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梅々

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ぎんたん

おめでとう銀さん!
というわけで一二分オーバーしたけど許してください。

あと39000打ありがとうございます!あと少しで四万だなんてそんな・・・っ!

それではぎんおきでぎんたんです!














惜しみない

あいを

あなたに





閃光流星群





世界と言うものがある。どこぞの歌のように、広い一つのもの。
けれどそれは、人によって大きさが違う。漫画の主人公の言う世界は六十億もの人間が暮らす地球と、大空の果てに広がる宇宙も含めている。見たことのない人や天人やらまでも含んでいるのだ。それらを守るとよく主人公は言う。そんな大それたことを仕出かす器のでかいやつらばかりなのだ、主人公なんて。
けれど俺の世界は違う。とてつもなく狭い。十指、とまではいかないけれどそこらの人の指を借りれば足りる程度の人しか俺の世界にはいない。薄情じゃない、これが普通のはず。

「・・・いいな、さらさらな猫っ毛」

「擽ってぇでさァ・・・」

「寒くねぇ? 平気?」

「んー。そう思うなら、暖めて?」

わざと下から柔らかい眼差しで言うと、毎度のことながらひっかかってくれる、優しい人。逞しい腕が俺を閉じ込めて、たくさんのキスを降らせてくれる。
この人には守るべきものがたくさんある。昔はこの国をも守ろうとしていたらしい。かつて国を守ろうとした程だから、自分の周りにいる人を守ることなんか、造作もないのだろう。
だけれど俺の世界はとても小さく、世界を守るだけの力は無かった。
姉上の、幸せな姿を見ることも。

「もっかい、良い?」

「好きなだけ、って言ったじゃねぇですかィ」

「好きなだけ食っていいんだもんな?」

「ん、・・・でも明日午後から仕事なんで、適度に願いまさァ・・・」

この人からしたら俺は守るべき対象なのかな。自分のことは自分でできるつもりでいるからそれはそれで嫌だけれど、この人の強さはよく知っているから、しかたがない。嬉しくもあるけれど。
触れてくる暖かい指先に、心臓が激しく動き出すけれど心は穏やかになっていく。不思議なことばかりなのは初めて会ったときから変わらない。強く心惹かれて、悪戯に手を伸ばしたらあっという間に捕まった。
何を考えているか分からない深く赤い瞳はいまはただ、熱だけを伝える。どろどろと渦巻く情欲が触れ合わせた肌から快感になって体の芯を溶かす。

「・・・んっ、旦那ぁ・・・。何歳に、なったんで?」

「総悟君とそろそろ結婚したほうがいいぐらいの年」

「・・・なにそれっ、ぁ・・・ふ、」

「ま、俺はいつまでも少年のままだけどな」

「なにそれっ・・・矛盾、してまさッ、あ、っん!」

さっき散々愛されてぐじゃぐじゃになった部分を刺激されるとその部分から一気に、溶けだしてしまったように気持ちよくなって頭が霞む。うだうだ考えていた変なこともどうでもよくなって、ただ、頭を埋めるのは。
視界いっぱいに映って微笑む、愛しい人。

「ぁりがと、旦那っ・・・」

「ん? なにが?」

「深く、は・・・聞いちゃダメでさ・・・ッ」

「・・・それ言ったら俺のほうが礼言わなきゃなんねー気がすんだけど」

なんで。
聞こうとしたら中に指が入ってきて言葉にならなかった。変わりに旦那を悦ばす、声にならない声が高く響いた。
嫌いな声、それを知っていて旦那は俺を啼かせようとするから、質が悪い。そんな自分の声よりも色っぽい旦那の声を聞きたくて、足を開いて強請る。

「も、きてくだせっ・・・」

「・・・最高のプレゼントだな」

嬉しそうに言う声は期待した通りのもので、吐息さえも甘くなってしまう。
それほど解さなくても繋がっていた余韻の残る体は気持ちのままに旦那を求める。それでもゆっくりと配慮してくれるこの人だからこそ、何もかもを委ねていいと思える。
一つになって口づけを交わして、ゆるく腰を動かされると堪らない。

「んっ、あ・・・だん、なっ・・・!」

「・・・かわいくて堪んないんだけど」

「っは、ぁんっ! ダメ、もっ・・・」

「早いね~。ま、俺も余裕ないけど、なっ」

指を絡ませて手を握りあって、一体化してしまいそう。
瞳をぎらぎらさせて、肌寒い秋だというのに汗を滴らせる姿に、くっと好きなところを突かれる感覚にすべて弾けた。反射できゅっ、と体に力をこめたらそれはもう腰が砕けそうになる声色で名を呼んで、旦那が体の中を満たした。

少しの間気を遣っていたようで、気付いたら体はきれいに拭われていた。俺なんもしてないじゃん、とか心の中でつっこむ。

「・・・何も祝えてないような気がしまさァ」

「いやいやいや。めっちゃ充実した誕生日だったけど?」

「そうですかィ?」

眠そうに目を擦りながら旦那が言う。いつものように腕枕されると、俺まで眠くなってきた。

「総悟君みたいな大事なもの守れる強い子に好かれて幸せ者だと思うけどね、俺は」

「・・・っ!」

しっかりした口調でそう言って、にっこりと旦那は笑った。
もらっているのは、いつも俺ばっかり。

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