梅々
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大晦日!
- 2011/12/31 (Sat) |
- 土沖 18禁 |
- CM(0) |
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今年は一年お世話になりました!!!
来年もよろしくお願いします!
人生はつの一人きりの年越しにテンションあがりつつガキ使みてます。それでは姫始めネタ土沖!続きます!
来年もよろしくお願いします!
人生はつの一人きりの年越しにテンションあがりつつガキ使みてます。それでは姫始めネタ土沖!続きます!
北斗七星
炬燵、酒、蕎麦、近藤さんの温もり、裸踊り、それとやっぱり酒、おいしいもの。去年の今頃持ってた今欲しいものを指折り数えて、それから携帯をちらりと見る。今から走って戻れば日付の変わる前に屯所に戻れるだろうけれど、それも出来ない。見回りを入れてもいいか、聞かれてダメだと言わなかったのは俺だけど。すんと鼻をすすりながらマフラーを鼻の上まで上げる。
それでも斜め前を歩く土方さんは振り向きもしない。こっち向いてくれりゃいいのに、だからって何ができるわけでもないけれど。せめて見回りの最中なんだから顔を上げろよ。携帯なんか弄ってないで、俺に弄られてろよ。
こんなんなら見回りいれるんじゃなかった。屯所でテレビ見たり宴会したりしていればよかった。旦那は、流石に会えないけれど。こういうイベントごとは家族で過ごしてほしい、俺みたいなのとじゃなくて。
言い表せばただのセフレだから。旦那のことは好きだし旦那も俺のことは気に入ってるらしいけれど、それが恋かというと違って。
「土方さん」
「んー」
携帯から目を話さないこの人に、人知れず俺はそういう感情を向けているんだけど。ああでも、旦那にはバレてるんだった、人知れずじゃない。
この人と見回りなのは分かっていたから、二人きりになれるから、こうしてきたんだけど。やっぱりこの人と俺の関係もセフレなのか。いやでも今更悩むまでもないか。俺もそうだけど、土方さんにも他の相手がいる。
「帰ってもいいですかィ」
「ざけんなよ」
パタンと携帯を閉じた土方さんが子どもに諭すような声色で言う。そして漸く此方をちらりと見た。その流し目にぞくぞくする。その一瞬の視線だけで、こうして見回りに来てよかったと俺が思ってることをアンタは知らない。それだけ俺はアンタにぞっこんで。馬鹿みたいだ。
でもそれが全て空回ってるわけではない、体だけでも繋がったんだから。文句はない。これだけでも奇跡みたいなもんなんだし。何で女好きのこの人が俺なんかを抱いているのか分からないけれど。後腐れないからというのが主な理由だろうけれど。
「アンタ一人でも見回りぐらいできるでしょう」
「嫌だったら聞いたとき拒否すりゃ良かっただろ」
「一人じゃ寂しいかなぁと思ってついてきてやっただけでさァ。そんだけ忙しいんなら一人でも平気でしょう」
はぁ、と欠伸をしながら言えば歩みを止めて振り返ってくる。そんな反応されるようなこと言ったかなと、衝動的に言った言葉を反駁していたら嫉妬しているようにしか聞こえない気がしてきた。ああやっちまったなぁと思っていたら案の定にやりと土方さんが笑う。普段は鈍感なくせに、挙げ足取りだけは優秀だ、この人は。
「なんだよ、そんなに携帯弄ってんの気に食わねぇのか?」
「まさか。からかい甲斐がないからつまんねぇだけでさ」
そう言ってふふんと笑えば、意味ありげにふーんと目を細められる。格好良いと思うけれどもそれよりも苛立ちの方が勝って、八つ当たりしたくなるけれどもここは堪えないと餓鬼だのなんだの言われるだけだ。面倒くさい。
無性に旦那に会いたくなって、はぁと息を吐いた。旦那ならこんな面倒臭いことにならないのに。次はいつ会えるだろう。ある意味いま、とても恋い焦がれてる。土方さんとは本当に体だけだけど、旦那とだと疑似恋愛だから楽しくて。二人きりでいても苦にならないけれど、土方さんと二人きりだと最近は苦しくなることばかりだ。
