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梅々

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山崎春のパン祭

ジャンプはや売り感想読んできました。
感想ってとこがミソね(笑)
ヤバかった。ザキー!!尊敬に値する主従関係だと思います。うん。総悟は自由奔放だね。



それでは随分前に言ってた連載したいネタ。














なんで、こんな気持ちになるのだろう。胸が苦しい。 

裏切られたような切なさ。俺とあの人は赤の他人なのに。 










すれ違いLOVERS 










初めて会ったのはいつの事だったか。五年前に、難しい名前の病気にかかって、この病院から出る事は叶わなくなった。肉親はお祖父ちゃんしかいなくて、俺の治療費払うため忙しくて月に一回程度しか電話出来ない。それでも、世界で一番好きだったし、心の支えだった。 

入院して四年目に入ったある日(簡単に言えば一年前)、俺みたいな病院に居座り続けるっていうか多分死ぬまで病院から出れない人達が集められてる病棟を歩き回っていた。その日は確か、俺が大好きな小説の発売日で購買へ本を買いに行こうとしてた気がする。 

早く読みたくて、病院の中は走っちゃダメだから急ぎ足で歩いていた。そして、角を曲がろうとした所で、運悪く人にぶつかってしまった。此処には爺さんとかが多いから、いつもは気をつけていたのに・・・と半ば後悔しながら素早く謝った。 

「あ・・・すいやせん」 

「わりぃ」 

この病棟の人の事は、全員覚えているから、その声をきいて驚いた。聞いたこと、なかったから。誰かの見舞い客かと思って視線を上げると、黒髪のキリッとした目の・・・同い年ぐらいの男の人が。黒いジャージを着ているから、入院しているのだろうか。 


でも、そんな事より早く本が読みたくて、一礼してその場を後にした。 

が、その次の日、今度は休憩室でばったり会う事になる。 

休憩室に入ったら、なんか引っ掛かる人がいて、小銭を自販機に入れながら誰だったかなァと悩んでいるとやっと思い出せた。昨日ぶつかった人だ。昨日とは違うけど、またジャージを着ているからやっぱ入院してる人なのか? 

暫くの沈黙の後、缶を椅子に置く音が室内に響いた。 

「お前・・・ここのヤツ?」 

見て、わかると思うんだけど。俺は昨日も今日も赤いチェックのパジャマ着てるし。 

「まぁ。・・・アンタは?」 

「一昨日からな」 

だから、知らなかったのか。でも久しぶりだと思う。ここに人が入ってくるのは。 

「お前、名前は?」 

「沖田総悟でさァ」 

「俺は土方十四郎。病室は114」 

「俺は103。・・・アンタみてぇな若い人がココに来るとは思ってやせんでした」 

「お前のほうが若いんじゃねぇの?」 

笑いを含んだ声に、中々もてるんだろうなと考える。低くて、耳に馴染む心地いい音色。曖昧に頷き返すと苦笑混じりに握手をと手を差し出した。 

自分より一回り大きいそれに手を重ねると、握手の代わりに指先に口付けられた。
「なっ・・・!」 

驚愕する俺にニヤリと口角をあげ、今度はチュッと軽く音をたて同じようにされた。 

「よろしくな、総悟」 

その日から、俺らは多分親友になった。 





・・・だから、親友なだけなんだからこんな思いしなくてもいいはずなのに。 

ただ、土方さんの部屋に若い女の子がいただけで。 

そそくさと自室に戻り後ろ手に鍵を閉めた。ふーっと一息つきベッドに横たわる。ふて寝とかじゃなくてただ眠いから横になるんだ。と自分に言い訳してる理由なんか俺は知りたくもない。 

俺らはただの友達なんだから。 

こんな、思い。 






―――――そういえば、キスした事もあった。 

それは、会話の延長線上の行為で、親愛は含まれてるけど、恋人になってほしいとかじゃなくて、ただの戯れだと判りきってたから気まずさとか後ろ目たさとかそういう類の感情は生まれなかったんたけど。 

それから度々、まだ二桁までは行ってないけどその行為を繰り返している。

だから―――――情が移ったのか?女じゃないのに?俺は。 

考える毎に、深みにはまる。こういう時は何も考えないのが無難だと土方さんが言ってた。あの人が言ってた通りにすんのもしゃくだけど、とりあえず今は無心になろう。 


今は。 


コン、コン、とノックの音に続いて、カチャとノブを回す音。 

だけど大丈夫。扉は開かない。さっきちゃんと鍵をかけた。

そうご、とくぐもった声がいつものように名を呼んだ。いつもだったら脱兎の如く駆け寄って扉を開けるのだけど。 


今日は、会いたくない。 


だんだん落ちていく意識の中で、土方さんの俺を呼ぶ声が何度も聞こえた。

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