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梅々

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はつーゆきー

バイトあると思ったらなくって一時間半ぶらぶらウィンドウショッピングしてました、ばかだろ。試験前だよ!
夢見る古都買ってみました。星野さんの。本当に好きだなぁ。

そして神奈川では初雪でした。テンションが朝からクライマックス。雪だ雪だー!ってテンションで過ごしていました。





そんなこねた。
















寒いからとごねてその上職権乱用までして、原田に見回りを変わってもらおうとしていた土方さんを連れ出し深深と雪の降る歌舞伎町を見回りコースに則って歩く。
いつもなら俺がサボるなと怒られる立場なのに今日は真逆なのは雪の所為だ。土方さんは昔から寒いのが嫌いらしい。ブーツに足を突っ込みながら、雪なんざ大嫌いだと忌々しげに言った口はあれから動いていない。傘を差して前を行く背中はいつもより猫背だ。自称精神安定剤な煙草を吸っているのか、と見るも息の白さと煙の白さの見分けがつかない。
はぁと息を吐いて、傘の外へ手を伸ばす。
俺は雪が好きだ。姉上が雪を好きだったから。積もったことは数えるほどしかなかったけど、その度雪だるまをつくって喜ばれて、代わりに霜焼けになった手を見て困ったように笑んでいた。それから、姉上の指先が俺の悴んだ指先を包んでくれて。俺が暖かくしてあげればよかったと今更になって思った。
土方さんの手も冷たい。そういえば。冬場は夜いないことが多いらしい。山崎目撃者によると。寒いと一人で寝られないんですかねなんて僻んでいた可哀想なやつのことを考えていたら名前を呼ばれた。掌は溶けた雪で濡れてしまっている。

「へい」
「おごってやるから一服させろ」
「……土方さんにしては気が利いてやすね」
「驚いたような言い方やめてくんない」

馴染みの茶屋の軒先へ入った背中についていき傘を閉じる。土方さんがちんたらしているからはらはらと肩に雪が舞って。髪にも絡んだかもしれない。いずれ溶けるから構わないけれど。
頓着しないでいたら睫毛にもついて、ぼんやり視界に写る。

「総悟、」

気付けば此方を見ていた土方さんが、ゆっくりと体を近づけてきて。名を呼んだ唇がそのまま、目前に迫る。
そしてぺろり、目元を舐められた。

「…っ!」

反射で肩が震えて、そんな自分の反応に腹が立った。何食わぬ顔して暖簾をくぐり店内に入っていく後ろ姿に余計、腹が立つ。

「何しやがるんですかィ」
「睫毛に雪ついてたから」

いけしゃあしゃあとそう言って、頬杖をつきながらメニューを見る顔から不機嫌さが消えていて。ぼそりと雪も悪くないなんて言うのが聞こえて文句を言う気も失せた。

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