梅々
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(祝)
半日で頑張って書いた・・・ふぅ。
原稿もかなり進めたし今日は有意義に過ごせました。
夏休みの目標は日々を有意義に過ごすことですね、やはり。
それでは、沖土連載最終話です。
待っていた方がいらしまらすみません。一年以上だらだら続けてしまった( ̄▽ ̄;)
そして沖土カテゴリー記念すべき百作目なんです、確か。
原稿もかなり進めたし今日は有意義に過ごせました。
夏休みの目標は日々を有意義に過ごすことですね、やはり。
それでは、沖土連載最終話です。
待っていた方がいらしまらすみません。一年以上だらだら続けてしまった( ̄▽ ̄;)
そして沖土カテゴリー記念すべき百作目なんです、確か。
あの時おまえの手を掴んでいたなら、こんなに遠回りしなくて良かったのにな。
こうして固く握り締めたいま、もうどうでも良いことだけれど。
Diletto 最終話
言葉を待っていると総悟は焦らすのを楽しんでいるかのように此方を、目を細めて見てきた。愉しげに深紅がきらきら輝いて、遠退く。大方、喉が乾いたとかだろうと重い腰を上げると、ずきん、と腰の奥が痛んだ。
明日になったら思い出したくない記憶として処理されるのだろう、いまも、思い出しただけでいたたまれないから無理矢理に頭の隅に追いやる。
「土方さんもなんか飲みやす?」
「・・・鎮痛剤」
「へ?」
「茶ァ飲みてぇ」
「へいよ」
ぼやきは無事届かなかったようで、揶揄われずにすんだ。甲斐甲斐しい、という文字通りに、淹れた茶を枕元まで持ってきた総悟に唇が笑みの形を作ってしまい、じとりと睨まれた。
ふー、っと布団に入ったまま茶を飲もうとしていると、総悟がなんだかなぁ、と呟いた。
「何が」
「・・・アンタと初めて会ったときこうなるとは考えたこともなかったのになァ、って」
「・・・」
「キスされただけで俺はびっくりしたってのに」
ぼんやりと浮かぶ昔の情景。開けた玄関の先、少女の格好をした可愛らしい少年。ああ、と思い出した面影は、目の前の男と重なった。
そういえば、最初にしかけたのは俺だとか言っていたと思い出して、その通りだと合点して色々な意味で居たたまれなくなった。
―――――思えば、あの頃から俺は。
「あの後、何回かお前見掛けたけど、お前気付いてないだろ?」
「えっ?」
ぽかんとした顔を両手で包み引き寄せる。そのまま唇を重ねて、俺をまんまるい瞳で凝視する頬を撫でた。
思い出した途端、欲しいと、愛しいと想いが貪欲になって苦笑した。
いままでの不安定さが嘘のように吹っ飛んで、悩んでいた自分が馬鹿みたいだと心の底から思った。
「思い出したんで?」
「あぁ。俺の初恋、お前の姉ちゃんだった」
「・・・なにそれ」
むすっと白地にしたものだからククッ、と笑うと、総悟は子どもじみた所作でふんとそっぽを向いた。
それにまた笑いそうになると、ピピッピピッ、と携帯のアラームが鳴った。
いけない、仕事があったのだと思い出して、慌てて顔を見合わせた。
*
「近藤さん、無事まぁるく全て収まりやしたんで報告しまさァ」
「マジでか? 良かったなぁ。いや本当良かったぁ。赤飯たくか?」
「いや、なにもそこまで・・・」
ちぇっ、と呟き総悟はカメラを構えた。急に仕事モードに切り替えた総悟につられて俺も切り替える。言葉なく土方さん、と呼ぶ総悟の声に気分が高揚して、久々に総悟に撮られるのが心地良いと感じた。
それは総悟も同じらしく、撮った枚数は今までで一番多いんじゃないかと思うほどシャッターを切られた気がする。
―――――揺るがない、ものだった。
最初から、総悟の言葉も態度も。ただそれを俺が手放しで信じられなかっただけで。
冷静になると、どれだけ自分が愚かしいか分かって、自己嫌悪の嵐が止まない。
「なんか変に疲れたな・・・」
