梅々
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夏至
漫研の原稿、下書きが4.5/10終わりました。あと5P目の途中から。
そして沙耶の唄を借りました。沙耶がでたところから泣きそう。BGMやばい。
リビングにパソコンあるので、鬼の居ぬ間にちまちまやりたいです。
では突発的にかいた夏至ネタ。
眠たいので支離滅裂です・・・。
土沖?
そして沙耶の唄を借りました。沙耶がでたところから泣きそう。BGMやばい。
リビングにパソコンあるので、鬼の居ぬ間にちまちまやりたいです。
では突発的にかいた夏至ネタ。
眠たいので支離滅裂です・・・。
土沖?
雨はあんたに良く似合う
あんたは紫陽花みたいだ
水色の傘
降っていた雨はいつの間にか止んで、空は穏やかな橙色をしている。滴を抱く紫陽花の前に屈んで携帯を見る、午後七時。胸がドキドキした。
約束をしたわけじゃないけど土方さんに会いたくなった。だからいつもサボる公園で暇を潰していた。遊具もいつものベンチも濡れて座ることができなかったから、屋根つきのいつもとは違うベンチに寝っ転がったりして。そこから見える紫陽花が綺麗だった。群青色に空色、土方さんの目と同じ色。奥の方には赤に近い紫のも。
紫陽花の色が似ていたから会いたくなったのかもしれない。毎日会ってるし一つ屋根の下、一緒に暮らしているのに。
暗くなったら帰ろう。思いながらなんとなく噴水を見た。
「あれ沖田くん」
「旦那。どーも」
「どーも」
覚束無い訳ではないがあてもなく歩いていた旦那が、目標を此方に定めて歩いてきた。ふらりふらり、としていたのが確かな足取りになる。
俺の前に来た旦那は腰を屈めて蝸牛だーとぼやいた。
「なに、待ち合わせ?」
「いえ、暇潰しでさ」
「ふーん・・・意外」
「えっ?」
立ち上がった旦那は明後日の方をちらりと見た。何がなんだかさっぱりだ。深読みされるような行動、とってないし。
指で紫陽花を弾いて滴を散らす。手持ち無沙汰にただやってるそれを旦那はじーっと見て、此方も暇潰しのようだ。
「今日夏至らしいね」
「そうですぜ」
「あれなんだ知ってたのか」
夏至の日はゲジゲジが出やすいらしいよ、なんてホラには生返事を返してそういえば、と昔のことを思い出した。
生温い風湿気を含んでいて肌がべたべたする。でも、夏の匂い。
向日葵の咲くぼろぼろな道場と、姉上といったお祭りと、皆でやった花火と。懐かしいことばかり。
「何ニヤニヤしてんだ」
「いやね、昔のこと思い出しやして」
「姉ちゃんのこととか?」
「へい。・・・門限が暗くなるまで、だったから。夏至の日はどこへだって行けそうだと思ってたんでさァ」
「なるほど。曖昧な門限だよな」
「暗さなんざ主観的なもんですもんねィ」
見たことないところへ行っては知らない花を摘んで帰って、色んな匂いを嗅いだ。夕飯の匂い、花の匂い、湿気た土の匂い。姉上の笑った顔がただ嬉しかった。
道場の皆と川へ行って姉上の持ってきてくれた西瓜を割ったり、祭りで金魚すくいやったり。思い出せばきりがない。
「・・・俺も夏は遊んだな」
ぽつり、旦那が呟いた。それが意外で。昔のことを、こんな風に郷愁の香りをさせながら呟いたことはなかったから。
きっと、それは一度は失ったものなのだろう。そうじゃなきゃあんな風に滲まない。今は多分。チャイナと眼鏡がいるから。
「さーて飲みに行くかね。じゃあな」
「へい、そんじゃあ」
旦那を見送っていると。後ろから心地好い気配が近づいてきた。しゃがんだまま振り返る、午後七時二十分。
不機嫌な顔した土方さん。会いたかった土方さんだ。空色の目が綺麗。
「何万事屋とにこにこ話してやがった」
「昔の話を。立ち聞きですかィ?」
「偶然だ」
言いながら腕を掴まれた。立ち上がらされて、むっとしたら頭を撫でられて何も言えない。
