梅々
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センター一日目お疲れ様
- 2012/01/14 (Sat) |
- 土沖 |
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課題いっこ終わりました!明後日の試験に備えてました。なんとかなるかな。英語だし。
今日はセンターでしたね!こちらはお天気に恵まれました。懐かしいなぁ。記念受験しました。懐かしいなぁ。
それでは小ネタのはずだったセンターネタ土方と沖田。土沖チックかなぁ。
今日はセンターでしたね!こちらはお天気に恵まれました。懐かしいなぁ。記念受験しました。懐かしいなぁ。
それでは小ネタのはずだったセンターネタ土方と沖田。土沖チックかなぁ。
せっかく覚えた公式が吹っ飛びそうだ
hit and run
ぱらぱら眺めていた参考書を閉じ、ふぅと体を伸ばす。時計を見れば10時前だ。そろそろ寝ようかと思いながら、その前に一服と引き出しから煙草を取り出す。
親にはまだ喫煙がばれていない、と思っているがはたしてどうなのか。試しに服を嗅いでみるが柔軟剤の匂いしかしない。部屋に匂いがつかないようにとベランダへ出て、くわえた煙草に火をつけた。
明日はセンター試験だ。明日の結果次第で今後の人生が大きく変わる。今までにないほど選択肢があり、重要な人生の岐路。だが実際は、明日までの自分の努力が試されるわけだから大したもんでもないのかもしれない。模試の結果も安全圏だったし、体調も万全だ。だからといって気を抜けないのは未だにかわらないが。
寄りかかっていたベランダの柵の向こうをちらりと見る。隣の家の窓はカーテンが引かれ、隣人が起きているのか寝ているのか、何も分からない。
総悟は文系で俺は理系で、始まる時間が違うから明日は試験が終わるまで会えるか分からない。それが、どうでもいいようなことなのに気になる。歯の間にものが挟まったときのような、使いきったあとに容器の底にマヨが残ってるのを見たときのような。毎朝起こしに行っていたから、朝、顔を合わせるのが当たり前になっていたからこんなにも気にかかるのだろう。会えないことに若干の不快感を抱くぐらい。
だから、朝起こしに行って、一緒に行くと言ったのだ、我ながらなんとも馬鹿馬鹿しい提案だったけれど。わざわざ二科目分早く行ったりはしない。常識論と共に一蹴されたのは当然。ただ、いつも通り馬鹿にしてきた総悟の視線が初めて向けられた、優しげなもので吃驚した。餓鬼の頃から傍にいたのに、あんな目で見られたのは初めてだった。誰に向けるものとも違った。
進学したら離れるのだから、いい加減に総悟離れするべきなのだ。分かっているのについ気にかけて、いまもまた、アイツのことを考えていたら煙草も随分短くなっていた。
煙草を携帯灰皿にしまい、カラカラとガラス戸を開けた時だった。背後から、同じようにガラス戸を開ける音がした。え、と振り返る。そこは総悟の部屋で、つまり総悟がいまそこにいるということで。見飽きた顔なのに無性に見たくなって顔を向けたら視界は暗転した。同時に、べちっと肌に何かが当たる感覚。
「いてっ」
反射的に目を閉じると、投げられたであろう物は下に落ちて、代わりに部屋の中でガラス戸を閉める憎たらしい幼馴染みの姿が見えた。きっと睨んでる目と視線があったのは一瞬で、ざっとカーテンが引かれた。
何だったの今の。痛みに沸いた怒りも萎み疑問だけが残った。いつにも増して意味不明なことをしやがって、おまえ明日は大丈夫なのか。受かったとしても同じところへ行けるわけではないが、それでも合格してほしいから。俺がどれだけお前の心配をしていることか。思い知れっつうの。
顔を擦りつつ、そういえば何を投げられたのだろうと屈んで足元に落ちていたそれに手を伸ばす。
御守りだった。近所の神社の必勝の守りだ。しかも部屋に入って見ると裏面に土方落ちろと書いてあるのが分かった。矛盾してる、こんなこと書くなら渡さなきゃいいだろうに。いや、渡されてない、攻撃された。ばかなやつ。
「……素直になりゃいいのに」
