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梅々

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年末というか大晦日ですね

あと一時間半で今年が終わってしまいますね。

今日はガキつかの笑ってはいけない~を見ています。祖母の家はテレビの映りが悪く基本白黒なのですがね。昨日車内で見た総集編的なのが面白くて今日も見ています。もう面白くて面白くて。



今年はとてもお世話になりました。

リクエストをたくさんもらえた年だったので小説を書くのが楽しかったです。あと、沖土連載も終わりましたね。土沖は何一つ終わっていませんが(((・・;)

次の沖土連載をもう書き始めていたはずなのに・・・。最近三ヶ月、更新が少なくてすみません。来年は下手したらもっと少なくなってしまうかもですが、よろしくお願いしますね(*^^*)











では、書きおさめで土沖です。

まぁまだ後編を書いている真っ最中なんですがね。

前編は全年齢ですよww
































騙すつもりはない



奪うつもりではあるけれど











声を殺した僕と余裕な笑みと











年末年始とクリスマスだとどちらのほうが世間は浮かれるのだろうか。クリスマスの方が見た目的には華々しいが窓の外の世界は同じように人々が出歩いている。

好きな店の福袋が欲しかった。そこは贔屓にしているSM店で、本日限りのその福袋には色々面白いものが入っていると広告にはかいてあった。そこの店の主人とは仲良しで、ダイレクトメールが手書きで尚且つ可愛い便箋にいれられてくるものだから、恋文ですかと山崎に問われるほどだ。

まぁ、今日は仕事だから買えないのだけれど。できることならサボりたい。だが年末はちょこちょこ馬鹿馬鹿しい事件が多発するものだからサボりようがない。

その上、隣に座っているのは土方だからもうどうしようもない。



「休みたいでさァ」



「おまえ二十六日休んだろ」



「そりゃあアンタがあんなことするからっ!」



「何したっけか?」



クリスマスの営みの所為で翌日立てず、休んでいいと言ったのはおまえだろう。というか元を辿っても責任はおまえにあるだろう。それなのになんでニヤニヤして開き直っているのか。

苛々するがカッとなったまま言ったら土方が付け上がるだけだ、とりあえずノーコメント。



「あー今年も終わっちまったなぁ」



「まだ数時間あんぞ」



「でも、今年もアンタを殺せなかった」





そう言って運転中の横顔を凝視するとちらりと一瞥して、土方は小道を左に入った。ここは順路に入っていなかったぞ、と周りを見回してから再び隣を見ると同時に、唇を奪われた。ん、と文句を言おうとするとぺろりと唇を舐めそれは離れていった。

それだけのことに、煽られた俺は顔が火照るのが分かった。ゾクゾクするけれどこれも多分土方には露見している。そう躾られてしまったことが悔しくて、本当に殺したい。

無論、諸々の理由でできるはずがないけれど。



「おまえは俺を殺せねぇよ」



「なんで言い切れるんでィ」



「・・・呪いを、かけたから」



大変真顔でそんなけったいなことを仰るものだから。俺の耳は壊れたのか? と思うがどうやら正常なようで、幻聴ではなく本当にそう言ったらしい。呪いだなんて、信じていないくせに、そう呟くと肯定しつつもこれは本物だと、土方は嘯いた。土方の呪いが本物なら俺のいままで行った儀式やら呪いやらも本物のはずで、そうならば軽く三桁は死んでいるはずなのに。信仰心が強いもののほうを悪魔だって優遇するだろうに、こんなのってないだろう。

気は済んだのか車は元の経路に戻り、何事もなかったかのように見回りは続く。てっきり車の中でされるかもと思ったのに、これはおかしい。土方がこんな風にしてくることなんて彼がその気のときぐらいしかないのに。

