梅々
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ズル休み
冗談抜きでズル休みしたいです。だって猫が・・・!
でも平日だし行かなくちゃなんないし・・・。ハァ。
それでは月見ネタ。軽く沖土・・・?
でも平日だし行かなくちゃなんないし・・・。ハァ。
それでは月見ネタ。軽く沖土・・・?
ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば
ただ有明の 月ぞ残れる
月天子
月がとても綺麗で、澄みきった光で照らすから、門限の定刻を遥かに過ぎているのにゆっくりと夜道を歩いてしまった。
そのことに気付いたのは屯所が見える辺りに来てからだったけど。
どう、しよう。
とりあえず屋内に入るためゆっくりと戸を開ける。いつもはそれでも悲鳴みたいな音をたてるけれど幸い、大きな音はしなくて詰めていた息をゆっくり吐き出し、草鞋を脱いだ。
そうしている内にも土方さんが来るかもしれない。面倒だな、と思っていたけど結局やってこなくて、今回はバレてないのかもしれない、そんな考えが頭をちらついた。
今まで数度門限を破ってしまったけど、毎回必ずバレたのに。
馬鹿だな、と自分でも思う。
・・・こうなると、あの人が居るのはあの場所だ。
自分の部屋の障子を開くと、先客が居た。
思った通りで笑いそうになる。
「よォ、遅ェ帰りだな。女か?」
「アンタ程でもありやせんよ。泊まりじゃねぇし?俺は」
月明かりで土方さんの端正な顔が歪んでいるのが見える。でも、土方さんの方からじゃ逆光だし元から夜目も利かないしで俺の表情はわからないだろうけど。
そんな顔されたって、俺は素直に土方さんの言うこと聞く気はない。アンタが俺ぐらいの時にはもうバリバリに夜遊びしてたくせに俺は駄目、なんておかしい。差別だ。
それ以前に女なんかに興味はないけど、見栄、というか嫉妬というか・・・そんな気持ちで揶揄っている。
もたれかかっていた障子を閉め、真っ暗な室内を体に染み付いている記憶を頼りに行灯まで歩いていき、灯りをつける。視線を向けた先に煙草が積まれた灰皿があって溜め息をついた。
俺の部屋で煙草吸ってほしくないって何度も言ってんのに何でこの人はまた吸ってんだろ。気に入っている灰皿を持ち込んでまで。
「―――――女かよ?」
再び繰り返されたその問いに曖昧な笑みを返した。土方さんがどう捉えるか分かっていて、わざと。チャイナに会っていたのだからあながち嘘ではないのだけど土方さんの思っている意味とは違う。
予想通り増えた眉間のしわに心内でほくそ笑む。
「相手誰だよ」
「誰でもいいでしょう」
「・・・そうか」
吸っていた煙草を灰皿に乱雑に押し付け、土方さんは苛立たしげに立ち上がった。
話を反らすのも、もういいかと思い立ち去る背中に手を伸ばす。
グイッと掴んだ着物をおもいっきり引く。
「うっわ・・・!!」
ちょうどすっぽり腕におさまった土方さんをぎゅうっと抱き締めて、頬擦りをした。抵抗しようともがいた隙をついて、正面から抱き締める。
「おいっ・・・!」
「チャイナと早食い対決してただけでさァ。―――――俺には、アンタだけですぜ。土方さん」
途端に耳まで赤くなったのが可愛くて、顔が見れるよう態勢を変えると、フイと顔を反らされた。
「反らさねぇで下せぇよ。ほら、此方見て」
「嫌に決まってんだろ」
そう言いながらもその手は、俺の着物をしっかり握っていて。
そんな仕草に馬鹿だなァ、この人。と思う。
完璧に素で誘ってる。今時はツンデレらしいし。
「まぁ夜は長いですしねぇ・・・。月の下でどうです?いい詩も出来るでしょ」
「えっ・・・ちょっ・・・?」
立ち上がり、土方さんの手を掴んで縁側へと向かう。