好きになるのは楽しいことだと、そう思っていたのに全然違う。それは相手が土方さんだからなんだろうか。例えば絶対考えられないけれどチャイナとか相手だったらまだ、楽しい部分もあったのだろう。近藤さんを見ていると思う。全うに恋をしていたら、幸せなんだろうと。半端に体を繋いだから辛いのか、同性相手だからなのか。辛い理由はいくらでも浮かぶのがやりきれない。
「帰す気ねぇならいいでさ。早く回っちまいやしょ」
「帰るって、予定なんか入ってんのかよ」
「べーつに」
夜のネオンが、いつもよりも眩しいけれどそれに反して人気がない。毎年思う。こんなときに見回りをしても無意味だろうに。
本当に詰まらない。もう少し俺のこと気に止めたっていいだろうに、ずずっとまた垂れそうになる鼻をすすると、同時に土方さんの声が聞こえた。
「えっ?」
「……あれか、姫始め」
「はぁ? そんな予定ねぇでさァ。アンタじゃねぇの。今の携帯弄ってたのもその約束なんじゃねぇの」
「はぁ? んな面倒なことするかよ。女と約束したことなんかねぇよ」
「俺もねぇよ。そもそも約束するようなもんしねぇでしょ」
姫始めなんか意識する人間だったのか。俺の姫始めの相手はどっちになるんだろう。今年は旦那だった、というか俺のはじめてを奪ったのが旦那だった。やり納めは土方さんだけども。こう考えたら俺も人のことを言えない、お盛んだ。
どうせならただの尻軽のふりして、誘えればいいんだけどそんなことできやしない。
アンタが俺だけのものになってくれればそれでいいのに、それすらもいえず諦められない。
「総悟」
「へい」
「ついてこい」
「え?」
ぐい、と俺の腕を捕んで、ずかずかと土方さんは歩き始める。人気のない歓楽街をさくさく歩いて、路地を曲がって明かりの少ない方へ進んでいく。
どこへ向かうのかも意図も分からなくて、手を離してもらおうと足掻いても全く離れない。
「ちょっと土方さん!」
「んだよ」
あれだけ力強く掴んでいたのに、ぱっと手が離されたのはビルとビルの隙間の真っ暗な空間だった。月の光さえ届きやしない。
表情さえ見えなくて、何をする気か一切掴めない。警戒心が働いて後退ると、再び腕を捕まれた。
「姫始めするか、そうご」
炬燵、酒、蕎麦、近藤さんの温もり、裸踊り、それとやっぱり酒、おいしいもの。去年の今頃持ってた今欲しいものを指折り数えて、それから携帯をちらりと見る。今から走って戻れば日付の変わる前に屯所に戻れるだろうけれど、それも出来ない。見回りを入れてもいいか、聞かれてダメだと言わなかったのは俺だけど。すんと鼻をすすりながらマフラーを鼻の上まで上げる。
それでも斜め前を歩く土方さんは振り向きもしない。こっち向いてくれりゃいいのに、だからって何ができるわけでもないけれど。せめて見回りの最中なんだから顔を上げろよ。携帯なんか弄ってないで、俺に弄られてろよ。
こんなんなら見回りいれるんじゃなかった。屯所でテレビ見たり宴会したりしていればよかった。旦那は、流石に会えないけれど。こういうイベントごとは家族で過ごしてほしい、俺みたいなのとじゃなくて。
言い表せばただのセフレだから。旦那のことは好きだし旦那も俺のことは気に入ってるらしいけれど、それが恋かというと違って。
「土方さん」
「んー」
携帯から目を話さないこの人に、人知れず俺はそういう感情を向けているんだけど。ああでも、旦那にはバレてるんだった、人知れずじゃない。
この人と見回りなのは分かっていたから、二人きりになれるから、こうしてきたんだけど。やっぱりこの人と俺の関係もセフレなのか。いやでも今更悩むまでもないか。俺もそうだけど、土方さんにも他の相手がいる。
「帰ってもいいですかィ」
「ざけんなよ」
パタンと携帯を閉じた土方さんが子どもに諭すような声色で言う。そして漸く此方をちらりと見た。その流し目にぞくぞくする。その一瞬の視線だけで、こうして見回りに来てよかったと俺が思ってることをアンタは知らない。それだけ俺はアンタにぞっこんで。馬鹿みたいだ。
