梅々
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鳶は鷹を産むか
猛烈に眠い。眠いよ眠いよー。
明日はネズミーランドだというのに軽く体調不良かもしれない。どうするよ俺。
というか、そろそろ沖土連載本当に執筆したいな。あと、破滅への~も。
京都に行きたい。
それじゃ、雛祭り関係なくなってる気もしなくはないけど雛祭りで。
設定は沖田が小四ぐらいで土方が中三。
明日はネズミーランドだというのに軽く体調不良かもしれない。どうするよ俺。
というか、そろそろ沖土連載本当に執筆したいな。あと、破滅への~も。
京都に行きたい。
それじゃ、雛祭り関係なくなってる気もしなくはないけど雛祭りで。
設定は沖田が小四ぐらいで土方が中三。
年の差だって性別だって関係ないんだ。
僕はそんなの関係なしに君を好きなのだから。
空を駆ける君と夢を奏でる僕
「ひっじかたさーん」
玄関の戸を開けたところで掛けられた声に、また来たか、と思いつつも振り返る。
別に来たのが嫌なわけではない。だけど、毎日のように遊びに来ているから家庭の事情など気になってしまうのは仕方がないだろう。
とてて、と子どもらしい足取りで俺の元に走り寄ってきた隣の家の子どもは、ぎゅっと俺のずぼんを握り満面の笑みを浮かべた。
笑顔だけは、見た目だけは、大変可愛らしいのだけど。
「今日学校で雛あられもらいやした。だから、一緒に食いやしょう」
「ああ…」
そういえばそんな行事もあったなと思い出すが、今日は三月四日。一日遅れではないか。そんな疑問を抱いた事に気付いたのか沖田は人指し指をたて、口を開いた。
「昨日学校休んだから、俺だけ今日渡されたんでさァ」
「へぇ」
立ち話、ってのもどうかと思い、家の中に入ると当たり前のように沖田はついてくる。そして、土方よりも先に靴を脱ぐと真っ直ぐ、土方の部屋がある二階へと向かう。
絶対におかしい。何故この家の住人である俺よりも先に、沖田は室内に入って行くのだろう。しかも、「お邪魔します」とか何も言わないで。そりゃ子どもに多くを求めるべきではないと分かっている。だけどせめて、もう少し“客”らしくあって欲しい。
沖田の為にと買い置きしているジュースとチョコ等を盆に乗せ自室に入ると、既に沖田は俺のベッドに寝っ転がり漫画を読んでいた。
寛ぎすぎだろ、此処はお前の家ではないんだっつーの。
少し乱雑にテーブルに盆を置くと、一瞬だけ沖田は顔を上げたがすぐに漫画に目を戻す。それがとても気に食わない。
「……クソガキ」
「酷い言いようだなァ。なんでそんなこと言われなけりゃなんねーんで? せっかく雛あられ持ってきてやったのに」
「頼んでねぇよ。……此処は誰の家だ?」
「あんたの家」
「それなら、もうちょっと礼儀とかねぇのかよ」
そう言うと沖田は、ふてくされた顔をしてベッドに座り直した。言えば分かるのかと、見直したのだがそれも一瞬のこと。
沖田はそんな素直な性格ではない。
「隣来てくだせぇよ」
「……なんで」
「なんで、って俺ら付き合ってるんだろィ」
だから、とポンポンとベッドを叩かれても。俺が其処へ行くはずもない。
それよりも、付き合ってるって冗談じゃなかったのか。俺はずっと、冗談だと思っていたのに。
『ねぇねぇ、付き合ってくだせぇ』
そんな風に言われたのは去年の春だった。
近頃の餓鬼はませている。そんな事思っていたら息がかかる程沖田の顔が近くにあって、あっという間に唇が触れ合っていた。子どもだからなのか意外と柔らかい唇に驚いているともう一度付き合ってくれ、と言われた。
その頃はちょうど付き合っている人も好きな人もいなかったし、どうせ子どもの冗談だろうと甘受したのだが。
本気だったとは、子どもは本当恐ろしい。
「付き合ってんの? 俺ら」
「だってあんた、うんって言った」
ガサガサ雛あられの袋をあさりながら沖田は呟き、ピンクの玉だけを取り出し、食べる。
うんとは、言った。
俺は本気じゃなかった。だけど沖田は本気だったのだろうか? ─────本気ならば今、あられを食べてるはずがない。
俺と付き合っている、という事実はあられと同レベル、若しくはそれ以下ってことだ。
「巫山戯んな。てめぇは何で俺と付き合うなんて言ったんだよ」
「あんたが好きだから」
「好き? 雛あられに劣るぐらいなら好かれても嬉しくねーよっ」
「…嫉妬?」
「そんなんするわけねぇだろ、馬鹿が」
俺は本気じゃないのだから、雛あられ如きに嫉妬なんざしない。
それなのに、なんでこうも胸がざわめくのだろう。七、八歳も年下の同性を好きなはずがないのに。俺は全うな青少年であるはずなのに。
そもそも、冗談でも同性と付き合ったのがおかしいのだ。いくら見た目だけは天使のようだと言えども、腹黒いこいつとそうなるのは普通ではない。子どもにしか恋愛感情を持てない変態でもないのに、何故……?
