梅々
苑咲早良が運営する銀魂BL小説サイトです。 心意気は18禁。 著作権的な何かは放棄していません。マナーは守ってください。 メールフォームやコメント欄は下にありますので、何かございましたらお気軽にご使用ください。感想とか頂ければ舞い上がります! 不定期更新な別館を作成しました。ミツバさん愛してる! 気が向いたらお越しください→http://tokosienoai.dou-jin.com/
近藤さんの命日
- 2012/04/25 (Wed) |
- 銀魂 |
- CM(0) |
- Edit |
- ▲Top
誕生日でした。たくさんの方に祝っていただきとても嬉しかったです。えへへ。そして花をいただいた。異性に。人生初。
それでは近←沖。
やまなしおちなしいみなしです。
それでは近←沖。
やまなしおちなしいみなしです。
スタートライン
横を向いてぐぅかぐぅかと眠る、その頬に濡らしたタオルをそっとかける。ぴくり、と眉が動いた。けれど起きる気配はなく、眉間のしわがなくなり、安らかな顔をしてまた鼾をかいた。
幸せそうな顔。いま、どんな夢を見ているんだろうか。俺が出ていればいい、けれどきっと、近藤さんからしたら姉御がでていたほうが嬉しいのだろう。
「近藤さん」
小さくぼそり、呟いてみるが起きなくて、少しだけ悲しくなった。赤く腫れた頬はもう見慣れたものだけど、初めて見たときはとても驚いて、姉御に殺意がわいたのを思い出した。それでも、近藤さんがあの人を本当に好いているから、俺は何にもできない。
俺だけのものにしたかった。大好きな近藤さん。姉上と近藤さんだけが俺の世界の全てで、それ以外は何もいらないからと、ただ求めた。実際は今も変わらないのだ。俺は近藤さんだけがただ欲しい。俺だけのものになってくれるなら俺は何だってする。なってくれなくても、こうして側にいられるだけでいいと、妥協できるようにはなったけど。
隣にごろりと寝転んで、同じ角度からじぃっと熟視る。頬が腫れていてもかっこいい。じわじわ胸を満たす愛しさを、噛み締めながら手を伸ばす。タオルを引っくり返して、ついでにそっと触れてみる。暖かい。
そろそろ土方さんが探しに来る頃だろうと、上体を起こしておでこにちゅっと唇を当てる。
「総悟」
タイミングを計ったかのように声をかけられた。やおら振り向くと、土方さんがくわえ煙草で俺を見下ろしていた。
眉を寄せている。俺が近藤さんに恋しているのを、土方さんはよく思っていないからだ。誰を好きになろうが俺の自由なのに、叶わないんだから諦めろなどと言う。容易く諦められたらどんなに楽か。それが無理だからこんなに、悩んでいるのに。
「サボってんな。見回り行くぞ」
「へいへい」
にまにましてる近藤さんの寝顔をじっと見つめてから、よっこらしょと立ち上がる。それすらもまじまじと見られて、土方さんに視線を向けるとふいと反らされた。
俺には、まともな恋愛をしてもらいたいのだろう。結婚して、ガキを生ませてと、ありふれた幸せを手に入れてほしいのだろう。土方さん自身はきっと必要としていない。押し付けるなと言うのに。
「アンタはもう誰も好きになんねぇの?」
「……なんねぇだろうな」
そう、溜め息混じりに言った声が何故か、辛そうだった。
横を向いてぐぅかぐぅかと眠る、その頬に濡らしたタオルをそっとかける。ぴくり、と眉が動いた。けれど起きる気配はなく、眉間のしわがなくなり、安らかな顔をしてまた鼾をかいた。
幸せそうな顔。いま、どんな夢を見ているんだろうか。俺が出ていればいい、けれどきっと、近藤さんからしたら姉御がでていたほうが嬉しいのだろう。
「近藤さん」
小さくぼそり、呟いてみるが起きなくて、少しだけ悲しくなった。赤く腫れた頬はもう見慣れたものだけど、初めて見たときはとても驚いて、姉御に殺意がわいたのを思い出した。それでも、近藤さんがあの人を本当に好いているから、俺は何にもできない。
俺だけのものにしたかった。大好きな近藤さん。姉上と近藤さんだけが俺の世界の全てで、それ以外は何もいらないからと、ただ求めた。実際は今も変わらないのだ。俺は近藤さんだけがただ欲しい。俺だけのものになってくれるなら俺は何だってする。なってくれなくても、こうして側にいられるだけでいいと、妥協できるようにはなったけど。
隣にごろりと寝転んで、同じ角度からじぃっと熟視る。頬が腫れていてもかっこいい。じわじわ胸を満たす愛しさを、噛み締めながら手を伸ばす。タオルを引っくり返して、ついでにそっと触れてみる。暖かい。
そろそろ土方さんが探しに来る頃だろうと、上体を起こしておでこにちゅっと唇を当てる。
「総悟」
タイミングを計ったかのように声をかけられた。やおら振り向くと、土方さんがくわえ煙草で俺を見下ろしていた。
眉を寄せている。俺が近藤さんに恋しているのを、土方さんはよく思っていないからだ。誰を好きになろうが俺の自由なのに、叶わないんだから諦めろなどと言う。容易く諦められたらどんなに楽か。それが無理だからこんなに、悩んでいるのに。
「サボってんな。見回り行くぞ」
「へいへい」
にまにましてる近藤さんの寝顔をじっと見つめてから、よっこらしょと立ち上がる。それすらもまじまじと見られて、土方さんに視線を向けるとふいと反らされた。
俺には、まともな恋愛をしてもらいたいのだろう。結婚して、ガキを生ませてと、ありふれた幸せを手に入れてほしいのだろう。土方さん自身はきっと必要としていない。押し付けるなと言うのに。
「アンタはもう誰も好きになんねぇの?」
「……なんねぇだろうな」
そう、溜め息混じりに言った声が何故か、辛そうだった。
PR
COMMENT