梅々
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旦那って呼び方ってなんかこう・・
「うわっちょっ・・・土方さんなにコレ」
「何ってメイド服だろ?」
「そんなことわかってまさァ!! そうじゃなくて寝てる間に何着せてんでィ!」
「ハァ? 俺そんなことしてねぇけど? ・・・下はちゃんとかぼちゃパンツなんだな」
「ッ!! 捲るな変態!」
猫耳とメイド服のタッグは最強だと思う。銀さんとか土方のストライクゾーンだといいな。
・・・銀土沖か銀沖土だな。因みに真ん中が沖田なのは故意です。真ん中が一番良さそうだし。あ、でも銀土沖はあれ、土方と銀さんが直接はない。
此処は沖田溺愛サイトなんで。九割方、土→沖だし(私の銀沖はコレ前提)。高杉も山崎も近藤さんも沖田を好きです。
銀さんは銀新もあるけど。
ミツバと土方はアナベルリーとポー的な純愛で性行為はしないでほしい(願望)
でもミツ沖ならまだ許せる私は人間失格?
それでは百人一首にする予定じゃなかった入浴ネタ。
書きたかったネタを書かずに終わったので続編があるかもしれない。
あ、今日13日の金曜日だ。不吉。
「何ってメイド服だろ?」
「そんなことわかってまさァ!! そうじゃなくて寝てる間に何着せてんでィ!」
「ハァ? 俺そんなことしてねぇけど? ・・・下はちゃんとかぼちゃパンツなんだな」
「ッ!! 捲るな変態!」
猫耳とメイド服のタッグは最強だと思う。銀さんとか土方のストライクゾーンだといいな。
・・・銀土沖か銀沖土だな。因みに真ん中が沖田なのは故意です。真ん中が一番良さそうだし。あ、でも銀土沖はあれ、土方と銀さんが直接はない。
此処は沖田溺愛サイトなんで。九割方、土→沖だし(私の銀沖はコレ前提)。高杉も山崎も近藤さんも沖田を好きです。
銀さんは銀新もあるけど。
ミツバと土方はアナベルリーとポー的な純愛で性行為はしないでほしい(願望)
でもミツ沖ならまだ許せる私は人間失格?
それでは百人一首にする予定じゃなかった入浴ネタ。
書きたかったネタを書かずに終わったので続編があるかもしれない。
あ、今日13日の金曜日だ。不吉。
風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ
くだけて物を 思ふころかな
ユダの接吻
土方が近藤の道場へとやってきて、半年が過ぎた。
近藤やその他食客の奴らとは同年代であるからにしてそれなりには打ち解けたが、この道場最年少である沖田との仲は相も変わらず悪いまま。悪いといっては語弊があるが、言葉を交したとてしまいには喧嘩越しになるのだからあまり大差はないだろう。
梅雨の合間の、晴れてはいるがじめっとしている日のことだった。夕方になって稽古も終え、やることもなく近藤の部屋で茶を飲みながらまったりしていると、トタタ、と軽快な足音が縁側の方から聞こえてきた。
縁側を走り回るやつらは沢山いるが、こう軽快な音をたてるのは沖田唯一人。
やかましい奴が来る、刹那そう思うが此処は近藤の部屋であり今此処に近藤もいる。土方に対する態度は最悪だが近藤に対する態度は子どもらしいとても可愛らしい沖田を思うと理不尽だろ、そう言いたくなる。
「こんどーさんっ!!」
「おう、総悟。どうした?」
パァッと華やいだ笑顔で部屋へ入ってきた沖田は一瞬、土方を見て眉を寄せたが何もなかったかのように近藤の元へ走り、胡坐をかいた近藤の足の上にちょこんと座る。此方から見るとサラサラしていそうな蜂蜜色の襟足と、白い項が見えるだけ。どんな表情をしているのか、背を向けられて一寸も分かりやしない。
「原田さんがおふろの時間だって言ってやした。一緒に入りやしょう?」
