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梅々

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祖国様ー!!

おめでたいですね´ω`

建国記念ですよ。そのお陰で私はバレンタインのお菓子を作り、カラオケに行ったわけですが。
宝くじで一万当たったからカラオケ行こうってどんなノリですかww
どうせなら貯めろよと思いますが一万なんて貯めてもあんまり意味ないのか。

というわけで今日は家族で行ったのですが、あれね、あんまり声が出ませんでした(・・;)
でもいつも通りCoccoとか椎名さんとか、もってけにワイズマとか歌いましたし←
炉心は前回よりマシでしたが人様にはお聞かせできないレベルです(・x・)

楽しかったー。
茶巾も上手にできたし、あとは帰って羊羹がどうなっているのか見るだけです。
チョコレート会社の陰謀には乗りますがNOチョコレートです。それがモットーだったりします。





では三周年記念であまり普段書かないのを書こう企画その二。
直接的には中々書けないなぁ。
一応、土沖?
でも、土+沖。
















もう、おかしいのかもしれない





神風





ふーっと煙を吐くと濁った空気が微動した。上を見れば仄かに白く、このぐらいの空気が旨いと、深呼吸をした。
手元の書類は全て終わった、だからあとは近藤さんに確認をしてもらうだけ。三日間の徹夜は流石にきついお年頃。提出したら酷いことになっているだろう顔を洗おうと、数時間後に待ち寄せる安眠に口角を上げた。

「副長、失礼しま―――ゴホッ、ゴホッ」

「んだよ山崎とっと閉めろ」

部屋へ入るなり盛大に噎せた山崎を気遣うことなく、寧ろそれよりせっかくいい密度になった煙を逃さないよう、山崎を睨んだ。
真っ赤な顔をした山崎の手元には数枚の書類があるが、あれは目を通せばいいもののはず。

「こんな中にいたら、いつかってか直ぐに死にますよあんた」

「そんときゃそんときだろ」

「―――ハァ。とにかく換気ぐらいはしてください。あと、これを明後日までに確認お願いします」

「あいよ」

「・・・では、失礼します」

優秀な部下は一礼してから障子を閉めた。それによって層も波打つ。それをぼんやり眺めていたら、荒々しく障子が開いた。
ちくしょう誰だふざけんな。さっき山崎に言ったことをもう一度言おうと振り返ったら、目が眩んだ。
年かな、なんて誰にも言えないが思う。

「うわくっさ! アンタ人間? よくこんなとこに居れますねィ」

「・・・総悟」

「散歩行きやせん? 仕事終わったんだろィ?」

「・・・ああ」

閉めろ、という余裕は無かった。不快そうに顔をしかめていた総悟は、微笑を浮かべて、早く早くと急かす。その前に顔洗ってくっから、先に門で待ってろと告げて、ゆっくりと貴重品をポケットに入れ始めた。財布はいらないだろう、煙草と携帯さえあれば十分のはず。
顔を洗ってから門まで向かうと、見張りの隊士が一礼を寄越した。けれど何も言わないから、俺の顔はそう酷くはないのだろう、あるいは心得て何も言わないか。

「今日はどこ行きてぇの」

「川原に。・・・アンタの好きな梅の木、あったでしょう」

「あぁ、あそこか。最近行ってねぇなァ」

年寄りの癖に散歩に行かないなんて変でさァ。
性悪に口角を上げてそう言い放つ、その姿が嫌に眩しい。午後の健やかな日に黒い影が揺らぐ。マフラーをしっかり巻いて両手を冷えないようポケットに突っ込む。

「・・・もう暖かくなりやすね」

「だなー」

「墓参り、」

単語だけ口にして辛くなったのだろうか。その様子に胸がキリリと痛んで、前を行く総悟の手を掴んだ。
真っ白いその手はとても冷たい。これなら手袋をしてくればよかったな、思ったけれど生憎そんなに気は効かないから、温もりを分かつように強く握り閉めた。総悟は、柔く笑んでアンタは馬鹿だ、と失礼なことを言う。馬鹿はお前だ、言い返すと握り返された。
目当ての梅は、満開だった。赤と白、一本ずつ植えられているその間に、二人で腰掛ける。目前には川が流れていて、音が涼しげだ。実際は寒いのだけれど。

「・・・いい匂いがしまさァ」

クンクン、鼻を鳴らす仕草が幼く見える。可愛いなぁ、と思うと同時に、ちりちりと、胸がざわめく。
握っていた手の力を強めれば、総悟は微笑した。それは苦笑でもあり、悲しげでもあり、抱き締めたい衝動に駆られた。だが、それを制すように手を離し、総悟は立ち上がる。

「もう、帰んねぇと」

「・・・」

「一緒に帰りやすか?」

まぁ答えは聞いていやせんがね、言いながら振り返った総悟は俺の顔を見て困ったように笑った。
さよならなんてもう言えない。
いや、俺は未だ言えないんだ。
だから、こんな夢を見る。

「・・・あん時は泣いてくれなかったのに今更泣くんで? 本当アンタは変わったお人でさァ」

「・・・うるせぇよ」

そういう総悟だって、泣きはしなかったし今も泣いていない。

―――――さようなら、土方さん。

そう言った声はいつになく穏やかで微笑を浮かべていたものだから、また騙されたのかと思った。監禁された時の演技と、全く同じだったのだ。だから、きっとあれも演技なのだろう。本当は総悟だって離れたくなかったはずだ、少なくとも近藤さんからは。
思い返すほどに涙は止まらなくなり、情けなさが募る。こいつはこんなに落ち着いているのに、俺は取り乱してばかりだ。
どっかいっちまえ、なんて今はもう、言えない。

「あぁ、本当に帰んなきゃ」

「っ帰んなよ、」

「未練がましいなぁ。さっさと俺や姉上以上に良い人見つけて、結婚でもなんでもしちまってくだせェ」

そう言う姿が霞むのは、涙の所為ではないらしい。
夢は必ず覚めるものだ。だから、この夢も覚める時間が来たのだろう。
俺が醜く追い縋れば縋る程、総悟を困らせてしまう。分かっているから、涙を拭った。

「未亡人、ってのも悪くねぇだろ」

「やった。んじゃあ俺が旦那ってわけですねィ?」

そっと総悟が抱き締めてくる。幾度も愛して熱を分け合った体は、今は嫌に冷たく、感触が殆どない。
やっぱ手離せねぇよ、呟きを拾って総悟は俺も、と囁いた。

「もう、化けたりしねぇんで安心してくだせェ。これが最後、でさァ」

冷たさが消えていく。
視界に写る総悟も、白い光に溶けていく。
甘受しなければいけない、分かっていても腕はその体を抱き締めようと躍起になっていて。
掴もうとした手は空を掴んだ。

「・・・総悟」

川の流れる音が、変わらずにする。けれどそれを一緒に聞いていたはずの存在は光に淡く溶けてしまった。やりきれなさに歯を強く噛み締める。
俺が自室として総悟の部屋を使っていることにはもう、気付いているのだろう。
未練がましい、なんて言われてもそれを止めることはできない。
近藤さんではなく俺を守って死んでどうすんだ、文句は結局言えず終いだった。

「・・・ばーか」

呟いても言い返す人間はもういない。

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