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梅々

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パーセンテージ

出来ましたよキャッホーイ。
あれから三日も経ってしまいました。同人誌読み耽りました☆沖土だね~。久々に連載書こうかな。
とか言いつつ、にゃんこネタは土沖で目指せR18。
にゃんこが全然関係ないかも……………;












ほんの少しの出来心は抱いてはいけない恋心。





白百合の調べ





今晩幾度目かの寝返りをうち、沖田は土方のシャツの裾を掴んだ。甘えるような手付きではなく少し乱雑だが、それでも土方は甘えられていると思う。
沖田はそんなキャラじゃない。だけどだからこそ甘えられていると思い込んでいる。

「眠い」

「なら寝りゃあいい」

ギシ、と固めのスプリングが軋み、背中にさらりと滑らかな髪が触れる。シャツ越しに伝わる温もりは振り向けば消えてしまうだろうから、振り返ることもせずによっかかられたまま頭さえ撫でられない。

慣れない布団だから眠れないのだろうか。
妙なところ繊細なやつだからな、こんな寝慣れない固いベッドじゃ無理ないか。

「今から帰るか?」

「……それよか、も一回」

胡坐をかいた俺の足の上に身を乗り出し、総悟はキスをねだってくる。
珍しい。初めてのラブホだからかもしれない。
初めて体を重ねた時は泣き喚いて散々抵抗したのにな、絡められる舌の感触を愉しみながらぼんやりと思う。


酔っていたから、あんな事したんだと言いきれる。ほんの些細な悪戯に堪ってた鬱憤が爆発して、気付けば押し倒していた。意思を持って脇腹を這った指先に、かつてない程驚愕した総悟を、もっともっとみたいと思った。─────そこまでは、まともな思考が結べていたのだ、一応。
気付けば朝で、それでも自分が酔って、無理矢理に抱いたこと、意外にも敏感な体の感触もしっかり覚えていた。

そこから始まったこの関係を、なんと形付けるべきなのだろう?

「ンッ…ふ……ァ…んん………」

裸の胸同士をぴっとりとくっつけられ、首の後ろに回した手で体をより密着させられる。甘く鼻にかかった声はいつも俺の理性を麻痺させる。
いつもいつも、どんな風に抱いても総悟は余裕そうに微笑む。必死な俺を嘲笑うように、もっと。とねだってくる。
だから─────俺は少しでも、総悟にこれ以上ないってぐらい俺を求めてもらいたくて。

「総悟」

「……ァッ…何、ですかィ…?」

「これ、飲むか?」

差し出したのはこの間検挙した攘夷浪士から徴集したドリンク状の媚薬だ。製品についての説明を何度も目を通してみたが、危ない副作用などは何一つ無いとのことだった。ひとつ─────猫耳と尻尾が生えてしまうということ以外は。
我ながら道具に頼るなんて情けないと思うけれど、そうでもしなけりゃ本心なんてきくことが出来ないから。

「…ジュースですかィ? うまそうだねィ」

「苺味だとよ」

蓋を無造作に放り投げ、総悟は試しに一口、と瓶を煽る。味を気に入ったらしく、こくこく、と続け様に飲み、最後の一口を飲んだ後ペロリと口許を舐める。
真っ赤な舌が濡れた口許をなぞり、総悟は上目づかいに俺を見る。

「うまかったか?」

「案外、ですがねィ」

フ、と総悟は口角を上げチュッ、と口付けてきた。もう薬が回ったのか、そう思うがどうやらそうではないらしい。
舌とともに口内へ侵入してきた甘い液体をついうっかり、ごくりと飲み込んでしまった。
ハッ、とするがもう、後の祭。

「おまっ……!!」

「やっぱアヤシイ薬なんですねィ、コレ。あんたが薬に頼るなんてねぇ…。 で、何の薬なんで?」

わざと甘える風に下から見上げられ、やられたな。と内心溜め息をつく。分かってて飲むとは。気付かれてないと思ったのに。

いつの間にか絆されていたのだ。憎まれ口叩き合いながらも傍にいて、求めればいつだって体を開く。
いつでも、どんな時でも常に真っ直ぐな瞳をして傍にいる。

「……副作用のある媚薬だよ。どうやら速効性はねぇみてぇだがな」

「ふ~ん。その副作用ってぇのは?」

「耳と、尻尾が…………」

その時、ポンと音がした。
白く視界が霞み、何事かと驚いて総悟の腕を掴んだがなんともないようだった。………のだが。

「あ、土方さん黒猫だ」

「……お前も黒猫だけどって俺にも生えてんのォォォ!?」

恐る恐る頭に触れてみる。ふわふわな物が、指先を撫でる。
総悟は見た目からして違和感ないけど、俺はヤバいだろ。大の大人が猫耳生やしても、気持ち悪いだけだろう。試しに耳を動かしてみるとピクピクと手の中のソレも震えた。

「………」

「土方さん、可愛いですぜ」

黒い尻尾を左右に振り、総悟は楽しそうに俺の頭の上をじぃっと見つめている。

─────こいつは大丈夫なのだろうか。先程から体が疼いて堪らない。シーツを下肢にかけているからといっても全裸に近い格好でいられると、薬が回っていなくともムラムラとしてしまうというのに、媚薬が回り始めているから辛くて堪らない。
それもこれも、総悟が俺に薬なんざ飲ませるからだ。

「ッ総悟…!!」

「ぅわっ……!?」

ガッと押し倒すと不安そうに耳が震えた。新しい。これはこれで、いいかもしれない。耳と尻尾だけは生意気な口とはうって変わって素直な感情を告げる。
真っ直ぐ、揺らがない赤い瞳は俺を射止め、隠すことなく欲を宿す。素直なのはこういう、俺を誘うときだけだ。

