梅々
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小遣いはいりましたー
11月終わるぅぅぅぅぅ!!
というわけでこないだの受験前日ネタを小説にしてみました。
土沖遠距離です。
というわけでこないだの受験前日ネタを小説にしてみました。
土沖遠距離です。
光の速さで
光ったような気がして、携帯を見る。だが、着信どころかメールもなくて、ディスプレイは日時を告げるだけ。
最後に会ったのは四月だった。進級おめでとうとふざけて言われた。
最後に話したのは一ヶ月前だった。今週中に都合分かったら連絡するから、それから一月かかってこない。アンタの一週間は一ヶ月もあるのか。
なんて文句は言えない。電話をかける度胸がない俺には。
明日は受験日だ。
なんとか指定校で校内選考は受かって、大学に選考される日。面接も小論文も練習してきたから、嫌いだけどうまくやれる、はず。
明日さえうまくやれれば。なんとかなる。受かったらバイトとか色んなことをしたい。だから、モチベーションをあげていきたいのに。
一番聞きたいアンタの声を、聞けず仕舞いで。
ハァ、と息を吐きとりあえず風呂に向かう。
「そうちゃん、今日の入浴剤何がいいかしら?」
「姉上が好きなのでいいです」
「じゃあ薔薇ね! 良い匂いだからきっと、落ち着くわ」
はい、と笑顔で渡された入浴剤を受けとり、風呂に入る。
受験前だから情緒不安定なのは姉上も把握しているのだろう、だから、こんなお気に入りの少し高い入浴剤を渡してくれた。でもそれだけじゃなくて、土方さんに応援されたくて堪らないことまでも気付かれているような気がして。
最後に会ったとき、大学は決めたか?と問われただけだった。その時には決まってたけど秘密にして、電話した時だって受験の話題はしなかった。だから、あの人が俺の受験日を知っているはずがないのは分かっている。なのに、期待してしまう。
でも、俺からかけることもできない。仕事中かもしれない。煩わしいと思われたら、なんて考えたら電話帳さえ開けない。
クラスの皆も銀八先生も、頑張れとか大丈夫とか言ってくれた。それでもう十分。期待はしたら、いけない。
体調のことを考えていつもより長めに温もって、風呂から出て即行自室へ戻る。
携帯の表示を確認。何も変わりはない。
「・・・あのバカ」
忙しい時は煩わしいぐらい連絡とってくるくせに。なんでこういうときは。
諦めてふて寝してやろう、布団にダイブすると同時に、インターホンが鳴り響いた。姉上は今風呂に入った。だから、必然的に俺が出なければならないんだけれど。こんな夜分遅くに誰だ。急ぐのはかったるいからのんびりと、玄関に向かう。とっくにインターホンは止んでしまっているから、直接玄関へ向かいドアを開ける。
「総悟!」
「・・・近藤さんっ!」
ドアを開けたら満面の笑みの近藤さんがそこにいた。マフラーにコートという重装備で、手に何かの袋を持っていた。
土方さんかもしれない。なんて、一ミリ思ってしまた自分をとても恥じた。そんなことあるはずないのに。
「どうしたんですかィ? とりあえず上がってくだせぇ!」
「いい、いい。ちょっと話しに来ただけだからよ。明日受験なんだろ? 頑張れ。おまえなら大丈夫だよ、総悟」
「ありがとうございやす、近藤さん」
「んで、これトシが渡してくれって」
「へ?」
ぎゅうっと抱き締められたと思ったら思わぬ名前を聞いて、差し出された袋をまじまじと見てしまう。
土方さんが、俺に?
