梅々
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XXXやばい
神楽可愛かったなぁぁぁぁぁぁぁ!!あと新八のふともも!そして公開排便!←
九ちゃんも可愛い。ヅラの諦めないでが良かったです。というか漫画読んだときも思ったけど皆メアド知ってるのがすごい、沖田のメアドも知ってるの?間違えてメアド変更メールとか一括で送りそう。沖田のと桂近いし。あれ?でもヅラで登録かな?
それでは久々の更新!
土沖でパラレル。
九ちゃんも可愛い。ヅラの諦めないでが良かったです。というか漫画読んだときも思ったけど皆メアド知ってるのがすごい、沖田のメアドも知ってるの?間違えてメアド変更メールとか一括で送りそう。沖田のと桂近いし。あれ?でもヅラで登録かな?
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土沖でパラレル。
閉じ込めておこう
欲しいものを得るために
愛子
舗装されておらず砂利の敷き詰められた、急勾配の坂道を上がりきると、大きな二階建ての日本家屋が建っている。焦げ茶の壁面に赤い屋根、開いた雨戸の向こうには縁側と障子が覗いている。春先には梅に桜の咲く辺りの空き地もその裏に続く森も山も、所有者は変わらない。
その、ここいらでは有名な地主の家に俺は婿入りした。
「十四郎さーん!」
坂を登り終えたところで、蓮っ葉な妻が二階の窓から手を振ってきた。たっぷりとした黒い髪を後ろで留めて、此方を熟視る笑顔は花のようだ。笑窪が愛らしさを強調させる。文句なしに可愛いとは思えど、愛しているかと言われると閉口してしまう。見初められて、それが家のためであると思ったから婿入りしただけで、結婚するに相応しい愛情があったのかと言われると。だが今は、この家に入って良かったと思っている。
彼女に軽く手を上げて返し、家には入らず裏に続く森へと足を踏み出した。
森の中は、草木が生い茂ってはいるが、人一人通り抜けられるだけの幅の獣道がある。それを抜けていくと、化け物を閉じ込めたという小屋があるのだ。このことは家長となる者に口伝され、他の者には明かされないのだという。正直、この手の話は苦手で初めて義父に連れられて来たときは婿入りしたことを後悔したが、その化け物の姿を見たら考えは一変した。
鍵を懐から取り出し鍵穴へ差す。物理的にはこれで扉は開くはずだが、鍵を開けただけではこの小屋へは入れない、小屋の住人の許しがなければ。故に彼の存在は露見しなかったのだ。
「総悟、開けてくれ」
返事をするようにキィ、と軋んだ音を立て扉が開いた。薄暗い中へと入れば背後で勝手に閉まる。
小屋の中は外見に反して豪勢である。入り口はさておき、畳みは藺草の匂いがし鮮やかな緑色をしており、調度品は磨かれ艶やかであり、目利きではないから詳しくは分からないが、各々に彫刻が施されて宝石が埋め込まれている。欄干にも寺社で見るような彫刻が施されており、内装は母屋の一室のようだ。その、部屋の中央の純白の寝具の上に緋色の袴を纏った者がいる。
「土方さんだ」
血の色の瞳をくりくりさせて、この小屋に幽閉された化け物が言った。
姿形は人間と大差ないのだが、肌は白く、瞳と髪の色は見慣れた黒と焦げ茶ではない。蜂の蜜のと狐のあわいの色の髪だ。それがさわさわと揺れる。
そして、昔から変わらない容姿をしているという。年を経ることもなければ、幼くなることもないのだと。
「腹減りやした」
「当主に言っておく」
「あぁ、アンタまだご主人様じゃねぇんだっけ」
「まだ、な」