胸と同時に口元までむずむずして、誰が見てるわけでもないのに口元を覆った。握りしめた御守りには恐らく総悟の胸中とは違う、落ちろの文字。照れ隠しに書いて、照れ隠しに攻撃して、照れ隠しに睨まれた。これがただの野球ボールだったならこんなことにはならなかったのに、今、総悟に抱いたことのない感情が胸で渦巻いている。
明日、会ったら。抱き締めてもいいだろうか。
hit and run
ぱらぱら眺めていた参考書を閉じ、ふぅと体を伸ばす。時計を見れば10時前だ。そろそろ寝ようかと思いながら、その前に一服と引き出しから煙草を取り出す。
親にはまだ喫煙がばれていない、と思っているがはたしてどうなのか。試しに服を嗅いでみるが柔軟剤の匂いしかしない。部屋に匂いがつかないようにとベランダへ出て、くわえた煙草に火をつけた。
明日はセンター試験だ。明日の結果次第で今後の人生が大きく変わる。今までにないほど選択肢があり、重要な人生の岐路。だが実際は、明日までの自分の努力が試されるわけだから大したもんでもないのかもしれない。模試の結果も安全圏だったし、体調も万全だ。だからといって気を抜けないのは未だにかわらないが。
寄りかかっていたベランダの柵の向こうをちらりと見る。隣の家の窓はカーテンが引かれ、隣人が起きているのか寝ているのか、何も分からない。
総悟は文系で俺は理系で、始まる時間が違うから明日は試験が終わるまで会えるか分からない。それが、どうでもいいようなことなのに気になる。歯の間にものが挟まったときのような、使いきったあとに容器の底にマヨが残ってるのを見たときのような。毎朝起こしに行っていたから、朝、顔を合わせるのが当たり前になっていたからこんなにも気にかかるのだろう。会えないことに若干の不快感を抱くぐらい。
だから、朝起こしに行って、一緒に行くと言ったのだ、我ながらなんとも馬鹿馬鹿しい提案だったけれど。わざわざ二科目分早く行ったりはしない。常識論と共に一蹴されたのは当然。ただ、いつも通り馬鹿にしてきた総悟の視線が初めて向けられた、優しげなもので吃驚した。餓鬼の頃から傍にいたのに、あんな目で見られたのは初めてだった。誰に向けるものとも違った。
進学したら離れるのだから、いい加減に総悟離れするべきなのだ。分かっているのについ気にかけて、いまもまた、アイツのことを考えていたら煙草も随分短くなっていた。
煙草を携帯灰皿にしまい、カラカラとガラス戸を開けた時だった。背後から、同じようにガラス戸を開ける音がした。え、と振り返る。そこは総悟の部屋で、つまり総悟がいまそこにいるということで。見飽きた顔なのに無性に見たくなって顔を向けたら視界は暗転した。同時に、べちっと肌に何かが当たる感覚。
「いてっ」
反射的に目を閉じると、投げられたであろう物は下に落ちて、代わりに部屋の中でガラス戸を閉める憎たらしい幼馴染みの姿が見えた。きっと睨んでる目と視線があったのは一瞬で、ざっとカーテンが引かれた。
何だったの今の。痛みに沸いた怒りも萎み疑問だけが残った。いつにも増して意味不明なことをしやがって、おまえ明日は大丈夫なのか。受かったとしても同じところへ行けるわけではないが、それでも合格してほしいから。俺がどれだけお前の心配をしていることか。思い知れっつうの。
顔を擦りつつ、そういえば何を投げられたのだろうと屈んで足元に落ちていたそれに手を伸ばす。
御守りだった。近所の神社の必勝の守りだ。しかも部屋に入って見ると裏面に土方落ちろと書いてあるのが分かった。矛盾してる、こんなこと書くなら渡さなきゃいいだろうに。いや、渡されてない、攻撃された。ばかなやつ。
「……素直になりゃいいのに」
胸と同時に口元までむずむずして、誰が見てるわけでもないのに口元を覆った。握りしめた御守りには恐らく総悟の胸中とは違う、落ちろの文字。照れ隠しに書いて、照れ隠しに攻撃して、照れ隠しに睨まれた。これがただの野球ボールだったならこんなことにはならなかったのに、今、総悟に抱いたことのない感情が胸で渦巻いている。
明日、会ったら。抱き締めてもいいだろうか。
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