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梅々

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今年もお世話になりました。

英語の課題を半分近く片付けて一年が終わる。
ガキ使を見てます。安定のダウンタウンの可愛さと、蝶野さん。

今年もお世話になりました。
今年はオフを頑張りました。なので更新が少なかった上にとび森はまってしまってあれですね。
来年はゼミも始まるのでオフはできなさそうだなぁ。





それでは、年末年始で沖土。

















月の裏





「ですからね~、ここは一発ガツンと副長に言わないと~」
「ふぅん」
酔っ払った山崎の猪口に酒を継ぎ足してやればぐびぐびと飲んで、既にぐでんぐでんに酔ってるくせにいい飲みっぷりだと眺めていれば潰れた。畳に頬を擦り寄せ、未だ土方さんの愚痴を溢す山崎を横目に自分にも注ごうと、酒瓶を引っくり返すがぽたぽた雫が滴るだけ。
回りに転がる酒瓶も同じようなもので、とらせようとした山崎も、神山も誰も彼もが酔い潰れていて使えない。
仕方なく、寝ながら大事そうに近藤さんが抱えてる酒瓶を抜き取って猪口を満たす。近藤さんの裸踊りも終わり、野郎共も眠る大晦日。宴会を始めたのが早かった所為か皆が潰れるのも早い。
揶揄う奴もいなくなっちまって酒を飲むしかなくなる。つまみの類いは原田さんが片付けちまってるし、もう部屋に戻っちまうかなとふわりと漂いくる眠けに瞼を落としつつ、壁に頭を預けた時だった。
かたりと、この大広間の障子が開いた音がした。誰かトイレにでも行ったのかと気にせずにうとうとしていれば、足音が近づいてきた。
「総悟」
「あれ?」
ぺしぺしと頭を叩かれて瞼を開ければ外の冷気を纏った土方さんが立っていた。マフラーを外しながら俺を見下ろしているのだが、なんだか眉に皺が寄っている。
年の瀬にまでこんな面か。可哀想にと見上げていたら二の腕を捕まれあれよという間に立ち上がらされていた。これは相当酔ってるなと思いながらされるがまま、立ち上がる。土方さんの服が冷たくて気持ち良い。
「ねむてぇんで、このまま部屋つれてってくだせェよ」
「未成年のくせに飲み過ぎだ、ばか」
思ったよりは優しく、腕を担ぐようにして運ばれる。死体のように皆が転がるのを跨いだりたまに踏んだりして部屋からでる。
外の空気は土方さんは寒そうにしたけれど俺には気持ちよくって、目を細めれば視線を感じた。
「なんでさァ」
「おまえどんだけ飲んだんだよ。顔緩みすぎだろ」
「そうですかねェ」
いつもよりは飲んだかもしれないがそれよりも、今は眠気のほうが勝っていて。
部屋へ辿り着いて、俺を置いて去ろうとする、その手を逆に掴み返す。驚いたように振り返った土方さんの表情が、暗闇の中にぼんやりと見える。明かりぐらいつけてくれりゃいいのに、とくいくい引っ張りながら欠伸をひとつ。
「布団敷いてくだせェ」
「餓鬼じゃねぇんだからそんぐらい自分でやれ」
「けちくせぇなァ」
「見回り帰りで疲れてんだよ」
だったら俺にちょっかいなんて出さなきゃ良かっただろうに。
くいくいと更に強く腕を引っ張る。すると予想に反して容易く土方さんが俺の方へ倒れ込んできて、押し倒されそうになるのを寸でのところで堪えれば、後ろ手をついた俺の上に土方さんが乗っかった。
「……え、誘ってるんですかィ」
「んなわけあるか、てめぇのせいだろ」
顔の距離が近い。暗さになれた目で、土方さんの不機嫌そうな顔をまじまじと見つめる。
長い睫毛が震えている。寒いのだろうかと頬を両手で包んでやれば冷たさが染み渡る。あっためてやろう、仏心で抱き締めてやればびくりと土方さんの体が震えた。
「おい」
「なんでさァ」
「離せ酔っ払い」
「酔っ払いの戯れ事に付き合いなせェよ」
あっためてやろうとしてんのに意図は伝わらないらしい。物分かりが悪いなぁと溢して、こうなったらはっきりわからせてやろうと目の前にあったタイを緩める。
そうして覗いた首筋に唇を寄せる。マフラーを巻いていたからか首は全く冷たくない。寧ろ暖かくて、舌を這わせれば土方さんはまたもや跳ねる。
「調子乗るな。戯れ事でおさまんねぇだろ」
ぐぐぐ、と額を押されて引き剥がされる。容赦ねぇな、と言いたくなるが自分がいま駄目なだけだった。
視界を塞ぐ手を剥ぎ取って、睨み付ければ反らされた。
「んもーいいでさ。早く戻ればいいだろィ」
興醒めだ、善意でしてやったのにとしっしと手で払う。
そのまますぐに退くだろうと思いきや、土方さんは俺の上からおりやしない。
「総悟」
「なんでさぁ。もう眠いんだから早くどっか行きなせェ」
ふいと顔を背ける。子どもっぽすぎるかとやってから気づいたけれど、土方さんは気付かなかったのかだんまりを貫く。
眠気が増してきて重さが不快になってきて漸く、土方さんが動いた。ふぅ、と息を吐く。
「おまえのために見回り早くすましてきたんだよ」
「は?」
「なにもしねぇなら一緒に寝てやるっての」
酔ってるから幻聴かと首をかしげて見せれば、気まずそうに一瞥して土方さんが俺を見た。
幻聴じゃない、土方さんがでれた。

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