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梅々

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不倫旅行

昨日は鎌倉へ行き今日は総司忌とナルト展いってきました!
ナルト全巻ほしい。




それではワンドロの旅行で小ネタです。
例によって例の不倫っぽさ。









鳥のさえずりが、いつもよりも大きく聞こえる気がする。
布団の中から窓の外を見ようと首を伸ばすけれど青い空と緑の木々の先しか見えない。
隣の温もりが気持ち良くって、ずっとこのままでいたいけれど窓の外も見てみたい。
いつもと違う風景、いつもと違う空気。
だからこそ許されるのだ、隣にいることを。
ちらりと顔を見るとすやすやと眠っている。その寝顔は学生の頃とあんまり変わりがない。思えばあのころからずっとこの人のことが好きだった。ふっと口角が緩む。
やっぱり外を見ようと布団を静かに抜け出して窓辺のいすに腰掛ける。
青々とした木が風に揺れている。その向こうに昨日歩いた温泉街の街並みがあり、さらに向こうには微かに海が見える。
綺麗だ。
ただ綺麗で何もない。
知ってる人もいないし、やらなければならいこともめんどくさいことも何もない。
その幸せにただ浸れればいいのだけれど、お気楽な俺だってそうはいかない。
明日、帰ったら。
次はいつ会えるのだろう。
いつ連絡ができるのだろう。
そもそも次はあるのだろうか。
俺は、子どもの頃からずっと変わらずアンタを思っているけれど。
「そうご?」
抜けてきた布団から呼びかけられて振り返る。
眠そうに瞬きをして此方を見つめる土方さんにおはようございやすと返すと、うなり声が届いた。
朝が弱いのも変わりがない。布団の脇に膝をつくと、緩慢な動きで土方さんは腕を伸ばす。
項を撫でた指が俺を招き寄せて、唇が奪われる。
ちゅっと一度ふれて、二度目からは啄むように、何度も。
項に触れていた指が背を撫でる。そのうごきが昨夜のことを思い出させて一気に体が火照った。濡れた声が漏れてしまう。
「したい」
胸の上に手をついて浅ましく強請る。
浴衣の中へ手を忍ばせて、首筋に口づけて、鎖骨のくぼみを舌で辿る。
「珍しいな、おまえがそういうこと言うの」
普段言わないようにしているだけだ。
俺のものには決してならない土方さんを、俺のものにしたい。ずっとずっとそう思ってる。
「たまにはいいでしょ」
「いつもでもいい」
そう囁いて俺を布団へ押し倒しのし掛かる、土方さんはすっかり男の顔をしている。
その目で俺だけを見ていればいいのに。
帰りたくないなんて、柄にもないことを考えかけて頭から振り払った。

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