悩みに悩む土方をじぃっと見つめ、沖田は手についたかすを舐めとり、土方の傍まで歩み寄る。そして、土方と目が合うと満面の笑みを浮かべた。
純粋な笑みに、唖然とした土方にぎゅうっと抱きつく。
「何も悩む必要なんてないですぜ。─────あんたは、俺が好きなんだから」
「…催眠術か?」
「違いまさァ。あんたは本当に、俺が好きなんですぜ」
自信満々にそう言われてしまうと、そうかもしれないという気がしてくるから不思議だ。
しかし、流されてはいけない。
沖田は恋愛というものをよく知らない。ただ、勘違いしてるだけなんだ。
「付き合うってどういう意味か知ってるか?」
「土方さんを俺だけのものにするって意味でしょ?」
「…ちゃんと、わかってんのか?」
「ええ。…俺、土方さんを誰にもあげたくないんでさァ」
独占欲を恋愛感情と勘違いしているのかもしれない。
だけど、それでもいい。
いつか終わってしまう関係だけども。それまではこいつの一番でありたい、そう思う。誰にもあげたくないと、自分だけの物にしたいとそう沖田が思っているのなら、好きにさせといてもいい。それだけ想われているのなら。
─────俺も同じぐらい、想うから。
「あんたはお雛様で、俺がお内裏様でさァ」
「逆だろ」
「いえ、間違っちゃいやせんよ」
主導権は今は沖田にあるけれど、いつか必ず俺が握ってやる。
沖田を抱き締め返しながら土方はそう決意した。
僕はそんなの関係なしに君を好きなのだから。
空を駆ける君と夢を奏でる僕
「ひっじかたさーん」
玄関の戸を開けたところで掛けられた声に、また来たか、と思いつつも振り返る。
別に来たのが嫌なわけではない。だけど、毎日のように遊びに来ているから家庭の事情など気になってしまうのは仕方がないだろう。
とてて、と子どもらしい足取りで俺の元に走り寄ってきた隣の家の子どもは、ぎゅっと俺のずぼんを握り満面の笑みを浮かべた。
笑顔だけは、見た目だけは、大変可愛らしいのだけど。
「今日学校で雛あられもらいやした。だから、一緒に食いやしょう」
「ああ…」
そういえばそんな行事もあったなと思い出すが、今日は三月四日。一日遅れではないか。そんな疑問を抱いた事に気付いたのか沖田は人指し指をたて、口を開いた。
「昨日学校休んだから、俺だけ今日渡されたんでさァ」
「へぇ」
立ち話、ってのもどうかと思い、家の中に入ると当たり前のように沖田はついてくる。そして、土方よりも先に靴を脱ぐと真っ直ぐ、土方の部屋がある二階へと向かう。
絶対におかしい。何故この家の住人である俺よりも先に、沖田は室内に入って行くのだろう。しかも、「お邪魔します」とか何も言わないで。そりゃ子どもに多くを求めるべきではないと分かっている。だけどせめて、もう少し“客”らしくあって欲しい。
沖田の為にと買い置きしているジュースとチョコ等を盆に乗せ自室に入ると、既に沖田は俺のベッドに寝っ転がり漫画を読んでいた。
寛ぎすぎだろ、此処はお前の家ではないんだっつーの。
少し乱雑にテーブルに盆を置くと、一瞬だけ沖田は顔を上げたがすぐに漫画に目を戻す。それがとても気に食わない。
「……クソガキ」
「酷い言いようだなァ。なんでそんなこと言われなけりゃなんねーんで? せっかく雛あられ持ってきてやったのに」
「頼んでねぇよ。……此処は誰の家だ?」
「あんたの家」
「それなら、もうちょっと礼儀とかねぇのかよ」
そう言うと沖田は、ふてくされた顔をしてベッドに座り直した。言えば分かるのかと、見直したのだがそれも一瞬のこと。
