梅々
苑咲早良が運営する銀魂BL小説サイトです。 心意気は18禁。 著作権的な何かは放棄していません。マナーは守ってください。 メールフォームやコメント欄は下にありますので、何かございましたらお気軽にご使用ください。感想とか頂ければ舞い上がります! 不定期更新な別館を作成しました。ミツバさん愛してる! 気が向いたらお越しください→http://tokosienoai.dou-jin.com/
ステンドグラス
先週は三回もブックオフに行きました。そして三回とも同じムフフな感じの漫画家さんの作品を買いました。計四冊…かな。
残金200円です(笑)
それでは沖→土な感じな百人一首。
残金200円です(笑)
それでは沖→土な感じな百人一首。
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
長々し夜を ひとりかも寝む
In the hand
純真無垢で
まっすぐで
真っ白なあなたを
殺したい
モヤモヤと、気分が晴れないのはこの男のせいだ。と沖田は密かに溜め息をつく。
一緒に見回りに出た当初から機嫌が良かったけれど、時間が経つにつれ益々機嫌が良くなっている。
「…なんか、奢ってやろうか。こないだ美味いあんみつがどーのこーのつってたよな?」
「えぇ、まぁ……」
この人が自分からこんな事言い出すぐらい、機嫌が良くなるのはいつも決まって近藤さん絡みで何か良いことがあった時だ。
─────近藤さんが相手じゃどんなことしたって俺が勝てないのは明白だ。
大好きな近藤さんは俺がもってないものを持っていて、太陽のように明るく真っ直ぐな人だ。そんな人に複雑怪奇な俺が勝てる見込みはない。
それでも、土方を手に入れたいと思うのだが。
(無理なんだろうなァ、やっぱ。)
不毛だと気付いてはいるのだ。それでも止まらないのが恋というもので。
(なんでこんな人に…。そりゃ、見た目はかっこいいし、加虐心煽るような人だけど。マヨラーだし横暴だし。)
キリリと、胸が痛む。
例えば今日のように土方が機嫌良い日とか、夜、花街に行くのを見掛けてしまったときとか。
押し倒して力尽くにでも自分の物にしてしまいたいと、何度思ったことか。
「どこにあんだよ、その店」
「この道つっきった左側に」
奪えるものならとっくに奪っていた。それができなかったから一方通行のままなわけで、苛々は募るばかりだ。
そろそろ発散しなくては、と思うけれど、機嫌の良い土方をからかうのもあまり楽しくない。余計腹立ちが募るだけで。
(つまらないなァ。思い通りにならなさすぎだろ。)
ふと、視界に入った人影が自分の見知った人だと気付き、たたたと歩み寄る。
「旦那ァ」
「よぉ、今日も暇そうだな」
「あんたもでしょうが」
「そりゃねぇ、今日の生活費さえ賄えないぐらいだからなァ。哀れだと思えよ」
旦那との会話は楽しい。一瞬の隙さえ、無い。
土方みたく仲間や友人にさえも気を抜かないのはそれほどの修羅場をくぐってきた証のように思える。こんな、安穏とした日々の中にある戦じゃなくて、もっと過激な、正に修羅場を。
だから、一度刀を交えたいのだけど。
不思議なもので、旦那と話しているだけでストレスとか全部スゥっとなくなる気がする。癒し系、とかいうのとはかけ離れている人なのに。
「で、何? 今日はデートですか?」
「こんな人とデートなんざしたくねぇですよ。土方さんだって、ねぇ?」
「あ? デートも何も男同士だろ。こんな馬鹿構ってねぇでいくぞ、総悟」
馬鹿なのはあんたの方だと思うけれど。口に出したら奢ってくれるという話もパーになってしまうだろうから何も言えない。
(俺は、あんたとならできやすよ、デート。)
知らぬが仏、とよくいうがまさしく
「ったく。そんな馬鹿に総悟君取られちゃうかもよー?」
「はぁ? 何言ってんだ?」
ニヤ、とどこかの猫のように笑う銀時に土方は怪訝な声を返す。
─────土方は愚かだ。
と銀時は思う。
自分が本当に大切な者をわかっていない。自分がどのように思われているのかさえ、上べに騙されて。
まぁ、沖田も何も気付いていないようだから何も言わないけれど。
早くしないと奪っちゃうぞ、と煮えきらない彼に心の中で呟く。
奥手というか鈍感というか。喩え結ばれても色々と時間のかかりそうな二人だ。
「どう? 俺はいつでも乗り換えOKだけど」
「アッハハ。気が向いたら頼みまさァ」
逃げ道があっても、この想いは揺るがない。そう理解しているから、こう簡単に逃げ道を作れるのだろうと沖田は思う。
「さぁ、それじゃ行きやしょうか土方さん」
「さっさと行くぞ」
「じゃ、旦那」
「おう。じゃーなー」
その鬼を演じる面を取り去って、滅茶苦茶にしてしまいたい。馬鹿みたく体裁とか気にしている土方のことだ。口付けただけでもパニックに陥りそうで面白い。
でもそれだけじゃ嫌だ。
手に入れたい、どんなことをしてでも。
