梅々
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月下
今日の銀魂やばかった。近沖・近土を見た気がした。
やられてるソウ&トシがやばかった。発音はタカトシと同じだよ、今のソウ&トシは。
あと袴萌え。
タクティクスのエドワーズ二世になりそう。はかマニア。なんかお通語みたい。
というか声・色・動きがつくアニメはいいね。原作も最高だけど。
次はインザトイレットですね。英語にすりゃかっこいいけど日本語にしたら“便所の中で”。下ネタだね。
それでは百人一首で英語ネタ。音声無しで発音ネタはきつい。
やられてるソウ&トシがやばかった。発音はタカトシと同じだよ、今のソウ&トシは。
あと袴萌え。
タクティクスのエドワーズ二世になりそう。はかマニア。なんかお通語みたい。
というか声・色・動きがつくアニメはいいね。原作も最高だけど。
次はインザトイレットですね。英語にすりゃかっこいいけど日本語にしたら“便所の中で”。下ネタだね。
それでは百人一首で英語ネタ。音声無しで発音ネタはきつい。
嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は
竜田の川の 錦なりけり
愛色賛歌
風にカーテンがなびき、顔にそこそこ眩しい秋の日が差す。目を開けるとそこは、カーテンの内側の世界。目の前には未だに紅葉していない楓の木がそびえている。その奥には、歌舞伎町の象徴とでもいえる歓楽街が、今はひっそりとしている。
働かない頭で睡眠の余韻に浸っていると、頭の上をカーテンが通り過ぎ、辺りは無人の教室になる。
いや、無人じゃない。俺と総悟以外に誰もいないだけ。
「どうしやしょう」
「・・・どうした?」
眠い目を擦りながら聞き返すと、背後に立っていた総悟が俺の前の席に座った。ちょうど向き合う形になり自然と目が合う。
欠伸をして軽く伸びると眠気が和らぐ代わりにだるくなる。こうなるのは俺だけなのだろうか。
「英語のテストの話でさァ」
「何それ俺知らないんだけど」
少しだけ残っていた眠気が途端に消えた。記憶の糸をたぐりよせてもそんな事言われた記憶は全く無い。
勘違いじゃないのか、と総悟の顔をまじまじと見るが、きょとんとしていて嘘をついてるようには見えない。・・・と、いつもこうして騙される。
「マジでか。でもアンタ一度も学校休んだことねぇし・・・俺でさえ知ってるんですけどねィ」
「リスニングか?」
「スピーキングらしいですぜ」
スピーキング、つまりは会話しろって事か。仁く英会話だ。じゃなくて、いつもなら事前に出題内容を教えられていたから練習とか出来たけれど、今回ばかしは出来ない。
英語自体はそこそこ好きなのだけど、話す事だけはどうしても苦手だ。だからこそ毎回、他人の何倍も練習していたのに。
「いつだよ。ソレ」
「今日の・・・四時間目ですねィ」
「四時間目・・・」
ちょっと待てよ。“今日”の時間割りはまだ終わってない。四校時は未だきていないのだから。ならば何故、俺は二人っきりの教室で寝ていたんだ?
