梅々
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奪われたら最後
「・・・総悟」
「なんですかィ」
「しねぇ?」
付き合い初めて三ヶ月目、土方さんは少し照れた顔をしながらそう言ってきた。穏やかな日差しが部屋を明るく染める中、青少年らしく健全且つ不健全に。
「・・・口ですんのならいいですぜ」
雑誌のページを捲りつつ答えると、はぃ?と土方さんは間抜けな声を出した。
自分が言ってきたくせに何その反応。
「普通逆じゃね?」
「俺はアンタに掘られるのは嫌なだけですから。ほら、やりやすぜ」
アンタはまだ自分が上だとおもってるから。
それに俺だって経験あるわけじゃないし、いい機会だ。
(たっぷり喘がしてやりまさァ・・・)
自分が上だとおもってる土方ってかわいい。いざ本番! となったら逆に組み敷かれて混乱していると次々に行為は進んでいき気付けばよがってた自分にびっくりしていそう。
ワシントン会議にもえました。完全なる米→英。
まず、四ヶ国条約による日英同盟破棄→イギリスと同盟組んだ日本に嫉妬。
次いで九ヶ国条約による日本の中国の植民地返還→日本がこれ以上強くなったらせっかく自分が頑張って独立していままでやってきたことが無駄になる!
そして海軍軍備抑制による主力艦保有数(確か、米・英・日→10・10・7)→アメリカがイギリスと対等になったということ。
第一次世界大戦ってドラマですね。あれのお陰でアメリカは急成長。イギリスは(フランスも)アメリカに頼るしかなくなった。
執念としかいえない、何十年で大国になったアメリカ。
では、上のヘタリアネタとは脈絡ないけど沖土で百人一首!
・・・いい加減試験勉強しなきゃ。沖土連載書きたいけど。
「なんですかィ」
「しねぇ?」
付き合い初めて三ヶ月目、土方さんは少し照れた顔をしながらそう言ってきた。穏やかな日差しが部屋を明るく染める中、青少年らしく健全且つ不健全に。
「・・・口ですんのならいいですぜ」
雑誌のページを捲りつつ答えると、はぃ?と土方さんは間抜けな声を出した。
自分が言ってきたくせに何その反応。
「普通逆じゃね?」
「俺はアンタに掘られるのは嫌なだけですから。ほら、やりやすぜ」
アンタはまだ自分が上だとおもってるから。
それに俺だって経験あるわけじゃないし、いい機会だ。
(たっぷり喘がしてやりまさァ・・・)
自分が上だとおもってる土方ってかわいい。いざ本番! となったら逆に組み敷かれて混乱していると次々に行為は進んでいき気付けばよがってた自分にびっくりしていそう。
ワシントン会議にもえました。完全なる米→英。
まず、四ヶ国条約による日英同盟破棄→イギリスと同盟組んだ日本に嫉妬。
次いで九ヶ国条約による日本の中国の植民地返還→日本がこれ以上強くなったらせっかく自分が頑張って独立していままでやってきたことが無駄になる!
そして海軍軍備抑制による主力艦保有数(確か、米・英・日→10・10・7)→アメリカがイギリスと対等になったということ。
第一次世界大戦ってドラマですね。あれのお陰でアメリカは急成長。イギリスは(フランスも)アメリカに頼るしかなくなった。
執念としかいえない、何十年で大国になったアメリカ。
では、上のヘタリアネタとは脈絡ないけど沖土で百人一首!
・・・いい加減試験勉強しなきゃ。沖土連載書きたいけど。
結局、第三者の介入など必要ないんだ。
お互いしか見ていないんだから。
星彩・エンタイア
なにもこんな日に、急に気温が下がらなくたっていいじゃないか、と朝な所為か昼よりも騒がしくない縁側を歩きつつ山崎は思った。
昨日は真夏日だった。なのに今日は異様に空気が冷たい。冬じゃないか、雪が降るんじゃないか、もうそんなノリ。
どこが地球温暖化?
