梅々
苑咲早良が運営する銀魂BL小説サイトです。 心意気は18禁。 著作権的な何かは放棄していません。マナーは守ってください。 メールフォームやコメント欄は下にありますので、何かございましたらお気軽にご使用ください。感想とか頂ければ舞い上がります! 不定期更新な別館を作成しました。ミツバさん愛してる! 気が向いたらお越しください→http://tokosienoai.dou-jin.com/
ドリーム
いい夢を見ました。3Zで仲良しトリオが三人でお弁当を食べてたら「そういや俺、」と不審者に遭遇したことを話し出す夢でした。最近この手の夢を見ることが多いのは私の行いがいいから?・・・違うか。
拍手ありがとうございます(*^^*)
やる気がめきめきでますね、やっぱ。
あと、アンケートもありがとうございました。
今年は無理ですが来年あたり、コピー本でも作ってみたいなぁと思います。人様に見せられるようなものを!
それで、新しいアンケートを設置いたしました。詳しくはアンケートのところにありますのでお暇ならぽちっと押してやってください。もしかしたら票がはいったもの全部書くかもしれないです←
では、遅くなりましたが節分後編です!
節分関係ないことには、目を瞑ってください。
拍手ありがとうございます(*^^*)
やる気がめきめきでますね、やっぱ。
あと、アンケートもありがとうございました。
今年は無理ですが来年あたり、コピー本でも作ってみたいなぁと思います。人様に見せられるようなものを!
それで、新しいアンケートを設置いたしました。詳しくはアンケートのところにありますのでお暇ならぽちっと押してやってください。もしかしたら票がはいったもの全部書くかもしれないです←
では、遅くなりましたが節分後編です!
節分関係ないことには、目を瞑ってください。
鬼は外
鬼は内
浅ましき魍魎
溜まっていた書類も全て片付いて、デスクワークに疲れた体を解す。急ぎの仕事もないしもう午後はいいか、とバタンと後ろに倒れる。
これで、今日はアイツを構ってやれる。拗ねて何処か行ってしまったけれどその様子も可愛いと思ってしまう自分がとても薄ら寒い。なんて自覚しているのにそれを悪く思わない俺は端から見たら大層気持ち悪いのだろう。
だから、総悟にも断られると思っていた。想いを伝えたわけではなく、ただ付き合えと言っただけだが、総悟は首を縦に振った。だから、そう。想いを伝えたなら今度こそ総悟は遠退く。俺が彼女を裏切らないようにでも理由はなんでもいい。傍にいてくれるのなら、他には望まない。
山崎がいれば一番手っ取り早いのだがいないので、自ら屯所中を探してみたが、総悟の姿は見当たらなかった。町へ出たとすると探すのは困難だ。なんせ、俺に見つからないようにと総悟は彼方此方の甘味処をテリトリーにしていて、俺はその半分程しか知らないからだ。
どうするか、取り敢えず自室へ帰りがてら頭を抱えていると、向こうから見回り帰りであろうキャラの濃い男が歩いてきた。神山だ。神山は軽く会釈し擦れ違おうとしたが、呼び止める。
こいつは一番隊だ、もしかしたら総悟のことを知っているかもしれない。若干ストーカーチックでもあるし。
「総悟、見なかったか?」
「沖田隊長ですか?」
「ああ」
「そういえば、あの銀髪の侍とニケツしていましたよ。あの華奢な腕を腰に巻き付けて、」
「どこで見た?」
「あーあれは、武州へ続く公道だったような・・・」
発言と行動が若干危ないが、神山は信用できる男だ、総悟は、本当に万事屋と武州へ向かったのだろう。一体なんでまた。
礼を言い、荷物を手に屯所を出た。覆面パトカーに乗り込み、後を追う。見回りのついでだ、言い訳は自分へ当てたものだ。
神山の言葉の所為、ではないけれど、ニケツしている二人の姿が脳裏をちらつく。あの万事屋は何においても目障りだ。後からひょいと現れたくせに、容易に総悟の懐の内側に入り込んだのが解せない。俺でさえ、危うい所なのに。
もう手放したくないというのに、不安が拭いきれない。万事屋に奪われてしまいそうで、怖くもある。
「・・・手にいれたわけじゃあねぇのに」
アクセルを強く踏み、灰色の空の下故郷へ向かった。
