梅々
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にょた。
しょたとにょたって響きが似てる。だからどうしたって話ですが。
何だか我が家が不穏です。下手したら我が家が無くなるのかな?・・・かな?そうなったら何も出来ないですよ。だから敢えて何も考えずに素晴らしいことだけ考えよう。
最近妹がアメリカみたいです。こないだ風邪引いてから、話すときに手振りがつくようになってよりおかしくなりました。なんだアイツ。今日一緒に入浴してたら薔薇になりたいだの天使になりたいだの言ってました。
・・・ブリタニア。
最近APHの話ばっかしてるから土沖について語りたい。
けどその前に、先週の魍魎の匣に榎さん出たぞー!(*^^*)
も一回見たいです。早起きしようかな。
それでは百人一首で百合沖土。百合ブームは未だ続きますね。いつまで熱いのだろう。
あ、来週から試験なんで亀の歩みな更新が蟻の歩みになります。
何だか我が家が不穏です。下手したら我が家が無くなるのかな?・・・かな?そうなったら何も出来ないですよ。だから敢えて何も考えずに素晴らしいことだけ考えよう。
最近妹がアメリカみたいです。こないだ風邪引いてから、話すときに手振りがつくようになってよりおかしくなりました。なんだアイツ。今日一緒に入浴してたら薔薇になりたいだの天使になりたいだの言ってました。
・・・ブリタニア。
最近APHの話ばっかしてるから土沖について語りたい。
けどその前に、先週の魍魎の匣に榎さん出たぞー!(*^^*)
も一回見たいです。早起きしようかな。
それでは百人一首で百合沖土。百合ブームは未だ続きますね。いつまで熱いのだろう。
あ、来週から試験なんで亀の歩みな更新が蟻の歩みになります。
ふわりと心が揺れて
嬉しそうな君の顔が脳裏に焼き付いた
朧雲
昔から、噂があった。
一つ上の先輩である土方、という人のことだ。
入学してそこそこ経ったかな、というときには大抵の人が知っていたらしい。俺は一切知らなかったけれど。
男も女も見境なく、告白されたら誰とでも付き合うのだと。そして飽きたら即座にすてるらしい。そんなのただの尻軽じゃないか、とは思わず、飽きるまででいいと思う人間が大勢いるというのが不思議だ。
俺だったら、好きな人とはできるだけ長く側にいたいものだけど。
そう言ったら、山崎は否定とも肯定とも思えない曖昧な返答をした。
「そりゃあ、誰だってそうですよ。でも、スキルアップの為、というか・・・短期間でも付き合いたいと思うような人なんですよ、土方先輩は」
そんなもんか。思いながらちゅうと紙パックのいちごオレを吸う。同じ剣道部だけど行くタイミングが合わないらしく一度も、顔を合わせたことがない。それなりに強いらしいけれど、それも噂。
俺は土方という人間を噂でしか知らない。
―――――いや、知らなかった。今日の朝まで。
いつもと同じように予鈴五分前に来て、時間割りとか揃えて山崎と話していた。そうしたら、山崎があっという顔をして俺の後ろを見て。
振り向こうとしたらすんなりと耳に馴染む声が、俺の名を呼んだ。
―――――沖田。
何度も呼んだんじゃないかというぐらいスムーズで、別にそれは普通かもしれないけれど、いやに綺麗に響いた。
そんとき俺は未だ、声をかけた人が土方という有名な先輩だとは知らなくて。
なんですかィ、そう答えた。
―――――ちょっと、付き合ってほしいんだけど。
―――――何処へですかィ?
