梅々
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春の嵐
- 2012/04/03 (Tue) |
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今日のバイトなくなりました。
嵐で予約キャンセル増えたらしい。そして私は学年が一個ずれたんだと実感。
老けたな。
それでは土方と沖田。両片想いというか。できてないです。
嵐で予約キャンセル増えたらしい。そして私は学年が一個ずれたんだと実感。
老けたな。
それでは土方と沖田。両片想いというか。できてないです。
低気圧
あっ、あそこ街路樹が倒れかけてますよ。
あっ、そこの自転車倒れかかってますね。
あっ、木の枝が隊長のアナ……。
「うっせぇ神山。嵐に飛ばされろ」
「イエッサー! メモします!」
「メモごとどっか飛んでいけ」
「それはできません! 何故なら自分には隊長のアナルを守るという役目が……!」
「そんぐらい自分で守る。死ね、いいから死ね」
何でこんな日に限ってコイツと見回りなのか、いや違うな。何でコイツと見回りなのか。やる気が萎える殺げるどころの話じゃない。
こりゃ早めに屯所へ戻るしかないなと、両手をポケットに突っ込み少し早足で歩くとまた後ろからうるさい声が聞こえてくる。
コイツはなんでこんなに俺の尻としか会話しないんだろう。俺の尻は副長のお墨付きだとか言ってやったら少しは大人しくなるのか、思いながら暴風雨の中歩くから髪はめちゃくちゃ、服は濡れる。
屯所へつくと、タオルを持った山崎が出迎えた。おまえは監察だろ、真選組の母親をやってる暇はあるのか。思えどこんな荒天じゃ誰も何もしようとは思わないだろう。悪人も善人も、めんどくさがりな俺も。
タオルを受け取りただいまの挨拶をしに局長室へ向かった。そこまでズボンや靴下が濡れてないのを確認してから入りやすと声をかけて障子を開けた。
無精で出したままの炬燵に入っている後ろ姿に一瞬期待したが、本当に一瞬だけだ。書類をしているそれは局長の次に偉いやつ。
「近藤さんは?」
「相変わらずだ」
「こんな日までストーキングですかィ。愛って偉大だなァ」
「呆れてものも言えねぇ」
アンタみたいに仕事ばかりなのもどうかと思うけど。口の中でもごもご言って、隣の面に足を入れる。電源はついていないが温いので、頭にタオルをかけたまま炬燵に突っ伏せば、軽く頭を叩かれた。
「風呂入れ」
「甲斐性なし」
「どこがだ」
「暖めてやるぐらい言いなせェ」
「はぁ」
頬をくっつけて土方さんを見上げると、面倒くさそうな顔をしていた。お節介だけど、土方さんは甲斐性がない。だから女に捨てられるんだ。長続きしないんだ。カイショナシ。
風呂入るのも頭をふくのも着替えるのも億劫で、どうせなら庭に出てもっと濡れようかなとか思う。山崎を引き摺って。
「おい寝るなよ」
「寝やせんよ」
「……少し待ってろ、乾かしてやるから」
やさしい声色でそういうものだから、胸の内にもやもやしたものが生まれた。砂糖を入れすぎた紅茶のようだ、気持ちが悪い。
仕事していればいいのに、自分の部屋で。瞼を閉じたままでいればぽんぽんと頭を撫でられた。それがアンタの甲斐性か。
甲斐性はないがお節介で優しいのだと、知っている。そして案外さみしがり屋だ。だから俺が来る、この部屋で待っていた。書類とはんこまで持ち込んで。
馬鹿だ。
土方さんは馬鹿だ。
「神山と見回り入れたの嫌がらせですかィ」
「仕返しだ」
「なんの」
「考えろそんぐらい」
びゅおうびゅおおおと風がふいた。うるさい、今はそれどころじゃない。俺が土方さんにした嫌がらせはたくさんある。だから、仕返しだと言われてもどれに対するものか解らない。ううむ。
悩んでいれば終わったと、土方さんが言う。
「万事屋と会ったろ、俺に隠れて」
「……ああ。甘味デートしやしたねェ。でもあれ隠してやせんよ?」