夏の土方さんは暑さに不機嫌で、それでいつもより俺を求めてくる。
可愛い。
「屯所の紫陽花はどうなんだ」
「本当の紫色ですごく綺麗でさ」
俺とあんたの目の色合わせたみたいな。
一瞬固まった土方さんが顔をぐしゃりと歪ませてキスを一つ寄越した。
あんたは紫陽花みたいだ
水色の傘
降っていた雨はいつの間にか止んで、空は穏やかな橙色をしている。滴を抱く紫陽花の前に屈んで携帯を見る、午後七時。胸がドキドキした。
約束をしたわけじゃないけど土方さんに会いたくなった。だからいつもサボる公園で暇を潰していた。遊具もいつものベンチも濡れて座ることができなかったから、屋根つきのいつもとは違うベンチに寝っ転がったりして。そこから見える紫陽花が綺麗だった。群青色に空色、土方さんの目と同じ色。奥の方には赤に近い紫のも。
紫陽花の色が似ていたから会いたくなったのかもしれない。毎日会ってるし一つ屋根の下、一緒に暮らしているのに。
暗くなったら帰ろう。思いながらなんとなく噴水を見た。
「あれ沖田くん」
「旦那。どーも」
「どーも」
覚束無い訳ではないがあてもなく歩いていた旦那が、目標を此方に定めて歩いてきた。ふらりふらり、としていたのが確かな足取りになる。
俺の前に来た旦那は腰を屈めて蝸牛だーとぼやいた。
「なに、待ち合わせ?」
「いえ、暇潰しでさ」
「ふーん・・・意外」
「えっ?」
立ち上がった旦那は明後日の方をちらりと見た。何がなんだかさっぱりだ。深読みされるような行動、とってないし。
指で紫陽花を弾いて滴を散らす。手持ち無沙汰にただやってるそれを旦那はじーっと見て、此方も暇潰しのようだ。
「今日夏至らしいね」
「そうですぜ」
「あれなんだ知ってたのか」
夏至の日はゲジゲジが出やすいらしいよ、なんてホラには生返事を返してそういえば、と昔のことを思い出した。
生温い風湿気を含んでいて肌がべたべたする。でも、夏の匂い。
向日葵の咲くぼろぼろな道場と、姉上といったお祭りと、皆でやった花火と。懐かしいことばかり。
「何ニヤニヤしてんだ」
「いやね、昔のこと思い出しやして」
「姉ちゃんのこととか?」
「へい。・・・門限が暗くなるまで、だったから。夏至の日はどこへだって行けそうだと思ってたんでさァ」
「なるほど。曖昧な門限だよな」
「暗さなんざ主観的なもんですもんねィ」
見たことないところへ行っては知らない花を摘んで帰って、色んな匂いを嗅いだ。夕飯の匂い、花の匂い、湿気た土の匂い。姉上の笑った顔がただ嬉しかった。
道場の皆と川へ行って姉上の持ってきてくれた西瓜を割ったり、祭りで金魚すくいやったり。思い出せばきりがない。
「・・・俺も夏は遊んだな」
ぽつり、旦那が呟いた。それが意外で。昔のことを、こんな風に郷愁の香りをさせながら呟いたことはなかったから。
きっと、それは一度は失ったものなのだろう。そうじゃなきゃあんな風に滲まない。今は多分。チャイナと眼鏡がいるから。
「さーて飲みに行くかね。じゃあな」
「へい、そんじゃあ」
旦那を見送っていると。後ろから心地好い気配が近づいてきた。しゃがんだまま振り返る、午後七時二十分。
不機嫌な顔した土方さん。会いたかった土方さんだ。空色の目が綺麗。
「何万事屋とにこにこ話してやがった」
「昔の話を。立ち聞きですかィ?」
「偶然だ」
言いながら腕を掴まれた。立ち上がらされて、むっとしたら頭を撫でられて何も言えない。
夏の土方さんは暑さに不機嫌で、それでいつもより俺を求めてくる。
可愛い。
「屯所の紫陽花はどうなんだ」
「本当の紫色ですごく綺麗でさ」
俺とあんたの目の色合わせたみたいな。
一瞬固まった土方さんが顔をぐしゃりと歪ませてキスを一つ寄越した。
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