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梅々

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百合、菊、シクラメン。

声がでなかったのでバイトお休みしてしまいました。ゼミ論進めます。

続きから入院した土方さん。

どうも慣れないと、白い天井を見上げて思う。数えるほどしかここへ来たことはない(それでも隊内ではかなりここに世話になっているほうだ)が、どうやっても慣れやしない。
消毒液のにおいが充満した、白い病室。病で世話になったことはないのは救いだが、それでも飯は質素で量は少ない。煙草も吸えない。色合いだけは天国だが、俺にとっては地獄に近い。書類ぐらいならここへ持ち込んでもいいだろうに、医者も許さなければ近藤さんも「こんなときぐらいゆっくりしとけ」と言う。気持ちはうれしい。やらなくていいならやらないに越したことはない。しかし、俺が抜けた分を誰が埋めるというのか。近藤さんや山崎が、少しずつやっておいてくれているのは知っているが、それでも帰ればリハビリ代わりの書類整理が待ち受けている。白い紙が山を成して、俺を待っている。そう思うとやはりここは地獄だ。時間が無為に過ぎていく。
その上。人を殺すことを生業としているのだ、人を生かすための施設にいるのは相応しくない。
息が詰まりそうだ。気分転換が何もない。
何かしていれば気も紛れるのに。
天井も見飽きて、瞼を閉じようとしたときだった。からからと病室の扉が開いた。
防犯上個室にいるから俺に用があるのは確かで、半端にしまっているカーテンの下から覗く足は隊のものだ。山崎あたりかと、思っていたら。
「……総悟」
「見舞いにきてやりやしたぜ」
過去数回入院したことがあるが一度も見舞いに来たことのなかった総悟が、目の前に立っている。しかも大きな百合の花束を持って。花粉もとっていない。嫌がらせのつもりなんだろうけど。消毒液のにおいが薄れるからありがたい。
すました顔はその性格を知っていても花が似合う。
「お前はみてくれだけは本当に非の打ち所がないよな」
ぽんと、思ったままを言ったら予想外な反応だったのか少し驚いた後、罰が悪そうな不細工な顔をした。愛嬌がある面だ。
「あんたが俺の面ほめるなんて、恐ろしい」
「悪かったな」
花束を枕元においてあった空の花瓶に生けた後、つまらなさそうな顔をして枕元のいすに腰掛けた。
「今度は菊の花持ってくるんで」
唇をとがらせそう言う。
またくるのか。暇しているから、今なら度の過ぎた悪戯でさえ許せそうだ。
だから待ってるよと返したら、ふいと顔を逸らされた。

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祝☆映画化

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