小首を傾げる姿が後ろ姿だけでも可愛らしいと思う。沖田は顔は悪くない。少女に見える可憐な顔立ちをしているし、肌は白く肌理が細かく体つきも華奢だ。抱き心地も悪くなさそうだ、と思う。
―――――僅かな嫉妬が、近藤に対して芽生え始めていた。
人間的には、誰よりも彼は大切な人間であり愛情を抱いている。けれど、
(それとこれとは関係ない)
沖田は、心許した人間に触れられるのが好きらしい。近藤やミツバに頭を撫でて貰ったり、抱き締められたりしているときの笑顔は普段のものより段違いに眩しくて、心を鷲掴みされたように、なる。
沖田に笑みをもたらしたのも、沖田が笑みを向けているのも、沖田が触れて欲しいと思うのも。
(俺じゃない。)
と、分かってはいるが。
「悪い、総悟。今日は一緒に入れねぇんだ。夜出掛けなくちゃなんなくてな」
「そうですかィ・・・」
「だから、今日は、」
トシと入りなさい。
え、と知らぬ内に口から溢れた音は見事に重なった。
願ってもないチャンスだと、土方の中で他人の声が響く。と、同時に一緒に風呂なんざ入ったら、理性がもたないかもしれないとももう一人が忠告する。
そんな不純な事を考えながら沖田を見遣ると困惑したような表情を浮かべ土方を見ていた。そんな表情も出来るのか、と感心していると沖田は再び近藤に乞うように縋りついた。
「この人と入るくらいなら一人で入りまさァ」
「一人で、ってまた変なヤツが忍び込んできたりしたらどうすんだ? こないだみたく運良く助けて貰えないかもしれないんだぞ?」
そんなことがあったのか、と目を丸くする。此処が剣術の道場だと知っているであろうに、そんなことをするとは度胸があるというかなんというか。
「・・・・・・」
不満そうな瞳を此方に向けて、渋々、といった風貌で沖田はコクンと頷いた。
それに満面の笑みを返し近藤はよしよしと沖田の頭を撫でる。
「じゃあトシ、頼むな」
「・・・・・・ああ」
こうなっては断れない。
どうにか何もせずにいられるよう祈りつつ、此方も渋々と頷いた。
「なに、ソレ」
沖田が部屋から持ってきた手桶の中身に驚いた。沖田専用らしいリンス。これはまだ分かる。まぁそんなのしなくてもサラサラしてそうなのだがそれは置いといて。次に出てきたのは子ども用の体を洗うスポンジ。これも普通。しかし、もう一つ、尋常じゃないものが入っていた。
「なに、って見て分かるだろィ。アヒルさんでィ」
両手で包むように土方の目前に突き出してくる姿に目眩がした。
重症だ、こんな悪餓鬼を可愛いと思うだなんて。
何処にでも売っていそうな、水鉄砲にもなるそれを大切そうに、しかも“さん”付けする沖田にいつもの小憎らしさは見付からない。寧ろ、普段の数倍可愛い。
(・・・手ェ出さねぇ自信がない・・・・・・)
発情期、否、思春期な青少年であるだけではなく他人より手が早いと自覚している故、入る前から憂鬱になる。
嫌いならば嫌いで、つんけんした態度を終始貫いて欲しい。不意に見せる子どもらしい仕草に何度も堕ちる。こんな餓鬼に惚れているなど他人に言えたものではない。
鼻唄混じりにスポンジを泡立てている沖田を見て、ハァと溜め息ひとつ。
「いつもどうしてんだ?」
「どうって?」
「だから、自分で洗ってんのか、って」
「洗えるけど近藤さんと入るときは近藤さんが洗ってくれる。姉上と入るときはたまに姉上が洗ってくれるけど」
鼻の頭に泡をつけゴシゴシと体を洗いつつ沖田は事もなさげに言うが土方にとっては予想外の爆撃だった。
ミツバと入っているとは、何て羨ましい。そして沖田の体を洗えるとはなんて妬ましい。
ミツバには、初恋にも似た淡い感情を抱いている。理想の女性像であり、汚してはならない聖域だ。でも沖田は違う。沖田に抱いているのは甘い恋心ではなく、狂おしい程の劣情。その無垢な体を汚して壊したいと体が疼く。