*
車から降りると、冷たい空気が肌を刺した。上着を持ってきて正解だった。山間にあるからかより寒く、雪も白く残っている。丘の上に、彼女の墓はある。だがそこへ続く道は車では通れない細さで渋々、車を路肩へ寄せた。
過去に数度、此処へ来た。その殆どが一人だったのは誰にも告げずに来ていたからだ。総悟は親族であるから、四十九日等は非番になるよう調整して、墓参りに訪れることができるようにしていた。だが、俺は。もし近藤さんに言えば二つ返事で俺も来れるようにしてくれていただろう。けれども総悟は、許しはしないはずだ。言葉に言い表せない関係が、ミツバを通じて俺らにはある。名ばかりのお付き合いという関係じゃ、太刀打ちできないほど強大で複雑な距離が。
ゆっくりと丘を上っていく。彼女の墓の前に二人の人間が佇んでいるのがうっすらと分かる。
―――――一度でいいから、その心を知りたい。憎んでいても、嫌っていてもいい、俺に抱いている感情を知りたい。どれほどの強さで、俺を思ってくれているのか。
「あ、お迎え」
「へ・・・?」
先に万事屋が気付きその言葉に、純粋に首を傾げながら総悟が振り返った。久々に見る、素の表情だった。驚いて目をまんまるくしている。幼い頃から、変わらない表情だ。
「帰んぞ」
「・・・な、んで・・・」
此処に。
聞こえた呟きは掠れていた。その姿は私服でもあるせいか、頼りない。真選組の誇る斬り込み隊長も、隊服を脱げば儚く、青年というより少年にしか見えない。刀を持っていない腕はあまりにもか弱い。
そんな彼の隣に、俺はいつだっていたい。上司として、兄貴分として、悪友として。肩書きはなんでもいい、一番で総悟を見守ることができるなら。
「んじゃ、俺は退散しまーす」
「えっ・・・ちょ、旦那ァ!」
道化た様子で帰り道を行く彼奴に、縋るように総悟は呼び掛ける。それにはヒラヒラ手を振り銀髪は、がんばれよ、とニヤニヤ言った。うるせぇと返せば、銀髪はヘタレ、と聞き捨てならぬ言葉を残し本当に、帰路へついた。
気まずそうに姉の墓標を眺め、総悟ははぁ、と溜め息を吐く。付き合っている相手と二人っきりなのに溜め息を吐くなんて可笑しいだろう、そう思って、そこに感情が伴わないことに気付く。俺は嫌われているのだから、仕方がない。傍に居てくれるだけでいい、そう思ったばかりじゃないか。
「・・・俺今日非番なんだから、迎えに来る必要なんてねぇのに」
「俺が来たかったんだよ」
「姉上に、会いに?」
「おまえと、ミツバに会いに」
総悟が唯一俺を過大評価している点がある。それは、俺が一途に彼女を思っているという点だ。確かに、いつまでも彼女は大切だが、総悟の思うように一途で絶対ではない。だから、俺は総悟を。
彼女は許してくれるだろうか。否、許してくれていた。総悟を幸せにしろと彼女は言っていたのだから。
それが、本当に幸せかは分からない。だけど、俺はその手を選ばずにはいられない。
今まで逃げていた、それこそ万事屋の言うヘタレのように。だが、今日は。彼女の前だからこそ。
「・・・話がある」
「なんですかィ、改まって」
「・・・俺はおまえの傍に一生、いや未来永劫ずっと一緒にいたい」
ヒュッと空気を吸う音が、少し離れた此処からでも聞こえた。そのまま俺を写して固まった総悟の元へゆっくりと歩む。これで拒まれたら、元の関係へ戻ろう。上司として腐れ縁として、その細い体を支えていこう。
頬を撫でた手は張り詰めた糸に触れたようだったが、拒まれることはなかった。
「・・・あ、当たり前じゃねぇですか。俺もあんたも、近藤さんの傍にいるんだから」
「そうじゃなくて、」
「じゃあなんだって言うんで? 愛の告白でもあるまいし」
「告白だよ」
触れたことにより言い返さなければという思考が働いたのか、頼りなくもいつものように反論し始めたがまた驚いて固まってしまう。
滑らかな頬を撫でつつ言葉を待てば、次第に総悟の頬が染まりゆく。
新鮮な反応に胸が踊った。
「信じらんねェ・・・姉上の前でよくもそんなこと・・・」
「ミツバの前だからこそだ。・・・あいつのことを愛してる。だけど同じぐらいお前が愛しくて堪らねぇ」
「なっ・・・!」