亡骸でも、いいから。
「あんた、本当にむかつく人ですよねィ」
「おまえよかマシだろ」
旦那と会ったってのに機嫌はいいままだ。無性に腹が立つ。
自分がご機嫌だと、気付いていないであろう土方に何を言っても無駄だ。
あんみつなんかいらないから。
あんたがほしい。
前を行く背中に呟くけれど、向かい風に拐われた言葉はいつまでも届かない。
#3
長々し夜を ひとりかも寝む
In the hand
純真無垢で
まっすぐで
真っ白なあなたを
殺したい
モヤモヤと、気分が晴れないのはこの男のせいだ。と沖田は密かに溜め息をつく。
一緒に見回りに出た当初から機嫌が良かったけれど、時間が経つにつれ益々機嫌が良くなっている。
「…なんか、奢ってやろうか。こないだ美味いあんみつがどーのこーのつってたよな?」
「えぇ、まぁ……」
この人が自分からこんな事言い出すぐらい、機嫌が良くなるのはいつも決まって近藤さん絡みで何か良いことがあった時だ。
─────近藤さんが相手じゃどんなことしたって俺が勝てないのは明白だ。
大好きな近藤さんは俺がもってないものを持っていて、太陽のように明るく真っ直ぐな人だ。そんな人に複雑怪奇な俺が勝てる見込みはない。
それでも、土方を手に入れたいと思うのだが。
(無理なんだろうなァ、やっぱ。)
不毛だと気付いてはいるのだ。それでも止まらないのが恋というもので。
(なんでこんな人に…。そりゃ、見た目はかっこいいし、加虐心煽るような人だけど。マヨラーだし横暴だし。)
キリリと、胸が痛む。
例えば今日のように土方が機嫌良い日とか、夜、花街に行くのを見掛けてしまったときとか。
押し倒して力尽くにでも自分の物にしてしまいたいと、何度思ったことか。
「どこにあんだよ、その店」
「この道つっきった左側に」
奪えるものならとっくに奪っていた。それができなかったから一方通行のままなわけで、苛々は募るばかりだ。
そろそろ発散しなくては、と思うけれど、機嫌の良い土方をからかうのもあまり楽しくない。余計腹立ちが募るだけで。
(つまらないなァ。思い通りにならなさすぎだろ。)
ふと、視界に入った人影が自分の見知った人だと気付き、たたたと歩み寄る。
「旦那ァ」
「よぉ、今日も暇そうだな」
「あんたもでしょうが」
「そりゃねぇ、今日の生活費さえ賄えないぐらいだからなァ。哀れだと思えよ」
旦那との会話は楽しい。一瞬の隙さえ、無い。
土方みたく仲間や友人にさえも気を抜かないのはそれほどの修羅場をくぐってきた証のように思える。こんな、安穏とした日々の中にある戦じゃなくて、もっと過激な、正に修羅場を。
だから、一度刀を交えたいのだけど。
不思議なもので、旦那と話しているだけでストレスとか全部スゥっとなくなる気がする。癒し系、とかいうのとはかけ離れている人なのに。
「で、何? 今日はデートですか?」
「こんな人とデートなんざしたくねぇですよ。土方さんだって、ねぇ?」
「あ? デートも何も男同士だろ。こんな馬鹿構ってねぇでいくぞ、総悟」
馬鹿なのはあんたの方だと思うけれど。口に出したら奢ってくれるという話もパーになってしまうだろうから何も言えない。
(俺は、あんたとならできやすよ、デート。)
知らぬが仏、とよくいうがまさしく
「ったく。そんな馬鹿に総悟君取られちゃうかもよー?」
「はぁ? 何言ってんだ?」
ニヤ、とどこかの猫のように笑う銀時に土方は怪訝な声を返す。
─────土方は愚かだ。
と銀時は思う。
自分が本当に大切な者をわかっていない。自分がどのように思われているのかさえ、上べに騙されて。
まぁ、沖田も何も気付いていないようだから何も言わないけれど。
早くしないと奪っちゃうぞ、と煮えきらない彼に心の中で呟く。
奥手というか鈍感というか。喩え結ばれても色々と時間のかかりそうな二人だ。
「どう? 俺はいつでも乗り換えOKだけど」
「アッハハ。気が向いたら頼みまさァ」
逃げ道があっても、この想いは揺るがない。そう理解しているから、こう簡単に逃げ道を作れるのだろうと沖田は思う。
「さぁ、それじゃ行きやしょうか土方さん」
「さっさと行くぞ」
「じゃ、旦那」
「おう。じゃーなー」
その鬼を演じる面を取り去って、滅茶苦茶にしてしまいたい。馬鹿みたく体裁とか気にしている土方のことだ。口付けただけでもパニックに陥りそうで面白い。
でもそれだけじゃ嫌だ。
手に入れたい、どんなことをしてでも。
亡骸でも、いいから。
「あんた、本当にむかつく人ですよねィ」
「おまえよかマシだろ」
旦那と会ったってのに機嫌はいいままだ。無性に腹が立つ。
自分がご機嫌だと、気付いていないであろう土方に何を言っても無駄だ。
あんみつなんかいらないから。
あんたがほしい。
前を行く背中に呟くけれど、向かい風に拐われた言葉はいつまでも届かない。
#3
PR
TRACKBACK
TrackbackURL
COMMENT