梅々
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改めておめでとう!
というわけで急いで書いてみましたが全部はかけなかった銀沖です!
絶対に次は濡れ場になる予定です。
絶対に次は濡れ場になる予定です。
だって本当は
誰よりも
1000%の全力で
いないだろうな、そう思いながら来てみたらやはり居なかった。戸の向こうは明らかに真っ暗だし、インターホンを鳴らしても出てくる気配がない。
とりあえず、と戸の前に腰かけることにした。
付き合い初めて一年目。旦那は、俺の誕生日にケーキを手作りしてくれた。それだけではなく、思い出しても真っ赤になるほど甘い時間を過ごした。なんて思い返してたら頭から煙が出てきそうになって慌てて思考を元に戻す。
お返しをしたいと思っていた。俺にはケーキなんて作れないし、俺がしてもらったように、すごく幸せな時間をプレゼントなんてできないけど、気持ちだけでもと。
毎年誕生日は志村家で騒がしく祝っていると聞いていた。だから、約束を取り付けることはしていない。誕生日は仲の良い者とわいわいと賑やかに祝うものだと思うから。もしも武州にいた頃のように、近藤さんと土方さんと・・・姉上とで祝ってくれていたなら、俺は旦那よりもそっちを選んでいただろう、絶対に。
嚔が一つ出て、湯冷めをしたかと腕を擦る。向こうで祝っているなら今日帰ったとしても遅いだろう。待っていても意味がないかと立ち上がる。
手土産のショートケーキは戸の脇にでも置いておけばいいだろう。俺からのだと分からなくても、後々渡すのよりもいい。祝い事の贈り物は遅れてはいけない、そう姉上も言っていたし。
「・・・旦那」
おめでとうございます、は胸の中で。
衝動で来てしまったから帰るのも似たようなもので。
階段まで向かって歩いていると、カンカン、と下から足音が聞こえてきた。誰だろう、身を乗り出すと見慣れた闇夜に浮かぶ銀の色。
「・・・旦那」
「やっぱおまえか、」
階段の中程でふぅと息をついて、それから旦那はカン、カンとゆっくり上ってくる。
今頃は志村家でストーキングしに行った近藤さんを含めてわいわいがやがややっているだろうと思っていたのに、と目を丸くする。でも、会えたのは嬉しい。
自分は旦那より身内を取るだろうなんて思ったくせに、今日という記念日、少しでも独占したいなんてワガママだ。
目の前に立った旦那がふっと笑って、ぎゅうっと俺を抱き締めた。いつもの匂いに混じって、酒の匂いもする。肺一杯に香りを充満させて、心地好い目眩に溺れた。
旦那の匂い。体温。会えないと思っていた分嬉しくて。
「どしたの、総悟君」
「ちょっと、急に祝いたくなりやして。旦那こそ」
「俺もちょっと歩きたくなって。そしたら家の前から嚔が聞こえたから走っちまった」
愛しそうに、髪を撫でながら優しい声が囁いた。
あぁもう、腰砕けになりそうだ。
普段ドSだの横暴だの言われて勝手気儘にやっているが、旦那の前だと、特にこんな風に優しくされるとそんな振る舞いができなくなる。
ずっとこうしていたいだとか、もっと触ってほしいだとか。そんな恥ずかしいことばかり頭の中を占めて、あわよくば口から零れ出ようとする。それは流石に醜態だからと我慢したら、強く縋りたくなるから困ってしまう。
甘えたの猫のようだ。女々しくて情けなくなる。
「んじゃ、家入るか」
「でも、パーティーは?」
「あれもうただの飲み会だから。俺いなくてもダイジョーブ」
言いながら旦那は俺の手を引く。鍵を開けようとして、旦那の手がぴたりと止まった。
何だろう、旦那の視線を追えば、さっき俺が置いた白い箱。あっと咄嗟に手を伸ばすもそれよりも先に旦那がその箱を手にとってしまう。今更恥ずかしくなってでも反応を見たくてじぃっと旦那を熟視る。
「あー・・・その、総悟君?」
「へい?」
「今日俺我慢出来ねぇわ・・・」
