分、徹夜から草木も眠る時間帯まで仕事する気なのだろう。ご苦労なことで。
机に向いたままの体の横に正座して縄を置き、両手を差し出す。なんだか変に緊張する。未だにぽかんとしたままの土方さんが俺の手と畳みにとぐろを巻く縄を交互に見ている。
無防備すぎだ、そんな顔して。キスしたくなってうずうずするのをどうにか堪えようと唇を噛んだ。朝のキスを思い出してより堪らない。煙草の味が、ほしい。
「・・・なんで縛んの」
「予防策でさ」
「なんの」
「手が使えなきゃイけないだろィ」
「―――ハッ、」
鼻で笑うような、吐き捨てるような音を発し土方さんは机に肘をついて頭を抱えた。随分と失礼なその態度に腹が立つ。なんだ何を言いたいんだ。土方さんが言葉を発するのを待てるほど大人しくない俺は、ぐいと腕を掴んだ。
此方を向いた顔が、欲情している。おや、と思う間に土方さんの手が縄を取り、慣れた手付きで俺の両手首をくるくる纏めてからきつくきつく縛った。態度は煮え切らないが礼を、と開きかけた口を再び塞がれる。
「んむっ、」
今度は最初から舌を絡められて背筋が震えた。れろれろと舐められて、角度を深くしてちゅうっと舌を吸われる。堪らず両手でベストを掴む。爪を立てる。薄く目を開けば穏やかとは程遠い目付きで俺を見ていた。
長い禁欲生活にこんな爆弾落とされたら誰だって爆発するだろう。今唇を離されたらあられもない言葉を発しそうで、もっとと強請るように舌を噛んでやる。例えばそう、いかせてとか抱いてくれとか。言ったらそれは俺の命日だ。
「んぁっ、は・・・」
「総悟」
「やっ、」
耳元で低く囁かないでほしい。折角の我慢が無駄になっちまう。性欲が体をぐるぐると渦巻いて出口を求める。優しく頭を撫でる手付きにだって俺は、こんなにも体が疼いて情けないことになる。
そのまま耳をあやしねぶる合間にまた名を呼ばれる。首筋を快感が這って、それを追うように長い指先がつつ、と撫でた。
生殺しだ。心の中じゃこれ以上ないってぐらい土方さんに強請っている。口に出しはしていないけれど、このまま温い刺激を与えられ続けたら発狂しそうだ。
「ぁう・・・っ」
「手ェ使わなくても、自慰ぐれぇできんだよ」
「嘘でィ」
「嘘じゃねぇよ。本当にお前は何も知らねぇのな」
優しげな口調で馬鹿にされた。色事なんて大して知らないし知っていることは全部土方さんに教わったことだ。この人が教えてくれなきゃ俺は何も知らないまま。キスの仕方もどこがいいかも、こんなに気持ち良いことがあるということも。
なんか文句あるんですか、口を尖らせて言えばふっと笑われた。そのまま名を呼んで結び目に指を引っ掻け手を引かれる。抱き締められるのかと身構えるとそのまま文机の角に座るよう促された。
後ろから土方さんが抱き締めてきて煙草の匂いにどきっとする。濃い煙草の匂いに落ち着くだなんて俺は考えてない一ミリも。
急に後ろからぐっと押された。土方さんの固いものが当たると同時に、俺のも机の柱に擦り付けられた。
「んぁっ、ひん!」
「手ェ使えなくても、できんだろ?」
「しゃべんな・・・っ」
吐息が耳を掠める。言いながら腰を押し付けられてグリグリと擦れる。木の固さがちょっと痛くて、でもそれが滲むように快感に変わる。数枚の布越しに土方さんの脈動が自己主張して、体の熱がぐっと上がる。
熱に浮かされたまま気付けば、机に手をついて自ら腰を振っていた。縛られたままなのが疎ましい、縄を取れ、言おうとして何で縛ったのかって話を思い出した。イったら敗けだ。今更自然消滅させればいいだけの話だけど負けず嫌いの血が騒ぐ。