どちらかというて氷河期じゃないか、コレ。
それを先取りして屯所が寒いんじゃないか。
心の中でぶつくさ文句を言っていると、障子の開閉する音に次いで沖田さんが現れた。未だ眠そうにしているのを見て、気温への不満は消えていき心が暖かいもので満たされる。
「沖田さん、おはようございます」
「ん、はよー。今日は寒ィなァ。炬燵でアイス食おうぜ」
「炬燵ですか・・・」
寝起き独特のかすれた声が甘く鼓膜に響いて、後でアイス買ってきてあげよう、炬燵は無理そうだから。と今日の予定を組み替える。
と、今度は後ろから足音が近付いてきて、マズイ、副長だったら・・・。などと内心冷や汗かきつつ振り返るとそこには。
「お、おはようございます、副長・・・」
一気にひやりと空気の温度が下がる。
剣呑な熱を視線に孕ませ、沖田は刹那だけ土方に視線を向け、山崎にニコリと氷の微笑を向ける。
人形のような麗しさにドキリ。山崎は頬を染める。
氷の微笑でさえ、自分一人に向けられたものだと思うと嬉しくて堪らない。
元来、沖田は土方にさえ純度の高い笑顔をあまり向けない、山崎の知るところでは。故に沖田の笑顔は貴重なのだ。
「んじゃあ、山崎。またあとで」
「ええ・・・」
静かに縁側を歩き去っていく後ろ姿を眺めていると、隣の副長も同じように見送っていた。険しく寄せられた眉に、傍に居れば喧嘩ばかりでどっか行けと言っているくせに、居なきゃいないで寂しいなんて、贅沢じゃないか。
いつもより少しばかり副長より優位な所為か、つい口をついて出そうになり焦る。
そんなことしたらアイスどころじゃなくなる。
「・・・原因はなんなんですか」
やっぱ沖田さんなんだろうな、予想をつけ訊くが短い間の後俺だと、ぶっきらぼうに言われる。
えっと呟くと罰が悪そうに副長は顔を背け、誰にも言うなよと俺に念を押して会議室へと向かって行った。
なんなんだろう、いったい。
副長が隊長を怒らせるなんて。
**
会議の最中も目が合うことはなかった。
それほどまでに悪いことしたのか。終わってからもその場で悩んでいると携帯のアラームが鳴った。そうだ、今日中にとっつぁんに書類を提出しなければならなかったんだ、公私混同はまずいと立ち上がり、自室へ向かう道すがら山崎の部屋の前を必然的に通る。
「さっすが山崎。お前本当に俺の心読むのうまいですねィ」
「偶々ですよ、偶々。にしてもこのアイス美味しいですねー」
「CMやってるの見て食いたくなったんでさ。今日発売なんですぜ」
「へー」
障子越しに楽しそうな沖田の声が聞こえてこんなにも悩み悔やんでいる自分が馬鹿馬鹿しくなった。
あいつが気にしていないのなら、このままでいい。
そう、いいじゃないか。
無理矢理自分自身を納得させ、書類を片付けてしまおうと自室へ戻った。
書類を完璧に仕上げ松平に提出した帰り、町中を歩いていると耳が勝手に一人の男の声を拾った。序でに、余計な男の声も。
行き交う人々の向こうを見ると、赤い団子屋の椅子に並んで座り楽しそうに会話をする沖田と坂田の姿があった。
俺のことを束縛するくせに、喧嘩しているとはいえ違う男と楽しそうに。今晩は花街にでも行ってやろうかと短絡的に思うがそれじゃあ事態は悪化するばかり。当て付けに当て付けで返すのは子どものすることだ。冷静になれ、俺。
大人の玩具を一緒に買いに行きやせんか、と事後に言われ絶句した。すると返事を催促するように、ね? と小首を傾げながら言われて、ふざけんなと思った。
―――――行かねーし買わねぇよ。これ以上お前のおふざけに付き合えねぇっての。
―――――“これ以上”? あんた、やっぱそういう気持ちだったんですねィ。分かりやした。
射殺されそうな程の視線を寄越し部屋から出てった沖田に、弁明の余地はなかった。
一仕事終えたし、と煙草に火をつけ一服する。沖田の所為で無駄な気力を使いすぎた、頭が軽く痛い。
汲み取ってくれると勝手に勘違いして押し付けて、その結果がこれとは笑い話にしかならない。
これで万事屋にでも奪われたら。
オチに心中がくっつくかもしれない。
風呂上がりの総悟をかっさらい自室へと引きずり、部屋へ入り様畳の上に放る。
酷い扱いに戸口に立ったままの俺を睨み上げ、沖田は低くなんですかィ、と腹立ちながら言う。