時計を見ると十一時過ぎ。本来ならば、三校時目を受けているはずの時間帯だ。
首を傾げると総悟があっと小さく呟いた。
「二時間目自習だったでしょ?土方さん、課題早く終わっちまったから寝てたんでさァ。で、寝てるの起こすの可哀想だっつうことで、寝かしときやした」
「つうことは・・・・・・サボり?」
生まれて初めてのサボりだ。サボり魔のコイツと一緒に居るから、俺までそうなった・・・訳ではない。今回は。いや、今回は、って今後同じようなことが起きないようにしなければならないんだけど。
移動教室なのは間違いないし、今から行けば間に合うかもしれない。
立ち上がる俺の腕をやんわりと掴まれる。
「大丈夫ですぜ土方さん。今は理科の時間なんで。あの先生自分の発明にしか興味ねぇから俺ら二人いないくても、絶対気付きやせん」
「そうだな」
あの自称天才発明家の顔を脳内で思い浮かべる。若干自己陶酔気味なあの人の授業なら、平気だろう。
「さ、じゃあテストに備えましょう。先生って呼びなせぇ」
「何だよソレ。何でお前を先生なんて呼ばなきゃいけねぇの?」
「あれ?忘れたんですかィ?自分だって定期テスト前に先生と呼べって強要したくせに」
「してねぇからな。勝手に事実を捏造するな」
「そんなことしてやせん。・・・さァて、んじゃあ問一です。英語でアンタの名前をいいなせぇ」
いきなり始まった練習に戸惑いながら、頭の中でどういうのか思い出す。
これは簡単だ。中一レベル。だが、発音とか微妙に分からない。
「マイネームイズ・・・」
「土方さん、マヨネーズって聞こえるんですけど」
「マヨネーズじゃねぇよ。マヨネーズはMayonnaiseって発音すんだ」
「それだけは発音いいですよねィ、アンタ」
ハァ、と呆れたように溜め息をつく総悟に当たり前だろ、と返す。マヨネーズこそ、人類最大の発明なのだから。
「・・・マヨネーズを愛してるんで?」
「勿論」
少しの間もあけずに答えると、いきなりストレートが繰り出された。間一髪避けると、極悪面で舌打ちを一つ。
何だってんだ、いったい。
別に何も変な事は言っていない。素直にマヨネーズへの気持ちを言ったまでだ。
「・・・Do you like me?」
「は?」
ボーっとしていたところ話しかけられ、聞き逃してしまった。英語で何か言っただろう、とは思ったけれど、何を言ったかまではさっぱり分からない。
「問の二でさァ。英語で答えてくだせぇ。・・・も一度言いやすかィ?」
頷くと再び流暢な英語が繰り返される。
「Do you like me?」
英語の発音は、この学校の誰よりも綺麗だと思う。文字通り流れるように紡がれるそれは心地良く耳に届く。
何でコイツはこんなに英語を上手に話せるのだろう。俺は努力しても笑われるぐらい下手なのに。羨ましいし、妬ましい。
「聞いてやすか?」
「えっ・・・?ああ、もう一度」
「ったく・・・ちゃんと聞きなせぇよ。“Do you like me?”」
「え」
“俺のこと、好き?”
単刀直入にそう聞かれ、反応に困る。もしかしてマヨネーズに妬いたのだろうか、可愛いところもあるよな、なんて思う余裕さえ、ない。
総悟が求めてる答えは唯一つだけで、俺がそれ以外の言葉を言うのは許されないのだろう。けれど、普通に、常識的に考えてそれは無理だ。
俺はそういうことを言うような性格をしていないから。
それなのに聞いてくるとはどこまで俺を困らせたいんだ?
「土方さん、早くしねぇとクラスメイトの面前で言う羽目になりやすぜ」
「・・・あのな、」
「早く言いなせぇ」
満面の笑みに鳥肌がたった。言いたくない。言いたくないけれど言わなきゃ何されるか分からない。
腹くくった方がいいか、と断腸の思いで口を開く。
「アイラブ・・・」
「土方さん、せめて恋人に愛を囁く時ぐれぇは発音良くしてくれやせんか?マヨネーズに劣ってるなんて嫌なんで」
その気持ちは小指の爪先程は分かるけれど。
言う此方の身にもなれ。
「・・・英語苦手なの知ってんだろ」
「何とかしなせぇ、愛の力で」