浅い呼吸を繰り返しながら後ろを窺う。同じく浅く呼吸をして俺の体に性器を擦り付け、土方さんは俺で自慰しているようだ、なんて倒錯的。羞恥にぐちゅり、先走りが溢れた。
寝間着の裾を捲り、土方さんの手が俺の下着を勢いよく下ろした。
「ぅ、あ・・・」
外気に触れた性器をとろりと伝う液体の感触に涙が出そうになった。視界が潤む。
こんなじゃもう駄目だ。きっと触られただけで理性も何もぐちゃぐちゃになる。それなら、と。後ろを振り返る。頬を紅潮させた色っぽい表情が俺を見た。視線でさえ欲情を煽る。
「・・・ひじかたさん、アンタのそれ、」
「ん?」
「舐める」
言いながらもぞもぞ動いて膝上で丸まっていた下着を脱ぎ、少しの不自由を感じながらスラックスを下着と共に脱がせる。現れた土方さんのものにあむっと食らいつき根本を両手で握った。改めて見て触るとでかい。歯を立てないよう意識すると顎が痛くなって、喉の方まで頬張っているのにそれでも握れるぐらい余っている。
出したときから濡れていたそれは舌で触る度に苦味が増す。その不味さに興奮するなんて口に出して言えないがきっと土方さんにはバレてる。土方さんの顔を見ながら一端全て口から出して、また奥まで含む。どくん、大袈裟なまでに手中のそれが脈打ち口角が上がった。
「・・・うまいかよクソガキ」
「こんなのがうまいとか・・・それこそ味覚音痴でさ」
「その割りには嬉しそうにしゃぶってんじゃねぇかよ淫乱」
「種馬に躾られりゃ仕方ないもんでしょ」
頬っぺたでスリスリ、見せつけるようにすれば土方さんの表情が険しくなる。土方さんもそろそろ限界だろう。俺と同じく。ならば痩せ我慢はしないでさっさとイってほしい。ぱくぱくと開く先端に爪を立て、ぐちゅり、舌を捩じ込む。この人以外には絶対やれない。こんなことして感じたりなんか、しない。本当によく躾られたもんだと思う。
止めとばかりに、舌を捩じ込んだまま口に咥えて強く吸う。うっと呻いた土方さんがぐいと俺の頭を掴んでドクリ、口の中に精を放った。噎せそうになりながらこくりこくりと苦いそれを飲んで、最後に萎えたものを唇で強く挟んで吸いながら口から抜いていく。
「ん・・・顎いてぇ」
「でかいからな」
「自分で言うか普通」
「・・・そんなんどーでもいいから、」
早く挿れさせろ。掠れた切羽詰まった声で懇願されて募った性感が吐息となって溢れた。もっと俺を欲しがればいい。おじさんだなんだ、罵ったりしているけれど。ねちっこく攻められるのは嫌いじゃない。それだけ俺でこの人は欲情して楽しんでいるってことだから。
口づけと共に押し倒されて早急な手付きで解そうと手が伸びた。本音としてはそこより、前に触られたい。それ以前に慣らさなくていいから欲しい。そんなことしたら辛いのは自分だ、見境が無くなるまで溺れているわけじゃあない。
だからせめて。早く一つになれるよう体の力を抜く。ゆっくりと呼吸して土方さんの手をぎゅうっと握る。気付けば縛られたままだけど、この不自由さでさえ愛しい。
俺の体は土方さんをすんなりと受け止められるよう出来ていないけれど、俺を求めるこの人の気持ちだけは全力で受け止められる。
「・・・も、いいでさ」
「まだ少しきついぞ」
「これ以上されたら俺、イっちまう」
「・・・」
「・・・アンタと一緒にイきてェ」
「それさっき言っとけよ」
「一緒にイったら引き分けになるじゃねぇですか」
ぽかん、とした顔が一瞬の間の後、情けない顔に変わりあー、なんていう気の抜けた声を上げた。全くもって色気がない。いつも空気読めと言ってくるのはそっちだろうに。なんてムッとしているとぴとり、熱いものが据えられた。