下座に正座し、総悟と言うその化け物の向かい合う。正式には、座敷わらしらしい。山をいくつも所有し商いも手広くしているという、この家を繁栄へ導いたのは彼のお陰なのだ。だが、座敷わらしというのならもう少し幼くても良さそうなものだが、総悟は十代半ばあたりに見える。
開いたままの障子の向こうから、さぁぁぁと木々の濡れる音が聞こえてきた。吹き込む前に閉じてやろうと立ち上がり、桟に手をつきぼやけた景色を障子で閉ざす。とん、と背に何かが触れた。ちらりと見れば背後に座敷わらしが立っている。
「雨が止むまで帰しやせん」
「……総悟」
「迷惑ならいいですけど」
ぎゅう、としがみつかれ、背に頭をすりすりと擦り付けられて擽ったい。迷惑なものかと、シャツを掴んでくる手を握り締める。
俺は彼の大切な人に似ているのだという。だから名を知らされ、こうしてすがり付かれる。義父も彼の名前は知らず、ただ淡々と話しをするだけだと聞いた。
この見た目、そして声で良かったと本気で思っている。だから、俺は総悟に甘えられているのだ。
俺だけに縋る、美しい化け物。
手が緩んだのを良いことに向きを変え抱き締めてやると、猫のようにもっとと身を擦り寄せてくる。
「俺の昔話、聞きやす?」
「話してくれんのか?」
「気分がいいんで」
せっかくだから座れと、布団の上へ俺を抱えて運ぼうとする姿が可愛くて、密着したまま歩みすとんと二人して座り込む。胡座をかいた俺の上に向かい合わせになって座り、総悟は首筋に鼻を埋めてくる。
「アンタに似てるその人は、俺の姉ちゃんも俺のことも大事にしてくれた人でねェ。姉上と結婚して、そんで俺も含めた三人で暮らしてたんでさ」
「そんで?」
「暫く経って、元より病弱だった姉上が死んじまいやして。後を追いたいぐらい悲しかったけど、二人でなんとか乗り越えて表面的には変わらず暮らしてたんですが」
ふと言葉を濁らせた。身を離して瞳を伏せる総悟の背を撫でてやると俺を見て困ったように笑う。それは俺に向けているようでその実、記憶の中の人間に向けられているのだろう。
俺を見ろと嫉妬しそうになるのを堪える。そんな了見が狭い人間だったのか、俺は。
「ある日その人は、人魚の肉を持ってきたんでさァ。当然信じられねぇけど、嘘をつくような人じゃなかった。知らねぇ間に病んじまってたのかってびっくりしたもんでさァ。そんで、お前は死ぬなって切実に言われちまったら食わずにはいられなくて」
「本物だったのか?」
「さぁ。ただ俺がこうして、あの人が死んだ後もずっと生き続けてるのは事実で。……だから俺は座敷わらしなんつう高尚なもんじゃねぇんでさ」
そう言って真っ直ぐに、俺を見る。捨てないでくれとすがっているように。
そんな顔をしなくとも、手放す気なんてないのに。よしよしと背を撫でてやればほっとしたように息を吐いた。
人魚の肉を食べたら不老不死になる、と昔から言うらしいが眉唾物だ。信じたことはなかった。だが、総悟がいうのならば本当なのかもしれない、と思ってしまう。盲目になりすぎだ。こんなにも人を愛したことはない。
「俺は死ぬまでお前を手放さねェよ」
「約束ですぜ」
瞳から星が散りそうなほどに輝かせ俺を熟視るのがあまりにも愛らしく、衝動的に唇を寄せた。目の前に煌めく赤い瞳があり、重なった唇は柔い。唇を重ねたまま胸をまさぐると擽ったそうに身を捩る。柔らかい乳の感触がないことに背徳を感じてそれから、彼が家の座敷わらしとして扱われていることを思い出した。
このまま彼を抱くことによって家に影響が出たりするのだろうか。否、出やしないだろう、彼自身には何のちからもないはずだ。寧ろ家が傾こうとも構わない。欲しくて欲しくて仕方がない。
「いいか?」
「……雨、もう止んじまってやすぜ」
肩から単を脱がせば真っ白い肩が露になった。薄いそれに唇を寄せれば小さく息を詰める。