―――――そうじゃなくて、交際して欲しいって意味。
―――――は、
同性にそう言われるとは思っていなくてフリーズした、俺に微苦笑を浮かべ、じゃあまた、昼休みに来るからと去っていった。
そして次の休み時間にあの人が土方というのとさっきの噂とを合わせて聞いた。
「この自習終わったら土方先輩、来るんですよね。どうするんですか?」
「どうって・・・どうもしねぇよ」
「え?」
交際って言ったから、恋人としてであるとは言い切れないんじゃないだろうか。友達として、という意味で言ったんだ、と話がややこしくならないよう思い込むことにする。
どちらにしろ、なんで俺かは分からないけれど。
キーンコーンカーンコーン・・・
馴染みのチャイムが鳴り、クラスメイトらが一斉に騒ぎ出す。皆は楽しいご飯の時間だろうと此方は。
「沖田」
早速来た、俺を今日一日中悩ました人を辟易しつつも振り返る。
頭の頂で束ねた艶やかな漆黒の長い髪。キリッとして涼しい目元、様々な噂が飛び交うだけはある容姿。
俺とは真逆だな。
無言でじっと見つめていると、横で所在なさげに山崎が立って、交互に俺と先輩を見ていた。
「・・・弁当? それとも購買?」
「弁当でさァ」
「なら、屋上行くか」
「・・・分かりやした」
山崎に悪い、と一言だけ言って、颯爽と教室を出ていった先輩の後へ続く。
剥き出しの足が寒い。教室で寒い寒いとか言っていたけれど、それなりには暖かったんだと廊下へ出て思う。
すれちがう人達が先輩を見てから俺を見る。
なんか勘違いされているかも、でもまぁ、実際は違うんだし放っといていいか。
くもり硝子の戸を開くと、快く晴れた空が広がっていた。日がさしてぽかぽかしているけれど、背反して風が冷たい。
座ったコンクリートは仄かに温かく、冷たくなった足には優しい。
「そう警戒するなって。別に取って食おうってわけじゃねぇから」
「・・・警戒なんてしてやせんよ」
困ったようにこう言う、この人は噂されている人と同一人物に思えない。ただの同性の先輩。そうとしか見えない。
姉上と同じレイアウトの弁当を開ける。家事はあまり出来ないから、これだけは俺が俺と姉上の分を作っている。細やかなお礼だ。
手を合わせて頂こうとしたら、じいっと見つめられていることに気付いた。
何か、居心地悪い。
「・・・なん、ですかィ」
「いや、別に。それ、手作り?」
「だったらなんでィ」
不味そう、とか言われたら。帰って猛特訓しなければ。姉上の弁当も同じレイアウトなのだから姉上の弁当も不味そうだってことになってしまう。
多少ドキドキしつつ返される言葉を待っていると、びりびりメロンパンの袋を破り始めた。いいな、メロンパン。さりげなく好物だったりする。
「美味そうだと思って」
少しぶっきらぼうに言われて嬉しくなる。お世辞なら照れ臭そうなこんな言い方絶対しない。それが分かるから。
「なんか、食いやす?」
「いいのか?」
「ええ。・・・誉めてくれたし」
そっか、と嬉しそうな微笑を浮かべてどれにしようと真剣に悩み始めた姿がなんだか可愛い。
悩み事とか無関係そうな見た目をしている。頭も良さそうだし。なんて、外見で決めつけちゃいけない。
この見た目でどのおかずを貰おうか悩んでいるからこそ可愛いと思えるのかもしれないし。
噂を、そのまま受け取って信じていたら多分、こんな展開にはならなかっただろう。
「卵焼き、うまく出来やしたよ」
「じゃあ、それにしようかな。・・・なんだか、」
恋人同士みたいだ。
そう言って俺の箸からがぶりと卵焼きを貰って行った。
誰だって、そんな風に言われたら。相手を意識せずにはいられないだろう。それが喩え同性だって。
「―――なんで、俺を呼び出したんで?」
「言ったよ、朝に。・・・付き合って欲しいんだ、って」
「恋人として?」
「恋人として」
なんで俺。
思わず漏れた呟きに、困ったような表情を返された。別に俺じゃなくたって、言い寄る人は沢山居るだろう、噂通りじゃなくてもこの容姿なら。
一度も会話したことなくて会ったことさえないような人と付き合おうと思うような人はあまりいない。まして、同性と。
「・・・知らないだろうけど、何回か沖田が部活してんの見たことあって」
「え、」
「白くて細い腕で竹刀持って舞うように太刀を振り下ろす姿が綺麗でさ」
知らなかった。
もう半年過ぎたのに部活に出る日が一回も被らないなんておかしいと思ったけれど。
来てたんだ。そして見てたんだ。
俺が気付かないように?