それが今日の撮影をさしているのではなくここ最近のことを指しているのだとこの場にいる二人は言わなくとも分かり、近藤さんはハハと朗らかに笑い総悟は若干文句を言いたそうな目で含み笑いをしている。自業自得だとでも言いたいのだろう。
「そうだ」
「どうしやした? 近藤さん」
「これからよ、一週間ばかし休み貰ってんだ。二人で記念に旅行でもしてきたらどうだ? パーッと」
「なら俺は近藤さんと二人っきりで行きてぇでさ」
「オイコラちょっと待て」
思わず突っ込むとニヤリと総悟が笑った。
うっと言葉につまると総悟がにやにやしながら追い詰めてくる。
「なんですかィ? あんたも近藤さんと行きてぇんで? それとも、俺と行きてぇと?」
「べっつに、なんでもねぇよ」
「まぁまぁ、俺はおとなーしく待ってるからよ、のんびりして来い、な!」
バシバシ背を叩かれ毒気の抜かれた総悟はまじまじと俺を見る。旅行か、と考え込むと近藤さんはにっこりと笑って言った。
ちょっとだけ写真撮ってきてくれよ、と。めんどくさい、休みなのにと文句をたれるかと思った総悟は快諾して面食らう。
「それとな、お知らせがひとつあんだ」
「なんだ?」
「実はな、・・・トシの写真集出すことになった!!」
「マジですかィ!? すげぇや土方さん!」
「うわ・・・本当かよ? 嘘じゃねぇよな?」
「本当だぞ~! 社長が言ったんだからな!」
えへん、と胸を張る近藤さんに総悟が感極まって抱きつく。どうせなら俺に抱きつきゃあいいのにと、妬んだ心はそっと仕舞って気付かないフリをすることに決め込んだ。
写真集か、改めて呟くとじわじわ興奮してきて内心ガッツポーズをするといまだ近藤さんと抱き合ったままの総悟と目が合った。
「俺ァ持てる力全て土方さんに注ぎやすから、覚悟なせェ」
ちらり、色の宿った硝子玉の瞳に魅せられて、ごくりと息を飲んだ。隠された意図にも期待して肌が震えた、俺を総悟がくすりと笑う。
―――――昔からその瞳に、俺は囚われていたんだ。
自分でも気付いていない、昔から。
こうして固く握り締めたいま、もうどうでも良いことだけれど。
Diletto 最終話
言葉を待っていると総悟は焦らすのを楽しんでいるかのように此方を、目を細めて見てきた。愉しげに深紅がきらきら輝いて、遠退く。大方、喉が乾いたとかだろうと重い腰を上げると、ずきん、と腰の奥が痛んだ。
明日になったら思い出したくない記憶として処理されるのだろう、いまも、思い出しただけでいたたまれないから無理矢理に頭の隅に追いやる。
「土方さんもなんか飲みやす?」
「・・・鎮痛剤」
「へ?」
「茶ァ飲みてぇ」
「へいよ」
ぼやきは無事届かなかったようで、揶揄われずにすんだ。甲斐甲斐しい、という文字通りに、淹れた茶を枕元まで持ってきた総悟に唇が笑みの形を作ってしまい、じとりと睨まれた。
ふー、っと布団に入ったまま茶を飲もうとしていると、総悟がなんだかなぁ、と呟いた。
「何が」
「・・・アンタと初めて会ったときこうなるとは考えたこともなかったのになァ、って」
「・・・」
「キスされただけで俺はびっくりしたってのに」
ぼんやりと浮かぶ昔の情景。開けた玄関の先、少女の格好をした可愛らしい少年。ああ、と思い出した面影は、目の前の男と重なった。
そういえば、最初にしかけたのは俺だとか言っていたと思い出して、その通りだと合点して色々な意味で居たたまれなくなった。
―――――思えば、あの頃から俺は。
「あの後、何回かお前見掛けたけど、お前気付いてないだろ?」
「えっ?」
ぽかんとした顔を両手で包み引き寄せる。そのまま唇を重ねて、俺をまんまるい瞳で凝視する頬を撫でた。
思い出した途端、欲しいと、愛しいと想いが貪欲になって苦笑した。
いままでの不安定さが嘘のように吹っ飛んで、悩んでいた自分が馬鹿みたいだと心の底から思った。
「思い出したんで?」
「あぁ。俺の初恋、お前の姉ちゃんだった」
「・・・なにそれ」