やきもちか。分かった俺は内心にんまり笑う。でも土方さんの推測は正しくないから訂正しないと。
「アンタが城に行っちゃったから。言う暇なかっただけですぜ」
「ふぅん」
ほら付き合ってもないのに束縛する。
甲斐性なしでお節介で優しくて馬鹿な、可愛い人。
あっ、あそこ街路樹が倒れかけてますよ。
あっ、そこの自転車倒れかかってますね。
あっ、木の枝が隊長のアナ……。
「うっせぇ神山。嵐に飛ばされろ」
「イエッサー! メモします!」
「メモごとどっか飛んでいけ」
「それはできません! 何故なら自分には隊長のアナルを守るという役目が……!」
「そんぐらい自分で守る。死ね、いいから死ね」
何でこんな日に限ってコイツと見回りなのか、いや違うな。何でコイツと見回りなのか。やる気が萎える殺げるどころの話じゃない。
こりゃ早めに屯所へ戻るしかないなと、両手をポケットに突っ込み少し早足で歩くとまた後ろからうるさい声が聞こえてくる。
コイツはなんでこんなに俺の尻としか会話しないんだろう。俺の尻は副長のお墨付きだとか言ってやったら少しは大人しくなるのか、思いながら暴風雨の中歩くから髪はめちゃくちゃ、服は濡れる。
屯所へつくと、タオルを持った山崎が出迎えた。おまえは監察だろ、真選組の母親をやってる暇はあるのか。思えどこんな荒天じゃ誰も何もしようとは思わないだろう。悪人も善人も、めんどくさがりな俺も。
タオルを受け取りただいまの挨拶をしに局長室へ向かった。そこまでズボンや靴下が濡れてないのを確認してから入りやすと声をかけて障子を開けた。
無精で出したままの炬燵に入っている後ろ姿に一瞬期待したが、本当に一瞬だけだ。書類をしているそれは局長の次に偉いやつ。
「近藤さんは?」
「相変わらずだ」
「こんな日までストーキングですかィ。愛って偉大だなァ」
「呆れてものも言えねぇ」
アンタみたいに仕事ばかりなのもどうかと思うけど。口の中でもごもご言って、隣の面に足を入れる。電源はついていないが温いので、頭にタオルをかけたまま炬燵に突っ伏せば、軽く頭を叩かれた。
「風呂入れ」
「甲斐性なし」
「どこがだ」
「暖めてやるぐらい言いなせェ」
「はぁ」
頬をくっつけて土方さんを見上げると、面倒くさそうな顔をしていた。お節介だけど、土方さんは甲斐性がない。だから女に捨てられるんだ。長続きしないんだ。カイショナシ。
風呂入るのも頭をふくのも着替えるのも億劫で、どうせなら庭に出てもっと濡れようかなとか思う。山崎を引き摺って。
「おい寝るなよ」
「寝やせんよ」
「……少し待ってろ、乾かしてやるから」
やさしい声色でそういうものだから、胸の内にもやもやしたものが生まれた。砂糖を入れすぎた紅茶のようだ、気持ちが悪い。
仕事していればいいのに、自分の部屋で。瞼を閉じたままでいればぽんぽんと頭を撫でられた。それがアンタの甲斐性か。
甲斐性はないがお節介で優しいのだと、知っている。そして案外さみしがり屋だ。だから俺が来る、この部屋で待っていた。書類とはんこまで持ち込んで。
馬鹿だ。
土方さんは馬鹿だ。
「神山と見回り入れたの嫌がらせですかィ」
「仕返しだ」
「なんの」
「考えろそんぐらい」
びゅおうびゅおおおと風がふいた。うるさい、今はそれどころじゃない。俺が土方さんにした嫌がらせはたくさんある。だから、仕返しだと言われてもどれに対するものか解らない。ううむ。
悩んでいれば終わったと、土方さんが言う。
「万事屋と会ったろ、俺に隠れて」
「……ああ。甘味デートしやしたねェ。でもあれ隠してやせんよ?」
やきもちか。分かった俺は内心にんまり笑う。でも土方さんの推測は正しくないから訂正しないと。
「アンタが城に行っちゃったから。言う暇なかっただけですぜ」
「ふぅん」
ほら付き合ってもないのに束縛する。
甲斐性なしでお節介で優しくて馬鹿な、可愛い人。
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