梅々
苑咲早良が運営する銀魂BL小説サイトです。 心意気は18禁。 著作権的な何かは放棄していません。マナーは守ってください。 メールフォームやコメント欄は下にありますので、何かございましたらお気軽にご使用ください。感想とか頂ければ舞い上がります! 不定期更新な別館を作成しました。ミツバさん愛してる! 気が向いたらお越しください→http://tokosienoai.dou-jin.com/
最近月がとても綺麗。
今日は中秋の名月ですね!
つき見えたのかさっぱりですが、どうなんでしょ?めざましの天気予報では雨でしたがとりあえず雨ではない。
あ、沖田がでてくる夢見ました!
でも、やった沖田の夢だ!と思ったことしか覚えていません←
よくありますよね。思い出せないのがまた口惜しい。
それではなんとか終わらした月見ネタです!
殆ど月見てないですが、うん。
まぁ、花より団子っていいますし。
つき見えたのかさっぱりですが、どうなんでしょ?めざましの天気予報では雨でしたがとりあえず雨ではない。
あ、沖田がでてくる夢見ました!
でも、やった沖田の夢だ!と思ったことしか覚えていません←
よくありますよね。思い出せないのがまた口惜しい。
それではなんとか終わらした月見ネタです!
殆ど月見てないですが、うん。
まぁ、花より団子っていいますし。
月に叢雲花に風
つまりお前は叢雲で風だ。
全てを霞ませてしまう。
十八番目の夜
仕事を予定よりも早く終わらせささっと湯を浴びたつもりだったが。総悟は机に臥して眠っていた。あどけない寝顔に癒されはするが、当初の目的を果たせず少し落胆する。
久々に酒でも飲まないか。昼間にサボりに来たときに訊ねれば、二つ返事で総悟は頷いた。だから、少し遅くなるが寝ずに待っていろと、言っといたのだが。
持ってきた月見セットはとりあえず机に置いて、煙草を共に寝顔を眺める。
柔らかな髪が覆う丸い額、滑らかなラインを描く鼻筋や半開きの淡い桃色の唇、あどけなく垂れた涎。普段はあまりじっくり見ないところを記憶するように、熟視る。姉と共通するところは誇っていたが、全体的に自分の顔が嫌いであるのは普段の総悟の振る舞いからも分かる。馬鹿にされるのが嫌いな意地っ張りには、女に間違われることは堪えられないのだろう。駄菓子屋等でおまけしてもらうときは喜んでいるのに。複雑なものだ。
頭を、さわさわと撫でてみる。指に絡んでは滑り落ちる栗色の髪は、中々好きだったりする。髪だけ、というわけではないけれど。
「・・・ん、うぅ・・・」
こそばゆいのか身動ぎ、柳眉が歪んだ。これで起きたのなら月見酒でもしようと、頭を撫でながら待ってみる。
こんな風にできるようになったのはいつのことだろう。武州にいた頃は、頭を撫でてやろうなんて気になったとしても、憚れた。そんな風にしてやる、資格があるのかと自問して結局できないなんてことが多々あった。
「・・・ひじかた」
「呼び捨てかよ。・・・今から飲むか?」
「飲みやす。アンタ、遅い」
「悪いな」
むくっと起き上がり俺の着流しで涎を拭く。呆れて笑えば唾を吐きかけられそうになって焦る。
持ってきた盆を手に障子を開け放つ。縁側に出ずとも黄色く丸い月が煌々と闇夜を照らしているのが見えた。それならば無駄に冷たい夜風に吹かれることもないと、部屋の中から月見をすることにする。
のろのろと隣に向かってくるのを待ちながら酒を注いでやれば、気が利きやすねとかいいながらドカッと隣に座った。
「いただきやす」
「おう」
総悟は一口舐めて、ご満悦といった表情で煽る。凹凸の寂しい喉仏が動くのを眺めてから俺も、一口飲む。うまい。久々に飲むからか、肴がいいからか、相手がいいからか。
ずっと聞いていたら頭の割れそうな、澄んだ虫の音に耳を傾けて、瞼を閉じる。この虫の音しか聞こえない世界にいたら気が狂ってしまいそうだ。形容するのもなんだか愚かしい。
「・・・団子食いてぇな」
「あるぜ」
「え、本当ですかィ!」
ぱぁ、と顔が華やいだ。餓鬼だな、言ってやれば鼻の頭に皺を作って悪態を吐く。相変わらずな性格だ。からかってやれば、言い返してくる。
盆に乗せたままだった包みを開いて、白い在り来たりな団子を一つ手に摘まむ。ほらと口に放り込めば、もごもご食って、ふがふがと美味な旨を伝えてきた。なので俺も、一ついただく。