目一杯足を開き土方さんの手をより強く握り、ひたすら真っ直ぐに土方さんを熟視る。どうぞ、言おうとしたそれは言葉にならず喘ぎになった。
「ふ、ぅあああ・・・っ! ん、くっ・・・」
「あったけ・・・」
勿論可也苦しいけれど正直な気持ち、受け入れられたことが嬉しい。久々だから不安でもあった。呼吸とともに後孔を締め付けると荒く土方さんが息を吐く。挿れられただけで軽くイったらしくて、腹の上から雫が伝ってくすぐったい。
ぺろりと目の縁を舐められて瞑っていた目を開いた。涙まで零れていたらしい。情けない。
「まだきついか?」
「平気でさァ」
涙が出たのは嬉しいからであって痛いからじゃない。一週間でさえも我慢はきつい。いつ、こういうことができなくなるか分からないんだから。できる内にたっぷりと。
足を土方さんの腰に絡めて繋がりを深くする。誘いに乗った土方さんが、ゆるゆると腰を引いてぞくぞくした。背筋が伸びる。身体中が快感を拾う。雁首まで抜いた土方さんは伏せていた目を開けて俺を見た。胸の中がむず痒くなって素直な体はきゅうと締め付けた。
口が裂けても、言葉になんかしてはやらないけれど。
あいしてる。
ずちゅと、まるで返事のように突き入れられて幸福な目眩がした。休むことなく腰を揺すられてひっきりなしに声が漏れて、殺せない。
「あっ、ぁあ、ん・・・っは、ああ!」
「・・・そうご、」
「ふぁっ・・・あ、も・・・がまん、できね・・・っ」
頬が涙でびたびただ。土方さんがくれるものしか感覚は拾おうとしなくて、射精しているのかさえ分からない。快感に昂ってこの上なく土方さんを愛しく思う。今だけは世界で一番だ。今だけは。
規則正しく揺すられていた腰を不意にぐぷり、掻き回されて死にたくなった。もう本当に無理だ、一つになれたわけではないけれど、土方さんしか感じない。
「ひん、っあ、う! っむり、もっ、だめ・・・っ!」
「っぁ・・・れももう、」
感じ入ってしかめられた顔、汗の滲む首筋、土方さんの匂いに俺からも腰を振って一心に土方さんを求める。手の中の手がすり抜けて、腰をがっつり掴んだ。代わりに俺は、ベストを掴む。
奥の奥を狙われる。土方さんの荒い呼吸と形容できない水の音がいやらしく聴覚を満たす。
「あぁん! ひ、ゃぁ!!」
「・・・そうごっ」
ほしい、言葉に出来たかは分からないけれど、どくんと土方さんが俺の中に注いで、それに先行するよう俺自身も吐精した。
「イくっ・・・ひ、ぁぁあ!!」
「・・・はぁ」
少しだけ身動いで、土方さんは鼻の頭、次いで唇に触れるだけのキスを寄越した。腹の奥にある感覚と相まってひどく優しい気持ちになる。満たされた、でもまだまだ足りない。
土方さん、名を呼ぶと縄を解いて、俺を抱き上げた。
「あ、っん!」
「・・・ねちっこいの、嫌か?」
「全然」
「なら良かった」
ぎゅうとしがみついて背中に爪を立ててやる。好戦的な目が射止めて、底無しの欲望が疼いた。
その心が求めた
俺に拒むことなんかできやしない
熟れた罪
風呂から上がり布団の上ごろごろしていたら閃いた。手が使えなきゃ諦めがつくんじゃないか。触れないんだから、刺激を与えようもない。腿を擦り合わせてしまうだろうけど、そんな微弱な性感じゃあイけない。どうせなら足も開いたまま固定できればいいけれど、どう想像しても如何わしい格好若しくは被虐的な物しか浮かばないから却下。
縛るしかない。縄はある。でも自分の手を自分で結べるほど器用ではないから縄を出したはいいがその前で正座して考える。手が使えないということは、もし奇襲があったときに即戦力にはなれないということで。それはまずいから誰か、直ぐに解放してくれる人がいなければならない。
