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梅々

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脱稿しました!とか言いたいね

脱稿してないです。エイプリルフールです。嘘つけるのは午前中、なのは大英帝国権力内と言うのは嘘か真か。
履修登録とにらめっこしてたら三時間が経っていた。恐ろしい。

今日は妹の誕生日だったのでくら寿司行きました。おためしか見てからずっと行きたかったので嬉しい。12皿食べた。未だに満腹。


今日は脱稿どころか一文字も原稿やってない。
バイトのシフトを午前中に出さなくちゃ。





ではエイプリルフールネタ。
土沖であり沖土である。用は受け取り方なのだ。やっつけじゃないけど時間がなかったので許してください。
日本語もままならなくなってきた。














嘘にまみれたって立派な愛だろ





偽恋





誰も仕舞う気がないのか、未だに部屋の中央に居座る炬燵に惰性で入り、ぼんやりとテレビを見ているとテレビの脇の柱にかけられた日捲りカレンダーが視界に入った。今日は、エイプリルフールだ。日付が変わったばかりだが、今日もまた、例年通り嘘をつきに来るだろう真ん丸い後ろ頭を思い出して、はぁと息を吐いた。
今日(正しくは昨日だが)も本当はやることがあったのだ。しかし、不甲斐ないことにこのタイミングで風邪を引いた。年度末、仕事はさっさと片付けてあったからいいが、これからの時期は出動が急増するのだ、いつ何時も気を抜けないというのに。
早く直せるように、と自室ではなく近藤さんの部屋に移され、仕事をすることもできない。それが狙いなのだろうが。
 炬燵に突っ込んでいた手を出しリモコンを弄る。どうにも気乗りする番組がなくて、いいかと電源を消した。熱はもう殆どない。ついさっきまで寝ていたから気だるさが残っているが、朝になれば元通りだろう。
 天板に頬をつけ瞼を閉じていると足音が聞こえてきた。山崎に、食事を頼んだからそれだろう。重たい頭を持ち上げると、丁度、障子が開いた。

「悪いな山崎」
「山崎じゃありやせんぜ」
「え、」

返された声に振り返る。盆を片手に障子を閉める、総悟がそこにいた。憮然としているのは山崎に間違えられたからだろうか。そうだ、よくよく考えれば山崎は入室の際必ず声をかけるのだ。礼儀は一応弁えている地味な部下と、俺への礼儀は一切忘れている部下を間違えるのは喩え頭が回らないとは言えど山崎に悪い。
ふと、伊東の部屋へ入る折に、ノックをし声をかけていた総悟の後ろ姿を思い出した。
分かっている、総悟は俺だけ悪い意味で特別視しているのも、伊藤の一挙手一投足まで見逃さぬよう、傍に寄っていたのも。
だが気に食わない。俺の知らない間に伊東と何してやがったと、疾うに全て終えているのにまだ胸の内で燻るものがある。

「お粥、運んできてやりやしたぜ」
「おう」
「礼は?」
「……ありがとう」

よしと頷き、炬燵の上に盆を置き、俺の隣に腰かける。土鍋の蓋を熱そうにしつつも開けて、その中からもわもわ立ち込める湯気に総悟は顔をしかめた。世話をしてくれと頼んだわけではない。もしかしたら近藤さんあたりに頼まれているのかもしれないが、自分で食える程には体調も回復している。嫌々世話をされるぐらいならと、此方も顰めっ面になる。

「総悟、自分で食えるからいい」
「はぁ? 俺はアンタがこれ全部食べて薬飲むまで見届ける必要があるんでさ」

やはり頼まれたのか。思いながられんげを掴もうとした手は叩き落とされる。それは病人に対する態度か。
粥をふーふーと冷ましながらかき混ぜる、総悟の表情はいつもよりは柔らかく見える。鬼の撹乱だとかいって楽しんでいるのか、仕事でもないのに珍しくこんな深夜まで起きているのもそのせいなのかもしれない。
じっと総悟を見ていたら一瞬しっかり視線が絡まった。瞬巡するように視線をそっぽ向けてそらして、それから一口分れんげに掬い、ふぅふぅと息を吹き掛けた。
甲斐甲斐しい、その言葉が似合う総悟の所作に固まる。新しい嫌がらせか、ニュータイプか。メンタルを主に攻撃したいのか。でもそれは諸刃の剣だろう。おまえだってメンタル削られないか。思いながら見るが、悪巧みをするような表情をしていない。頬を膨らませいつもより幼く見える。

「はい、土方さん」
「えっ」
「あーん」
「ええ」

鳶色の丸い瞳を煌めかせ、無表情で言う。嫌がらせにしか思えない。無意識なのか作為なのか、解らないがれんげを寄越してくれないのだから、自分では食べられない。だから仕方なく口を開けば、思いの外優しく食べさせられた。

「熱くねぇ?」
「大丈夫だ」
「うまいですかィ」
「おう」
「……山崎も喜びまさァ」

またもやふうふうと息を吹き掛け、口を開くよう促される。まるで雛鳥になったようだ。こんな穏やかなのは、珍しい。総悟が俺に突っかからないからだ。嘘みたいな時間だ。
それで思い出した。今日はエイプリルフールだった、嘘にまみれた日。
もしかしてエイプリルフールだからこその行為なのか、といぶかしんでみるがそんな回りくどいことをこいつはするだろうか。基本面倒臭がり屋だからないだろう。両極端なやつだから、面倒なことをするときはもっと大規模なことをする。俺を監禁したり。伊東とくんだり。伊東と組んだのは違うか。俺への嫌がらせじゃない、本気で俺を切り捨てることもいとわなかったはずだ、ただ近藤さんのことを考え行動しただけだ。
 ただの気紛れなんだ、それに俺は振り回される。

「アンタを飼ってるみてぇだ」

 そう言って総悟はくすりと笑った。
それは冗談ではないのだろう。楽しげな顔を眺めつつ咀嚼すれば、最後の一口でさァとれんげをくわえさせられる。
飼われるのも悪くはないのではないか。寝過ぎて春がきた頭はそんな下らないことを考えた。おまえに飼われるのならば、いい。だからおまえも俺に飼われろよ。
薬を準備する総悟をじっと眺めながら、れんげを盆に置く。

「お前になら飼われてもいい」
「……嘘でもアンタがそんなこと言うなんて」
「真っ当に受け取らねぇって分かってんだ、なんでも言える」
「エイプリルフールですもんねェ」

はい、とオブラートにくるんだ粉薬を渡された。粉薬ぐらい普通に飲める。好きではないが。文句を言おうとしたが渋々水とともに受け取り、飲み込む。

「好きですぜ、土方さん」
「ゴホッ」

 頬杖をつき俺を真摯に見て言う総悟に、咳き込んだら水が気管へ入った。
嘘なのだろう。知っている、分かっている。それでも真に受けてしまう。だから山崎に純情だのからかわれるのだ。
意趣返しだ、水を飲み込みふぅと息をつく。

「俺もだよ」

ひゅっと息を吸ったのが聞こえた。頬杖をついたままぱちくりと総悟が瞬きをする。
可愛いやつだ、思いながら手を伸ばす。その手を掴んで、総悟がふと笑った。

「俺にはアンタだけでさァ」

桜色の唇を開き甘ったるく嘘を吐く。餌だと知っているのにつられて、俺は唇を寄せた。

「汗をかけば治るらしいからな」
「いっぱいかかせてやりやすぜ」

言って俺を押し倒す、おまえに欲情しているのは、何よりも本当だ。
それを嘘でくるんで、伝えようとした唇を塞がれた。

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