今まで抱いたことのない思いはどうしようもないと蓋をしていたのに沖田はその蓋を外す。無意識の内に誘っているからたちが悪い。
「洗ってやろうか?」
「お前に触られんの、イヤ」
その言いようにムカッときて、泡をつけた手で首筋に触れてみた。
滑らかな肌に触れたその瞬間。
「ヒャッ!!」
ビクンと肩をすくめ沖田は高い声を上げた。バッと真っ赤な顔で振り返った沖田にプツリ。理性が切れる。
(ああもうなんでお前はそう、)
腹立たしい程までに煽ってくるのか。
確信犯だろ、と思うが沖田は自分のことを嫌っているのだからありえない。
文句を言おうと開かれた唇に噛みつくように口付けた。
柔く艶やかなそれを、舐めただけで華奢な体をビクビク震わせ、ンッ、と甘美な声を上げた。流石にこんなことされては怖いかと、そっと抱き締め、背中を撫でながらチュッチュッと優しく唇をついばんでいると沖田は蕩けた表情を浮かべ控え目に縋りついてくる。
(・・・ヤバい)
少し触れ合わせたら止めるつもりだったのに、夢中になってしまっている。キスに夢中になるなんて初めてで、戸惑う。
「んっ・・・ンン・・・」
堪えきれず零れる沖田の高い声に気分が高騰する。
綻んだ唇に舌を挿れようとすると、沖田は力が抜けたのか崩れ落ち、土方に抱きすくめられるがままになった。
拍子に、小さな足が手桶に当たりカランと無機質な音が浴室に響く。
(俺は、何をしようと―――――)
ハッとして口唇を離すと沖田はトロンとした瞳を此方に向け、ハァハァと肩で息をした。浴室の暖色のライトに当たり二人の間に繋がれた銀糸のような糸がキラキラと輝く。
子どもながらに色っぽい姿に見惚れていると、未だ頬を染めたまま、沖田が口を開いた。
「なに、これ・・・? 頭がフワフワする・・・」
「・・・キスだよ」
これが? と沖田は驚いた表情をしてもっと頬を紅潮させた。
新鮮な反応に微笑みかけ、内緒だぞ、と口許に人指し指を当てる。
「何で内緒なんで?」
「本当は餓鬼相手にしちゃいけねぇんだよ」
「言ったらお前、どうなんの?」
「近藤さんに殴られて、此処追い出されっかもな」
沖田には都合の良いことだ。だから言わなければ良かったのだけれどそう気付いたのは言った後だった。
口封じに言うこと聞け、とか言われそうだと覚悟して沈黙を破らずにいると、悩んでいた沖田が困ったような表情を浮かべたので反応のしように困った。
「近藤さんにも姉上にも言っちゃダメ?」
「・・・その二人には特に言わねぇでほしい」
「言ったらお前、どっか行っちまう?」
「ああ」
「・・・・・・なら、言わない」
意外な答えに目をパチクリさせていると、言いにくそうに、その代わり、とやはり交換条件を出してきた。
「またちゅーしてくんなきゃ言っちゃうからな」
照れ隠しに背中を向け再び体を洗い出した沖田の後ろ姿に、「いくらでもしてやるよ」と呟くと沖田は嬉しそうな笑みを浮かべた。
#48
------------------
口には出せない。
くだけて物を 思ふころかな
ユダの接吻
土方が近藤の道場へとやってきて、半年が過ぎた。
近藤やその他食客の奴らとは同年代であるからにしてそれなりには打ち解けたが、この道場最年少である沖田との仲は相も変わらず悪いまま。悪いといっては語弊があるが、言葉を交したとてしまいには喧嘩越しになるのだからあまり大差はないだろう。
梅雨の合間の、晴れてはいるがじめっとしている日のことだった。夕方になって稽古も終え、やることもなく近藤の部屋で茶を飲みながらまったりしていると、トタタ、と軽快な足音が縁側の方から聞こえてきた。
縁側を走り回るやつらは沢山いるが、こう軽快な音をたてるのは沖田唯一人。
やかましい奴が来る、刹那そう思うが此処は近藤の部屋であり今此処に近藤もいる。土方に対する態度は最悪だが近藤に対する態度は子どもらしいとても可愛らしい沖田を思うと理不尽だろ、そう言いたくなる。