何も返さずなるべく無表情を装いじっと見ていると、ハァ、と溜め息交じりに沖田は立ち上がる。
「用がねぇなら帰りやす。そこ退いてくだせぇ」
「・・・お前、俺を信じてなかったからあんなことで怒ったんだろ」
ピクリと片眉を上げ、少し下から睨んでくる沖田は口を固く閉ざし、動かない。
昔はもっと、身長差は開いていた。それが立ってほぼ正面を向いたまま視線を交すことができるようになった。
濁りのない、深紅の瞳に自分が映る。
この瞳が、俺を捕えて離さない。あの頃から、いつまでも。
「“どうせ俺とのことなんて遊びなんだ”って悲劇のヒロイン気取って楽しいか? ガキが」
「・・・楽しいわけねぇだろィ。俺Mじゃねぇもん」
「なら信じろっての。それこそ付き合いきれねぇ」
溜め息を返し、こんなところで立ち、向かい合いながら口論しているのも馬鹿らしいと文机の前へ促し座る。
隣に座りながら沖田はでも、と唇を尖らせる。
「・・・ちゃんと口で言ってくんなきゃ、バカな俺は分かりやせん」
「・・・言わなくてもわかると思ったんだよ」
「・・・アンタが言葉足らずだから悪いんじゃねぇですかィ、全部」
気付けば形勢は逆転しているではないか。自分が初めは優位だったというのに。
このままで、いくと。
「今日はたっぷり教えてもらいまさァ・・・夜通し、ね」
「ふざけんな、一人で寝る」
「今日は涼しい通り越して肌寒いそうですぜ。暖めさせてくだせぇよ」
熱っぽい眼差しに陥落しきっている俺は妥協するふりをする。
大人故の矜恃は沖田の前では障害にしかならないのだろう、妥協、すべきなのは俺だとわかっているが益々沖田をつけ上がらせるだけだ、それじゃあ。
「お前、複雑すぎ・・・・・・」
「アンタが勝手に複雑にしてんでさ」
お前よか頭使ってるからな。
嫌味を返すと耳をガブリと噛まれた。
#94
み吉野の 山の秋風 小夜ふけて
ふるさと寒く 衣うつなり
お互いしか見ていないんだから。
星彩・エンタイア
なにもこんな日に、急に気温が下がらなくたっていいじゃないか、と朝な所為か昼よりも騒がしくない縁側を歩きつつ山崎は思った。
昨日は真夏日だった。なのに今日は異様に空気が冷たい。冬じゃないか、雪が降るんじゃないか、もうそんなノリ。
どこが地球温暖化?
どちらかというて氷河期じゃないか、コレ。
それを先取りして屯所が寒いんじゃないか。
心の中でぶつくさ文句を言っていると、障子の開閉する音に次いで沖田さんが現れた。未だ眠そうにしているのを見て、気温への不満は消えていき心が暖かいもので満たされる。
「沖田さん、おはようございます」
「ん、はよー。今日は寒ィなァ。炬燵でアイス食おうぜ」
「炬燵ですか・・・」
寝起き独特のかすれた声が甘く鼓膜に響いて、後でアイス買ってきてあげよう、炬燵は無理そうだから。と今日の予定を組み替える。
と、今度は後ろから足音が近付いてきて、マズイ、副長だったら・・・。などと内心冷や汗かきつつ振り返るとそこには。
「お、おはようございます、副長・・・」
一気にひやりと空気の温度が下がる。
剣呑な熱を視線に孕ませ、沖田は刹那だけ土方に視線を向け、山崎にニコリと氷の微笑を向ける。
人形のような麗しさにドキリ。山崎は頬を染める。
氷の微笑でさえ、自分一人に向けられたものだと思うと嬉しくて堪らない。
元来、沖田は土方にさえ純度の高い笑顔をあまり向けない、山崎の知るところでは。故に沖田の笑顔は貴重なのだ。
「んじゃあ、山崎。またあとで」
「ええ・・・」
静かに縁側を歩き去っていく後ろ姿を眺めていると、隣の副長も同じように見送っていた。険しく寄せられた眉に、傍に居れば喧嘩ばかりでどっか行けと言っているくせに、居なきゃいないで寂しいなんて、贅沢じゃないか。
いつもより少しばかり副長より優位な所為か、つい口をついて出そうになり焦る。
そんなことしたらアイスどころじゃなくなる。
「・・・原因はなんなんですか」
やっぱ沖田さんなんだろうな、予想をつけ訊くが短い間の後俺だと、ぶっきらぼうに言われる。
えっと呟くと罰が悪そうに副長は顔を背け、誰にも言うなよと俺に念を押して会議室へと向かって行った。
なんなんだろう、いったい。
副長が隊長を怒らせるなんて。
**
会議の最中も目が合うことはなかった。