「お前が嫌か、聞いてんだよ」
「嫌なんて言うわけないでしょう」
俺は、ずっと昔からアンタが欲しかったんだと、目に膜を張り告げた総悟に襲いかかり布団に両腕を縫い止める。そのまま唇を合わせ舌を、ぬるりと侵入させれば甘く鳴いた。
もう離さない。
囁けば妖艶な笑みを浮かべしがみついてきた。
お前の中でその男よりも俺の存在がでかくなればいい。全て捧げてやるから。
欲しいものを得るために
愛子
舗装されておらず砂利の敷き詰められた、急勾配の坂道を上がりきると、大きな二階建ての日本家屋が建っている。焦げ茶の壁面に赤い屋根、開いた雨戸の向こうには縁側と障子が覗いている。春先には梅に桜の咲く辺りの空き地もその裏に続く森も山も、所有者は変わらない。
その、ここいらでは有名な地主の家に俺は婿入りした。
「十四郎さーん!」
坂を登り終えたところで、蓮っ葉な妻が二階の窓から手を振ってきた。たっぷりとした黒い髪を後ろで留めて、此方を熟視る笑顔は花のようだ。笑窪が愛らしさを強調させる。文句なしに可愛いとは思えど、愛しているかと言われると閉口してしまう。見初められて、それが家のためであると思ったから婿入りしただけで、結婚するに相応しい愛情があったのかと言われると。だが今は、この家に入って良かったと思っている。
彼女に軽く手を上げて返し、家には入らず裏に続く森へと足を踏み出した。
森の中は、草木が生い茂ってはいるが、人一人通り抜けられるだけの幅の獣道がある。それを抜けていくと、化け物を閉じ込めたという小屋があるのだ。このことは家長となる者に口伝され、他の者には明かされないのだという。正直、この手の話は苦手で初めて義父に連れられて来たときは婿入りしたことを後悔したが、その化け物の姿を見たら考えは一変した。
鍵を懐から取り出し鍵穴へ差す。物理的にはこれで扉は開くはずだが、鍵を開けただけではこの小屋へは入れない、小屋の住人の許しがなければ。故に彼の存在は露見しなかったのだ。
「総悟、開けてくれ」
返事をするようにキィ、と軋んだ音を立て扉が開いた。薄暗い中へと入れば背後で勝手に閉まる。
小屋の中は外見に反して豪勢である。入り口はさておき、畳みは藺草の匂いがし鮮やかな緑色をしており、調度品は磨かれ艶やかであり、目利きではないから詳しくは分からないが、各々に彫刻が施されて宝石が埋め込まれている。欄干にも寺社で見るような彫刻が施されており、内装は母屋の一室のようだ。その、部屋の中央の純白の寝具の上に緋色の袴を纏った者がいる。
「土方さんだ」
血の色の瞳をくりくりさせて、この小屋に幽閉された化け物が言った。
姿形は人間と大差ないのだが、肌は白く、瞳と髪の色は見慣れた黒と焦げ茶ではない。蜂の蜜のと狐のあわいの色の髪だ。それがさわさわと揺れる。
そして、昔から変わらない容姿をしているという。年を経ることもなければ、幼くなることもないのだと。
「腹減りやした」
「当主に言っておく」
「あぁ、アンタまだご主人様じゃねぇんだっけ」
「まだ、な」
下座に正座し、総悟と言うその化け物の向かい合う。正式には、座敷わらしらしい。山をいくつも所有し商いも手広くしているという、この家を繁栄へ導いたのは彼のお陰なのだ。だが、座敷わらしというのならもう少し幼くても良さそうなものだが、総悟は十代半ばあたりに見える。
開いたままの障子の向こうから、さぁぁぁと木々の濡れる音が聞こえてきた。吹き込む前に閉じてやろうと立ち上がり、桟に手をつきぼやけた景色を障子で閉ざす。とん、と背に何かが触れた。ちらりと見れば背後に座敷わらしが立っている。
「雨が止むまで帰しやせん」
「……総悟」
「迷惑ならいいですけど」
