梅々
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土日はバイト
軽く友達とえちゃしました。傍観に等しいけど楽しかった!
かげろう日記パロの銀沖と、小さいころから土方を見守ってきたお稲荷さん沖田と、持ち主の死に連動し自滅する人工知能沖田が熱いです。
かきたいなー!
ではやまおちいみなしな土沖やまいねた。
かげろう日記パロの銀沖と、小さいころから土方を見守ってきたお稲荷さん沖田と、持ち主の死に連動し自滅する人工知能沖田が熱いです。
かきたいなー!
ではやまおちいみなしな土沖やまいねた。
岸辺にて待つ
しゃがんで両手で頬杖をついていたら、背後から殺気を感じた。これが俺に向けられるなんて珍しい、思いながらも振り返らず俺は目前の花を眺める。
真っ赤な花。色鮮やかに存在感を放つ、不吉な花。曼珠沙華だ。
家の庭に生えていたから身近な花だった。それ故に結構好きだったけれど、皆が不吉だ不吉だというものだから、俺は庭に生えていたものを根こそぎ抜いて、土方に投げ飛ばした。投げられ散った、不吉だけど俺の好きなものと俺はよく似ている。
「こんなところで何してんですかィ」
「……散歩」
「土方さん」
久々に名を呼んだ。俺の声は不自然じゃなかったろうか。声を出したの自体久しぶりで、心許なくなる。
いい加減振り向いてみる。秋の温い日差しが輪郭を甘やかして、土方さんが優しい顔をしているように見えた。それは気のせいだ、よくよく見れば無表情。これはこれでヘタレな部分が隠されて好きだが、俺は血を浴びてるときの顔の方が好きだ。生き生きとしていて少し若返って見える。
立ち上がってみる。身長差は泣きたくなるぐらいに変わらなくて、唇を尖らす。
「土方さんってば」
「……総悟」
突如無表情の仮面が剥がれて泣きそうにその顔が歪んだ。初めて見るとぼんやり見上げていたら顔が見えなくなった、代わりに首筋が見える。体が温かい、包まれている。その腕にしがみついてすんと息を吸った。馴染みの煙草の匂いだ。臭くて臭くて叶わないけれど、土方さんが纏ったそれだけは許せる。
でも、こんなに近づいてはいけない。土方さんが穢れちまう。それだけは、なんとか抑えなければならない。だからやんわりと制して優しい拘束を解く。この腕の中にいるのは幸せだと知っている、だから離れがたいけどそれには見ない振りをして。
「元気ですかィ」
「おまえよりはな」
「近藤さんは?」
「俺より元気だ」
「なら安心でさ」
案外アンタのその低い声が好きだったんだなと、離れてから知った。耳にすんなりと入って、胸を擽る気障ったらしい声だ。毎日必ず聞いていた声。一日に十回は俺の名前を呼んでいた声。今ではもう昔の話だ。
コホッと咳を漏らすと土方さんが不穏な顔をする。そんな顔をされても今更どうにもならないっていうのに、不憫な人だ。そこが愛おしい。見てくれに可愛さは微塵もないが、土方さんはどうしようもないぐらいに愚かで愛着がある。一度自分の内側に入れた人間に対してはとことん甘いのだ。あんなに嫌がらせばかりしていた俺も例外でなく。
「また彼岸花見てたのか」
「好きなんでさ、別にいいだろィ」
土方さんに向かって投げたら、ちょうど毒がある部分に触ってしまったのか指先がかぶれたがそれだって思い出だ。姉上が手当てしてくれて、近藤さんに諭されて、土方さんに笑われて。
あの花のように、俺も早く散りたい。
禍々しくて、気味悪がられて。俺にそっくりな花。花の方が綺麗だけども。
「そろそろ帰った方がいいんじゃないですかィ」
「まだ来たばっかだ」
「移りやすぜ、びょーき」
白地に言えば物凄く顔を歪める。子どものように嫌悪感を明け透けに見せる。こんな表情もするのか。病にかかってから、知らない表情をよく見られるようになった。大体が哀しんでいたりくるしげだけど、それでも見られただけでいい。焼き付けたい、アンタの色んな表情を。
「どうせ移されるんならもっと色々してぇもんだな」
「ははっ。来世に期待してくだせぇ」
もうなおんねぇんだから。
悲しませたいわけではないんだけど。一々顔に出すものだからつい唇からこぼれてしまう。
「…まだ決心はつきやせんか。俺を、殺す」
足手まといになるのなら、アンタの手でやってくれればいい。きっとその痛みになら快感を感じられるだろうと思うのだけれど、土方さんはごねて。
「おまえが、ヤらせてくれんなら考えてやるよ」
「死体とならいいですぜ」
死んだあとぐらい望むなら全部やる。
ごほ、と喉の不快感とともに咳をする。掌にべったりと血が散って、花のようだ。
アンタに移しちまう前に、あの花のように早く散らせて。
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