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梅々

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離任ネタ。

いつものように優しく名前を呼ぶ。それに振り返った沖田の表情は無で、土方はやっぱりなと思うと同時に少し落胆した。

離任式が終わった後、土方は沖田にメールを送った。いつものところで、と。それを受け取り返信こそはしなかったが、沖田はこうして来てくれた。それだけでいいかと、土方はスーツを机に置き沖田の向かいに立った。



沖田は昨日から三年生になった。

土方は昨日から三年目を迎える筈だった。

同じ年に来たのだが、三年と学校にいる期間が決まっている生徒に対し、教師は決まっていない。だから、土方のほうが早くこの学校を離れることとなった。



くい、と沖田の顎を捉え上を向かせる。



「泣いてくれもしなかったんだな」



「アンタじゃあるまいし、土方さん」



ついこの間、三月までは。土方さんと呼ばれるたび先生だと怒ったものなのに、今はそのやりとりの必要がなく。

壇上でみっともなく泣いてしまったのに、また泣いてしまいそうになった。

この学校から離れることよりも、沖田から離れることが辛い。

副担任として初めて会ったときから気になっていた。偶然沖田のいる剣道部の顧問になり沖田の華麗な竹刀捌きを見て、惚れた。それから半年かけて沖田が土方のいる準備室に来るようになり、更に半年かけてセクハラを甘受してくれるようになった。

沖田が土方と同じ思いを抱いていることはまず無いと、土方は思っている。

土方の恋心はとても非道徳的であり、異端だから賛同が得られないのも、知っている。



「最後くらい、泣いてくれてもよかったじゃねぇか」



「アンタの為にならそこら中の女が泣きまさぁ」



「俺は、おまえに」



悲しんでほしいのだと。

言えなくて言葉は気まずく口の中を漂った。











離任ネタです。忘れる前に投稿してみました。

明後日は土沖オンリーです*^^*

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祝☆映画化

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