手っ取り早いのは土方さんだ、やつしかいない。そうと決まれば即行動。縄を手に土方さんの部屋へ向かう。山崎や近藤さんには縛ってくれとは言えても理由が言えない。なんて言えばいいんだ。まさか本当のことを言えるはずがない。神山、という手もあるけれどあの変態と二人きりは気が滅入る。疲れる。
「土方さん」
「入る前に声かけろっていつも言ってんだろ」
「ちょっと縛ってくだせぇ」
「は?」
障子を後ろ手に閉めながら言うと書類を書いていた手を止め土方さんが此方を見た。俺が持っている縄に視線を向けてぽかんと、珍しく若く見える顔をした。未だ隊服のままだ。多分、徹夜から草木も眠る時間帯まで仕事する気なのだろう。ご苦労なことで。
机に向いたままの体の横に正座して縄を置き、両手を差し出す。なんだか変に緊張する。未だにぽかんとしたままの土方さんが俺の手と畳みにとぐろを巻く縄を交互に見ている。
無防備すぎだ、そんな顔して。キスしたくなってうずうずするのをどうにか堪えようと唇を噛んだ。朝のキスを思い出してより堪らない。煙草の味が、ほしい。
「・・・なんで縛んの」
「予防策でさ」
「なんの」
「手が使えなきゃイけないだろィ」
「―――ハッ、」
鼻で笑うような、吐き捨てるような音を発し土方さんは机に肘をついて頭を抱えた。随分と失礼なその態度に腹が立つ。なんだ何を言いたいんだ。土方さんが言葉を発するのを待てるほど大人しくない俺は、ぐいと腕を掴んだ。
此方を向いた顔が、欲情している。おや、と思う間に土方さんの手が縄を取り、慣れた手付きで俺の両手首をくるくる纏めてからきつくきつく縛った。態度は煮え切らないが礼を、と開きかけた口を再び塞がれる。
「んむっ、」
今度は最初から舌を絡められて背筋が震えた。れろれろと舐められて、角度を深くしてちゅうっと舌を吸われる。堪らず両手でベストを掴む。爪を立てる。薄く目を開けば穏やかとは程遠い目付きで俺を見ていた。
長い禁欲生活にこんな爆弾落とされたら誰だって爆発するだろう。今唇を離されたらあられもない言葉を発しそうで、もっとと強請るように舌を噛んでやる。例えばそう、いかせてとか抱いてくれとか。言ったらそれは俺の命日だ。
「んぁっ、は・・・」
「総悟」
「やっ、」
耳元で低く囁かないでほしい。折角の我慢が無駄になっちまう。性欲が体をぐるぐると渦巻いて出口を求める。優しく頭を撫でる手付きにだって俺は、こんなにも体が疼いて情けないことになる。
そのまま耳をあやしねぶる合間にまた名を呼ばれる。首筋を快感が這って、それを追うように長い指先がつつ、と撫でた。
生殺しだ。心の中じゃこれ以上ないってぐらい土方さんに強請っている。口に出しはしていないけれど、このまま温い刺激を与えられ続けたら発狂しそうだ。
「ぁう・・・っ」
「手ェ使わなくても、自慰ぐれぇできんだよ」
「嘘でィ」
「嘘じゃねぇよ。本当にお前は何も知らねぇのな」
優しげな口調で馬鹿にされた。色事なんて大して知らないし知っていることは全部土方さんに教わったことだ。この人が教えてくれなきゃ俺は何も知らないまま。キスの仕方もどこがいいかも、こんなに気持ち良いことがあるということも。
なんか文句あるんですか、口を尖らせて言えばふっと笑われた。そのまま名を呼んで結び目に指を引っ掻け手を引かれる。抱き締められるのかと身構えるとそのまま文机の角に座るよう促された。
後ろから土方さんが抱き締めてきて煙草の匂いにどきっとする。濃い煙草の匂いに落ち着くだなんて俺は考えてない一ミリも。
急に後ろからぐっと押された。土方さんの固いものが当たると同時に、俺のも机の柱に擦り付けられた。
「んぁっ、ひん!」
