梅々
苑咲早良が運営する銀魂BL小説サイトです。 心意気は18禁。 著作権的な何かは放棄していません。マナーは守ってください。 メールフォームやコメント欄は下にありますので、何かございましたらお気軽にご使用ください。感想とか頂ければ舞い上がります! 不定期更新な別館を作成しました。ミツバさん愛してる! 気が向いたらお越しください→http://tokosienoai.dou-jin.com/
ツベルクリン反応
「ひじかたさん、ひじかたさん」
珍しく弾んだ声で名を呼ばれて、なんだろう、という疑問と可愛いなという色眼鏡越しの感想に直ぐにも顔を上げたい衝動にかられるがこれが今日の宿題のラスト一問。
なんだ? となるたけ優しい口調で返事して計算結果を書き記していく。
「こっち向いてくだせぇよぉ」
甘えるような声色にあと単位を書くだけだったが堪らず顔を上げる。
機嫌が最高にいいのかバックに花まで見えそうな笑みを浮かべている。色眼鏡なんかなくったって、可愛い。
「どうした?」
トテテ、と近付いてきて俺に抱きつき頬にチュウっと愛らしく口付けてきた。
殺す気か。そう思うぐらい、可愛い。可愛すぎる。
「あんたは俺のだから、ずっといっしょにいて?」
「当たり前だろ。ずっと側にいてやるよ」
「ひじかたさんがおよめさんで、おれがご主人様ですぜ?」
「・・・あぁ。いいよ」
頭を撫でてやるとスリスリと身を寄せ、沖田は、やくそくでさァと小さく呟いた。
―――――十年後、約束どおりになった土方は何処で間違えたのだろうと本気で悩んだという。
紫の上作戦失敗の例。光源氏のようにはいかないよ。中々。
最初は土沖チックなんだけどどこで間違えたのか最終的には沖土。愛情だけは土方が思うよりも沢山沖田の胸に溢れてます。唯一そこが成功したとこ。
沖土にならずに終わるとしたら、土方がたんせー込めた紫の上な沖田を銀さんがかっさらう。・・・傷付け、土方(笑)
あ、でも米英もいけそ。というか実際そうなのか?
それでは約四ヶ月ぶりの沖土連載!
珍しく弾んだ声で名を呼ばれて、なんだろう、という疑問と可愛いなという色眼鏡越しの感想に直ぐにも顔を上げたい衝動にかられるがこれが今日の宿題のラスト一問。
なんだ? となるたけ優しい口調で返事して計算結果を書き記していく。
「こっち向いてくだせぇよぉ」
甘えるような声色にあと単位を書くだけだったが堪らず顔を上げる。
機嫌が最高にいいのかバックに花まで見えそうな笑みを浮かべている。色眼鏡なんかなくったって、可愛い。
「どうした?」
トテテ、と近付いてきて俺に抱きつき頬にチュウっと愛らしく口付けてきた。
殺す気か。そう思うぐらい、可愛い。可愛すぎる。
「あんたは俺のだから、ずっといっしょにいて?」
「当たり前だろ。ずっと側にいてやるよ」
「ひじかたさんがおよめさんで、おれがご主人様ですぜ?」
「・・・あぁ。いいよ」
頭を撫でてやるとスリスリと身を寄せ、沖田は、やくそくでさァと小さく呟いた。
―――――十年後、約束どおりになった土方は何処で間違えたのだろうと本気で悩んだという。
紫の上作戦失敗の例。光源氏のようにはいかないよ。中々。
最初は土沖チックなんだけどどこで間違えたのか最終的には沖土。愛情だけは土方が思うよりも沢山沖田の胸に溢れてます。唯一そこが成功したとこ。
沖土にならずに終わるとしたら、土方がたんせー込めた紫の上な沖田を銀さんがかっさらう。・・・傷付け、土方(笑)
あ、でも米英もいけそ。というか実際そうなのか?
それでは約四ヶ月ぶりの沖土連載!