なんでまた。
視線で問いかけても近藤さんはにこにこ笑うだけで、教えてはくれない。
「今日アイツ出張だから預かったんだよ。頑張れってよ」
「へい・・・ありがとうございやす」
「じゃあ、またな」
「気をつけてくだせェ」
近藤さんが住宅街の角を曲がるのを見届けてから、玄関を閉め袋を開けてみた。
お守りが入っていた。しかも、太宰府天満宮だって。九州の、しかも勉強の神様で有名なとこの、学業成就のお守りだ。
出張のついでになのかは知らないけれど、普通これを、人を使ってまで前日に渡させるか。連絡してくれれば済む話なのに。
なんだか複雑な心境になりながらも部屋に入って布団に横になる。お守りを見ていたら視界の隅で光がちらついて、なんだ、とそっちを見る。
「あ、」
携帯が光ってる。メールの着信したときの光り方で。
さっさとメールボックスを開いてみたら、期待通りあの馬鹿なニコ中からだった。
『頑張れ。』
ただそれだけしか打ってなかったけれど。じわじわ、幸せが体を満たしていって、頬が緩む。
当然でさ、ばーか。
打ち返して携帯を閉じて目を瞑る。
土方さんに受験あるのを知られたら、落ちるわけにはいかない。
合格メール送ってやる。待ってろよ。
光ったような気がして、携帯を見る。だが、着信どころかメールもなくて、ディスプレイは日時を告げるだけ。
最後に会ったのは四月だった。進級おめでとうとふざけて言われた。
最後に話したのは一ヶ月前だった。今週中に都合分かったら連絡するから、それから一月かかってこない。アンタの一週間は一ヶ月もあるのか。
なんて文句は言えない。電話をかける度胸がない俺には。
明日は受験日だ。
なんとか指定校で校内選考は受かって、大学に選考される日。面接も小論文も練習してきたから、嫌いだけどうまくやれる、はず。
明日さえうまくやれれば。なんとかなる。受かったらバイトとか色んなことをしたい。だから、モチベーションをあげていきたいのに。
一番聞きたいアンタの声を、聞けず仕舞いで。
ハァ、と息を吐きとりあえず風呂に向かう。
「そうちゃん、今日の入浴剤何がいいかしら?」
「姉上が好きなのでいいです」
「じゃあ薔薇ね! 良い匂いだからきっと、落ち着くわ」
はい、と笑顔で渡された入浴剤を受けとり、風呂に入る。
受験前だから情緒不安定なのは姉上も把握しているのだろう、だから、こんなお気に入りの少し高い入浴剤を渡してくれた。でもそれだけじゃなくて、土方さんに応援されたくて堪らないことまでも気付かれているような気がして。
最後に会ったとき、大学は決めたか?と問われただけだった。その時には決まってたけど秘密にして、電話した時だって受験の話題はしなかった。だから、あの人が俺の受験日を知っているはずがないのは分かっている。なのに、期待してしまう。
でも、俺からかけることもできない。仕事中かもしれない。煩わしいと思われたら、なんて考えたら電話帳さえ開けない。
クラスの皆も銀八先生も、頑張れとか大丈夫とか言ってくれた。それでもう十分。期待はしたら、いけない。
体調のことを考えていつもより長めに温もって、風呂から出て即行自室へ戻る。
携帯の表示を確認。何も変わりはない。
「・・・あのバカ」
忙しい時は煩わしいぐらい連絡とってくるくせに。なんでこういうときは。
諦めてふて寝してやろう、布団にダイブすると同時に、インターホンが鳴り響いた。姉上は今風呂に入った。だから、必然的に俺が出なければならないんだけれど。こんな夜分遅くに誰だ。急ぐのはかったるいからのんびりと、玄関に向かう。とっくにインターホンは止んでしまっているから、直接玄関へ向かいドアを開ける。
「総悟!」
「・・・近藤さんっ!」
ドアを開けたら満面の笑みの近藤さんがそこにいた。マフラーにコートという重装備で、手に何かの袋を持っていた。
土方さんかもしれない。なんて、一ミリ思ってしまた自分をとても恥じた。そんなことあるはずないのに。
「どうしたんですかィ? とりあえず上がってくだせぇ!」
「いい、いい。ちょっと話しに来ただけだからよ。明日受験なんだろ? 頑張れ。おまえなら大丈夫だよ、総悟」
「ありがとうございやす、近藤さん」
「んで、これトシが渡してくれって」
「へ?」
ぎゅうっと抱き締められたと思ったら思わぬ名前を聞いて、差し出された袋をまじまじと見てしまう。
土方さんが、俺に?
なんでまた。
視線で問いかけても近藤さんはにこにこ笑うだけで、教えてはくれない。
「今日アイツ出張だから預かったんだよ。頑張れってよ」
「へい・・・ありがとうございやす」
「じゃあ、またな」
「気をつけてくだせェ」
近藤さんが住宅街の角を曲がるのを見届けてから、玄関を閉め袋を開けてみた。
お守りが入っていた。しかも、太宰府天満宮だって。九州の、しかも勉強の神様で有名なとこの、学業成就のお守りだ。
出張のついでになのかは知らないけれど、普通これを、人を使ってまで前日に渡させるか。連絡してくれれば済む話なのに。
なんだか複雑な心境になりながらも部屋に入って布団に横になる。お守りを見ていたら視界の隅で光がちらついて、なんだ、とそっちを見る。
「あ、」
携帯が光ってる。メールの着信したときの光り方で。
さっさとメールボックスを開いてみたら、期待通りあの馬鹿なニコ中からだった。
『頑張れ。』
ただそれだけしか打ってなかったけれど。じわじわ、幸せが体を満たしていって、頬が緩む。
当然でさ、ばーか。
打ち返して携帯を閉じて目を瞑る。
土方さんに受験あるのを知られたら、落ちるわけにはいかない。
合格メール送ってやる。待ってろよ。
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