益々赤くなって、総悟はチラリと背後の墓標を見た。
ふわりと、優しい春風にも似た微風が髪を舞わせる。
「・・・俺が幸せだと、姉上は喜ぶって」
「絶対、そうだろうな」
「それが、アンタを奪うことになっても?」
今にも泣きそうな顔で、総悟は縋るように俺を熟視た。意図せずともその華奢な体を抱き締めて、ああと頷く。
疑心暗鬼になっていたのだ。思い出の中の彼女を辿れば彼女なら許してくれると分かっていたのに。罪悪感から彼女を戒めに利用していた。それこそ罪深い。
「・・・じゃあ生きてる間だけでいい。俺はあんたが欲しい・・・」
「もし生まれ変わったら、今度は三人でいればいい。そうだろ?」
「・・・近藤さんが抜けてまさァ」
「それとこれとは話が違うだろ」
「へへっ」
鮮やかな瞳を潤ませて、春の温もりのような笑顔を浮かべた彼に恋心をより募らせる。
胸から愛しさが溢れて、唇を重ねた。
鬼は内
浅ましき魍魎
溜まっていた書類も全て片付いて、デスクワークに疲れた体を解す。急ぎの仕事もないしもう午後はいいか、とバタンと後ろに倒れる。
これで、今日はアイツを構ってやれる。拗ねて何処か行ってしまったけれどその様子も可愛いと思ってしまう自分がとても薄ら寒い。なんて自覚しているのにそれを悪く思わない俺は端から見たら大層気持ち悪いのだろう。
だから、総悟にも断られると思っていた。想いを伝えたわけではなく、ただ付き合えと言っただけだが、総悟は首を縦に振った。だから、そう。想いを伝えたなら今度こそ総悟は遠退く。俺が彼女を裏切らないようにでも理由はなんでもいい。傍にいてくれるのなら、他には望まない。
山崎がいれば一番手っ取り早いのだがいないので、自ら屯所中を探してみたが、総悟の姿は見当たらなかった。町へ出たとすると探すのは困難だ。なんせ、俺に見つからないようにと総悟は彼方此方の甘味処をテリトリーにしていて、俺はその半分程しか知らないからだ。
どうするか、取り敢えず自室へ帰りがてら頭を抱えていると、向こうから見回り帰りであろうキャラの濃い男が歩いてきた。神山だ。神山は軽く会釈し擦れ違おうとしたが、呼び止める。
こいつは一番隊だ、もしかしたら総悟のことを知っているかもしれない。若干ストーカーチックでもあるし。
「総悟、見なかったか?」
「沖田隊長ですか?」
「ああ」
「そういえば、あの銀髪の侍とニケツしていましたよ。あの華奢な腕を腰に巻き付けて、」
「どこで見た?」
「あーあれは、武州へ続く公道だったような・・・」
発言と行動が若干危ないが、神山は信用できる男だ、総悟は、本当に万事屋と武州へ向かったのだろう。一体なんでまた。
礼を言い、荷物を手に屯所を出た。覆面パトカーに乗り込み、後を追う。見回りのついでだ、言い訳は自分へ当てたものだ。
神山の言葉の所為、ではないけれど、ニケツしている二人の姿が脳裏をちらつく。あの万事屋は何においても目障りだ。後からひょいと現れたくせに、容易に総悟の懐の内側に入り込んだのが解せない。俺でさえ、危うい所なのに。
もう手放したくないというのに、不安が拭いきれない。万事屋に奪われてしまいそうで、怖くもある。
「・・・手にいれたわけじゃあねぇのに」
アクセルを強く踏み、灰色の空の下故郷へ向かった。
*
車から降りると、冷たい空気が肌を刺した。上着を持ってきて正解だった。山間にあるからかより寒く、雪も白く残っている。丘の上に、彼女の墓はある。だがそこへ続く道は車では通れない細さで渋々、車を路肩へ寄せた。
過去に数度、此処へ来た。その殆どが一人だったのは誰にも告げずに来ていたからだ。総悟は親族であるから、四十九日等は非番になるよう調整して、墓参りに訪れることができるようにしていた。だが、俺は。もし近藤さんに言えば二つ返事で俺も来れるようにしてくれていただろう。けれども総悟は、許しはしないはずだ。言葉に言い表せない関係が、ミツバを通じて俺らにはある。名ばかりのお付き合いという関係じゃ、太刀打ちできないほど強大で複雑な距離が。
ゆっくりと丘を上っていく。彼女の墓の前に二人の人間が佇んでいるのがうっすらと分かる。
―――――一度でいいから、その心を知りたい。憎んでいても、嫌っていてもいい、俺に抱いている感情を知りたい。どれほどの強さで、俺を思ってくれているのか。