でもそれが全て空回ってるわけではない、体だけでも繋がったんだから。文句はない。これだけでも奇跡みたいなもんなんだし。何で女好きのこの人が俺なんかを抱いているのか分からないけれど。後腐れないからというのが主な理由だろうけれど。
「アンタ一人でも見回りぐらいできるでしょう」
「嫌だったら聞いたとき拒否すりゃ良かっただろ」
「一人じゃ寂しいかなぁと思ってついてきてやっただけでさァ。そんだけ忙しいんなら一人でも平気でしょう」
はぁ、と欠伸をしながら言えば歩みを止めて振り返ってくる。そんな反応されるようなこと言ったかなと、衝動的に言った言葉を反駁していたら嫉妬しているようにしか聞こえない気がしてきた。ああやっちまったなぁと思っていたら案の定にやりと土方さんが笑う。普段は鈍感なくせに、挙げ足取りだけは優秀だ、この人は。
「なんだよ、そんなに携帯弄ってんの気に食わねぇのか?」
「まさか。からかい甲斐がないからつまんねぇだけでさ」
そう言ってふふんと笑えば、意味ありげにふーんと目を細められる。格好良いと思うけれどもそれよりも苛立ちの方が勝って、八つ当たりしたくなるけれどもここは堪えないと餓鬼だのなんだの言われるだけだ。面倒くさい。
無性に旦那に会いたくなって、はぁと息を吐いた。旦那ならこんな面倒臭いことにならないのに。次はいつ会えるだろう。ある意味いま、とても恋い焦がれてる。土方さんとは本当に体だけだけど、旦那とだと疑似恋愛だから楽しくて。二人きりでいても苦にならないけれど、土方さんと二人きりだと最近は苦しくなることばかりだ。
好きになるのは楽しいことだと、そう思っていたのに全然違う。それは相手が土方さんだからなんだろうか。例えば絶対考えられないけれどチャイナとか相手だったらまだ、楽しい部分もあったのだろう。近藤さんを見ていると思う。全うに恋をしていたら、幸せなんだろうと。半端に体を繋いだから辛いのか、同性相手だからなのか。辛い理由はいくらでも浮かぶのがやりきれない。
「帰す気ねぇならいいでさ。早く回っちまいやしょ」
「帰るって、予定なんか入ってんのかよ」
「べーつに」
夜のネオンが、いつもよりも眩しいけれどそれに反して人気がない。毎年思う。こんなときに見回りをしても無意味だろうに。
本当に詰まらない。もう少し俺のこと気に止めたっていいだろうに、ずずっとまた垂れそうになる鼻をすすると、同時に土方さんの声が聞こえた。
「えっ?」
「……あれか、姫始め」
「はぁ? そんな予定ねぇでさァ。アンタじゃねぇの。今の携帯弄ってたのもその約束なんじゃねぇの」
「はぁ? んな面倒なことするかよ。女と約束したことなんかねぇよ」
「俺もねぇよ。そもそも約束するようなもんしねぇでしょ」
姫始めなんか意識する人間だったのか。俺の姫始めの相手はどっちになるんだろう。今年は旦那だった、というか俺のはじめてを奪ったのが旦那だった。やり納めは土方さんだけども。こう考えたら俺も人のことを言えない、お盛んだ。
どうせならただの尻軽のふりして、誘えればいいんだけどそんなことできやしない。
アンタが俺だけのものになってくれればそれでいいのに、それすらもいえず諦められない。
「総悟」
「へい」
「ついてこい」
「え?」
ぐい、と俺の腕を捕んで、ずかずかと土方さんは歩き始める。人気のない歓楽街をさくさく歩いて、路地を曲がって明かりの少ない方へ進んでいく。
どこへ向かうのかも意図も分からなくて、手を離してもらおうと足掻いても全く離れない。
「ちょっと土方さん!」
「んだよ」
あれだけ力強く掴んでいたのに、ぱっと手が離されたのはビルとビルの隙間の真っ暗な空間だった。月の光さえ届きやしない。
表情さえ見えなくて、何をする気か一切掴めない。警戒心が働いて後退ると、再び腕を捕まれた。
「姫始めするか、そうご」
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