「・・・アイラブユー」
「気持ち込めてやすか?全然伝わんねぇ。はい、もう一度」
「・・・手本、聞かせろよ」
好きで片言じみた英語を話してるんじゃない。腹だってくくったんだし。だから「気持ち伝わらない」とか言われても、どうしようも無い。
視界に映っていた総悟の顔が不意に動いた。段々と顔が近付いてきて、耳元で囁かれる。
「I love you」
反射的に耳を手で覆い、派手な音をたて椅子ごと後退すると、愉しそうに口角を上げ、総悟は元居た位置に戻った。
“俺は言ったんだから、ちゃんと言いなせぇよ”という声が聞こえてきそうな笑顔に、今度こそはと無駄に意気込む。
「・・・I love you」
「・・・合格でさァ。これでテストも満点ですねィ」
「ンな訳ねぇだろっ!!単にてめぇが言わせたかっただけだろ!!」
「まぁ、それもありまさァ」
・・・まぁでも、嬉しそうにしてるしいいか。
なんて思うような性格はしていないが、それでも妥協してしまうのはきっと、未だ残る夢の余韻のせい。
#69
竜田の川の 錦なりけり
愛色賛歌
風にカーテンがなびき、顔にそこそこ眩しい秋の日が差す。目を開けるとそこは、カーテンの内側の世界。目の前には未だに紅葉していない楓の木がそびえている。その奥には、歌舞伎町の象徴とでもいえる歓楽街が、今はひっそりとしている。
働かない頭で睡眠の余韻に浸っていると、頭の上をカーテンが通り過ぎ、辺りは無人の教室になる。
いや、無人じゃない。俺と総悟以外に誰もいないだけ。
「どうしやしょう」
「・・・どうした?」
眠い目を擦りながら聞き返すと、背後に立っていた総悟が俺の前の席に座った。ちょうど向き合う形になり自然と目が合う。
欠伸をして軽く伸びると眠気が和らぐ代わりにだるくなる。こうなるのは俺だけなのだろうか。
「英語のテストの話でさァ」
「何それ俺知らないんだけど」
少しだけ残っていた眠気が途端に消えた。記憶の糸をたぐりよせてもそんな事言われた記憶は全く無い。
勘違いじゃないのか、と総悟の顔をまじまじと見るが、きょとんとしていて嘘をついてるようには見えない。・・・と、いつもこうして騙される。
「マジでか。でもアンタ一度も学校休んだことねぇし・・・俺でさえ知ってるんですけどねィ」
「リスニングか?」
「スピーキングらしいですぜ」
スピーキング、つまりは会話しろって事か。仁く英会話だ。じゃなくて、いつもなら事前に出題内容を教えられていたから練習とか出来たけれど、今回ばかしは出来ない。
英語自体はそこそこ好きなのだけど、話す事だけはどうしても苦手だ。だからこそ毎回、他人の何倍も練習していたのに。
「いつだよ。ソレ」
「今日の・・・四時間目ですねィ」
「四時間目・・・」
ちょっと待てよ。“今日”の時間割りはまだ終わってない。四校時は未だきていないのだから。ならば何故、俺は二人っきりの教室で寝ていたんだ?
時計を見ると十一時過ぎ。本来ならば、三校時目を受けているはずの時間帯だ。
首を傾げると総悟があっと小さく呟いた。
「二時間目自習だったでしょ?土方さん、課題早く終わっちまったから寝てたんでさァ。で、寝てるの起こすの可哀想だっつうことで、寝かしときやした」
「つうことは・・・・・・サボり?」
生まれて初めてのサボりだ。サボり魔のコイツと一緒に居るから、俺までそうなった・・・訳ではない。今回は。いや、今回は、って今後同じようなことが起きないようにしなければならないんだけど。
移動教室なのは間違いないし、今から行けば間に合うかもしれない。
立ち上がる俺の腕をやんわりと掴まれる。
「大丈夫ですぜ土方さん。今は理科の時間なんで。あの先生自分の発明にしか興味ねぇから俺ら二人いないくても、絶対気付きやせん」
「そうだな」
あの自称天才発明家の顔を脳内で思い浮かべる。若干自己陶酔気味なあの人の授業なら、平気だろう。
「さ、じゃあテストに備えましょう。先生って呼びなせぇ」
「何だよソレ。何でお前を先生なんて呼ばなきゃいけねぇの?」
「あれ?忘れたんですかィ?自分だって定期テスト前に先生と呼べって強要したくせに」
