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梅々

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忘れてた!

神楽誕生日おめでとう(*^^*)





「何アルカ、これ」

「酢昆布一ダースだ」

すぱぁ、煙を吐き出しながら野郎は言った。女の子の前で煙草を吸うなんて最低だ。このニコチンマヨラーめ。思ったままに詰りながら可愛くラッピングされた箱を受けとる。メッセージカードには死ねと書いてあるが無視してやる。
ニコチンはいるがサドはいない。この状況に物足りなさを感じているのにも、無視を決め込む。

「総悟からだからな、それ」

「なんでお前が渡すアルカ。自分で渡すのが普通ネ」

「アイツ今日上に呼ばれてんだよ」

それでポケットの中でしきりに携帯に触れているのか、この男は。ニコ中でマヨ中なだけじゃなく、アイツにも中毒なんじゃないのか。これは思ったままに言えなかった。傷つくのは自分、目に見えている。
おめでとうぐらい言わせようと思っていたのに。この祝日にまで仕事だとは、ついていない。主に私が。
コイツはサドといつも傍にいられる。一見仲が悪そうでも芯は繋がっている。私は、たまにしか会えない顔見知り。どうせならコイツと一日だけ入れ替われるとか、そんなプレゼントが良かった。そうしたら傍にいられるのに。
口が裂けても誰にも言えないけれど。

「あーあ。お前と一緒じゃくっさいし息詰まるアル。ありがたくいただくからさっさと帰るヨロシ」

「礼ぐらい言え!・・・っと、」

ピピピ、と電子音が昼下がりの公園に響いた。目の前の真っ黒な男が電話に出る。
飽きたしもう用はないだろうと思って回れ右して歩き出した。二歩三歩。進んだところで通話中の男が私を呼んだ。

「・・・何アルカ」

「代われってよ」

電話を押し付けながら男は旨そうに煙草を吸う。有毒ガスを好む人間の気持ちは一生分からなさそう。
受け取って、はいヨ、と言ってみる。
初めての機械越しの会話。

『もしもし、チャイナかィ?』

「そうアル。用がないなら早く切るアルヨ。私は暇じゃないネ」

『うざ。今すぐ喧嘩買いに行ってやろうか』

「受けて立つヨ」

寧ろ来て欲しい。本音は祈っても電波は乗せてくれない。
そうごー、と電話の向こうでゴリラの声がした。返事をして、そのままサドは話し出す。

『まぁいいや。誕生日祝ってやるから俺のも祝いなせェ。んじゃ、おめでとさん』

礼を言う間もなく電話を切られて、あまりの呆気なさに電話を潰しそうになったら止められた。マヨラーも、俺に代わってから切れと不満を漏らしている。
おめでとさん、だって。脳内でリピートしたら嬉しくなって不機嫌そうなマヨラーが滑稽に見えてくる。
祝われた。言葉をくれた。
とても満足。

「じゃあマヨラー、お勤め頑張れヨ」

「何様だおまえ」

「歌舞伎町の女王様アル」

「・・・そうかよ」

ぐんなりした様子のニコ中を尻目に、スキップしそうな勢いで歩き出す。
来年のおまえの誕生日、覚えてろよサドめ。





何気に土方と神楽のコンビ好きです。柳生編の保護者な感じとかが凄く好き。
神楽おめでとう!といいつつ土→沖←楽でごめん

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