「大丈夫でさァ。土方さんが声さえ殺してくれりゃ誰にもバレやせん」
「そうじゃねぇよっ!!」
サァ、と血の気が引いた土方さんの顔が面白くて笑うと、背後から大きな溜め息が聞こえた。
#81
ただ有明の 月ぞ残れる
月天子
月がとても綺麗で、澄みきった光で照らすから、門限の定刻を遥かに過ぎているのにゆっくりと夜道を歩いてしまった。
そのことに気付いたのは屯所が見える辺りに来てからだったけど。
どう、しよう。
とりあえず屋内に入るためゆっくりと戸を開ける。いつもはそれでも悲鳴みたいな音をたてるけれど幸い、大きな音はしなくて詰めていた息をゆっくり吐き出し、草鞋を脱いだ。
そうしている内にも土方さんが来るかもしれない。面倒だな、と思っていたけど結局やってこなくて、今回はバレてないのかもしれない、そんな考えが頭をちらついた。
今まで数度門限を破ってしまったけど、毎回必ずバレたのに。
馬鹿だな、と自分でも思う。
・・・こうなると、あの人が居るのはあの場所だ。
自分の部屋の障子を開くと、先客が居た。
思った通りで笑いそうになる。
「よォ、遅ェ帰りだな。女か?」
「アンタ程でもありやせんよ。泊まりじゃねぇし?俺は」
月明かりで土方さんの端正な顔が歪んでいるのが見える。でも、土方さんの方からじゃ逆光だし元から夜目も利かないしで俺の表情はわからないだろうけど。
そんな顔されたって、俺は素直に土方さんの言うこと聞く気はない。アンタが俺ぐらいの時にはもうバリバリに夜遊びしてたくせに俺は駄目、なんておかしい。差別だ。
それ以前に女なんかに興味はないけど、見栄、というか嫉妬というか・・・そんな気持ちで揶揄っている。
もたれかかっていた障子を閉め、真っ暗な室内を体に染み付いている記憶を頼りに行灯まで歩いていき、灯りをつける。視線を向けた先に煙草が積まれた灰皿があって溜め息をついた。
俺の部屋で煙草吸ってほしくないって何度も言ってんのに何でこの人はまた吸ってんだろ。気に入っている灰皿を持ち込んでまで。
「―――――女かよ?」
再び繰り返されたその問いに曖昧な笑みを返した。土方さんがどう捉えるか分かっていて、わざと。チャイナに会っていたのだからあながち嘘ではないのだけど土方さんの思っている意味とは違う。
予想通り増えた眉間のしわに心内でほくそ笑む。
「相手誰だよ」
「誰でもいいでしょう」
「・・・そうか」
吸っていた煙草を灰皿に乱雑に押し付け、土方さんは苛立たしげに立ち上がった。
話を反らすのも、もういいかと思い立ち去る背中に手を伸ばす。
グイッと掴んだ着物をおもいっきり引く。
「うっわ・・・!!」
ちょうどすっぽり腕におさまった土方さんをぎゅうっと抱き締めて、頬擦りをした。抵抗しようともがいた隙をついて、正面から抱き締める。
「おいっ・・・!」
「チャイナと早食い対決してただけでさァ。―――――俺には、アンタだけですぜ。土方さん」
途端に耳まで赤くなったのが可愛くて、顔が見れるよう態勢を変えると、フイと顔を反らされた。
「反らさねぇで下せぇよ。ほら、此方見て」
「嫌に決まってんだろ」
そう言いながらもその手は、俺の着物をしっかり握っていて。
そんな仕草に馬鹿だなァ、この人。と思う。
完璧に素で誘ってる。今時はツンデレらしいし。
「まぁ夜は長いですしねぇ・・・。月の下でどうです?いい詩も出来るでしょ」
「えっ・・・ちょっ・・・?」
立ち上がり、土方さんの手を掴んで縁側へと向かう。
「大丈夫でさァ。土方さんが声さえ殺してくれりゃ誰にもバレやせん」
「そうじゃねぇよっ!!」
サァ、と血の気が引いた土方さんの顔が面白くて笑うと、背後から大きな溜め息が聞こえた。
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