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梅々

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みんなおなじいきているから~♪

たとえばきみが この手を離さなかったのなら
ぼくはきみが望むようにいられたかもしれないね





って感じで米英を書きたい。彼等はいい。母性的ないぎいぎが大好きです。
なんて未だ今週のアニ魂見てないからふてくされてるわけじゃないです。好きになってしまったの。でも一日のほぼ90%土沖土について考えてます。
夏・連作、次から3Z編にしようかなとか考えてます。





それでは百人一首+夏・連作。
沖土でテーマは「向日葵」です。
明日久々に我が家に帰ります。















いつだかの夏。
一輪の向日葵に大きな願いを込めた。




日が向くほうへ





たとえば今日が雨だったなら、こんな話をする気にならなかったかもしれない。


山崎だとか一番隊の隊士だとかが庭に出て騒いでいたから気になって、というのは建前で本当は皆が囲んでいるそれが気になって、裸足で庭に下りて声を掛ける。
ガヤガヤと疾うに成人した野郎共がそんなの見て何が楽しいのだろうか。

「どうしたんで? 皆で囲んで」

「あ、沖田さん。見てくださいコレ! 毎日毎日丹誠込めて育ててたんですけど漸く花が咲いたんですよ!」

「向日葵なんて見たの何年ぶりだろうなァ・・・・・・て、沖田隊長?」

人垣を物ともせず一番前に立ち、頭の上に手を置いてそのまま水平に、向日葵に向けて動かす。
すれすれで掌に届かない、つまりは沖田の方がすれすれで背が高いということだ。
なんて、山崎が育てたこの向日葵にあの向日葵を重ねても仕方がないのだけれど。

「山崎、この花貰ってっていい?」

「いくら隊長でもそれはダメですよっ!!」

「チッ。ケチくせぇなァ」

言い捨て、歩いていた縁側へと戻る。山崎が何か言ったようだったが、生憎耳には入ってこなかった。
・・・向日葵の花を見せたら思い出すだろうかと思ったのだ。遠い日に言った自分自身の言葉を。




「総悟! 総悟! 花咲いたぞっ!!」

「本当ですかィ近藤さんッ!!」

それはもうとても暑い、巷じゃ熱中症がどうのと騒ぐような夏の日。稽古が終わって休憩していた沖田を、近藤は平素大きな声を更に張り上げ、呼んだ。
来い来い、としゃがんで笑顔で手を振る近藤の元に駆け寄る。そして上を見上げると、黄色い大きな花が上を向いて凛、と咲いていた。

「綺麗でさァ・・・」

「咲いてよかったなァ。それに、花がでかいし。高さは・・・トシと同じくらいか」

沖田を追い庭へ出てきた土方と向日葵を見比べ近藤は言う。
自分らが植えた花が咲いて余程嬉しいのだろう、近藤はさっきからずっと笑顔を浮かべている。沖田は花が好きだというわけではない、けれど、近藤と共に植えた花が咲いたのだ、やはり滅多に見せない笑みを浮かべ喜んでいる。
その様子を、土方は勘違いしたのだろう。

「・・・向日葵が好きなのか?」

「別に。・・・でも、向日葵って近藤さんみたいだ」

明るくいつも笑顔で優しい近藤は温かいこの花のようで、これから好きになれそうだと沖田は思った。

(あれ、それじゃもう好きになってるかもしれない。・・・まぁ、土方相手に訂正とか面倒だし)

「俺一寸水入れてくるな」

バタバタと駆けて行く後ろ姿を眺めていると土方がトントン、と肩を叩いた。
なんだ、と振り向くと土方はそっと頭を撫で、抱き上げてやろうか、と優しく言う。
子ども扱いが嫌な上に土方に初恋を捧げている真っ最中な沖田はムッとした。
対等な人間として見てもらいたいのだ、そんな扱いに腹立つのは当然のこと。
足を思いきり振り上げ、土方の脛を蹴りつける。

「ッてェ!!」

「俺がこの花と同じぐれぇの身長になったら、絶対アンタを俺の嫁さんにしてやるから覚えときやがれィ」

「は、・・・俺が嫁?」

「そうでさァ」

「・・・いいぜ。お前が俺より強くなってたんなら、キスだろーがなんだろーがさせてやるし嫁にだって、なってやる」



ふざけて言ったのだろうな、と今になって思うのだけれど現に今、沖田と土方は恋人同士になっている。
案外本気だったかもしれない、なんて思うがやっぱり違うのだろうか。
土方の部屋につきいつものようにノックもせず障子を開ける。煙草を吹かし気だるげに文机に寄りかかっていた土方は一瞬視線で文句を言ったが直ぐ、手元の書類に目を戻した。

「ノックしろよ」

「あのさ、土方さん」

「・・・んだよ」

向かいに座りどうでもいい話は黙殺して、聞きたかったことを尋ねてみる。
ちゃんと書類じゃなく沖田を見るのは性格の所為か、相手が沖田だからだろうか。
どっから話そうか悩んで、単刀直入に聞いてみることにした。

「覚えてやすかィ?」

「・・・何をだよ」

「約束を」

書類を机に置き一拍開けてからふーっと紫煙を吐き、覚えがねぇな、と土方は真剣な顔付きで言う。
流石にヒントが少なかったかと、沖田は言い直す。
そう、思えば沢山約束を交してきた。あれ奢れ。今度非番の日な。とかそういったみみっちいことから今沖田が思い描いているような、大きなものまで。

「未だ餓鬼ン頃、向日葵の前で」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ」

グシャリ。煙草を灰皿に潰し入れ、土方は漸く合点したと微笑する。
その笑みに誘われるように、沖田は近付いていき土方の唇に己の其れを重ねる。
そっ、と触れ合わせ、離す。総悟、と土方は唇だけで沖田を呼び、自ら後ろに倒れる。肌を重ねたまま、何をするでもなく。
ただ、戯れているだけ。

―――――戯れているだけなのだろうか、土方は。

根が優しいからこの茶番に付き合っているだけなのかもしれない。なんて、かもしれない程度の可能性ではないだろう。
いつか終わる。
土方がこの茶番に飽きたら。

「・・・懐かしいよな」

「アンタが髪長かった頃ですもんねェ。・・・あれ、冗談だったんだろィ」

「・・・何言ってんのお前。本気だけど」

「嘘だァ」

信じられない、と土方の顔を見ると同じくらい驚愕した表情の土方と目が合う。信じられないのは此方だ。
土方が本気だったなんて。
嬉しい、けれど真の事ではないようで。
だから信じられない。

「・・・俺が遊びでお前と付き合ってると思ってたのかよ?」

「だって、アンタなんかが本気で俺のこと好きになるなんて、ありえねぇ。頭おかしくなったんだろィ」

「おかしくなってねぇよ。あの頃からずっと、俺はお前のモンだよ、総悟」

優しく頬を包みながら言われ、沖田は柄にも無く頬が熱るのを感じた。
クサイ科白だ、土方らしい。

(所有者は俺だけど、その分深みに嵌ってんのも俺なのかもしれない、なんて笑えない。)

「愛してる、愛してまさァ、土方さん」

「俺の方がメロメロだよ、総悟」





#09
花の色は 移りにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせし間に

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