「あ、お迎え」
「へ・・・?」
先に万事屋が気付きその言葉に、純粋に首を傾げながら総悟が振り返った。久々に見る、素の表情だった。驚いて目をまんまるくしている。幼い頃から、変わらない表情だ。
「帰んぞ」
「・・・な、んで・・・」
此処に。
聞こえた呟きは掠れていた。その姿は私服でもあるせいか、頼りない。真選組の誇る斬り込み隊長も、隊服を脱げば儚く、青年というより少年にしか見えない。刀を持っていない腕はあまりにもか弱い。
そんな彼の隣に、俺はいつだっていたい。上司として、兄貴分として、悪友として。肩書きはなんでもいい、一番で総悟を見守ることができるなら。
「んじゃ、俺は退散しまーす」
「えっ・・・ちょ、旦那ァ!」
道化た様子で帰り道を行く彼奴に、縋るように総悟は呼び掛ける。それにはヒラヒラ手を振り銀髪は、がんばれよ、とニヤニヤ言った。うるせぇと返せば、銀髪はヘタレ、と聞き捨てならぬ言葉を残し本当に、帰路へついた。
気まずそうに姉の墓標を眺め、総悟ははぁ、と溜め息を吐く。付き合っている相手と二人っきりなのに溜め息を吐くなんて可笑しいだろう、そう思って、そこに感情が伴わないことに気付く。俺は嫌われているのだから、仕方がない。傍に居てくれるだけでいい、そう思ったばかりじゃないか。
「・・・俺今日非番なんだから、迎えに来る必要なんてねぇのに」
「俺が来たかったんだよ」
「姉上に、会いに?」
「おまえと、ミツバに会いに」
総悟が唯一俺を過大評価している点がある。それは、俺が一途に彼女を思っているという点だ。確かに、いつまでも彼女は大切だが、総悟の思うように一途で絶対ではない。だから、俺は総悟を。
彼女は許してくれるだろうか。否、許してくれていた。総悟を幸せにしろと彼女は言っていたのだから。
それが、本当に幸せかは分からない。だけど、俺はその手を選ばずにはいられない。
今まで逃げていた、それこそ万事屋の言うヘタレのように。だが、今日は。彼女の前だからこそ。
「・・・話がある」
「なんですかィ、改まって」
「・・・俺はおまえの傍に一生、いや未来永劫ずっと一緒にいたい」
ヒュッと空気を吸う音が、少し離れた此処からでも聞こえた。そのまま俺を写して固まった総悟の元へゆっくりと歩む。これで拒まれたら、元の関係へ戻ろう。上司として腐れ縁として、その細い体を支えていこう。
頬を撫でた手は張り詰めた糸に触れたようだったが、拒まれることはなかった。
「・・・あ、当たり前じゃねぇですか。俺もあんたも、近藤さんの傍にいるんだから」
「そうじゃなくて、」
「じゃあなんだって言うんで? 愛の告白でもあるまいし」
「告白だよ」
触れたことにより言い返さなければという思考が働いたのか、頼りなくもいつものように反論し始めたがまた驚いて固まってしまう。
滑らかな頬を撫でつつ言葉を待てば、次第に総悟の頬が染まりゆく。
新鮮な反応に胸が踊った。
「信じらんねェ・・・姉上の前でよくもそんなこと・・・」
「ミツバの前だからこそだ。・・・あいつのことを愛してる。だけど同じぐらいお前が愛しくて堪らねぇ」
「なっ・・・!」
益々赤くなって、総悟はチラリと背後の墓標を見た。
ふわりと、優しい春風にも似た微風が髪を舞わせる。
「・・・俺が幸せだと、姉上は喜ぶって」
「絶対、そうだろうな」
「それが、アンタを奪うことになっても?」
今にも泣きそうな顔で、総悟は縋るように俺を熟視た。意図せずともその華奢な体を抱き締めて、ああと頷く。
疑心暗鬼になっていたのだ。思い出の中の彼女を辿れば彼女なら許してくれると分かっていたのに。罪悪感から彼女を戒めに利用していた。それこそ罪深い。
「・・・じゃあ生きてる間だけでいい。俺はあんたが欲しい・・・」
「もし生まれ変わったら、今度は三人でいればいい。そうだろ?」
「・・・近藤さんが抜けてまさァ」
「それとこれとは話が違うだろ」
「へへっ」
鮮やかな瞳を潤ませて、春の温もりのような笑顔を浮かべた彼に恋心をより募らせる。
胸から愛しさが溢れて、唇を重ねた。
PR
TRACKBACK
TrackbackURL
COMMENT