梅々
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受験かぁ
今日の検索フレーズはやっぱセンターの解答とかが多いのですかね。
そんなのりで土沖で現代パラレル。
土方が犯罪くさいです。
そんなのりで土沖で現代パラレル。
土方が犯罪くさいです。
声のかけかたが分からないから
声ではないもので気持ちを伝えよう
こんなふうに
目線は反らして
土方さんは黙々と、ノートと教科書を交互に見ている。オレはそんな土方さんを見ながら、けれどばれないようにゲームをやっているフリをする。
明日、明後日は土方さんにとってとても大事な日らしい。自分との決戦だな、と去年の土方さんの言葉。将来が決まっちゃうのよね、と今朝の土方さんのお母さんの言葉。
半年、いやそれよりもずっと前から、今年は「受験生」だから大変なんだ、と聞かされたし知っていた。オレの大嫌いな勉強を、家にいる間中ほとんどずっと土方さんがしているのを見てきた。夏休みとか、一緒に遊びに行ったりはしたけれど、一昨年の十分の一ぐらいしか遊んでいない。
傍にいた時間は多分変わらない。だけれど、それはただ傍にいるだけなのだ。会話をするでもなく土方さんは勉強していて、オレはそれを暇を弄びながら見ている、だけ。
だから今日だって、オレは山崎と遊ぼうと思って走って帰ってきたのに、帰ったら姉上が十四郎さんが呼んでたわよ、とにこやかに言うものだから仕方がなく隣の家の土方さん家に来たわけで。傍にいたら邪魔だろう、だからおばさんにもなにか言われるかもしれない。そんな風に心構えながらお邪魔しますと言ったけどおばさんは眉を下げいつものように迎えてくれた。
土方さんとオレとじゃあ、選択の重さに違いがある。土方さんはもう、自分一人で生きていけるほど大きくて、どの大学に行くかとか、将来に大きく関わる選択だって多い。だけれどオレにはそんな重大な選択はほとんどない。あるとしたら非行に走るだとか、そんな、もの。
「・・・よし」
パタン、と土方さんがノートを閉じた。ふう、と息をつくのを聞きながら、考え事を止めてゲームに意識を戻す。遊びに来てから二時間ぐらいは経っているのに、三十分やったときと同じぐらいしか進んでいないのは土方さんを見ていた所為なのかも。
「総悟」
「へい?」
ゲームの電源を切って顔を上げると、優しい笑みを浮かべ手招きしていた。素直に寄ってやるなんて普段はしないけれど、今日は特別。
ベッドから降りて、胡座をかく彼の前に立つ。するとぎゅうと抱き締められてついでに膝の上に座らされた。
暖かい。おまけに煙草くさい。こんなに臭くてもおばさんは土方さんの喫煙に気付いていないというのだから、不思議で堪らない。姉上よりも天然だ。
「あー癒される」
「・・・俺はぬいぐるみじゃないですぜ」
「知ってんよ」
知っていると言いながらも、土方さんはオレの体を撫でてくる。
受験が終わったら好きな所へ連れてってやるよ。と大晦日に言ってくれた。好きな所、とか言ってオレがもしディズニーランドと言ったらどうする気なのだろう。バイトだってろくにしていないのに。オレがそんなこと言わないという自信があるのだろうか?