「こんどーさんっ!!」
「おう、総悟。どうした?」
パァッと華やいだ笑顔で部屋へ入ってきた沖田は一瞬、土方を見て眉を寄せたが何もなかったかのように近藤の元へ走り、胡坐をかいた近藤の足の上にちょこんと座る。此方から見るとサラサラしていそうな蜂蜜色の襟足と、白い項が見えるだけ。どんな表情をしているのか、背を向けられて一寸も分かりやしない。
「原田さんがおふろの時間だって言ってやした。一緒に入りやしょう?」
小首を傾げる姿が後ろ姿だけでも可愛らしいと思う。沖田は顔は悪くない。少女に見える可憐な顔立ちをしているし、肌は白く肌理が細かく体つきも華奢だ。抱き心地も悪くなさそうだ、と思う。
―――――僅かな嫉妬が、近藤に対して芽生え始めていた。
人間的には、誰よりも彼は大切な人間であり愛情を抱いている。けれど、
(それとこれとは関係ない)
沖田は、心許した人間に触れられるのが好きらしい。近藤やミツバに頭を撫でて貰ったり、抱き締められたりしているときの笑顔は普段のものより段違いに眩しくて、心を鷲掴みされたように、なる。
沖田に笑みをもたらしたのも、沖田が笑みを向けているのも、沖田が触れて欲しいと思うのも。
(俺じゃない。)
と、分かってはいるが。
「悪い、総悟。今日は一緒に入れねぇんだ。夜出掛けなくちゃなんなくてな」
「そうですかィ・・・」
「だから、今日は、」
トシと入りなさい。
え、と知らぬ内に口から溢れた音は見事に重なった。
願ってもないチャンスだと、土方の中で他人の声が響く。と、同時に一緒に風呂なんざ入ったら、理性がもたないかもしれないとももう一人が忠告する。
そんな不純な事を考えながら沖田を見遣ると困惑したような表情を浮かべ土方を見ていた。そんな表情も出来るのか、と感心していると沖田は再び近藤に乞うように縋りついた。
「この人と入るくらいなら一人で入りまさァ」
「一人で、ってまた変なヤツが忍び込んできたりしたらどうすんだ? こないだみたく運良く助けて貰えないかもしれないんだぞ?」
そんなことがあったのか、と目を丸くする。此処が剣術の道場だと知っているであろうに、そんなことをするとは度胸があるというかなんというか。
「・・・・・・」
不満そうな瞳を此方に向けて、渋々、といった風貌で沖田はコクンと頷いた。
それに満面の笑みを返し近藤はよしよしと沖田の頭を撫でる。
「じゃあトシ、頼むな」
「・・・・・・ああ」
こうなっては断れない。
どうにか何もせずにいられるよう祈りつつ、此方も渋々と頷いた。
「なに、ソレ」
沖田が部屋から持ってきた手桶の中身に驚いた。沖田専用らしいリンス。これはまだ分かる。まぁそんなのしなくてもサラサラしてそうなのだがそれは置いといて。次に出てきたのは子ども用の体を洗うスポンジ。これも普通。しかし、もう一つ、尋常じゃないものが入っていた。
「なに、って見て分かるだろィ。アヒルさんでィ」
両手で包むように土方の目前に突き出してくる姿に目眩がした。
重症だ、こんな悪餓鬼を可愛いと思うだなんて。
何処にでも売っていそうな、水鉄砲にもなるそれを大切そうに、しかも“さん”付けする沖田にいつもの小憎らしさは見付からない。寧ろ、普段の数倍可愛い。
(・・・手ェ出さねぇ自信がない・・・・・・)
発情期、否、思春期な青少年であるだけではなく他人より手が早いと自覚している故、入る前から憂鬱になる。
嫌いならば嫌いで、つんけんした態度を終始貫いて欲しい。不意に見せる子どもらしい仕草に何度も堕ちる。こんな餓鬼に惚れているなど他人に言えたものではない。
鼻唄混じりにスポンジを泡立てている沖田を見て、ハァと溜め息ひとつ。
「いつもどうしてんだ?」
「どうって?」
「だから、自分で洗ってんのか、って」