「……また、するんで?」

「お前がしてぇつったんだろ? ……それに薬回ってきてっからなァ。手加減できそうにねぇぜ?」

「いつも手加減してたってぇんで? どーせ嘘だろィ、本気であの程度なんでしょう」

いつまでその減らず口が言えるだろうか。
言葉が紡げぬ程散々なぶって喘がせて、滅茶苦茶にしてしまいたい。俺だけ求めて何も、考えられないぐらい。
けれどそれまで自分が堪えられそうにない。

「ったく糞餓鬼が……」

「猫耳つけてそんなこと言われてもねぇ………ァッ…」

フワフワの耳を柔く揉みながら、空いた手で与えられる快感にただただ震える尻尾をそっと撫でた。その都度唇から零れる声はいつもより甘く、その声だけでも達せそうな程だ。

「ハァッ……ン…ひ……じかたさ、ァッン……」

「どうした、総悟」

「…ぁ…んっ……も、ぅ…やぁっ……」

耳を甘噛みしながら囁けば、目に涙を浮かべ強く抱き締められる。
堪らない。
滅茶苦茶にしたい。何もかも、壊して。

舌で丹念に耳を舐めるだけで、自分の下にある体がビクビクと痙攣する。どれ程の快感がその体を支配しているのだろう。何時にも無く弱々しく見える総悟に唇を重ねた。

「ふ、ぁッ…んん……」

ちゅっちゅっ、と舌先を吸い、粘膜同士を強く触れ合わせる。どこまでも甘美な口付けは総悟を汚していることを改めて実感させる。
後悔、するよりも優越の方が勝っている。漸くこの存在を手にしたのだ。きっと、ずっと前から欲しくて堪らなかった、総悟を。

「欲しいか、総悟」

尻尾がフルフルと頷くように揺れる。涙に濡れた瞳が縋るように俺を見つめる。
それだけじゃ物足りない。きちんと声に出してくれなければ。

「総悟」

「ほしッ…い……でさ……ひじか、た…さ……ん」

「ほんとにお前、そう思ってんのか?」

「思ってっからっ……!!」

心外だと。
告げる表情が哀れみを誘う。
そんな顔されるとまた、壊したくなる。どれだけ俺のツボを押しているか、こいつは絶対に知らない。だからこそ愛おしいと思うのだろうけど。

「俺のことはどう思ってんだ?」

「それは………」

フイ、と視線を反らし、総悟は口篭る。尻尾を使い、催促するように内股をやわやわと撫でると、唇を噛み息を飲んだ。

「………ぁ……はやくっ……」

「言うまでこのままに決まってんだろ」

内股を辿り秘所をやわく突く。触れた事のない異物にビクッ、としたがそれも一度きりで、それを包みこもうと襞が収縮する。心地好い締め付けに、早く挿入したくなる。

「好きでさッ……だから……ンァ…」

「嘘じゃねぇな?」

コクコクと頷き、総悟はぎゅうッと俺の体に白く長い手足を絡ませた。可愛いことをするもんだと、にやけそうになるのを堪えつつ、誇張する己を収縮を繰り返す秘孔に当てがった。そして、ゆぅっくりと熱い内部に収めていく。先程の残骸が未だナカに在って、やらしい後孔は抗うことなく俺を受け入れる。

「ぁんっ……あつ、い…ァ…っひゃ……」

「…ほんっと……いいカラダしやがって…」

奥まで突きいれ、掻き回す度にぐちゅぐちゅと結合部から蜜が伝う。その感触と音に、総悟は顔を真っ赤にし、顔を隠すように強くしがみついてきた。わざと、音をたてるように動くと、キッと瞬きで涙を零しながら睨まれた。
腹立たしい程に劣情を煽る。

「…くっ、ア……音………やめっ……やらし……ぁあッ……」

「やらしい? ……それはお前の体が、だろ」

奥を貫く都度に、俺を搾りとるように肉が絡み付く。
自分を制御出来ないぐらいの肉感的で、二回目だということを失念し、本能の言うがまま、欲望に身を委ね、総悟の最も感じるしこりの部分を何度も攻めたてる。

「ひぁぁっ………ぁあん……ダメ…も、出る…ぅ…ぁっく………!!」

先走りでぬるぬると濡れている総悟の肉棒を腹で擦り付けながら、射精を促すように激しく律動を繰り返す。
びくんびくんと体中でそれを感じながら、総悟はぐっと俺の背に爪をたてた。

「んぁぁぁっ!!」

二人の腹部を汚しつつ果てる総悟の際奥へずぶっ、と突き、絶頂を迎えた。




「…………へん、たい」

かすれ気味の声で悪態をつかれ何とも言い返せなくなる。悪かったかもな、と思ってはいるが謝るようなことはしていないと思う。いつも通りやっただけだ、ただ少し、二回目だとか薬使ったとかオプションがついたぐらいで。
そのぐらいで、耳と尻尾の毛を逆立てて怒らなくてもいいだろう。

「あんたサイテー」

「はいはい」

わざと、感じやすい耳を指先でくにゅりと撫でると、眉間に皴をたっぷり作り、手を払い退けられた。もう媚薬の効果は切れてしまったらしい。

「俺が好きでもねぇヤローに足開くわけねぇだろうに……そこまでして、聞きたかった?」

「……………そーだよ。悪いか」

こうなったら、開き直るしかない。天井をじぃっと見つめていると、不意にクスリと総悟が笑った。

「顔、あけぇし耳がぴくぴく震えてやすぜ」

「うっせぇな」

「素直じゃねぇ、お人だ」

お前に言われたかない。言い返す代わりにそっと、腕に絡んできた体を抱き締めた。

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