二人で過ごした時間に比例して、愛しさが増していく。
これは物語に過ぎないけれど、何かが被る。
―――――もう、何も言わなくていいから。これ以上何も望まないから。
終焉のそのときまで、傍に居られたなら。
Diletto 第十四話
人形は言う。
魔法はいつか解ける、と。真実を知ってしまったら夢は覚めるのだ、と。
だから総悟は何も言ってくれないのだろうか。真実を知ったら魔法が解けるから。
なんて、馬鹿馬鹿しい。魔法なんてない。沖田はれっきとした人だ。だから―――――魔法が解けるのはアイツが俺から離れてゆくとき。
それでもいい、傍にいられるなら。
男は人形の頬を撫で、瞳いっぱいに美しいその顔を映し、笑みを浮かべる。
漸く、手に入ったと、これで自分だけのモノになるのだと。
ひたすらゆっくり、男は人形に唇を重ねた。
話の都合上、浮気してしまうと沖田が言っていたのはこのことだったのか。冷静なようでいて冷静さを欠いている頭が勝手に、目にその光景を焼き付ける。
友人の話をしたぐらいで嫉妬するのだ、キスしているのを見て嫉妬しないわけがない。・・・また、沖田を喜ばせてしまう。
チュ、と音をたて男は名残惜しそうに唇を離す。
微笑を浮かべたまま人形はそっと瞼を閉じ、男の胸へと倒れる。愛おしく、男は人形を強く抱き締めるがもう人形は動かない。
それを知っても男は、人形を抱き幸せそうな笑みを浮かべ―――――幕は、閉じる。
最後の一瞬、男と目が合った。
挑発するような、微笑。それが何を意味するか、なんて一目瞭然。喧嘩を売られたというわけだ。
ワァァァ、と手を叩く観客達がするのはカーテンコール。小劇団並のストーリー性と演技力に観客達は心の底から拍手する。それに応えゆっくりとカーテンが上がり、キャストが一列に並び深く一礼し、思い思いに手を振ったりパフォーマンスをしたり。舞台中央に立った沖田は俺に向かい、誰かと同じように挑発的な笑みを浮かべる。
“どう? 俺の演技力。アンタに負けやせんよ?”
口パクでまた後で、と手を振り舞台袖へ沖田は消えていった。
例えば、近藤さんが好敵手だったとしよう。それなら、俺は沖田の意志を尊重する。あの人に叶うことなどないと分かっているから沖田が近藤さんを選んだとしても、仕方ないなと思える。然し、相手はあの男。印象的にはチャラチャラしている、というか怠け者のようなあの男に負ける、なんて矜恃が許さない。
土方さん、遠くから名を呼ばれ声のした方を見るとホールのドアに寄りかかる俺の元へパタパタと朝のように総悟が走ってきていた。
―――――おかしな格好で。
上は洒落たシャツに王冠がモチーフのピンをしたタイ。これはまぁ、普通。だが、ズボンは太股丈でふんわりとした・・・所謂バルーンパンツ。
センス的にはおかしくないし似合っている。それが、おかしい。
なんだ今日の沖田は。こんな格好ばかりではないか。
「待たせちまいやしたね・・・」
「そんなことよか・・・どうした、ソレ」
沖田の服を指差しながら問うと、何でも無さそうに沖田は言う。この後本当は、打ち上げまで皆で回る予定だったのを断ったら、罰としてコレを着ろ、と例によってあの坂田とか言う奴に着させられたらしい。断れよ、と率直な意見を述べる。
すると。
「だってこの格好ならアンタと手ェ繋いでもキスしても平気だから。肉をきって骨をたつんでさァ」
などと滅茶苦茶な理論を並べた。朝の格好といい今のそれといい。そこまでして外で何かしたいのかと思うと呆れる。
呆れるけれど・・・嬉しいのも事実だ。
「・・・いいか、お前は女の格好してんだからキスしてきたりすんなよ?」
「じゃあ、キスしろつったらしてくれんですね? アンタ。」
「・・・今日だけは特別にな」
冗談のつもりだったのだろう。そう言うと驚いた表情を浮かべた後嬉しそうに笑った。
してくだせぇ、と俺を抱き締めながら沖田は言い、じっ、と俺を見つめてくる。
立場が逆転したような変な錯覚に囚われつつ口付け、舌を絡め貪り合う。ちゅう、と吸って吸われて此処が何処かなんて分からなくなる。
このまま、続きを―――――。
頭がそう求めた途端、沖田は口唇を離し、ペロリと己の唇を舐めた。
ゾクリと背が粟立つ、その眼差しに。
「さぁ、素見しに行きやしょうか」
「・・・だな」
沖田も土方に劣らず盛っているというのに、次の瞬間に浮かべた微笑には欲情の欠片も見当たらなかった。
一か零か。今まで沖田に理性なんかないんじゃないかと思っていたがどうやら違ったらしい。俺よりか、理性の機能はよろしいようだ。
恥ずかしいけれど離してくれる気配はないから、手を繋いで学生やらその知り合いやらで賑わう出店を素見す。
あれ買えこれ買えとはしゃぐ沖田に癒されて。
幸せなんだなって改めて思った。
