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梅々

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明日は皆既日食! !

昨日はちょっと遠くのメイトまで行きました。家族と買い物行ったついでにちょっといいかな、みたいなノリで。トーン三枚とコピック十本ぐらいと沖田のアンソロとグッズで5000円近くつかっちまって私はいまやばい。買い物できへんよ。

で、やりたいことがどれくらい残ってるか確かめてみようという↓

・おきたん 土沖
・沖土連載終わらせる
・原稿やる
・SAW5見る
・ハリポよみつくす
・京極堂に会いたい←というより榎木津・・・。
つまり読もうか。
・ピクシアで絵を描く

七個も残ってるか。原稿+おきたんはいまやりかけだからいいとして、沖土とピクシア、SAWは頑張んなければ。
八月頭に小説〆切あんの忘れてた(O.O;)(oo;)





それではおきたん!土沖フラグが漸く立った・・・?いや、立ってないな。立ってない。願望でしかない上に銀沖といったほうが正しいきもするぜ。
















驚いた俺はどうすればいいの。





茜の空の誘う艶言
四、つぶれたプラム





 藤の彫られた蓋を開くと現れる、文字盤。古い難しい漢数字の文字盤に、チクタクチクタク規則正しく時間を刻む黒い針三本。

―――――懐中時計。

 こんなものを、わざわざ俺の為に買ったのか、他意もなく。
 何気無く箱から取り出しては少しだけ進んだ針を眺める。窓際に腰掛けて誰もいない部屋の中、月明かりだけを頼りにぼんやりと思いを馳せる。他意がないなんて嘘だろう。箱を開けてそう思った。

「総悟君、風呂入んね?」

「そうしやしょうか」

 やっとはけてきた旦那が草臥れた顔で部屋へ戻ってきた。さっき広間でしていた格好ではなく、いつも通りの格好だ。
 どうやらこの旅行は、とある会社の旅行に「かまっ娘くらぶ」というキャバクラ(?)までもが呼ばれたものらしく。従業員は夕方の広間での宴会から良い子は寝る時間の九時までずっともてなしているらしい。
 仕事で温泉にこれて、ただで好きなだけ入れるのはとても羨ましいけれど、他人をもてなすのは苦手だし、旦那を見ていると大変なんだなと思うし転職候補には入らない。

「総悟君可愛かったのになぁ・・・」

「それ以上言ったらパー子さんの写真を土方さんに見せやすぜ」

「そしたらそう子の写真を多串君に見せるけど?」

「・・・」

 にっこぉり、旦那は笑う。それににっこり笑い返して、俺は入浴道具を手に持った。
 嘘はつかれていなかった。だから旅館は高級感があるし、バイトもさせられた。まぁ、旦那が楽して稼ごうと俺を連れてきたことは一目会った瞬間から巨漢のママにばれていたらしく、「そう子ちゃんは新入りだから無理しないでいいからね」と優しく怖い顔で言ってくれた。
 三階のあてがわれた部屋から一階の温泉まで行く途中に女将さんと出会った。俺らが来たときと同じように、腰から深くお辞儀して、柔和な笑みを浮かべた彼女は若女将と呼ぶのが相応しいだろう、二十代後半に見える。

「これからご入浴ですか?」

「へい」

「今は誰もいませんわ。ごゆっくりしてくださいな」

「ありがとうごぜぇやす」

「いえ。では・・・」

 再びお辞儀して彼女は去る。角を曲がるのを見届けてから、旦那の方を向く。一言も話さなかった上に未だに去った方を見ているとなれば、これはこれはもしや、滅多にない旦那の色恋沙汰ではないか?
 興味本意で覗き込んでニタニタしていると不意にばちんと目が合った。