「へ?」
予想外の言葉に戸惑う俺を笑い、旦那は急いた様子で中へ入っていった。
誰よりも
1000%の全力で
いないだろうな、そう思いながら来てみたらやはり居なかった。戸の向こうは明らかに真っ暗だし、インターホンを鳴らしても出てくる気配がない。
とりあえず、と戸の前に腰かけることにした。
付き合い初めて一年目。旦那は、俺の誕生日にケーキを手作りしてくれた。それだけではなく、思い出しても真っ赤になるほど甘い時間を過ごした。なんて思い返してたら頭から煙が出てきそうになって慌てて思考を元に戻す。
お返しをしたいと思っていた。俺にはケーキなんて作れないし、俺がしてもらったように、すごく幸せな時間をプレゼントなんてできないけど、気持ちだけでもと。
毎年誕生日は志村家で騒がしく祝っていると聞いていた。だから、約束を取り付けることはしていない。誕生日は仲の良い者とわいわいと賑やかに祝うものだと思うから。もしも武州にいた頃のように、近藤さんと土方さんと・・・姉上とで祝ってくれていたなら、俺は旦那よりもそっちを選んでいただろう、絶対に。
嚔が一つ出て、湯冷めをしたかと腕を擦る。向こうで祝っているなら今日帰ったとしても遅いだろう。待っていても意味がないかと立ち上がる。
手土産のショートケーキは戸の脇にでも置いておけばいいだろう。俺からのだと分からなくても、後々渡すのよりもいい。祝い事の贈り物は遅れてはいけない、そう姉上も言っていたし。
「・・・旦那」
おめでとうございます、は胸の中で。
衝動で来てしまったから帰るのも似たようなもので。
階段まで向かって歩いていると、カンカン、と下から足音が聞こえてきた。誰だろう、身を乗り出すと見慣れた闇夜に浮かぶ銀の色。
「・・・旦那」
「やっぱおまえか、」
階段の中程でふぅと息をついて、それから旦那はカン、カンとゆっくり上ってくる。
今頃は志村家でストーキングしに行った近藤さんを含めてわいわいがやがややっているだろうと思っていたのに、と目を丸くする。でも、会えたのは嬉しい。
自分は旦那より身内を取るだろうなんて思ったくせに、今日という記念日、少しでも独占したいなんてワガママだ。
目の前に立った旦那がふっと笑って、ぎゅうっと俺を抱き締めた。いつもの匂いに混じって、酒の匂いもする。肺一杯に香りを充満させて、心地好い目眩に溺れた。
旦那の匂い。体温。会えないと思っていた分嬉しくて。
「どしたの、総悟君」
「ちょっと、急に祝いたくなりやして。旦那こそ」
「俺もちょっと歩きたくなって。そしたら家の前から嚔が聞こえたから走っちまった」
愛しそうに、髪を撫でながら優しい声が囁いた。
あぁもう、腰砕けになりそうだ。
普段ドSだの横暴だの言われて勝手気儘にやっているが、旦那の前だと、特にこんな風に優しくされるとそんな振る舞いができなくなる。
ずっとこうしていたいだとか、もっと触ってほしいだとか。そんな恥ずかしいことばかり頭の中を占めて、あわよくば口から零れ出ようとする。それは流石に醜態だからと我慢したら、強く縋りたくなるから困ってしまう。
甘えたの猫のようだ。女々しくて情けなくなる。
「んじゃ、家入るか」
「でも、パーティーは?」
「あれもうただの飲み会だから。俺いなくてもダイジョーブ」
言いながら旦那は俺の手を引く。鍵を開けようとして、旦那の手がぴたりと止まった。
何だろう、旦那の視線を追えば、さっき俺が置いた白い箱。あっと咄嗟に手を伸ばすもそれよりも先に旦那がその箱を手にとってしまう。今更恥ずかしくなってでも反応を見たくてじぃっと旦那を熟視る。
「あー・・・その、総悟君?」
「へい?」
「今日俺我慢出来ねぇわ・・・」
「へ?」
予想外の言葉に戸惑う俺を笑い、旦那は急いた様子で中へ入っていった。
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