「甘い」
「そこがいいんでさ、土方さん」
ふっと総悟が口角を上げた。何か別の意図を孕んでいそうなので訝しげてみる。甘い、というのがいい。団子じゃなくて、総悟が、思わず笑うような。
近藤さんかと、合点してみる。
が、それを読んだかの如く総悟は違いやすぜと言った。いつの間に一升瓶抱え込んだんだ、こいつ。
「じゃあなに」
「アンタのことでさ」
なんて可愛い面でそんなことを言いやがるものだから。手の届かない月なんかよりも肴になる。愛しくて繋ぎ止めて、ずっと眺めていたくなる。
うまそうな唇を舐めてみると、酒の味とほろかな甘さが混ざって美味だった。
つまりお前は叢雲で風だ。
全てを霞ませてしまう。
十八番目の夜
仕事を予定よりも早く終わらせささっと湯を浴びたつもりだったが。総悟は机に臥して眠っていた。あどけない寝顔に癒されはするが、当初の目的を果たせず少し落胆する。
久々に酒でも飲まないか。昼間にサボりに来たときに訊ねれば、二つ返事で総悟は頷いた。だから、少し遅くなるが寝ずに待っていろと、言っといたのだが。
持ってきた月見セットはとりあえず机に置いて、煙草を共に寝顔を眺める。
柔らかな髪が覆う丸い額、滑らかなラインを描く鼻筋や半開きの淡い桃色の唇、あどけなく垂れた涎。普段はあまりじっくり見ないところを記憶するように、熟視る。姉と共通するところは誇っていたが、全体的に自分の顔が嫌いであるのは普段の総悟の振る舞いからも分かる。馬鹿にされるのが嫌いな意地っ張りには、女に間違われることは堪えられないのだろう。駄菓子屋等でおまけしてもらうときは喜んでいるのに。複雑なものだ。
頭を、さわさわと撫でてみる。指に絡んでは滑り落ちる栗色の髪は、中々好きだったりする。髪だけ、というわけではないけれど。
「・・・ん、うぅ・・・」
こそばゆいのか身動ぎ、柳眉が歪んだ。これで起きたのなら月見酒でもしようと、頭を撫でながら待ってみる。
こんな風にできるようになったのはいつのことだろう。武州にいた頃は、頭を撫でてやろうなんて気になったとしても、憚れた。そんな風にしてやる、資格があるのかと自問して結局できないなんてことが多々あった。
「・・・ひじかた」
「呼び捨てかよ。・・・今から飲むか?」
「飲みやす。アンタ、遅い」
「悪いな」
むくっと起き上がり俺の着流しで涎を拭く。呆れて笑えば唾を吐きかけられそうになって焦る。
持ってきた盆を手に障子を開け放つ。縁側に出ずとも黄色く丸い月が煌々と闇夜を照らしているのが見えた。それならば無駄に冷たい夜風に吹かれることもないと、部屋の中から月見をすることにする。
のろのろと隣に向かってくるのを待ちながら酒を注いでやれば、気が利きやすねとかいいながらドカッと隣に座った。
「いただきやす」
「おう」
総悟は一口舐めて、ご満悦といった表情で煽る。凹凸の寂しい喉仏が動くのを眺めてから俺も、一口飲む。うまい。久々に飲むからか、肴がいいからか、相手がいいからか。
ずっと聞いていたら頭の割れそうな、澄んだ虫の音に耳を傾けて、瞼を閉じる。この虫の音しか聞こえない世界にいたら気が狂ってしまいそうだ。形容するのもなんだか愚かしい。
「・・・団子食いてぇな」
「あるぜ」
「え、本当ですかィ!」
ぱぁ、と顔が華やいだ。餓鬼だな、言ってやれば鼻の頭に皺を作って悪態を吐く。相変わらずな性格だ。からかってやれば、言い返してくる。
盆に乗せたままだった包みを開いて、白い在り来たりな団子を一つ手に摘まむ。ほらと口に放り込めば、もごもご食って、ふがふがと美味な旨を伝えてきた。なので俺も、一ついただく。
「甘い」
「そこがいいんでさ、土方さん」
ふっと総悟が口角を上げた。何か別の意図を孕んでいそうなので訝しげてみる。甘い、というのがいい。団子じゃなくて、総悟が、思わず笑うような。
近藤さんかと、合点してみる。
が、それを読んだかの如く総悟は違いやすぜと言った。いつの間に一升瓶抱え込んだんだ、こいつ。
「じゃあなに」
「アンタのことでさ」
なんて可愛い面でそんなことを言いやがるものだから。手の届かない月なんかよりも肴になる。愛しくて繋ぎ止めて、ずっと眺めていたくなる。
うまそうな唇を舐めてみると、酒の味とほろかな甘さが混ざって美味だった。
PR
TRACKBACK
TrackbackURL
COMMENT