それほどまでに悪いことしたのか。終わってからもその場で悩んでいると携帯のアラームが鳴った。そうだ、今日中にとっつぁんに書類を提出しなければならなかったんだ、公私混同はまずいと立ち上がり、自室へ向かう道すがら山崎の部屋の前を必然的に通る。
「さっすが山崎。お前本当に俺の心読むのうまいですねィ」
「偶々ですよ、偶々。にしてもこのアイス美味しいですねー」
「CMやってるの見て食いたくなったんでさ。今日発売なんですぜ」
「へー」
障子越しに楽しそうな沖田の声が聞こえてこんなにも悩み悔やんでいる自分が馬鹿馬鹿しくなった。
あいつが気にしていないのなら、このままでいい。
そう、いいじゃないか。
無理矢理自分自身を納得させ、書類を片付けてしまおうと自室へ戻った。
書類を完璧に仕上げ松平に提出した帰り、町中を歩いていると耳が勝手に一人の男の声を拾った。序でに、余計な男の声も。
行き交う人々の向こうを見ると、赤い団子屋の椅子に並んで座り楽しそうに会話をする沖田と坂田の姿があった。
俺のことを束縛するくせに、喧嘩しているとはいえ違う男と楽しそうに。今晩は花街にでも行ってやろうかと短絡的に思うがそれじゃあ事態は悪化するばかり。当て付けに当て付けで返すのは子どものすることだ。冷静になれ、俺。
大人の玩具を一緒に買いに行きやせんか、と事後に言われ絶句した。すると返事を催促するように、ね? と小首を傾げながら言われて、ふざけんなと思った。
―――――行かねーし買わねぇよ。これ以上お前のおふざけに付き合えねぇっての。
―――――“これ以上”? あんた、やっぱそういう気持ちだったんですねィ。分かりやした。
射殺されそうな程の視線を寄越し部屋から出てった沖田に、弁明の余地はなかった。
一仕事終えたし、と煙草に火をつけ一服する。沖田の所為で無駄な気力を使いすぎた、頭が軽く痛い。
汲み取ってくれると勝手に勘違いして押し付けて、その結果がこれとは笑い話にしかならない。
これで万事屋にでも奪われたら。
オチに心中がくっつくかもしれない。
風呂上がりの総悟をかっさらい自室へと引きずり、部屋へ入り様畳の上に放る。
酷い扱いに戸口に立ったままの俺を睨み上げ、沖田は低くなんですかィ、と腹立ちながら言う。
何も返さずなるべく無表情を装いじっと見ていると、ハァ、と溜め息交じりに沖田は立ち上がる。
「用がねぇなら帰りやす。そこ退いてくだせぇ」
「・・・お前、俺を信じてなかったからあんなことで怒ったんだろ」
ピクリと片眉を上げ、少し下から睨んでくる沖田は口を固く閉ざし、動かない。
昔はもっと、身長差は開いていた。それが立ってほぼ正面を向いたまま視線を交すことができるようになった。
濁りのない、深紅の瞳に自分が映る。
この瞳が、俺を捕えて離さない。あの頃から、いつまでも。
「“どうせ俺とのことなんて遊びなんだ”って悲劇のヒロイン気取って楽しいか? ガキが」
「・・・楽しいわけねぇだろィ。俺Mじゃねぇもん」
「なら信じろっての。それこそ付き合いきれねぇ」
溜め息を返し、こんなところで立ち、向かい合いながら口論しているのも馬鹿らしいと文机の前へ促し座る。
隣に座りながら沖田はでも、と唇を尖らせる。
「・・・ちゃんと口で言ってくんなきゃ、バカな俺は分かりやせん」
「・・・言わなくてもわかると思ったんだよ」
「・・・アンタが言葉足らずだから悪いんじゃねぇですかィ、全部」
気付けば形勢は逆転しているではないか。自分が初めは優位だったというのに。
このままで、いくと。
「今日はたっぷり教えてもらいまさァ・・・夜通し、ね」
「ふざけんな、一人で寝る」
「今日は涼しい通り越して肌寒いそうですぜ。暖めさせてくだせぇよ」
熱っぽい眼差しに陥落しきっている俺は妥協するふりをする。
大人故の矜恃は沖田の前では障害にしかならないのだろう、妥協、すべきなのは俺だとわかっているが益々沖田をつけ上がらせるだけだ、それじゃあ。
「お前、複雑すぎ・・・・・・」
「アンタが勝手に複雑にしてんでさ」
お前よか頭使ってるからな。
嫌味を返すと耳をガブリと噛まれた。
#94
み吉野の 山の秋風 小夜ふけて
ふるさと寒く 衣うつなり
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