「え、なに・・・? 顔なんかついてる?」

「いや、旦那が珍しく何も言わねぇんで気味悪くて。もしかして、一目惚れとか?」

 そう言うとぱちくりと瞬きしてブハハハハと吹き出し始めた。
 いやいやいや。意味が分かりませんよ。どこに笑える要素がありましたか、いま。
 笑い続けたまま旦那は浴場へ向かって行って、その後を俺はついて行く。腑に落ちなくてムスッとしたまま、脱衣場について漸く笑うのを止めた旦那を横目に見つつ、服を脱ぎ始める。

「総悟君て好きなやついんの」

「そもそも好きってなんですかィ」

「それは壮大な質問だな」

 苦笑しながら旦那は上を脱ぐ。橙色の電球に照らされた上体は土方さんのように適度に筋肉のついた男らしい逞しさで。
 袴を脱いで上も脱いで自分の体を見る。一応筋肉はあるが彼らに比べれば少なく、薄っぺらい体。毎日欠かさず鍛えているというのに。体質の問題だと、前に土方さんに言われたがそれで片付けられたら悲しくて仕方ない。

「ナニしてんの」

「え、いやぁ別に」

 問われて、慌てて下着も脱いで風呂へ向かう。
 湯気の立ち込める、広い浴場。女将さんの言う通り貸し切り状態で、多大な感動を抱く。初めて入った温泉が貸し切り同然なんだ、これは仕様のないことだろう。
 屯所の風呂場も広いがここより狭くて、浴槽自体は此処の半分ぐらいしかない。石の敷き詰められた床に、ごつごつした岩に囲まれ、湧き出る原泉が垂れ流しのたっぷりのお湯。逸る気持ちを沈めて先ずは汗を流しにかかる。

「初恋未だなの?」

「まだ引っ張るんですかィその話。多分、まだでさ」

 当たり前だけれど旦那と風呂入るのは初めてだなと思いつつ頭をざかざか洗う。リンスインシャンプーという素晴らしいものがここにはおいてあって、「いいか、おまえはリンスつけろ! これ副長命令な!」と職権乱用する上司の言いつけを健気に守っちゃう俺にとって有難い。
 初恋か、と回想してみるがどうにもそれらしい思い出はなくて。恋愛感情を他人に抱いたことがないから分からないんだという仮説は見事にヒットしたらしい。

「まぁ、すればわかるし。これが恋なんですぅって」

「俺鈍感だから気付かねぇかもしれやせんよ?」

「あぁそうかもね」

いまも。
 ぼそりと言われた言葉に問い返すよりも早く旦那は立ち上がって湯に浸かる。
 いまも、とはどういう意味だろうか。鈍感、という話だから、俺が誰かに想われているとか? いやでもそんなことはないだろう、土方じゃあるまいし。ならばつまり。
 俺が誰かを想っている、と。

「旦那旦那、どういうことでィ、それは」

「まぁー・・・自分で考えようか」

 ちゃぷり、と浸かると程よい温度で気持ち良かった。肌に染み入るような、若干熱いくらいが好きな湯加減だ。タオルで顔を拭い、邪魔な前髪を上げていると先程の仕返しとばかりに此方を見つめられていて、視線が沈黙の中結ばれる。
 根気強くヒントをくれるのを待っていると、ふ、と柔らかく笑い旦那は俺の額に狙いを定めるように一度手を当ててから、ぺちんと叩いてきた。

「いまのでなんか閃いたか?」

「いや全然。寧ろ何にも分かんなくなりやした」

「まぁ、気付いてないだろーねー・・・」

 意味深なことを遠い所を見ながら言われてよりきょとんとしてしまう。気付いていない?
 だから、どういう意味なんだってば。
 分からなくて苛立ち始めているとざばぁ、と旦那は立ち上がった。

「露天も行こうか」

「そーですねィ」

「・・・俺から見たら、じゅーぶん恋してるように見えるけどね」

「へ、」

 ニヤリ、笑って外へと続く扉を開いた後ろ姿を目は映しながら、心臓は握り潰されたかのように激しく自己主張していた。
 そんな、まさか。

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