「してねぇからな。勝手に事実を捏造するな」
「そんなことしてやせん。・・・さァて、んじゃあ問一です。英語でアンタの名前をいいなせぇ」
いきなり始まった練習に戸惑いながら、頭の中でどういうのか思い出す。
これは簡単だ。中一レベル。だが、発音とか微妙に分からない。
「マイネームイズ・・・」
「土方さん、マヨネーズって聞こえるんですけど」
「マヨネーズじゃねぇよ。マヨネーズはMayonnaiseって発音すんだ」
「それだけは発音いいですよねィ、アンタ」
ハァ、と呆れたように溜め息をつく総悟に当たり前だろ、と返す。マヨネーズこそ、人類最大の発明なのだから。
「・・・マヨネーズを愛してるんで?」
「勿論」
少しの間もあけずに答えると、いきなりストレートが繰り出された。間一髪避けると、極悪面で舌打ちを一つ。
何だってんだ、いったい。
別に何も変な事は言っていない。素直にマヨネーズへの気持ちを言ったまでだ。
「・・・Do you like me?」
「は?」
ボーっとしていたところ話しかけられ、聞き逃してしまった。英語で何か言っただろう、とは思ったけれど、何を言ったかまではさっぱり分からない。
「問の二でさァ。英語で答えてくだせぇ。・・・も一度言いやすかィ?」
頷くと再び流暢な英語が繰り返される。
「Do you like me?」
英語の発音は、この学校の誰よりも綺麗だと思う。文字通り流れるように紡がれるそれは心地良く耳に届く。
何でコイツはこんなに英語を上手に話せるのだろう。俺は努力しても笑われるぐらい下手なのに。羨ましいし、妬ましい。
「聞いてやすか?」
「えっ・・・?ああ、もう一度」
「ったく・・・ちゃんと聞きなせぇよ。“Do you like me?”」
「え」
“俺のこと、好き?”
単刀直入にそう聞かれ、反応に困る。もしかしてマヨネーズに妬いたのだろうか、可愛いところもあるよな、なんて思う余裕さえ、ない。
総悟が求めてる答えは唯一つだけで、俺がそれ以外の言葉を言うのは許されないのだろう。けれど、普通に、常識的に考えてそれは無理だ。
俺はそういうことを言うような性格をしていないから。
それなのに聞いてくるとはどこまで俺を困らせたいんだ?
「土方さん、早くしねぇとクラスメイトの面前で言う羽目になりやすぜ」
「・・・あのな、」
「早く言いなせぇ」
満面の笑みに鳥肌がたった。言いたくない。言いたくないけれど言わなきゃ何されるか分からない。
腹くくった方がいいか、と断腸の思いで口を開く。
「アイラブ・・・」
「土方さん、せめて恋人に愛を囁く時ぐれぇは発音良くしてくれやせんか?マヨネーズに劣ってるなんて嫌なんで」
その気持ちは小指の爪先程は分かるけれど。
言う此方の身にもなれ。
「・・・英語苦手なの知ってんだろ」
「何とかしなせぇ、愛の力で」
「・・・アイラブユー」
「気持ち込めてやすか?全然伝わんねぇ。はい、もう一度」
「・・・手本、聞かせろよ」
好きで片言じみた英語を話してるんじゃない。腹だってくくったんだし。だから「気持ち伝わらない」とか言われても、どうしようも無い。
視界に映っていた総悟の顔が不意に動いた。段々と顔が近付いてきて、耳元で囁かれる。
「I love you」
反射的に耳を手で覆い、派手な音をたて椅子ごと後退すると、愉しそうに口角を上げ、総悟は元居た位置に戻った。
“俺は言ったんだから、ちゃんと言いなせぇよ”という声が聞こえてきそうな笑顔に、今度こそはと無駄に意気込む。
「・・・I love you」
「・・・合格でさァ。これでテストも満点ですねィ」
「ンな訳ねぇだろっ!!単にてめぇが言わせたかっただけだろ!!」
「まぁ、それもありまさァ」
・・・まぁでも、嬉しそうにしてるしいいか。
なんて思うような性格はしていないが、それでも妥協してしまうのはきっと、未だ残る夢の余韻のせい。
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