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梅々

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アニオリ

秀吉、魔王、佐助をクリアしました。次は謙信様やろうとしたら父が親方様やり始めたので親方様の二章目まで進みました。

あと今日の銀魂は一瞬の真選組にきゅんときました。テレビの前に座ってた土方がみんなに邪険にされて沖田の横に移ったとかだったら素敵。山崎はいつでもお茶をいれられるよう正座であの位置。だからテレビを一番見易い位置に座ってるけど文句を言わないとかだといいな。沖田の体勢かわいすぎました理想通り。


そろそろスパコミのプロットきりたいな。花粉ネタにしようかなぁ。現パロにするかなぁ。


拍手ありがとうございます!ばさらきてからパソコンさわってないのでどれについたかまでは分からないのですが、とても嬉しいですー!






それでは山→沖(→)土。
山沖くっつけたかったけどくっつかなかった。













気づかせてあげるから

あなたは愚鈍なままでいて





トロイの木馬





沖田さん、沖田さん、と揺さぶられる。瞼の裏が赤い、朝日が差してるんだろう。全然寝た気がしないのにもう朝か。
ううん、とぼんやりと目を開ける。山崎が顔を覗き込んでいる。山崎の頬を向いて布団に頬を擦り付ける。山崎の匂いだ。匂いまで個性がなくて形容しがたいけど、落ち着く匂い。

「起きてください」
「……おまえが俺を寝かさなかったんだろィ」
「仕方ないじゃないですか。夢中になっちゃって」
「んー」

さわさわ頭を撫でられる気持ち良くてまたうとうとする。ううん、眠い。また瞼が落ちそうになると焦ったように揺さぶられた。

「起きてくださいってば。ね?」
「んん」
「ああほら、痕ついちゃってますよ。ここ」

そう言って山崎が自分の頬を示す。触ってみると確かに、感覚がおかしいし痕がついてる。ほんとだ、呟くとはぁと溜め息をつかれた。それから、両腕を引っ張って起こされる。
仕方ない。起きるか。ううん、と背伸びをする。途中で寝たからかつけずに畳に転がってるアイマスクを手にとって立ち上がる。ちょっと足元が覚束無いけど本当に起きないと土方さんが五月蝿いだろう。

「今晩も来て平気?」
「ええ。また続きからしましょう」

ん、と頷いて障子を開けた。そうしたら、目の前に人がいた。隊服をぴしっと着て、髪までいつも通りで煙草も吸って朝一には思えない、朝日を背負ったそれは土方さんだ。土方さんが、目をまんまるくして突っ立ってる。邪魔。
どいてくだせぇ、言うも、土方さんは動かない。挨拶してないからか。変なところうるさいからな。

「おはようごぜぇやす、退いてくだせェ」
「……おはよう。おまえなんでここにいるんだ?」
「ゲームやってて寝落ちしたんでさ」

言うと無言で土方さんは退いた。その横をすり抜けて自室へと戻る。背中に視線を感じながら。
 山崎と遊ぶようになったのは最近のことだ。ここ一ヶ月、山崎はそんなに忙しくないらしくて、三日に一回ぐらい、夜ゲームをして遊んでいる。それがまた思いの外楽しい。そして眠くなったらそのまま寝て朝を迎える。
てっきり土方さんは知っていると思っていたのに。でも、最近夜遊びが激しかったから知らないだろう。昨日もそうだ、仕事を終えるなりさっさと女のところへ行っていた。それなのに俺より早く起きて身支度を終えているあの人はある意味恐ろしい。毎晩まむし酒でも飲んでるんじゃないの。今度探して見るか。山崎も誘って。
久々に斬りかかってやろうかなと思い浮かんで、身支度を終え部屋を出たら廊下の先に後ろ姿を見つけて。柄を握りその背目掛けて走り出した。


**


「沖田さん」
「んー?」

画面から目を離さず口も開けずに沖田さんは返事を返した。それはそうだ、沖田さんのターンだから仕方がない。
この間始めた桃鉄の九十九年勝負の九十一年目。今のところ僅差で俺が負けているけれどまだ何があるかは分からない。真剣に画面を見つめる横顔をじっと見つめていても気づいていないようだ。
俺の、恋情にも気づいていないだろう。この人は自身に向けられる好意に疎い。局長くらいじゃないだろうか。思いを全て受け止められているのは。

「副長がご執心な女性がいるらしいですよ」
「マジでか」

言って俺を見る。口調は普段のように飄々としているくせに、眼差しに翳りがある。
この人は自身が向ける恋情にも疎いらしい。
あなたは、副長が好きなんですよ。
言いはしない。俺は、沖田さんが気づいていないのをいいことにつけ込むのだから。
コントローラが震える。俺のターンだ。サイコロを回す間も、視線を感じた。動揺しているのか。それでもあなたは、自分の恋心に気づいていないでしょう。
噂自体は本当だ。最近副長はある女性の元へ通い続けているという証言がある。実態としては嘘だけれど。
あの人は沖田さんしか見ていない。

「沖田さんは、まだ経験ないんですか?」

知っているのに聞いてみる。蝶よ花よと大切に育てられた沖田さんが、不埒な男に手を出されたこともなければ女にお熱になっている様子もない。全部副長が遠退けたのだ。あの人は神性視し過ぎている。性欲にまみれて汚れないよう見張っているのだ。
でも、沖田さんは。性欲にまみれても憎々しいほどに綺麗なのだろうと俺は思う。だからこそ手に入れて汚したい。

「ねぇよ。お前もだろィ」
「はい。でも、好きな人はいるんですよ」
「えっマジ?」

 途端に好奇心旺盛な眼差しを向ける。いとけなく目をキラキラさせるのが愛らしい。愛らしくて、腹黒くて、強くて凛としていて我が儘な、俺の想い人。
 にっこり笑えば、沖田さんはん? と首を傾げた。

「好きです、沖田さん」

畳についた白い手に手を重ねる。そして、呆然としたままの沖田さんの唇に自分のそれをそっと触れ合わせた。
あなたは何にも気づかなくていい。そうしたら、俺のものになるんだから。

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