とにかく、そんな嬉しいことを言ってくれたから、邪魔しないように先週からずっと遊びに来ていなかったのに。
「・・・なんで今日、オレを呼んだんで?」
肩に乗っけていた顔を上げて真っ正面から土方さんを見る。相変わらず男前だからオレは少し恥ずかしくなって、顔ごと視線を反らそうとしたら苦笑しながら頬を包まれた。
土方さんの手はとても大きいと、改めて思う。
「おまえに会わなきゃ、調子でなくてよ。暇だったろ、去年からずっと」
「ほんっとうに暇でした」
「そう言うなよ」
またまた苦笑しながらも優しげに目を細められて恥ずかしさが募る。
言いたかった言葉が、ある。いまなら言えるかも、とコクリ、唾を飲んで土方さんを見据える。何かを察した土方さんが言葉を促すように、オレを見る。
がんばって。
思いなら溢れんばかりにあるのにどうしてか口から出てってくれなくて。多分土方さんだってそれを言われたいだろうに。金魚のように口をパクパクさせるだけで何も言わないオレをフッと笑って、赤ん坊をあやすようによしよしされた。土方さんから見れば餓鬼だけれど、赤ん坊ではないというのに。
「・・・頑張ってくっから」
「う゛~」
「本当、癒されるわ。おまえ」
何もかもお見通しというように和まれて居たたまれない。いつもならどうせ餓鬼ですっ、とヘソを曲げるが今日ばかりはそんなことよりも、気持ちをちゃんと伝えることの方が大切だってバカなオレにだって分かっている。
だから。
「土方さん、目ェつぶって」
「ん?」
言う通りに目を瞑ってくれたから、はぁふぅと深呼吸する。
睫毛が長い。見た目に反して柔らかい黒髪をそっと触れる。いつかはこの人にも恋人ができて、オレなんかとは遊んでくれなくなるのだろう、だからそれまでは傍にいられるように。
唇を、頬に寄せた。
「・・・っ総悟?」
「・・・オレ、帰りまさァ」
「待て待て待て」
ほっぺにちゅーしたはいいけれどさっきまでと比べられないぐらい恥ずかしくって、俯いて土方さんの服を強く握った。
思った通り土方さんはビックリしていて、今さらだけれど嫌だったならどうしよう、なんてことも頭に浮かんだ。
だから帰ると告げれば必死に引き止められてこっちまでビックリだ。
「・・・土方さん?」
「なぁ、俺が合格したら、唇にしてくれるか?」
「嫌じゃ、ねぇの?」
「明日満点とれそうなぐらい嬉しいよ。だから、な?」
真っ直ぐな瞳で滅多にない柔らかい笑みを浮かべられて、断れるはずがない。
こくんと頷くと満足そうにまたオレのことを撫でだして、鼻唄を歌い始めた。
土方さんが不合格になりはずがないと確信しているオレは、土方さんにキスをねだられた時照れないことを祈るばかり。
(まっすぐあなたへ、)(この愛を!)
声ではないもので気持ちを伝えよう
こんなふうに
目線は反らして
土方さんは黙々と、ノートと教科書を交互に見ている。オレはそんな土方さんを見ながら、けれどばれないようにゲームをやっているフリをする。
明日、明後日は土方さんにとってとても大事な日らしい。自分との決戦だな、と去年の土方さんの言葉。将来が決まっちゃうのよね、と今朝の土方さんのお母さんの言葉。
半年、いやそれよりもずっと前から、今年は「受験生」だから大変なんだ、と聞かされたし知っていた。オレの大嫌いな勉強を、家にいる間中ほとんどずっと土方さんがしているのを見てきた。夏休みとか、一緒に遊びに行ったりはしたけれど、一昨年の十分の一ぐらいしか遊んでいない。
傍にいた時間は多分変わらない。だけれど、それはただ傍にいるだけなのだ。会話をするでもなく土方さんは勉強していて、オレはそれを暇を弄びながら見ている、だけ。
だから今日だって、オレは山崎と遊ぼうと思って走って帰ってきたのに、帰ったら姉上が十四郎さんが呼んでたわよ、とにこやかに言うものだから仕方がなく隣の家の土方さん家に来たわけで。傍にいたら邪魔だろう、だからおばさんにもなにか言われるかもしれない。そんな風に心構えながらお邪魔しますと言ったけどおばさんは眉を下げいつものように迎えてくれた。
土方さんとオレとじゃあ、選択の重さに違いがある。土方さんはもう、自分一人で生きていけるほど大きくて、どの大学に行くかとか、将来に大きく関わる選択だって多い。だけれどオレにはそんな重大な選択はほとんどない。あるとしたら非行に走るだとか、そんな、もの。
「・・・よし」
パタン、と土方さんがノートを閉じた。ふう、と息をつくのを聞きながら、考え事を止めてゲームに意識を戻す。遊びに来てから二時間ぐらいは経っているのに、三十分やったときと同じぐらいしか進んでいないのは土方さんを見ていた所為なのかも。
「総悟」
「へい?」
ゲームの電源を切って顔を上げると、優しい笑みを浮かべ手招きしていた。素直に寄ってやるなんて普段はしないけれど、今日は特別。
ベッドから降りて、胡座をかく彼の前に立つ。するとぎゅうと抱き締められてついでに膝の上に座らされた。
暖かい。おまけに煙草くさい。こんなに臭くてもおばさんは土方さんの喫煙に気付いていないというのだから、不思議で堪らない。姉上よりも天然だ。
「あー癒される」
「・・・俺はぬいぐるみじゃないですぜ」
「知ってんよ」
知っていると言いながらも、土方さんはオレの体を撫でてくる。
受験が終わったら好きな所へ連れてってやるよ。と大晦日に言ってくれた。好きな所、とか言ってオレがもしディズニーランドと言ったらどうする気なのだろう。バイトだってろくにしていないのに。オレがそんなこと言わないという自信があるのだろうか?