ぎゅう、としがみつかれ、背に頭をすりすりと擦り付けられて擽ったい。迷惑なものかと、シャツを掴んでくる手を握り締める。
俺は彼の大切な人に似ているのだという。だから名を知らされ、こうしてすがり付かれる。義父も彼の名前は知らず、ただ淡々と話しをするだけだと聞いた。
この見た目、そして声で良かったと本気で思っている。だから、俺は総悟に甘えられているのだ。
俺だけに縋る、美しい化け物。
手が緩んだのを良いことに向きを変え抱き締めてやると、猫のようにもっとと身を擦り寄せてくる。
「俺の昔話、聞きやす?」
「話してくれんのか?」
「気分がいいんで」
せっかくだから座れと、布団の上へ俺を抱えて運ぼうとする姿が可愛くて、密着したまま歩みすとんと二人して座り込む。胡座をかいた俺の上に向かい合わせになって座り、総悟は首筋に鼻を埋めてくる。
「アンタに似てるその人は、俺の姉ちゃんも俺のことも大事にしてくれた人でねェ。姉上と結婚して、そんで俺も含めた三人で暮らしてたんでさ」
「そんで?」
「暫く経って、元より病弱だった姉上が死んじまいやして。後を追いたいぐらい悲しかったけど、二人でなんとか乗り越えて表面的には変わらず暮らしてたんですが」
ふと言葉を濁らせた。身を離して瞳を伏せる総悟の背を撫でてやると俺を見て困ったように笑う。それは俺に向けているようでその実、記憶の中の人間に向けられているのだろう。
俺を見ろと嫉妬しそうになるのを堪える。そんな了見が狭い人間だったのか、俺は。
「ある日その人は、人魚の肉を持ってきたんでさァ。当然信じられねぇけど、嘘をつくような人じゃなかった。知らねぇ間に病んじまってたのかってびっくりしたもんでさァ。そんで、お前は死ぬなって切実に言われちまったら食わずにはいられなくて」
「本物だったのか?」
「さぁ。ただ俺がこうして、あの人が死んだ後もずっと生き続けてるのは事実で。……だから俺は座敷わらしなんつう高尚なもんじゃねぇんでさ」
そう言って真っ直ぐに、俺を見る。捨てないでくれとすがっているように。
そんな顔をしなくとも、手放す気なんてないのに。よしよしと背を撫でてやればほっとしたように息を吐いた。
人魚の肉を食べたら不老不死になる、と昔から言うらしいが眉唾物だ。信じたことはなかった。だが、総悟がいうのならば本当なのかもしれない、と思ってしまう。盲目になりすぎだ。こんなにも人を愛したことはない。
「俺は死ぬまでお前を手放さねェよ」
「約束ですぜ」
瞳から星が散りそうなほどに輝かせ俺を熟視るのがあまりにも愛らしく、衝動的に唇を寄せた。目の前に煌めく赤い瞳があり、重なった唇は柔い。唇を重ねたまま胸をまさぐると擽ったそうに身を捩る。柔らかい乳の感触がないことに背徳を感じてそれから、彼が家の座敷わらしとして扱われていることを思い出した。
このまま彼を抱くことによって家に影響が出たりするのだろうか。否、出やしないだろう、彼自身には何のちからもないはずだ。寧ろ家が傾こうとも構わない。欲しくて欲しくて仕方がない。
「いいか?」
「……雨、もう止んじまってやすぜ」
肩から単を脱がせば真っ白い肩が露になった。薄いそれに唇を寄せれば小さく息を詰める。
「お前が嫌か、聞いてんだよ」
「嫌なんて言うわけないでしょう」
俺は、ずっと昔からアンタが欲しかったんだと、目に膜を張り告げた総悟に襲いかかり布団に両腕を縫い止める。そのまま唇を合わせ舌を、ぬるりと侵入させれば甘く鳴いた。
もう離さない。
囁けば妖艶な笑みを浮かべしがみついてきた。
お前の中でその男よりも俺の存在がでかくなればいい。全て捧げてやるから。
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