これは物語に過ぎないけれど、何かが被る。
―――――もう、何も言わなくていいから。これ以上何も望まないから。
終焉のそのときまで、傍に居られたなら。
Diletto 第十四話
人形は言う。
魔法はいつか解ける、と。真実を知ってしまったら夢は覚めるのだ、と。
だから総悟は何も言ってくれないのだろうか。真実を知ったら魔法が解けるから。
なんて、馬鹿馬鹿しい。魔法なんてない。沖田はれっきとした人だ。だから―――――魔法が解けるのはアイツが俺から離れてゆくとき。
それでもいい、傍にいられるなら。
男は人形の頬を撫で、瞳いっぱいに美しいその顔を映し、笑みを浮かべる。
漸く、手に入ったと、これで自分だけのモノになるのだと。
ひたすらゆっくり、男は人形に唇を重ねた。
話の都合上、浮気してしまうと沖田が言っていたのはこのことだったのか。冷静なようでいて冷静さを欠いている頭が勝手に、目にその光景を焼き付ける。
友人の話をしたぐらいで嫉妬するのだ、キスしているのを見て嫉妬しないわけがない。・・・また、沖田を喜ばせてしまう。
チュ、と音をたて男は名残惜しそうに唇を離す。
微笑を浮かべたまま人形はそっと瞼を閉じ、男の胸へと倒れる。愛おしく、男は人形を強く抱き締めるがもう人形は動かない。
それを知っても男は、人形を抱き幸せそうな笑みを浮かべ―――――幕は、閉じる。
最後の一瞬、男と目が合った。
挑発するような、微笑。それが何を意味するか、なんて一目瞭然。喧嘩を売られたというわけだ。
ワァァァ、と手を叩く観客達がするのはカーテンコール。小劇団並のストーリー性と演技力に観客達は心の底から拍手する。それに応えゆっくりとカーテンが上がり、キャストが一列に並び深く一礼し、思い思いに手を振ったりパフォーマンスをしたり。舞台中央に立った沖田は俺に向かい、誰かと同じように挑発的な笑みを浮かべる。
“どう? 俺の演技力。アンタに負けやせんよ?”
口パクでまた後で、と手を振り舞台袖へ沖田は消えていった。
例えば、近藤さんが好敵手だったとしよう。それなら、俺は沖田の意志を尊重する。あの人に叶うことなどないと分かっているから沖田が近藤さんを選んだとしても、仕方ないなと思える。然し、相手はあの男。印象的にはチャラチャラしている、というか怠け者のようなあの男に負ける、なんて矜恃が許さない。
土方さん、遠くから名を呼ばれ声のした方を見るとホールのドアに寄りかかる俺の元へパタパタと朝のように総悟が走ってきていた。
―――――おかしな格好で。
上は洒落たシャツに王冠がモチーフのピンをしたタイ。これはまぁ、普通。だが、ズボンは太股丈でふんわりとした・・・所謂バルーンパンツ。
センス的にはおかしくないし似合っている。それが、おかしい。
なんだ今日の沖田は。こんな格好ばかりではないか。
「待たせちまいやしたね・・・」
「そんなことよか・・・どうした、ソレ」
沖田の服を指差しながら問うと、何でも無さそうに沖田は言う。この後本当は、打ち上げまで皆で回る予定だったのを断ったら、罰としてコレを着ろ、と例によってあの坂田とか言う奴に着させられたらしい。断れよ、と率直な意見を述べる。
すると。
「だってこの格好ならアンタと手ェ繋いでもキスしても平気だから。肉をきって骨をたつんでさァ」
などと滅茶苦茶な理論を並べた。朝の格好といい今のそれといい。そこまでして外で何かしたいのかと思うと呆れる。
呆れるけれど・・・嬉しいのも事実だ。
「・・・いいか、お前は女の格好してんだからキスしてきたりすんなよ?」
「じゃあ、キスしろつったらしてくれんですね? アンタ。」
「・・・今日だけは特別にな」
冗談のつもりだったのだろう。そう言うと驚いた表情を浮かべた後嬉しそうに笑った。
してくだせぇ、と俺を抱き締めながら沖田は言い、じっ、と俺を見つめてくる。
立場が逆転したような変な錯覚に囚われつつ口付け、舌を絡め貪り合う。ちゅう、と吸って吸われて此処が何処かなんて分からなくなる。
このまま、続きを―――――。
頭がそう求めた途端、沖田は口唇を離し、ペロリと己の唇を舐めた。
ゾクリと背が粟立つ、その眼差しに。
「さぁ、素見しに行きやしょうか」
「・・・だな」
沖田も土方に劣らず盛っているというのに、次の瞬間に浮かべた微笑には欲情の欠片も見当たらなかった。
一か零か。今まで沖田に理性なんかないんじゃないかと思っていたがどうやら違ったらしい。俺よりか、理性の機能はよろしいようだ。
恥ずかしいけれど離してくれる気配はないから、手を繋いで学生やらその知り合いやらで賑わう出店を素見す。
あれ買えこれ買えとはしゃぐ沖田に癒されて。
幸せなんだなって改めて思った。
PR
TRACKBACK
TrackbackURL
COMMENT