沖田はそんな素直な性格ではない。
「隣来てくだせぇよ」
「……なんで」
「なんで、って俺ら付き合ってるんだろィ」
だから、とポンポンとベッドを叩かれても。俺が其処へ行くはずもない。
それよりも、付き合ってるって冗談じゃなかったのか。俺はずっと、冗談だと思っていたのに。
『ねぇねぇ、付き合ってくだせぇ』
そんな風に言われたのは去年の春だった。
近頃の餓鬼はませている。そんな事思っていたら息がかかる程沖田の顔が近くにあって、あっという間に唇が触れ合っていた。子どもだからなのか意外と柔らかい唇に驚いているともう一度付き合ってくれ、と言われた。
その頃はちょうど付き合っている人も好きな人もいなかったし、どうせ子どもの冗談だろうと甘受したのだが。
本気だったとは、子どもは本当恐ろしい。
「付き合ってんの? 俺ら」
「だってあんた、うんって言った」
ガサガサ雛あられの袋をあさりながら沖田は呟き、ピンクの玉だけを取り出し、食べる。
うんとは、言った。
俺は本気じゃなかった。だけど沖田は本気だったのだろうか? ─────本気ならば今、あられを食べてるはずがない。
俺と付き合っている、という事実はあられと同レベル、若しくはそれ以下ってことだ。
「巫山戯んな。てめぇは何で俺と付き合うなんて言ったんだよ」
「あんたが好きだから」
「好き? 雛あられに劣るぐらいなら好かれても嬉しくねーよっ」
「…嫉妬?」
「そんなんするわけねぇだろ、馬鹿が」
俺は本気じゃないのだから、雛あられ如きに嫉妬なんざしない。
それなのに、なんでこうも胸がざわめくのだろう。七、八歳も年下の同性を好きなはずがないのに。俺は全うな青少年であるはずなのに。
そもそも、冗談でも同性と付き合ったのがおかしいのだ。いくら見た目だけは天使のようだと言えども、腹黒いこいつとそうなるのは普通ではない。子どもにしか恋愛感情を持てない変態でもないのに、何故……?
悩みに悩む土方をじぃっと見つめ、沖田は手についたかすを舐めとり、土方の傍まで歩み寄る。そして、土方と目が合うと満面の笑みを浮かべた。
純粋な笑みに、唖然とした土方にぎゅうっと抱きつく。
「何も悩む必要なんてないですぜ。─────あんたは、俺が好きなんだから」
「…催眠術か?」
「違いまさァ。あんたは本当に、俺が好きなんですぜ」
自信満々にそう言われてしまうと、そうかもしれないという気がしてくるから不思議だ。
しかし、流されてはいけない。
沖田は恋愛というものをよく知らない。ただ、勘違いしてるだけなんだ。
「付き合うってどういう意味か知ってるか?」
「土方さんを俺だけのものにするって意味でしょ?」
「…ちゃんと、わかってんのか?」
「ええ。…俺、土方さんを誰にもあげたくないんでさァ」
独占欲を恋愛感情と勘違いしているのかもしれない。
だけど、それでもいい。
いつか終わってしまう関係だけども。それまではこいつの一番でありたい、そう思う。誰にもあげたくないと、自分だけの物にしたいとそう沖田が思っているのなら、好きにさせといてもいい。それだけ想われているのなら。
─────俺も同じぐらい、想うから。
「あんたはお雛様で、俺がお内裏様でさァ」
「逆だろ」
「いえ、間違っちゃいやせんよ」
主導権は今は沖田にあるけれど、いつか必ず俺が握ってやる。
沖田を抱き締め返しながら土方はそう決意した。
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