「手ェ使えなくても、できんだろ?」
「しゃべんな・・・っ」
吐息が耳を掠める。言いながら腰を押し付けられてグリグリと擦れる。木の固さがちょっと痛くて、でもそれが滲むように快感に変わる。数枚の布越しに土方さんの脈動が自己主張して、体の熱がぐっと上がる。
熱に浮かされたまま気付けば、机に手をついて自ら腰を振っていた。縛られたままなのが疎ましい、縄を取れ、言おうとして何で縛ったのかって話を思い出した。イったら敗けだ。今更自然消滅させればいいだけの話だけど負けず嫌いの血が騒ぐ。
浅い呼吸を繰り返しながら後ろを窺う。同じく浅く呼吸をして俺の体に性器を擦り付け、土方さんは俺で自慰しているようだ、なんて倒錯的。羞恥にぐちゅり、先走りが溢れた。
寝間着の裾を捲り、土方さんの手が俺の下着を勢いよく下ろした。
「ぅ、あ・・・」
外気に触れた性器をとろりと伝う液体の感触に涙が出そうになった。視界が潤む。
こんなじゃもう駄目だ。きっと触られただけで理性も何もぐちゃぐちゃになる。それなら、と。後ろを振り返る。頬を紅潮させた色っぽい表情が俺を見た。視線でさえ欲情を煽る。
「・・・ひじかたさん、アンタのそれ、」
「ん?」
「舐める」
言いながらもぞもぞ動いて膝上で丸まっていた下着を脱ぎ、少しの不自由を感じながらスラックスを下着と共に脱がせる。現れた土方さんのものにあむっと食らいつき根本を両手で握った。改めて見て触るとでかい。歯を立てないよう意識すると顎が痛くなって、喉の方まで頬張っているのにそれでも握れるぐらい余っている。
出したときから濡れていたそれは舌で触る度に苦味が増す。その不味さに興奮するなんて口に出して言えないがきっと土方さんにはバレてる。土方さんの顔を見ながら一端全て口から出して、また奥まで含む。どくん、大袈裟なまでに手中のそれが脈打ち口角が上がった。
「・・・うまいかよクソガキ」
「こんなのがうまいとか・・・それこそ味覚音痴でさ」
「その割りには嬉しそうにしゃぶってんじゃねぇかよ淫乱」
「種馬に躾られりゃ仕方ないもんでしょ」
頬っぺたでスリスリ、見せつけるようにすれば土方さんの表情が険しくなる。土方さんもそろそろ限界だろう。俺と同じく。ならば痩せ我慢はしないでさっさとイってほしい。ぱくぱくと開く先端に爪を立て、ぐちゅり、舌を捩じ込む。この人以外には絶対やれない。こんなことして感じたりなんか、しない。本当によく躾られたもんだと思う。
止めとばかりに、舌を捩じ込んだまま口に咥えて強く吸う。うっと呻いた土方さんがぐいと俺の頭を掴んでドクリ、口の中に精を放った。噎せそうになりながらこくりこくりと苦いそれを飲んで、最後に萎えたものを唇で強く挟んで吸いながら口から抜いていく。
「ん・・・顎いてぇ」
「でかいからな」
「自分で言うか普通」
「・・・そんなんどーでもいいから、」
早く挿れさせろ。掠れた切羽詰まった声で懇願されて募った性感が吐息となって溢れた。もっと俺を欲しがればいい。おじさんだなんだ、罵ったりしているけれど。ねちっこく攻められるのは嫌いじゃない。それだけ俺でこの人は欲情して楽しんでいるってことだから。
口づけと共に押し倒されて早急な手付きで解そうと手が伸びた。本音としてはそこより、前に触られたい。それ以前に慣らさなくていいから欲しい。そんなことしたら辛いのは自分だ、見境が無くなるまで溺れているわけじゃあない。
だからせめて。早く一つになれるよう体の力を抜く。ゆっくりと呼吸して土方さんの手をぎゅうっと握る。気付けば縛られたままだけど、この不自由さでさえ愛しい。