俺らはただのオトモダチでしかないから。俺はトッシーの所為で本当の気持ちに気付いた挙げ句それを吐露してしまったけれど、土方のほうは多分なんとも思っていない。



「今晩飯食いに行くか」



「・・・仕事ですが」



「仕事のついでだ、奢るから」



「んなら行きやすよ」



「決まりだな」



相手から奢ることを言い出すのが珍しくて、何かあるのだろうかと裏を読んでみる。まぁ、この人の裏を読めるのは類希で、しかも大体この人が読まれたくないと思っているときだから読めやしない。

奢ってくれるというのだから余計な詮索はしないで、ありがたくその行為に甘んじていればいいのだ。気が変わらないよういつもより真面目に働いて。











昼間はデスクワークをする土方を邪魔せず一寸手伝って、おまけに茶まで汲んでやり、また夜の見廻りになった。他人の親切に土方は青くなりやがったが何もなかったから気にしないことにしたらしい。

昼間と同じ道を行く。時間帯が違うだけで印象は大分変わり、賑やかな温かい雰囲気から大人の艶やかなものになる。

あと二時間で今日が終わり、今年も終わってしまう。明日からは新しい一年が始まり、また同じような日々を繰り返す。それならば大晦日という今日はさして大したことないんじゃないか。特別なことなんて、なにも。



「・・・なんで奢るなんて言い出したんで?」



「・・・気分?」



「大晦日だし、みたいな?」



「大体は。ほら、着いたぞ」



いつもの屋台か飲み屋か、ファミレス、あっても回転寿司かなと思っていたら。入るのに気兼ねしてしまうような、料亭だった。

門の脇には行灯があり、藍色の暖簾には「さくら屋」と白く抜き出されている。テレビかなんかで聞いた名前だと、思いだそうとするが土方はずんずんと進んでしまっているから後について飛び石の向こうの建物へと急ぐ。

中へ入り靴を脱いで土方は待っていて、その向こうに紅を引いたキリッとした顔の女将さんが立っていた。

慌てて靴を脱ぐと、土方にぐいっと手首を掴まれた。これだけで心拍数の上がった自分が恨めしい。



「予約されていた土方様ですね。ようこそおいでくださいました。お部屋へご案内致しましょう」



女将が奥へ歩みだし、土方もそれに続く。だから、必然的に俺も引き摺られて。

どうぞ、と通されたのは突き当たりの部屋で、コースはご予約通りでいいですね、と柔らかく女将が訊ねる。



「予約通りでお願いします」



「わかりました」



端厳にお辞儀をして、彼女は退室した。土方の向かいに空気的に座らされ、キョロキョロと辺りを見回す。旅館の一室のようで、床の間までありそこには白や黄色の、花弁の大きな花が生けてあり、流石にテレビはないが趣のある窓が左手にはある。

こんなところ、接待でしか来たことがないというのに、なんで俺はいま土方と向かい合っているのか。

気分でこんなところ来るはずないし、何しろ予約するわけがない。



「ここ喫煙平気だよな。・・・あ、灰皿あった」



「・・・ってか何?」



「あ?」



灰皿をどこかから見つけた土方は、窓辺に歩みより、障子を開いた。ライトアップされた日本庭園が背後にはあって、それを眺めて煙草を吸っているのが様になっている。総悟、と名前を呼ばれて見惚れていたことに気付いて、ハッと視線を反らす。

たったの六日しか、経っていない。それなのにこうもドキドキさせられて、振り回されて、そのうち俺は恥ずかしいことを口走ってしまうんじゃないかといつも不安。トッシーにはきかれてしまったけれど土方は知らないはず。知っていたなら何らかの反応を示すだろうから。



「夕飯、ってなんでこんな高級そうなとこに。・・・俺はいいんですけどね、アンタが散財しようと」



「割引券もらったからよ。それに知らねぇのか? 山崎がわりかし安い店だから来てぇつってたけどよ」



含み笑いをしつつ土方はフゥ、と煙を外へ向けて吐いた。霞んだ庭の風景も綺麗で、ぼんやりと眺めていたら食前酒が運ばれてきた。

俺の好きな銘柄で、土方をちらりと見遣るふっと微笑を浮かべた。

てんで意味が分からない。

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