「可愛い顔してんのに口悪いとことか、天然なとことかさ、・・・好きで」
「・・・」
良くない、この流れは。
流されることは俺の性格からしてないけども、危うい予感がした。
道を外れる。そんなこと、怖くはないけれど。
「先ずは友達からでいいから・・・な?」
「先ずは、じゃなくてずっとにしてくだせぇ」
「それは無理。我慢出来ないから」
冷たい掌が頬を包んだ。トクン、トクンといつもより上擦った鼓動が腹立たしい。
絶対、堕ちてなんかやらないと、心に誓った。
#65
恨みわび 乾さぬ袖だに あるものを
恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
嬉しそうな君の顔が脳裏に焼き付いた
朧雲
昔から、噂があった。
一つ上の先輩である土方、という人のことだ。
入学してそこそこ経ったかな、というときには大抵の人が知っていたらしい。俺は一切知らなかったけれど。
男も女も見境なく、告白されたら誰とでも付き合うのだと。そして飽きたら即座にすてるらしい。そんなのただの尻軽じゃないか、とは思わず、飽きるまででいいと思う人間が大勢いるというのが不思議だ。
俺だったら、好きな人とはできるだけ長く側にいたいものだけど。
そう言ったら、山崎は否定とも肯定とも思えない曖昧な返答をした。
「そりゃあ、誰だってそうですよ。でも、スキルアップの為、というか・・・短期間でも付き合いたいと思うような人なんですよ、土方先輩は」
そんなもんか。思いながらちゅうと紙パックのいちごオレを吸う。同じ剣道部だけど行くタイミングが合わないらしく一度も、顔を合わせたことがない。それなりに強いらしいけれど、それも噂。
俺は土方という人間を噂でしか知らない。
―――――いや、知らなかった。今日の朝まで。
いつもと同じように予鈴五分前に来て、時間割りとか揃えて山崎と話していた。そうしたら、山崎があっという顔をして俺の後ろを見て。
振り向こうとしたらすんなりと耳に馴染む声が、俺の名を呼んだ。
―――――沖田。
何度も呼んだんじゃないかというぐらいスムーズで、別にそれは普通かもしれないけれど、いやに綺麗に響いた。
そんとき俺は未だ、声をかけた人が土方という有名な先輩だとは知らなくて。
なんですかィ、そう答えた。
―――――ちょっと、付き合ってほしいんだけど。
―――――何処へですかィ?
―――――そうじゃなくて、交際して欲しいって意味。
―――――は、
同性にそう言われるとは思っていなくてフリーズした、俺に微苦笑を浮かべ、じゃあまた、昼休みに来るからと去っていった。
そして次の休み時間にあの人が土方というのとさっきの噂とを合わせて聞いた。
「この自習終わったら土方先輩、来るんですよね。どうするんですか?」
「どうって・・・どうもしねぇよ」
「え?」
交際って言ったから、恋人としてであるとは言い切れないんじゃないだろうか。友達として、という意味で言ったんだ、と話がややこしくならないよう思い込むことにする。
どちらにしろ、なんで俺かは分からないけれど。
キーンコーンカーンコーン・・・
馴染みのチャイムが鳴り、クラスメイトらが一斉に騒ぎ出す。皆は楽しいご飯の時間だろうと此方は。
「沖田」
早速来た、俺を今日一日中悩ました人を辟易しつつも振り返る。
頭の頂で束ねた艶やかな漆黒の長い髪。キリッとして涼しい目元、様々な噂が飛び交うだけはある容姿。
俺とは真逆だな。
無言でじっと見つめていると、横で所在なさげに山崎が立って、交互に俺と先輩を見ていた。
「・・・弁当? それとも購買?」
「弁当でさァ」
「なら、屋上行くか」
「・・・分かりやした」
山崎に悪い、と一言だけ言って、颯爽と教室を出ていった先輩の後へ続く。
剥き出しの足が寒い。教室で寒い寒いとか言っていたけれど、それなりには暖かったんだと廊下へ出て思う。
