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梅々

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朽ちないもの

ガンダムは何であんなティエリアが可愛いのだろう。
ロックオンの仇だっ!
あの科白に全てが込められています。
リボンズを取るかロックオンを取るか・・・刹那をとりますか?(オイ
ミスター武士道の俺色に染めあげてほしい発言は吹くしかないですね\(^o^)/

COCCOの風化風葬で沖→←土死ネタを書きたいです。





それではこねたの筈が百人一首に昇格した上まさかの沖沖要素という爆弾を含んだびっくり仰天です。
百合沖土は次になりましたね・・・。














“戦うことはそんなに大切か? 人殺しに過ぎない。それは間違いだ。”





贖罪の灯





黴臭い家屋、足元の死体。剣先から滴る血の生む水音。
感覚を研ぎ澄ませても人の気配を感じない。後少ししたら土方さんが様子見に来るだろう。毎度の事ながら、副長直々に何ともない俺の様子を見に来るなんておかしい。

背後をとられても声をかけられても動じないのは、背後のモノが幻影に過ぎないことを知っているからだ。

俺の存在意義を否定するのは。

「黙ってな、ガキが」

自分自身。

『あの人の為。大義名分はそれで十分だろうけど、良心の呵責に堪えられるのか? 心は表には出ずとも体には顕著に現れる。お前の知らぬ内に。』

お喋りな奴。
その言葉は自分にはねかえってくると思うと遣りきれない。
正論をもっともらしく語る、俺であり俺ではないもの。
足元の死体は青白い肌をしているが正面の少年も同じように。ビスクで出来た人形のような肌だ。陶磁、とかいうような。

「あの人が俺の存在意義だから、あの人の為ならなんでもする。良心なんか疾うに捨てた。朽ちるなら朽ちればいい。俺は死ぬ時まであの人の側に居られればいい」

そう、それが本望。
深くは望まない。
だが、言い切ってから何とも言えない靄が胸を包んだ。
俺より機敏に気付いた人形が、一歩間合いを詰める。
刀を伝う他人の血は乾き始めたようだ。静寂が黴臭さを強める。

『お前はそれでいいと本気で思っているのか。・・・土方は』

「・・・土方さん、ね。お前はどう思う」

『・・・さぁ。』

誰よりも俺を熟知した人形にさえあの異端者の存在は異端でしかないらしい。なんという感情にあの存在を絡めればいいのか、戸惑った挙句の放置状態。
結局は、誰にも俺の土方さんへの感情を形付ける事が出来ないのだ。
俺とこの人形以外、この心を知らないのだから。

『―――揺らぐことを許さなかったのは俺か、お前か。』

「両方だろうよ」

大切なもの、その輪に決して含めてはならない。
それを破ったが故の混沌。
嗚呼、だから幻影として俺を責めるのか。
誰も俺を責めないから。

『忘れたわけではあるまい。―――裏切りを。』

重々しくそう言った人形に嘲笑を返す。
裏切り?
裏切りは痛みを生むものだ。誰も傷付いていないのにあれは、裏切りとは呼べない。

“お前が好きだ”

そう言われた時、愚かな選択肢が頭をよぎった。姉上ではなく近藤さんでもなく、あの人を選ぼうとするなんて。

『傷付いていない? あの時はそうだとて、遡れば誰よりも大切なあの人が傷付いただろう? ・・・全てはお前の咎だ。お前が姉上を裏切らなければ更なる裏切りは無かった。』

「うるせぇっての、ガキ」

偉そうな口をきく正論の塊を、傷つけられないのはその理論に心が揺らぐから。
大切な姉上。側に居られればそれで良かったのに、誰よりも俺を思ってくれたのに、俺は独りにしてしまった。
あの時俺が決心をしなければ姉上と二人でいられた。俺は人殺しなんか、せずに。

「本当、煩い・・・」

『人殺しすることに疑問を抱かず、良心の呵責も気にはしないのだろう?なら切り捨てればいい。良心を。』

さぁ、と人形は危うい微笑を浮かべ手を広げる。
良心の無い人殺し。
―――――修羅。
そんなものに、俺はなれるのか。

『さぁ、斬れば良い』

「・・・現実逃避は止めだ」

刀を清め、鞘へ納める。
これは近藤さんを守り、助ける為のもの。どうでもいい物思いなんかで使えない。

するといきなり腕を押され、壁に叩き付けられる。

「って・・・!」

『愚か者。・・・分かっているだろうに』

俺を切り捨てれば、この体は望むまま、病等に屈服しなくなるというのに。


泣きそうな人形の顔を見て、初めて俺は泣きたいのだと分かった。この人形を斬らなければ、俺は病で朽ちる。
怖い、けれど。
良心の呵責は必要だ。

「死ぬまで、一緒でィ」

『・・・仕方ねぇなァ。お前だけじゃ何も、出来ねぇからな』

壊れそうな笑みを浮かべ、人形は俺に口付けた。





#75
契りおきし させもが露を 命にて
あはれ今年の 秋もいぬめり

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