むすっと白地にしたものだからククッ、と笑うと、総悟は子どもじみた所作でふんとそっぽを向いた。
それにまた笑いそうになると、ピピッピピッ、と携帯のアラームが鳴った。
いけない、仕事があったのだと思い出して、慌てて顔を見合わせた。
*
「近藤さん、無事まぁるく全て収まりやしたんで報告しまさァ」
「マジでか? 良かったなぁ。いや本当良かったぁ。赤飯たくか?」
「いや、なにもそこまで・・・」
ちぇっ、と呟き総悟はカメラを構えた。急に仕事モードに切り替えた総悟につられて俺も切り替える。言葉なく土方さん、と呼ぶ総悟の声に気分が高揚して、久々に総悟に撮られるのが心地良いと感じた。
それは総悟も同じらしく、撮った枚数は今までで一番多いんじゃないかと思うほどシャッターを切られた気がする。
―――――揺るがない、ものだった。
最初から、総悟の言葉も態度も。ただそれを俺が手放しで信じられなかっただけで。
冷静になると、どれだけ自分が愚かしいか分かって、自己嫌悪の嵐が止まない。
「なんか変に疲れたな・・・」
それが今日の撮影をさしているのではなくここ最近のことを指しているのだとこの場にいる二人は言わなくとも分かり、近藤さんはハハと朗らかに笑い総悟は若干文句を言いたそうな目で含み笑いをしている。自業自得だとでも言いたいのだろう。
「そうだ」
「どうしやした? 近藤さん」
「これからよ、一週間ばかし休み貰ってんだ。二人で記念に旅行でもしてきたらどうだ? パーッと」
「なら俺は近藤さんと二人っきりで行きてぇでさ」
「オイコラちょっと待て」
思わず突っ込むとニヤリと総悟が笑った。
うっと言葉につまると総悟がにやにやしながら追い詰めてくる。
「なんですかィ? あんたも近藤さんと行きてぇんで? それとも、俺と行きてぇと?」
「べっつに、なんでもねぇよ」
「まぁまぁ、俺はおとなーしく待ってるからよ、のんびりして来い、な!」
バシバシ背を叩かれ毒気の抜かれた総悟はまじまじと俺を見る。旅行か、と考え込むと近藤さんはにっこりと笑って言った。
ちょっとだけ写真撮ってきてくれよ、と。めんどくさい、休みなのにと文句をたれるかと思った総悟は快諾して面食らう。
「それとな、お知らせがひとつあんだ」
「なんだ?」
「実はな、・・・トシの写真集出すことになった!!」
「マジですかィ!? すげぇや土方さん!」
「うわ・・・本当かよ? 嘘じゃねぇよな?」
「本当だぞ~! 社長が言ったんだからな!」
えへん、と胸を張る近藤さんに総悟が感極まって抱きつく。どうせなら俺に抱きつきゃあいいのにと、妬んだ心はそっと仕舞って気付かないフリをすることに決め込んだ。
写真集か、改めて呟くとじわじわ興奮してきて内心ガッツポーズをするといまだ近藤さんと抱き合ったままの総悟と目が合った。
「俺ァ持てる力全て土方さんに注ぎやすから、覚悟なせェ」
ちらり、色の宿った硝子玉の瞳に魅せられて、ごくりと息を飲んだ。隠された意図にも期待して肌が震えた、俺を総悟がくすりと笑う。
―――――昔からその瞳に、俺は囚われていたんだ。
自分でも気付いていない、昔から。
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COMMENT
(祝)完結&100!
今まで恋する総悟の可愛さとモデル土方のカッコよさに多大なる萌えを貰ってきました(>ω<)
パラレルと長編と沖土と総悟が大好きな私には夢の様なお話で、終わってしまって寂しい気もしますがこれからも新しい沖田と土方を楽しみにしてます^^!!
ありがとうございます(*^^*)
まさかコメントしていただけるとは思っていなかったので←
ものっそい感激しているわけなのですが、いやもう本当ありがとうございます♪
パラレルいいですよね!!
なので次の連載もパラレルになりそうです。今度はもっと早く執筆していきますので楽しみにしていてください(^^)
本当にありがとうございます!!