俺の体は土方さんをすんなりと受け止められるよう出来ていないけれど、俺を求めるこの人の気持ちだけは全力で受け止められる。
「・・・も、いいでさ」
「まだ少しきついぞ」
「これ以上されたら俺、イっちまう」
「・・・」
「・・・アンタと一緒にイきてェ」
「それさっき言っとけよ」
「一緒にイったら引き分けになるじゃねぇですか」
ぽかん、とした顔が一瞬の間の後、情けない顔に変わりあー、なんていう気の抜けた声を上げた。全くもって色気がない。いつも空気読めと言ってくるのはそっちだろうに。なんてムッとしているとぴとり、熱いものが据えられた。
目一杯足を開き土方さんの手をより強く握り、ひたすら真っ直ぐに土方さんを熟視る。どうぞ、言おうとしたそれは言葉にならず喘ぎになった。
「ふ、ぅあああ・・・っ! ん、くっ・・・」
「あったけ・・・」
勿論可也苦しいけれど正直な気持ち、受け入れられたことが嬉しい。久々だから不安でもあった。呼吸とともに後孔を締め付けると荒く土方さんが息を吐く。挿れられただけで軽くイったらしくて、腹の上から雫が伝ってくすぐったい。
ぺろりと目の縁を舐められて瞑っていた目を開いた。涙まで零れていたらしい。情けない。
「まだきついか?」
「平気でさァ」
涙が出たのは嬉しいからであって痛いからじゃない。一週間でさえも我慢はきつい。いつ、こういうことができなくなるか分からないんだから。できる内にたっぷりと。
足を土方さんの腰に絡めて繋がりを深くする。誘いに乗った土方さんが、ゆるゆると腰を引いてぞくぞくした。背筋が伸びる。身体中が快感を拾う。雁首まで抜いた土方さんは伏せていた目を開けて俺を見た。胸の中がむず痒くなって素直な体はきゅうと締め付けた。
口が裂けても、言葉になんかしてはやらないけれど。
あいしてる。
ずちゅと、まるで返事のように突き入れられて幸福な目眩がした。休むことなく腰を揺すられてひっきりなしに声が漏れて、殺せない。
「あっ、ぁあ、ん・・・っは、ああ!」
「・・・そうご、」
「ふぁっ・・・あ、も・・・がまん、できね・・・っ」
頬が涙でびたびただ。土方さんがくれるものしか感覚は拾おうとしなくて、射精しているのかさえ分からない。快感に昂ってこの上なく土方さんを愛しく思う。今だけは世界で一番だ。今だけは。
規則正しく揺すられていた腰を不意にぐぷり、掻き回されて死にたくなった。もう本当に無理だ、一つになれたわけではないけれど、土方さんしか感じない。
「ひん、っあ、う! っむり、もっ、だめ・・・っ!」
「っぁ・・・れももう、」
感じ入ってしかめられた顔、汗の滲む首筋、土方さんの匂いに俺からも腰を振って一心に土方さんを求める。手の中の手がすり抜けて、腰をがっつり掴んだ。代わりに俺は、ベストを掴む。
奥の奥を狙われる。土方さんの荒い呼吸と形容できない水の音がいやらしく聴覚を満たす。
「あぁん! ひ、ゃぁ!!」
「・・・そうごっ」
ほしい、言葉に出来たかは分からないけれど、どくんと土方さんが俺の中に注いで、それに先行するよう俺自身も吐精した。
「イくっ・・・ひ、ぁぁあ!!」
「・・・はぁ」
少しだけ身動いで、土方さんは鼻の頭、次いで唇に触れるだけのキスを寄越した。腹の奥にある感覚と相まってひどく優しい気持ちになる。満たされた、でもまだまだ足りない。
土方さん、名を呼ぶと縄を解いて、俺を抱き上げた。
「あ、っん!」
「・・・ねちっこいの、嫌か?」
「全然」
「なら良かった」
ぎゅうとしがみついて背中に爪を立ててやる。好戦的な目が射止めて、底無しの欲望が疼いた。
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