とにかく、そんな嬉しいことを言ってくれたから、邪魔しないように先週からずっと遊びに来ていなかったのに。
「・・・なんで今日、オレを呼んだんで?」
肩に乗っけていた顔を上げて真っ正面から土方さんを見る。相変わらず男前だからオレは少し恥ずかしくなって、顔ごと視線を反らそうとしたら苦笑しながら頬を包まれた。
土方さんの手はとても大きいと、改めて思う。
「おまえに会わなきゃ、調子でなくてよ。暇だったろ、去年からずっと」
「ほんっとうに暇でした」
「そう言うなよ」
またまた苦笑しながらも優しげに目を細められて恥ずかしさが募る。
言いたかった言葉が、ある。いまなら言えるかも、とコクリ、唾を飲んで土方さんを見据える。何かを察した土方さんが言葉を促すように、オレを見る。
がんばって。
思いなら溢れんばかりにあるのにどうしてか口から出てってくれなくて。多分土方さんだってそれを言われたいだろうに。金魚のように口をパクパクさせるだけで何も言わないオレをフッと笑って、赤ん坊をあやすようによしよしされた。土方さんから見れば餓鬼だけれど、赤ん坊ではないというのに。
「・・・頑張ってくっから」
「う゛~」
「本当、癒されるわ。おまえ」
何もかもお見通しというように和まれて居たたまれない。いつもならどうせ餓鬼ですっ、とヘソを曲げるが今日ばかりはそんなことよりも、気持ちをちゃんと伝えることの方が大切だってバカなオレにだって分かっている。
だから。
「土方さん、目ェつぶって」
「ん?」
言う通りに目を瞑ってくれたから、はぁふぅと深呼吸する。
睫毛が長い。見た目に反して柔らかい黒髪をそっと触れる。いつかはこの人にも恋人ができて、オレなんかとは遊んでくれなくなるのだろう、だからそれまでは傍にいられるように。
唇を、頬に寄せた。
「・・・っ総悟?」
「・・・オレ、帰りまさァ」
「待て待て待て」
ほっぺにちゅーしたはいいけれどさっきまでと比べられないぐらい恥ずかしくって、俯いて土方さんの服を強く握った。
思った通り土方さんはビックリしていて、今さらだけれど嫌だったならどうしよう、なんてことも頭に浮かんだ。
だから帰ると告げれば必死に引き止められてこっちまでビックリだ。
「・・・土方さん?」
「なぁ、俺が合格したら、唇にしてくれるか?」
「嫌じゃ、ねぇの?」
「明日満点とれそうなぐらい嬉しいよ。だから、な?」
真っ直ぐな瞳で滅多にない柔らかい笑みを浮かべられて、断れるはずがない。
こくんと頷くと満足そうにまたオレのことを撫でだして、鼻唄を歌い始めた。
土方さんが不合格になりはずがないと確信しているオレは、土方さんにキスをねだられた時照れないことを祈るばかり。
(まっすぐあなたへ、)(この愛を!)
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