梅々
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命日
本当に冬コミ出てみたいなと思いますが、文章力ないのでどうしよう。
誰かアドバイスをー!←
そして今日は土方さんの命日ですね。
それでは頑張ったけど杜撰な命日ネタです。
誰かアドバイスをー!←
そして今日は土方さんの命日ですね。
それでは頑張ったけど杜撰な命日ネタです。
迷子の迷子の子猫ちゃん
貴方のお家は何処ですか。
猫の眼
眠れない。
そんなことよくあることなのだけれど眠れなくて、胸騒ぎがして。アイマスクをひっぺがしてむくり、起き上がる。部屋の中は真っ暗だ。時計は見ていないが、丑の刻あたりだろう。
胸騒ぎ、なんて第六感的なもの、しょっちゅうするほど多感ではなくて勘が鋭いわけでもなくて。でも、大体勘が働くときは、あの人に対してのものだった。
日中は夏日だったのに肌寒くて、羽織を肩にかけ刀を手に部屋を出た。胸騒ぎの元を見に行って原因を解決すれば、安眠できるだろう。そう、思って。
縁側に出てみると月明かりが一切なかった。久々に曇った夜空を見上げながら土方さんの部屋の前につくが、あまりにも静かで誰もいないように感じる。寝ている、わけではなさそうだ。風呂にでも行ったのか、はたまた女でも買いに行ったのか。障子を開けて部屋の中に入ってみる。布団は出してあったが畳まれていて、予想通り誰もいない。暗い部屋の中、着信を告げる携帯のランプだけがチカチカしている。見慣れた着流しがその横に置いてある。煙草もだ。刀だけが、ない。
刀だけを持ってあの人はどこへ消えた。胸騒ぎが、増す。
玄関へ向かい下駄を突っ掛けた。フラフラしていれば見つかるだろう、そんな淡い期待を抱いて。
「土方さん」
今日の門番に会釈をほんのちょびっとだけして、名前を呼んだ。
だが返事は返らない。当然だ。
善意で携帯だけは持ってきてやった。代わりに自分の携帯を持っていなかったりするのだけど。ただ迷惑メールを受信していただけで、メールも着信も、呼び出しのようなものは一切なかった。故意に消したのかもしれないから、分からないが。
何処へ向かえばいいのだろうか。分からない、分からないことばかり。だから怖いのかもしれない、少し。
宛もなくぶらぶら徘徊してみる。きっと端から見たら不審者だ、俺は。夢遊病患者と間違われてもおかしくない格好だ。土方さんは隊服のままだろう。ハンガーに上着がかかっていなかったし、いつも通り真っ黒な格好でどこかにいるのだろう。
ふと、怒鳴り声が聞こえた。歓楽街の隅、路地裏の方から。それに誘われるように足を向けてみる。土方さんの大好きな派手な喧嘩をしているのならそれでいい。分かりやすい。徒労ついでに土方さんに斬りかかる。
角を曲がって、声のするほうを覗き込んだ。視界に写ったのは二人分の人影。
「おまえなぁ、俺が払ってやったろ~!」
「俺が払っただろー! 銀さんしっかりしてくれよぉ」
そこにいたのはただのマダオ二人だった。探し人もマダオであることに変わりはないが、あれ程酷くないと、無視してより入り組んだ路地へ入る。
かつ、何かを踏んで、足を上げるとライターだった。マヨネーズ型の見慣れたもの。顔をあげれば、いくつかの探し物を発見。
「とうしろう」
「にゃー」
真っ黒い猫が、名を呼んだら駆け寄って来た。だけどひょこひょこ駆けていて、どうやら右の前足を怪我しているようだった。抱き上げて見ると少し、腫れている。屯所へ戻ったら山崎に看てもらおう。多分どうにかなる。
問題は、でかいほうの黒猫。
「アンタも右腕ですか」
「・・・大した怪我じゃねぇよ」
「可愛くねぇの」
隊服の色に同化して見えないけれど血の匂いがする。汚い壁にぐったりと寄り掛かったままちらり、土方さんは此方を見た。
可愛くない。折角来てやったのに仏頂面だ。怪我が痛いからってのもあるだろうけれど。
「・・・そいつ、いなくなったってお前騒いでたろ」
「へぇ」
「・・・見掛けたから追っかけてたら、運悪くバカ共に出会した」
「アンタ本当に馬鹿でさァ」
猫を追っかけてたら襲撃されただなんて。しかもそれで怪我するなんて。俺の常識には当てはまらない。この人は馬鹿だ。愛しい、馬鹿。
猫を片手で抱えたまま刀を抜く。切っ先を、土方さんの腕の怪我があるだろう箇所に向けた。
「何すんだ」
「アンタが他の奴の所為で怪我したのがなんか気に食わないんで。俺が、もっと深い傷をつけてやりまさァ」
「おまえ、本当に歪んでるな」
これは真っ直ぐな好意なのに。侵害だ。そんなふうに言われてしまうと。にゃー、と不満げにとうしろうも鳴く。
土方さんが俺から何も言わずに離れるとセンサーが発動する。不安になって、姿を見つけなければ他の何も手につかない。俺は土方さんにとても依存している。こういうときに自覚させられる。
にゃーと再び鳴いて、ペロペロととうしろうが顔を舐めてきた。久々の感触に少し癒される。
「・・・総悟」
「なんですかィ」
「猫にばっかサービスしてんなよ」