すれちがう人達が先輩を見てから俺を見る。
なんか勘違いされているかも、でもまぁ、実際は違うんだし放っといていいか。
くもり硝子の戸を開くと、快く晴れた空が広がっていた。日がさしてぽかぽかしているけれど、背反して風が冷たい。
座ったコンクリートは仄かに温かく、冷たくなった足には優しい。
「そう警戒するなって。別に取って食おうってわけじゃねぇから」
「・・・警戒なんてしてやせんよ」
困ったようにこう言う、この人は噂されている人と同一人物に思えない。ただの同性の先輩。そうとしか見えない。
姉上と同じレイアウトの弁当を開ける。家事はあまり出来ないから、これだけは俺が俺と姉上の分を作っている。細やかなお礼だ。
手を合わせて頂こうとしたら、じいっと見つめられていることに気付いた。
何か、居心地悪い。
「・・・なん、ですかィ」
「いや、別に。それ、手作り?」
「だったらなんでィ」
不味そう、とか言われたら。帰って猛特訓しなければ。姉上の弁当も同じレイアウトなのだから姉上の弁当も不味そうだってことになってしまう。
多少ドキドキしつつ返される言葉を待っていると、びりびりメロンパンの袋を破り始めた。いいな、メロンパン。さりげなく好物だったりする。
「美味そうだと思って」
少しぶっきらぼうに言われて嬉しくなる。お世辞なら照れ臭そうなこんな言い方絶対しない。それが分かるから。
「なんか、食いやす?」
「いいのか?」
「ええ。・・・誉めてくれたし」
そっか、と嬉しそうな微笑を浮かべてどれにしようと真剣に悩み始めた姿がなんだか可愛い。
悩み事とか無関係そうな見た目をしている。頭も良さそうだし。なんて、外見で決めつけちゃいけない。
この見た目でどのおかずを貰おうか悩んでいるからこそ可愛いと思えるのかもしれないし。
噂を、そのまま受け取って信じていたら多分、こんな展開にはならなかっただろう。
「卵焼き、うまく出来やしたよ」
「じゃあ、それにしようかな。・・・なんだか、」
恋人同士みたいだ。
そう言って俺の箸からがぶりと卵焼きを貰って行った。
誰だって、そんな風に言われたら。相手を意識せずにはいられないだろう。それが喩え同性だって。
「―――なんで、俺を呼び出したんで?」
「言ったよ、朝に。・・・付き合って欲しいんだ、って」
「恋人として?」
「恋人として」
なんで俺。
思わず漏れた呟きに、困ったような表情を返された。別に俺じゃなくたって、言い寄る人は沢山居るだろう、噂通りじゃなくてもこの容姿なら。
一度も会話したことなくて会ったことさえないような人と付き合おうと思うような人はあまりいない。まして、同性と。
「・・・知らないだろうけど、何回か沖田が部活してんの見たことあって」
「え、」
「白くて細い腕で竹刀持って舞うように太刀を振り下ろす姿が綺麗でさ」
知らなかった。
もう半年過ぎたのに部活に出る日が一回も被らないなんておかしいと思ったけれど。
来てたんだ。そして見てたんだ。
俺が気付かないように?
「可愛い顔してんのに口悪いとことか、天然なとことかさ、・・・好きで」
「・・・」
良くない、この流れは。
流されることは俺の性格からしてないけども、危うい予感がした。
道を外れる。そんなこと、怖くはないけれど。
「先ずは友達からでいいから・・・な?」
「先ずは、じゃなくてずっとにしてくだせぇ」
「それは無理。我慢出来ないから」
冷たい掌が頬を包んだ。トクン、トクンといつもより上擦った鼓動が腹立たしい。
絶対、堕ちてなんかやらないと、心に誓った。
#65
恨みわび 乾さぬ袖だに あるものを
恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
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