「洗えるけど近藤さんと入るときは近藤さんが洗ってくれる。姉上と入るときはたまに姉上が洗ってくれるけど」
鼻の頭に泡をつけゴシゴシと体を洗いつつ沖田は事もなさげに言うが土方にとっては予想外の爆撃だった。
ミツバと入っているとは、何て羨ましい。そして沖田の体を洗えるとはなんて妬ましい。
ミツバには、初恋にも似た淡い感情を抱いている。理想の女性像であり、汚してはならない聖域だ。でも沖田は違う。沖田に抱いているのは甘い恋心ではなく、狂おしい程の劣情。その無垢な体を汚して壊したいと体が疼く。
今まで抱いたことのない思いはどうしようもないと蓋をしていたのに沖田はその蓋を外す。無意識の内に誘っているからたちが悪い。
「洗ってやろうか?」
「お前に触られんの、イヤ」
その言いようにムカッときて、泡をつけた手で首筋に触れてみた。
滑らかな肌に触れたその瞬間。
「ヒャッ!!」
ビクンと肩をすくめ沖田は高い声を上げた。バッと真っ赤な顔で振り返った沖田にプツリ。理性が切れる。
(ああもうなんでお前はそう、)
腹立たしい程までに煽ってくるのか。
確信犯だろ、と思うが沖田は自分のことを嫌っているのだからありえない。
文句を言おうと開かれた唇に噛みつくように口付けた。
柔く艶やかなそれを、舐めただけで華奢な体をビクビク震わせ、ンッ、と甘美な声を上げた。流石にこんなことされては怖いかと、そっと抱き締め、背中を撫でながらチュッチュッと優しく唇をついばんでいると沖田は蕩けた表情を浮かべ控え目に縋りついてくる。
(・・・ヤバい)
少し触れ合わせたら止めるつもりだったのに、夢中になってしまっている。キスに夢中になるなんて初めてで、戸惑う。
「んっ・・・ンン・・・」
堪えきれず零れる沖田の高い声に気分が高騰する。
綻んだ唇に舌を挿れようとすると、沖田は力が抜けたのか崩れ落ち、土方に抱きすくめられるがままになった。
拍子に、小さな足が手桶に当たりカランと無機質な音が浴室に響く。
(俺は、何をしようと―――――)
ハッとして口唇を離すと沖田はトロンとした瞳を此方に向け、ハァハァと肩で息をした。浴室の暖色のライトに当たり二人の間に繋がれた銀糸のような糸がキラキラと輝く。
子どもながらに色っぽい姿に見惚れていると、未だ頬を染めたまま、沖田が口を開いた。
「なに、これ・・・? 頭がフワフワする・・・」
「・・・キスだよ」
これが? と沖田は驚いた表情をしてもっと頬を紅潮させた。
新鮮な反応に微笑みかけ、内緒だぞ、と口許に人指し指を当てる。
「何で内緒なんで?」
「本当は餓鬼相手にしちゃいけねぇんだよ」
「言ったらお前、どうなんの?」
「近藤さんに殴られて、此処追い出されっかもな」
沖田には都合の良いことだ。だから言わなければ良かったのだけれどそう気付いたのは言った後だった。
口封じに言うこと聞け、とか言われそうだと覚悟して沈黙を破らずにいると、悩んでいた沖田が困ったような表情を浮かべたので反応のしように困った。
「近藤さんにも姉上にも言っちゃダメ?」
「・・・その二人には特に言わねぇでほしい」
「言ったらお前、どっか行っちまう?」
「ああ」
「・・・・・・なら、言わない」
意外な答えに目をパチクリさせていると、言いにくそうに、その代わり、とやはり交換条件を出してきた。
「またちゅーしてくんなきゃ言っちゃうからな」
照れ隠しに背中を向け再び体を洗い出した沖田の後ろ姿に、「いくらでもしてやるよ」と呟くと沖田は嬉しそうな笑みを浮かべた。
#48
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口には出せない。
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