左手が伸ばされてとうしろうごと抱き締められた。心配だとかがすぅっと溶けて消える。
生きててよかった、ぼやいたのが聞こえてこっちの台詞だと割りと本気で思った。
貴方のお家は何処ですか。
猫の眼
眠れない。
そんなことよくあることなのだけれど眠れなくて、胸騒ぎがして。アイマスクをひっぺがしてむくり、起き上がる。部屋の中は真っ暗だ。時計は見ていないが、丑の刻あたりだろう。
胸騒ぎ、なんて第六感的なもの、しょっちゅうするほど多感ではなくて勘が鋭いわけでもなくて。でも、大体勘が働くときは、あの人に対してのものだった。
日中は夏日だったのに肌寒くて、羽織を肩にかけ刀を手に部屋を出た。胸騒ぎの元を見に行って原因を解決すれば、安眠できるだろう。そう、思って。
縁側に出てみると月明かりが一切なかった。久々に曇った夜空を見上げながら土方さんの部屋の前につくが、あまりにも静かで誰もいないように感じる。寝ている、わけではなさそうだ。風呂にでも行ったのか、はたまた女でも買いに行ったのか。障子を開けて部屋の中に入ってみる。布団は出してあったが畳まれていて、予想通り誰もいない。暗い部屋の中、着信を告げる携帯のランプだけがチカチカしている。見慣れた着流しがその横に置いてある。煙草もだ。刀だけが、ない。
刀だけを持ってあの人はどこへ消えた。胸騒ぎが、増す。
玄関へ向かい下駄を突っ掛けた。フラフラしていれば見つかるだろう、そんな淡い期待を抱いて。
「土方さん」
今日の門番に会釈をほんのちょびっとだけして、名前を呼んだ。
だが返事は返らない。当然だ。
善意で携帯だけは持ってきてやった。代わりに自分の携帯を持っていなかったりするのだけど。ただ迷惑メールを受信していただけで、メールも着信も、呼び出しのようなものは一切なかった。故意に消したのかもしれないから、分からないが。
何処へ向かえばいいのだろうか。分からない、分からないことばかり。だから怖いのかもしれない、少し。
宛もなくぶらぶら徘徊してみる。きっと端から見たら不審者だ、俺は。夢遊病患者と間違われてもおかしくない格好だ。土方さんは隊服のままだろう。ハンガーに上着がかかっていなかったし、いつも通り真っ黒な格好でどこかにいるのだろう。
ふと、怒鳴り声が聞こえた。歓楽街の隅、路地裏の方から。それに誘われるように足を向けてみる。土方さんの大好きな派手な喧嘩をしているのならそれでいい。分かりやすい。徒労ついでに土方さんに斬りかかる。
角を曲がって、声のするほうを覗き込んだ。視界に写ったのは二人分の人影。
「おまえなぁ、俺が払ってやったろ~!」
「俺が払っただろー! 銀さんしっかりしてくれよぉ」
そこにいたのはただのマダオ二人だった。探し人もマダオであることに変わりはないが、あれ程酷くないと、無視してより入り組んだ路地へ入る。
かつ、何かを踏んで、足を上げるとライターだった。マヨネーズ型の見慣れたもの。顔をあげれば、いくつかの探し物を発見。
「とうしろう」
「にゃー」
真っ黒い猫が、名を呼んだら駆け寄って来た。だけどひょこひょこ駆けていて、どうやら右の前足を怪我しているようだった。抱き上げて見ると少し、腫れている。屯所へ戻ったら山崎に看てもらおう。多分どうにかなる。
問題は、でかいほうの黒猫。
「アンタも右腕ですか」
「・・・大した怪我じゃねぇよ」
「可愛くねぇの」
隊服の色に同化して見えないけれど血の匂いがする。汚い壁にぐったりと寄り掛かったままちらり、土方さんは此方を見た。
可愛くない。折角来てやったのに仏頂面だ。怪我が痛いからってのもあるだろうけれど。
「・・・そいつ、いなくなったってお前騒いでたろ」
「へぇ」
「・・・見掛けたから追っかけてたら、運悪くバカ共に出会した」
「アンタ本当に馬鹿でさァ」
猫を追っかけてたら襲撃されただなんて。しかもそれで怪我するなんて。俺の常識には当てはまらない。この人は馬鹿だ。愛しい、馬鹿。
猫を片手で抱えたまま刀を抜く。切っ先を、土方さんの腕の怪我があるだろう箇所に向けた。
「何すんだ」
「アンタが他の奴の所為で怪我したのがなんか気に食わないんで。俺が、もっと深い傷をつけてやりまさァ」
「おまえ、本当に歪んでるな」
これは真っ直ぐな好意なのに。侵害だ。そんなふうに言われてしまうと。にゃー、と不満げにとうしろうも鳴く。
土方さんが俺から何も言わずに離れるとセンサーが発動する。不安になって、姿を見つけなければ他の何も手につかない。俺は土方さんにとても依存している。こういうときに自覚させられる。
にゃーと再び鳴いて、ペロペロととうしろうが顔を舐めてきた。久々の感触に少し癒される。
「・・・総悟」
「なんですかィ」
「猫にばっかサービスしてんなよ」
左手が伸ばされてとうしろうごと抱き締められた。心配だとかがすぅっと溶けて消える。
生きててよかった、ぼやいたのが聞こえてこっちの台詞だと割りと本気で思った。
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